売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E32380 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の分析

当第1四半期累計期間におけるわが国の経済は、コロナ禍明けの需要回復が一巡しつつあり、景気回復は緩やかな動きとなりました。一方で、ウクライナ情勢の長期化による資源・エネルギー価格の高騰や、インフレ抑制に向けた金融引締めによる各国の経済成長率の減速懸念等、依然として景気の先行きは不透明な状況にあります。
 当社の事業領域である中堅・中小企業のM&A市場は、経営者の高齢化が引き続き進む中で、後継者不在の中小企業が社外の第三者へM&Aによって事業承継を行う割合が増加しており、中長期的に拡大傾向にあります。「2023年版中小企業白書」によると、2022年に休廃業・解散した約5万社のうち5割超の企業は、直前期の決算が黒字であり、貴重な経営資源を散逸させることなく、次世代の意欲ある経営者への事業承継を促進し、日本経済の持続的な成長につなげる取組が重要となっています。また、近年では事業承継目的だけではなく、企業の新事業創造や変革を目的としたイノベーション型のM&A等、事業の多角化や成長戦略を実現するための手段としてのM&Aが、中小企業においても広まりつつあります。加えて、経済産業省が2023年7月に取りまとめた「スタートアップ育成に向けた政府の取り組み」では、スタートアップ育成のための3つの柱の1つに、オープンイノベーションの推進が挙げられ、大企業とスタートアップとのM&Aの増加等でオープンイノベーションを推進することが掲げられています。さらに、2023年9月には「中小M&Aガイドライン」が改訂され、M&A支援機関による支援の質を確保・向上させるための取組が明記されるなど、官民で中小企業のM&Aを推進するための取組が進んでいます。

 

このような環境下、営業面におきましては、顧客への提案力向上のための研修開催や、社内で提案力コンテストを開催し、M&Aコンサルタントの育成を通じてサービス品質の向上に努めてまいりました。また、業種別にWEB広告や提案型営業を展開し、幅広くM&Aニーズの発掘に取り組みました。さらに、スタートアップ企業と事業会社の提携促進を目的とした会員制サービス「S venture Lab.」では毎月交流イベントを開催し、スタートアップ企業のM&A市場の開拓等にも注力しました。

提携先との連携におきましては、南九州税理士協同組合との業務提携を開始したことで、税理士協同組合等との提携は全国17団体、6万人以上の会員とのネットワークに拡大いたしました。また、提携先金融機関より人材を受け入れることで、提携先金融機関内におけるM&A人材の育成を担い、協業によるM&A支援体制の強化を行いました。

人員面におきましては、今後の業績拡大を図るため積極的な採用を進めたことで、当第1四半期累計期間においてM&Aコンサルタントを5名増員しました。
 

この結果、当第1四半期累計期間における成約組数(※1)は54組(前年同四半期40組)、成約件数(※2)は106件(前年同四半期80件)となりました。大型案件(1組あたりの売上が1億円以上の案件)の成約は、7組(前年同四半期4組)となりました。新規受託(※3)は、230件(前年同四半期153件)となりました。

(※1)成約組数:当社が仲介業務またはアドバイザリー業務として携わったM&A取引数(ディールベース)。

(※2)成約件数:当社が仲介業務またはアドバイザリー業務としてM&A成約に至った契約件数(社数)。仲介業務の場合は1取引で売手1件、買手1件の計2件とカウントし、アドバイザリー業務の場合は1取引で1件とカウント。

(※3)新規受託:売手と仲介業務契約を新規に締結すること(アドバイザリー業務の場合、契約を締結し、実質的に業務が開始されたこと)。

 

 

 当社の経営成績は、売上高は3,676百万円(前年同四半期比86.6%増)となりました。売上原価は、売上増加に伴うインセンティブ給与の増加やM&Aコンサルタントの増員に伴う人件費の増加等により1,277百万円(前年同四半期比76.7%増)、販売費及び一般管理費は、2023年3月に行った本社増床による地代家賃の増加等により1,053百万円(前年同四半期比53.1%増)となった結果、営業利益は1,345百万円(前年同四半期比140.8%増)となりました。これらの結果を受け経常利益は、1,344百万円(前年同四半期比140.1%増)となり、四半期純利益は904百万円(前年同四半期比140.9%増)となりました。

 当社の成約組数、成約件数、新規受託及び売上高の第1四半期実績と当初計画は次のとおりとなります。

 

2024年9月期
第1四半期
(実績)

2024年9月期
(計画)

2024年9月期
(進捗率%)

成約組数(組)

54

270

20.0

成約件数(件)

106

534

19.9

受託案件(件)

230

814

28.3

売上高(百万円)

3,676

18,218

20.2

 

なお、当社はM&A仲介事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

②財政状態の分析

(資産の部)

当第1四半期会計期間末の流動資産は、前事業年度末に比べ1,788百万円減少し、13,435百万円となりました。これは主として、現金及び預金が1,106百万円減少したほか、売掛金が720百万円減少したことによるものであります。

当第1四半期会計期間末の固定資産は、前事業年度末に比べ76百万円増加し、3,137百万円となりました。これは主として、大阪オフィスの移転による設備投資等に伴い有形固定資産が66百万円増加したことによるものであります。

 

(負債の部)

当第1四半期会計期間末の流動負債は、前事業年度末に比べ1,700百万円減少し、1,890百万円となりました。これは主として、賞与引当金が554百万円増加したほか、法人税等の支払により未払法人税等が472百万円、前事業年度末の未払賞与の支給等によりその他流動負債が1,783百万円それぞれ減少したことによるものであります。

当第1四半期会計期間末の固定負債は、前事業年度末に比べ63百万円増加し、254百万円となりました。

 

(純資産の部)

当第1四半期会計期間末の純資産は、前事業年度末に比べ74百万円減少し、14,428百万円となりました。これは主として、利益剰余金が四半期純利益により904百万円増加したものの、配当により979百万円減少したことによるものであります。

 

(2)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期累計期間において、当社が事業上及び財務上対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。