売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01492 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

① 財政状態の状況

(流動資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は6,459百万円で、前連結会計年度末に比べ127百万円増加しております。主な増加要因は、棚卸資産の増加544百万円であり、主な減少要因は、現金及び預金の減少220百万円、受取手形及び売掛金の減少155百万円であります。

(固定資産)

当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は2,899百万円で、前連結会計年度末に比べ13百万円増加しております。主な増加要因は、投資その他の資産の増加65百万円であり、主な減少要因は、有形固定資産の減少51百万円であります。

(流動負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は5,189百万円で、前連結会計年度末に比べ117百万円減少しております。主な増加要因は、電子記録債務の増加2,168百万円、未払法人税等の増加144百万円であり、主な減少要因は、支払手形及び買掛金の減少1,725百万円、前受金の減少812百万円であります。

(固定負債)

当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は1,170百万円で、前連結会計年度末に比べ59百万円減少しております。主な増加要因は、繰延税金負債の増加52百万円、退職給付に係る負債の増加17百万円であり、主な減少要因は、長期借入金の減少130百万円であります。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は2,999百万円で、前連結会計年度末に比べ318百万円増加しております。主な増加要因は、利益剰余金の増加430百万円であり、主な減少要因は、自己株式の増加149百万円であります。

 

② 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、経済活動の正常化に伴う個人消費やインバウンド需要の回復などから、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、ウクライナ情勢の長期化やイスラエル・パレスチナ情勢の深刻化に加え、中国経済の減速や原材料・エネルギー価格の高止まりなど、不安定な世界情勢の影響による設備投資や個人消費の下振れリスクもあり、依然として不透明な状況が続いております。

こうした状況の下、当社グループは、引き続き新規顧客の開拓や販売力の強化、ならびに生産工程の改善活動などによる生産性の向上に積極的に取り組んでまいりました。

その結果、当第3四半期連結累計期間においては、売上高は6,752百万円(前年同四半期比42.3%増)、営業利益は752百万円(前年同四半期比99.3%増)、経常利益は748百万円(前年同四半期比113.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は511百万円(前年同四半期比45.7%増)となりました。

当社グループは、1工場で工作機械の製造を行い、販売するという単一事業を展開しております。

以下「機種別」に市場動向、販売状況等を補足させていただきます。

 

1) ラップ盤

国内外の300ミリ半導体シリコンウエーハ加工用に加え、パワー半導体ウエーハ加工用装置の需要が堅調に推移しました。なお、パワー半導体ウエーハ材は、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)に加え、GaAs(ガリウムヒ素)やAlN(窒化アルミニウム)などについても、国内外からその加工装置の引き合いが増加しており、その結果、売上高は4,553百万円(前年同四半期比118.8%増)となりました。

2) ホブ盤、フライス盤

ホブ盤では、国内外の釣具関連部品の加工用装置、ならびにロボット・自動倉庫等に使用される各種減速機向歯車の加工用装置の販売が、ともに前期の大口需要の反動から減少しました。また、フライス盤では国内外向いずれも需要が伸び悩み、売上高はあわせて662百万円(前年同四半期比43.0%減)となりました。

3) 部品、歯車

光学関連部品や半導体シリコンウエーハ加工用の部品・消耗品の販売は堅調に推移した一方で、その他の加工物用の部品・消耗品の販売が伸び悩んだ結果、売上高は1,536百万円(前年同四半期比2.2%増)となりました。

 

(2) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

当社グループを取り巻く事業環境は、経済活動の正常化に伴う個人消費やインバウンド需要の回復などから、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、ウクライナ情勢の長期化やイスラエル・パレスチナ情勢の深刻化に加え、中国経済の減速や原材料・エネルギー価格の高止まりなど、不安定な世界情勢の影響による設備投資や個人消費の下振れリスクもあり、依然として不透明な状況が続いております。

このような経営環境の下、販売戦略につきましては、主力製品のラップ盤は、半導体シリコンウエーハ加工用やSiC(炭化ケイ素)などのパワー半導体素材加工用、及び光学関連部品加工用、自動車部品加工用をはじめとする金属部品加工用ファイングラインディングマシン等の拡販に引き続き、注力してまいります。

また、ホブ盤につきましては、新製品の新型ホブ盤を市場投入することで、釣具関連部品、電動工具用歯車、各種減速機向歯車、及びEV向を含む自動車部品加工用等の販売を一段と強化してまいります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資本の財源につきましては、利益剰余金を積み上げることにより、株主資本を充実させることを基本としております。また、資本の増強につきましては、事業展開に応じて直接金融等を通じて戦略的かつ機動的に対応することもその手段としては、排除しておりません。

当社グループは、事業運営上必要な流動性を安定的に確保することを基本方針としておりますが、金融上のリスクに対応するため、取引金融機関との間でシンジケーション方式のコミットメントライン契約を締結し、手元流動性を確保しております。

なお、シンジケーション方式のコミットメントライン契約には、財務制限条項が付されておりますが、当第3四半期連結累計期間において財務制限条項に抵触しておりません。詳細につきましては、「第4「経理の状況」 1「四半期連結財務諸表」 「注記事項」 「追加情報」」をご参照ください。

 

 

(5) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループは、従来から取り組んでおります以下の5つの課題につきまして、引き続き、積極的に取り組んでまいります。

① 販売体制及びテクニカルサービス体制の拡充

東南アジア市場等のほか、特に北米市場及びインド市場でのテクニカルサービス体制の構築を含む有力代理店網の組成に鋭意取組中であります。

② お客様のニーズに沿った新製品の開発、及び既存製品の改良改善

新型ホブ盤の量産機の完成を急ぎ、早期に市場投入することで、新規顧客の開拓に努めてまいります。また、金属部品加工用ファイングラインディングマシンのラインアップを拡充して販売に注力してまいります。

③ 海外営業部門・技術部門の人材拡充と営業・生産現場における人材の育成

人材の育成については、SDGsの取組課題として全社的に推進中であります。また、工場のDX化を推進し、一層の生産性の向上に取り組んでおります。

④ 適正な製品売価への見直し、及び原価低減諸施策の実施による収益力の向上

「営業の販売戦略の適時見直し」は、売価の見直しも含め実施中であります。また、工場における「工場体質改善プロジェクト」による生産性向上活動は、「業務のIT化」「業務の見える化」を推進することで着実に成果を積み上げておりますが、さらに一層の収益力の向上に努めてまいります。

⑤ 環境への負荷の少ない企業活動を通じた企業価値の向上

環境ISOの活動と、サステナビリティ活動の一環として、SDGsについて部門ごとに課題をもって取り組んでおり、脱炭素社会の実現に向けた取組を推進中であります。