売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01694 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の分析

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、コロナ禍からの経済正常化が進む一方、ウクライナ情勢の長期化や資源価格の高止まり、高インフレと長期化する金融引き締め等を背景として先行き不透明感が強まっております。

わが国経済も、5月に新型コロナウイルス感染症の分類が5類感染症に移行したことなどに伴い経済活動の正常化が進み、景気は回復基調で推移しましたが、設備投資については、資源価格の高止まりや海外経済の減速懸念等により弱含みの状態が続いております。設備投資の動向を知るうえで先行指標の一つである機械受注統計の推移を見ても、製造業の機械受注額は、2023年1月~3月は12,492億円(前年同期比6.2%減)、4月~6月は12,626億円(同10.5%減)、7月~9月は12,306億円(同10.8%減)、10月は4,091億円、11月は3,773億円と、減少傾向で推移しております。

このような環境下、当社グループは、プラスチック成形関連のコアビジネスにおきまして、品質の向上、納期の確守、新製品の開発等、競争力強化によるマーケットシェアの拡大を図るとともに、電池、食品、化粧品等の新規販売分野の開拓・拡大に注力してまいりました。

当第3四半期における受注高は、国内外の自動車業界向けを中心とした射出成形関連の受注が低迷していることに加え、スマホ・VR用レンズ関連の受注に一服感が見られたことなどにより、前年同期比では33億9千3百万円減(同18.1%減)の153億6千6百万円となりました。これにより、受注残高は前年同期比22億6千4百万円減(同16.8%減)の112億2千5百万円となりました。一方、売上高につきましては、電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連の売上が増加したこと及び前期に受注した大型案件の売上が計上されたこと等により、前年同期比48億1千1百万円増(同36.0%増)の181億9千1百万円となりました。

損益面では、大型受注案件の増加に伴う製品構成比率の変動等により売上総利益率が悪化(28.7%→24.9%)し、販売費及び一般管理費が増加しましたが、売上高の増加に伴う売上総利益の増加により、営業利益は前年同期比5億4百万円増(同164.0%増)の8億1千2百万円となりました。また、経常利益については、為替差益9千4百万円の計上等により、前年同期比4億4千万円増(同103.1%増)の8億6千7百万円となりました。

特別損益では、固定資産売却益1百万円を特別利益に、固定資産除売却損2百万円を特別損失に計上し、更に法人税、住民税及び事業税2億6千6百万円、法人税等調整額3千5百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比4億1千8百万円増(同278.7%増)の5億6千8百万円となりました。

 

日本におきましては、引き続き電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連の売上が堅調に推移したことに加え、前期に受注したフィルム・シート関連等の大型案件の売上が計上されたこと等により、売上高は前年同期比28億1千1百万円増(同31.6%増)の117億円となりました。損益面では、資源価格の高止まりに加え、大型受注案件の増加に伴う製品構成比率の変動等により売上総利益率が悪化(23.9%→21.3%)し、販売費及び一般管理費も増加しましたが、売上高の増加に伴う売上総利益の増加により営業利益は前年同期比1億8千5百万円増(同48.1%増)の5億7千1百万円となりました。また、セグメント利益(経常利益)は為替差益の計上等により、前年同期比1億2千4百万円増(同19.5%増)の7億6千万円となりました。

東アジアにおきましては、引き続き電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連並びにスマホ・VR用レンズ関連の売上が堅調に推移したことにより、売上高は前年同期比17億6千2百万円増(同44.1%増)の57億6千2百万円となりました。損益面においては、売上総利益率は悪化(30.2%→25.3%)したものの、売上高の増加に伴う売上総利益の増加により、営業利益は前年同期比2億2千1百万円増(同589.0%増)の2億5千8百万円となり、セグメント利益(経常利益)は前年同期比1億7千8百万円増(同757.3%増)の2億2百万円となりました。

東南アジアにおきましては、地域によりばらつきはあるものの、民間設備投資については自動車関連を中心に緩やかな回復が続いており、売上高は前年同期比7千1百万円増(同5.2%増)の14億6千2百万円となりました。損益面では、売上高の増加に加え売上総利益率が改善(35.6%→37.6%)したことにより売上総利益が増加し、販売費及び一般管理費の増加を吸収したことから、営業利益は前年同期比5千2百万円増の4千7百万円(前年同期は5百万円の営業損失)となり、セグメント利益(経常利益)は前年同期比5千5百万円増の5千3百万円(前年同期は1百万円の経常損失)となりました。

 

北中米におきましては、中米では自動車関連を中心とした設備投資が緩やかに回復基調にあり、売上高は前年同期比1億2千8百万円増(同110.4%増)の2億4千4百万円となりました。一方、損益面では、売上総利益率が悪化(38.4%→29.9%)したことに加え、販売費及び一般管理費が増加したこと等により、営業損失が9千万円(前年同期は9千9百万円の営業損失)、セグメント損失(経常損失)が4千6百万円(前年同期は5千8百万円の経常損失)となりました。

 

なお、報告セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。

 

(2) 財政状態の分析

流動資産は、前連結会計年度末に比べて、現金及び預金は減少しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産が増加したこと等により10億8千6百万円増加し、201億3千2百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べて、建物及び構築物が増加したこと等により6億1千4百万円増加し、67億4千万円となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて17億1百万円増加し、268億7千3百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて、支払手形及び買掛金、短期借入金が増加したこと等により6億1千2百万円増加し、101億1千4百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べて、長期借入金が増加したこと等により3億9千5百万円増加し、43億5百万円となりました。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて10億8百万円増加し、144億1千9百万円となりました。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、利益剰余金、為替換算調整勘定が増加したこと等により6億9千2百万円増加し、124億5千3百万円となりました。

 

(3) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

世界経済は、ウクライナ情勢の長期化及び中東情勢の悪化など地政学的リスクが急速に高まっていることに加え、資源価格・原材料価格の高止まりや中国をはじめとする諸外国の景気減速懸念等、引き続き不透明な状況が続くものと予想されます。

わが国経済も、ウイズコロナ政策のもと、経済活動正常化の動きは進んでおりますが、製造業の設備投資については、資源価格の高止まりや海外経済の減速懸念等により先行き不透明感が強まっております。

かかる環境下、当社グループにおきましては、引き続き自動車関連業界における自動車の電動化、自動運転化、車体の軽量化等の動きや、ウイズコロナ政策のもと、社会の環境変化に伴うタブレット、PC、スマホ、VR等の通信機器拡大、AI、IoT、5G等のデジタル化推進の動きへ的確に対応していくとともに、既存市場、既存分野での販売拡大と収益力向上等を中期的に取り組んでおります。また、地球レベルでの環境問題(脱炭素、使い捨てプラスチックの削減)に対しては、お客様の生産現場や自社の事業活動及びお客様の製造物を通じて社会に貢献し、透明性の高い企業統治(コーポレートガバナンス)等を実現していくことで経営基盤の強化とESG経営を推進いたします。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題、主要な設備や従業員等に重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は166,059千円であります。