E01661 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当中間連結会計期間における世界経済全体としては、米国の通商政策の影響を受けつつも総じて堅調さを保ちましたが、引き続き、米国の保護主義政策の動向とそれに伴う金融市場の混乱、中東情勢やロシア・ウクライナ情勢等の地政学リスクの高まり等が先行きの景気下振れリスクとして想定されます。
地域別に見ると、米国経済は、短期的には関税政策によるコスト上昇の大部分を米国内で負担することで、個人消費の減速、企業の設備投資の抑制などに繋がり、経済成長率の鈍化が見込まれます。一方で、人手不足を背景とした企業による雇用維持の動きやAI関連投資の拡大、顕在化が想定される金融緩和の効果が景気の下支えとなる見込みですが、引き続き関税政策や政府機関閉鎖等の動向に注視が必要な状況です。欧州経済は、米国の関税政策に伴う外需の悪化と中国をはじめとする他国からの安価な製品流入が経済を下押しするものの、欧州委員会やドイツ政府による産業競争力強化に向けた投資、NATO加盟国を中心とした防衛支出拡大などの財政拡張策が景気を下支えする見込みです。中国経済は、米国の関税政策により、米国を最終需要地とする輸出は減少するものの、ASEANを中心とする新興国向けの輸出の増加が、輸出全体を下支えする見込みです。先行きのリスクとしては、米国関税政策により世界各国の需要が下振れし、各国が自国産業保護のため中国製輸入品に対する規制を強化した場合、雇用環境の悪化による消費低迷、更なる不動産問題の深刻化に発展する恐れもあります。日本経済は、実質賃金の上昇による消費者マインドの改善が予想され、それに伴う個人消費の底堅い推移が見込まれます。また、企業の設備投資は、米国の政策不確実性の高まりによる影響を受けながらも、デジタル化・脱炭素化・サプライチェーン強靭化に向けた根強いニーズを背景に拡大傾向が続く見込みです。一方で人手不足が深刻化しており、引き続き労働力の確保および限られた労働力の中での生産性向上が課題となっております。
このような経済情勢を受け、当社グループの事業環境としては、
① カーボンニュートラル事業については、ロシア・ウクライナ情勢、米国のパリ協定再離脱、米国IRA(インフレ抑制法)におけるクリーン水素生産控除(45V)の終了等による政策進捗の鈍化がみられるものの、全世界的に脱炭素化や経済安全保障上のレジリエンス強化の観点から、政府支援で民間投資を後押しする動きは今後も継続していくものとみられます。日本においても、代替エネルギー製品について、製造・輸送等に係る従来製品との価格差に着目した支援制度ならびに拠点整備支援制度の審査が行われており、2025年9月には、資源エネルギー庁より低炭素水素等認定供給等事業計画が公表されました。インドネシアにおけるグリーンアンモニア製造、バンカリング向け燃料供給事業に関しては、2024年8月にPupuk Indonesia Holding Companyおよび伊藤忠商事株式会社と共同開発契約を締結しFEED(基本設計)を遂行中です。CCS(CO2回収・貯留)に関しては、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)により、2030年度までのCO2貯留開始に向けた先進的CCS事業候補が選定され、当社においてもFS(事業化調査)/Pre-FEED(概念設計)が進捗しております。CO2資源化に関しては、燃料としてのメタノールの需要増加が今後期待され、国内市場においては、国内元売り会社が海外で合成燃料を製造し、輸入する動きが継続すると見込まれます。このような動きを見据え、当社グループにおいては、インド国営電力公社NTPC Limited(NTPC)向けの実証プラントにて、CO2と水素から製造したメタノールのファーストドロップ(製品仕様を満たした最初の生成物)の採取を2025年6月に達成しました。地熱発電に関しては、インドネシアの政府および民間企業とインドネシアにおける包括的な地熱活用のマスタープラン策定に関する覚書を締結しております。また、同国における地熱マスタープラン策定等調査事業は、経済産業省のグローバルサウス未来志向型共創等事業委託費におけるマスタープラン策定等調査事業に採択されており、引き続き社会実装に向け注力しております。日本国内においては、2025年4月に次世代型地熱推進官民協議会が立ち上がり、当社も協議メンバーとして参加しております。SAF(持続可能な航空燃料)に関しては、世界的な市場規模の拡大を見据え、日揮株式会社との国内アライアンスにおける早期実績作りに向け注力しております。また、脱炭素・低炭素化に直結するプラントの省エネ化に関しては、当社独自技術であるSUPERHIDICTMとAIによる数理最適化技術を活用したHERO(Hybrid Energy system Re-Optimization)で着実に実績を積み上げ、温室効果ガス排出量削減に貢献しております。
② 石油化学・肥料プラント等の既存事業については、海外では、米国の関税政策に関して日本を含む主要国は合意に至り、対米輸出の下押し圧力は軽減されましたが、合意を経ても関税コストが今後企業収益の下押しに繋がれば、景況感が悪化する可能性があり、未だ国際市場はその影響の見極めに時間を要しております。その中でも肥料案件は人口増加と地政学リスクによる需給バランスの変化、そして世界的な食糧安全保障問題の高まりに伴い堅調な需要増が見込まれます。石油化学案件については、中国での需要減退に伴い石油化学製品の需給が緩和した一方、世界のエチレン・ポリマー市場では、相対的に安価なエタンの分解炉の追設や低炭素化への動きも織り込みながら今後も成長が見込まれており、既存製油所設備の転換等構造改革も交え、特に中東やインドを中心に引き続き設備投資が見込まれます。インフラ市場においては、主にアジアで低炭素/再生可能エネルギー、廃棄物等の発電事業分野等で設備投資が見込まれます。一方、国内では、EV(電気自動車)や半導体用の高機能化学品の需要の回復が見込まれ、それらの材料に関する設備投資が期待されます。
③ FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)事業については、2023年以降の10年間はGolden Ageと呼ぶに相応しい活況を呈する市況が予想される中、石油メジャー・国営石油会社による投資が加速しており、引き続き旺盛な需要が期待されます。当社グループのエンジニアリングとプロジェクトマネジメント力、複数の戦略的拠点の活用による最適化および三井海洋開発株式会社(MODEC)の知見との融合による差別化を武器に、MODECとの合弁会社であるOFS(Offshore Frontier Solutions Pte. Ltd.)にてEPCI(設計・調達・工事・据付)案件を当中間連結会計期間に2件受注しており、中長期的にも更なる受注が期待されます。
こうした状況の中、当中間連結会計期間の実績は、次のとおりとなりました。連結受注高は、トルクメニスタン向け石油化学プラント、韓国向け化学プラント等を受注し、1,277億円(前年同中間期比147.6%増)となりました。なお、持分法適用関連会社の当社持分相当の受注高を含めた総受注高は3,641億円、総受注残高は6,139億円となりました。完成工事高は、タイ向け石油化学プラント等の複数のプロジェクトの進捗により、940億円(前年同中間期比22.9%減)となりました。しかしながら、ブラジル向けガス火力発電案件、国内向けバイオマス発電案件における収支の悪化により、営業損失42億円(前年同中間期は営業利益20億円)、経常損失19億円(前年同中間期は経常利益32億円)、税金費用控除後の親会社株主に帰属する中間純損失30億円(前年同中間期は親会社株主に帰属する中間純利益17億円)となり、前年同中間期比では減収減益となりました。
当社グループは、この当中間連結会計期間における業績を真摯に受け止め、必要な対策をとるとともに、下期以降の収支改善に向けて全社を挙げて取り組みを強化してまいります。
当中間連結会計期間末における総資産は、受取手形・完成工事未収入金等の減少等により、前連結会計年度末から330億円減少し、2,535億円となりました。負債については、支払手形・工事未払金等の減少等により、前連結会計年度末から268億円減少し、1,994億円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する中間純損失の計上や、配当金の支払、為替換算調整勘定の減少等により、前連結会計年度末から61億円減少し、540億円となりました。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は738億円で、前連結会計年度末から13億円増加しております。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
営業活動によるキャッシュ・フローは、7億円の資金増加(前中間連結会計期間は193億円の資金減少)となりました。仕入債務の減少により資金が減少した一方、売上債権の減少により資金が増加したこと等が主な要因であります。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
投資活動によるキャッシュ・フローは、1億円の資金減少(前中間連結会計期間は160億円の資金減少)となりました。定期預金の払戻により資金が増加した一方、無形固定資産の取得による支出により資金が減少したこと等が主な要因であります。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
財務活動によるキャッシュ・フローは、12億円の資金増加(前中間連結会計期間は47億円の資金減少)となりました。配当金の支払により資金が減少した一方、借入金の収支により資金が増加したこと等が主な要因であります。
当中間連結会計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当中間連結会計期間において、優先的に対処すべき事業上および財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は1,360百万円であります。
当中間連結会計期間において、当社グループおよび当社に従業員の著しい増減はありません。
当中間連結会計期間における当社および当社の連結子会社の受注実績・売上(完成工事高)実績は次のとおりであります。
(注) 1 期中完成工事高は、外貨建受注工事高のうち期中完成工事高に係る為替差分(前中間連結会計期間
5,383百万円、当中間連結会計期間△1,646百万円)を含んでおります。
2 次期繰越工事高は、前期以前に受注した工事の契約変更等による調整分(前中間連結会計期間
37,903百万円、当中間連結会計期間△6,280百万円)を含んでおります。
3 ※印は、外貨建契約に関する為替換算修正に伴う増減額を示しております。
(参考情報) 当中間連結会計期間における持分法適用関連会社の当社持分相当の期中受注工事高は236,397百万円、
次期繰越工事高は286,422百万円であります。
当中間連結会計期間において、主要な設備に著しい変動はありません。また、前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設、除却等に著しい変更はありません。なお、当中間連結会計期間において、新たに確定した主要な設備の新設、除却等の計画はありません。
当中間連結会計期間において、当社グループの資本の財源および資金の流動性に関わる情報に重要な変更はありません。