売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01510 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績の状況

はじめに、2024年1月1日に発生いたしました「令和6年能登半島地震」により被災された皆様におかれましては、心よりお見舞いを申しあげますとともに、一日も早い復旧を祈念しております。本社及び主要な生産拠点が石川県白山市にあります当社におきましては、グループ社員全員の安否を確認できており、建物及び生産設備にも大きな被害が無かったため、予定通り2024年1月5日より稼働しております。また、当社では、被災されたお客様の生産体制回復に向け、迅速に対応させていただいております。

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、緩やかに回復しておりますが、世界的な物価上昇、金融資本市場の変動、中国経済の停滞が継続したほか、ウクライナや中東地域の不安定な世界情勢などにより、依然として不透明な状況で推移しました。

当社グループの主力分野である工作機械業界においては、内需では、当初見込まれていた自動車等の需要回復が十分に進まなかったこと、外需では、中国景気の低迷が継続したことなどから、2023年暦年の業界受注総額の実績は、前年同期比15.5%減の1兆4,865億円となりました。

このような状況の中で、当社グループの当第3四半期連結累計期間の受注高は111億55百万円(前年同期比11.2%減)、受注残高は76億61百万円(同1.6%増)、売上高は98億85百万円(同15.7%減)、営業損失は4億12百万円(前年同期は2億19百万円の営業利益)となりました。また、円安に伴う為替差益の計上等があったものの、杭州友嘉高松機械有限公司に係る持分法による投資損失が増加した影響等から、経常損失は4億55百万円(前年同期は3億15百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は2億80百万円(前年同期は2億31百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。

なお、当社グループの受注高につきましては、従来、工作機械事業における「旋盤・改造機」の受注高に限定して開示しておりましたが、売上高との関連性を明確化するため、第1四半期連結会計期間より、工作機械事業における「旋盤・改造機」及び「部品・サービス等」の受注高並びにIT関連製造装置事業における受注高を含めた開示に変更しております。

セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。

① 工作機械事業

当第3四半期連結累計期間の経営成績は、受注高が101億68百万円(前年同期比10.7%減)、受注残高が70億10百万円(同0.4%増)、売上高が87億50百万円(同16.4%減)、営業損失が4億35百万円(前年同期は1億74百万円の営業利益)となりました。

受注高の地域別内訳は、国内向け及びヨーロッパ向けが減少したものの、北米向けが増加した結果、内需が64億57百万円(前年同期比19.4%減)、外需が37億10百万円(同9.8%増)となりました。

売上高の地域別内訳は、国内向けが堅調に推移したものの、北米向け及びアジア向けが減少した結果、内需が59億72百万円(同1.7%減)、外需が27億77百万円(同36.8%減)、外需比率が31.7%(前年同期は42.0%)となりました。

第3四半期連結累計期間における主な取り組みとして、国内では、MEX金沢2023及びMECT2023への出展、海外では、タイやインドネシアの現地子会社プライベートショー開催のほか、ヨーロッパ最大の国際工作機械見本市であるドイツEMO2023や、アセアン地域最大の工作機械・金属加工関連見本市であるタイMETALEX2023へ出展しました。

10月に名古屋市で開催されたMECT2023では、2台分の機能を1台で実現するXWシリーズの新機種「XWT-8」を筆頭に、生産性・付加価値を更に向上させた製品ラインナップを多数展示したほか、お客様からの関心が高いカーボンニュートラル・DX等に関する製品や機能も積極的にPRした結果、受注・引合金額ともに目標額を上回る成果がありました。また、ロボット体験イベントや学生向けクイズ等、社内各部門の連携による企業PRや採用関連活動も行い、大盛況で展示会を終えることができました。

更に、本展示会では今後需要が見込まれるEVへの対応にも注力しました。前述の新機種「XWT-8」では、ターゲットワークとしてEV部品の加工にも狙いを定めたご提案をしたほか、現在鋭意開発中の「シャフト加工プロトタイプ」も参考出展しました。本プロトタイプ機は、コンパクトながらも、ベストセラー機である「XT-8」よりも長いシャフトワークに対応しており、発売前ながら、多くの来場者様からご期待の声やご質問をいただきました。EV設備投資を準備・検討されているお客様に対して、PRを行う絶好の機会になったと実感しております。

また、会場では、お客様が保有する当社製コレットチャックやフランジの再研磨サービスもご紹介し、多くの反響をいただきました。本サービスの利用により、お客様は、新品を購入するよりもコストダウンのメリットが得られるだけでなく、3R(リデュース・リユース・リサイクル)を通じたSDGsへの貢献も可能です。当社では今後とも、SDGsやサステナビリティに貢献する取り組みを進めてまいります。

生産面では、工作機械事業本部による一体的な取り組みを継続し、生産計画の情報共有の強化による早期出荷や追加生産枠の確保に取り組んだほか、複雑化傾向にあるお客様の仕様に対応するため、技術者同行の強化、機動的な設計人員の配置、外注設計の活用、技術部員や製造部員の育成・採用強化にも努めました。

 

② IT関連製造装置事業 

当第3四半期連結累計期間の経営成績は、受注高が9億86百万円(前年同期比16.3%減)、受注残高が6億50百万円(同16.3%増)、売上高が9億14百万円(同11.7%減)、営業利益が38百万円(同39.9%減)となりました。

新規案件開拓や値上げ交渉などによる成果があったものの、半導体需要の調整が継続したことで受注高及び売上高が減少しました。また、売上高の減少及び製品構成比の影響等により、営業利益も減少しました。

 

③ 自動車部品加工事業

当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高が2億21百万円(前年同期比1.8%減)、営業損失が11百万円(前年同期は18百万円の営業損失)となりました。

取引先である自動車メーカーの生産調整が継続しているものの、部品不足の影響が大きかった前年同期と比較して、需要は緩やかな回復傾向にあるため、売上高は堅調に推移し、営業損失は縮小しました。

また、不採算事業の見直しにより、当社は、2023年10月31日に開催した取締役会において、タイで自動車部品加工事業を行う当社連結子会社であるTP MACHINE PARTS CO.,LTD.の解散及び清算をすることを決議いたしました。今後とも、当社グループ収益の改善に努めてまいります。

 

(2) 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末の総資産は225億17百万円前連結会計年度末に比べ14億80百万円の減少となりました。

区分別にみますと、流動資産は136億92百万円となり、前連結会計年度末に比べて14億74百万円減少しました。その主な要因としては、棚卸資産が9億15百万円増加したものの、受取手形及び売掛金が11億14百万円、電子記録債権が7億24百万円、現金及び預金が5億98百万円減少したことによるものです。

固定資産は88億25百万円となり、前連結会計年度末に比べて6百万円減少しました。その主な要因としては、投資その他の資産のその他(繰延税金資産等)が1億70百万円増加したものの、有形固定資産のその他(純額)が1億22百万円、建物及び構築物(純額)が1億21百万円減少したことによるものです。

次に当第3四半期連結会計期間末の負債は57億32百万円前連結会計年度末に比べて13億67百万円の減少となりました。

区分別にみますと、流動負債は48億39百万円となり、前連結会計年度末に比べて13億50百万円減少しました。その主な要因としては、電子記録債務が5億68百万円、流動負債のその他(未払消費税等)が4億35百万円、支払手形及び買掛金が1億24百万円、賞与引当金が1億4百万円減少したことによるものです。

固定負債は8億93百万円となり、前連結会計年度末に比べて17百万円減少しました。その主な要因としては、長期借入金が37百万円減少したことによるものです。

当第3四半期連結会計期間末の純資産は167億84百万円前連結会計年度末に比べて1億13百万円の減少となりました。その主な要因としては、為替換算調整勘定が2億62百万円増加したものの、利益剰余金が4億32百万円減少したことによるものです。なお、自己資本比率は74.4%となりました。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、第2四半期連結会計期間において、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標の見直しを行いました。

国内外の経済環境の伸び悩みから、工作機械関連の需要は調整局面が続いており、本格的な回復に至らなかったなど、想定した事業環境と変化していることに伴い、更なる成長を遂げることを志向して策定した「中期計画2024」で掲げた定量目標を取り下げております。

なお、当中期計画で掲げた『チェンジ!チャレンジ!2024! 当たり前を「変える」、新しいことに「挑戦する」』という基本方針は継続し、中長期的視点に立った事業別戦略を推進していくことで、企業価値の向上に努めてまいります。

(参考)2024年度の経営目標

 ① 連結売上高営業利益率 8%以上

 ② 連結ROE        8%以上

 ③ 連結売上高     240億円以上

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループにおいて優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、116百万円であります。