E01740 Japan GAAP
(1)経営成績
当社は、2026年度を最終年度とする3ヵ年中期経営計画「熱く、高く、そして優しく2026」において「利益重視経営による更なる企業価値向上」を基本方針に掲げ、「収益力の強化」、「成長戦略の推進」並びに「経営基盤の強化」を推し進め、利益を伴った事業拡大と経営体質の更なる強化を目指しています。また、成長戦略の推進に向けて当期初にセグメント再編を実施し、「エネルギー」に設備工事分野を編入しシステム事業の強化、「インダストリー」に器具分野を編入しFAコンポーネントとのシナジー創出に取り組んでいます。
当中間連結会計期間における当社を取り巻く市場環境は、米国の通商政策の影響等により世界経済の見通しの不透明感が継続した一方で、脱炭素社会の実現に向けたGX投資や、生成AI・デジタル技術の活用拡大に伴うエネルギー需要の増大を背景として、電力、製造業及びデータセンター等における設備投資が堅調に推移しました。また、工作機械関連等の需要は緩やかな回復基調が見られたものの、電動車(xEV)の需要は踊り場が継続しました。
このような環境のもと、当社は、エネルギー需要の拡大をはじめ、鉄鋼等の素材産業における省エネ・電化のニーズを捉えてプラント、システム事業の拡大を推進したほか、デジタル技術を活用した生産現場の生産性向上による収益力の強化等に取り組みました。また、旺盛な需要に対応するための電機盤・電源盤、変圧器・開閉装置の生産能力増強に取り組んだほか、SiCパワー半導体については、将来の市場拡大を見据えながら、需要変動に応じた設備投資計画を推進しました。
当中間連結会計期間の連結業績の売上高は、前年同期に比べエネルギー、インダストリーにおけるプラント、システム等で増加し、全体で457億83百万円増加(9.2%増加)の5,431億60百万円となり、過去最高を更新しました。
損益面では、人的投資の拡充に伴う人件費の増加や、原材料価格の高騰等に加え、半導体における電動車(xEV)向けパワー半導体の需要減少や、食品流通における前年同期の改刷特需の反動減の影響等があったものの、プラント、システムの需要増加が利益を押し上げ、営業損益は前年同期に比べ24億23百万円増加の427億59百万円となりました。経常損益は、営業損益の増加に加え、為替影響等により、前年同期に比べ27億84百万円増加の417億33百万円となり、営業損益、経常損益ともに過去最高を更新しました。親会社株主に帰属する中間純損益は、前年同期に投資有価証券の一部を売却し特別利益に計上した影響により、前年同期に比べ89億25百万円減少の266億14百万円となりました。
当中間連結会計期間の連結経営成績は次のとおりです。
(単位:百万円)
|
|
第149期 中間連結会計期間 |
第150期 中間連結会計期間 |
増 減 |
|
売上高 |
497,377 |
543,160 |
45,783 |
|
営業損益 |
40,336 |
42,759 |
2,423 |
|
経常損益 |
38,949 |
41,733 |
2,784 |
|
親会社株主に帰属する 中間純損益 |
35,539 |
26,614 |
△8,925 |
当中間連結会計期間の報告セグメント別の状況は次のとおりです。
(単位:百万円)
|
|
第149期 中間連結会計期間 |
第150期 中間連結会計期間 |
増 減 |
|||
|
売上高 |
営業損益 |
売上高 |
営業損益 |
売上高 |
営業損益 |
|
|
エネルギー |
144,001 |
10,015 |
165,234 |
18,959 |
21,233 |
8,944 |
|
インダストリー |
175,380 |
8,137 |
206,345 |
11,007 |
30,965 |
2,870 |
|
半導体 |
108,048 |
15,059 |
108,725 |
8,973 |
677 |
△6,086 |
|
食品流通 |
58,286 |
8,709 |
52,383 |
5,806 |
△5,903 |
△2,903 |
|
その他 |
27,415 |
1,652 |
27,841 |
1,590 |
426 |
△62 |
|
消去又は全社 |
△15,755 |
△3,238 |
△17,370 |
△3,577 |
△1,615 |
△339 |
|
合計 |
497,377 |
40,336 |
543,160 |
42,759 |
45,783 |
2,423 |
■エネルギー部門
エネルギーマネジメント分野、施設・電源分野における需要増加等を主因として、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。
・発電プラント分野は、再生可能エネルギーの大口案件の増加等により、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。
・エネルギーマネジメント分野は、蓄電システム案件の増加や、電力及び産業向け変電機器、産業向け電源機器の大口案件の増加等により、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。
・施設・電源システム分野は、データセンター向け需要の増加により、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。
・設備工事分野は、大口案件の増加や、案件差及び原価低減の推進等により、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。
■インダストリー部門
ITソリューション分野の大口案件を主として、各分野における需要が増加し、売上高は前年同期を上回りました。営業損益は、ITソリューション分野の売上高の増加を主因に、前年同期を上回りました。
・FAコンポーネント分野は、国内需要は前年並みで推移したものの、アジア・欧州を中心とした需要増により、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。
・オートメーション分野は、鉄鋼分野向け需要の増加等により売上高は前年同期を上回りましたが、大口案件の費用増により、営業損益は前年同期を下回りました。
・社会ソリューション分野は、輸送システムの需要増により、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。
・器具分野は、機械セットメーカ向け需要の緩やかな回復により、売上高は前年同期を上回りましたが、原材料価格の高騰影響により、営業損益は前年同期と同水準となりました。
・ITソリューション分野は、文教分野の大口案件の増加により、売上高、営業損益ともに前年同期を上回りました。
■半導体部門
・売上高は、産業分野では、中国における需要増加と為替影響により、前年同期を上回りました。電装分野では、電動車(xEV)向けパワー半導体の国内・海外の需要減少により、前年同期を下回りました。営業損益は、産業分野における売上高の増加があったものの、電装分野における需要減少、生産能力増強等に係る費用の増加及び原材料価格の高騰等により、前年同期を下回りました。
■食品流通部門
・自販機分野は、国内自販機の需要減少により、売上高、営業損益ともに前年同期を下回りました。
・店舗流通分野は、コンビニエンスストアの改装増加に伴う店舗設備機器の需要増があった一方で、前年同期の改刷対応特需の反動減の影響を補いきれず、売上高、営業損益ともに前年同期を下回りました。
(注)第1四半期連結会計期間より、組織構造の変更に伴い、「エネルギー」及び「インダストリー」の各報告セグメントにおいて、集約する事業セグメントを変更しております。なお、各セグメントの前年同期との比較値は、前年同期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えたうえで算出しております。
(2)財政状態
当中間連結会計期間末の総資産額は1兆3,049億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ72億53百万円減少しました。
流動資産は7,456億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ210億22百万円減少しました。これは、前連結会計年度末に比べ契約資産が289億67百万円、棚卸資産が172億17百万円、それぞれ増加した一方で、電子記録債権が173億69百万円、売掛金が528億54百万円、それぞれ減少したことなどによるものであります。
固定資産は5,592億15百万円となり、前連結会計年度末に比べ137億80百万円増加しました。このうち、有形固定資産と無形固定資産の合計は3,817億82百万円となり、前連結会計年度末に比べ43億89百万円増加しました。また、投資その他の資産は1,774億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ93億90百万円増加しました。これは、主に投資有価証券が、その他有価証券の時価評価差額相当分の増加を主因として、140億6百万円増加したことによるものであります。
当中間連結会計期間末の負債合計は5,493億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ321億62百万円減少しました。
流動負債は4,156億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ157億68百万円減少しました。これは、前連結会計年度末に比べコマーシャル・ペーパーが250億円増加した一方で、仕入債務が174億60百万円、未払法人税等が163億37百万円、契約負債が44億95百万円、それぞれ減少したことなどによるものであります。
固定負債は1,336億57百万円となり、前連結会計年度末に比べ163億93百万円減少しました。これは、前連結会計年度末に比べ長期借入金が150億6百万円減少したことなどによるものであります。
なお、当中間連結会計期間末の有利子負債残高は1,211億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ163億22百万円増加しました。また、同残高の総資産に対する比率は9.3%となり、前連結会計年度末に比べ1.3ポイント増加しました。
当中間連結会計期間末の純資産合計は7,555億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ249億9百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ利益剰余金が140億68百万円、その他有価証券評価差額金が101億57百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。これらの結果、自己資本比率は54.9%となり、前連結会計年度末に比べ2.2ポイント増加しました。
(3)キャッシュ・フロー
当中間連結会計期間における連結ベースのフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」+「投資活動によるキャッシュ・フロー」)は、87億8百万円の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の減少(前年同期は617億78百万円の増加)となり、前年同期に対して704億86百万円の資金流出額の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において営業活動による資金の増加は、359億4百万円(前年同期は875億43百万円の増加)となりました。これは、棚卸資産が増加し、仕入債務が減少した一方で、税金等調整前中間純利益の計上並びに売上債権及び契約資産が減少したことなどによるものであります。
前年同期に対しては、516億39百万円の資金流入額の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において投資活動による資金の減少は、446億12百万円(前年同期は257億65百万円の減少)となりました。これは、有形固定資産を取得したことなどによるものであります。
前年同期に対しては、188億47百万円の資金流出額の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において財務活動による資金の増加は、13億37百万円(前年同期は641億10百万円の減少)となりました。これは主として、配当金の支払があった一方で、コマーシャル・ペーパーが増加したことなどによるものであります。
これらの結果、当中間連結会計期間末における連結ベースの資金は、前連結会計年度末残高に比べ76億22百万円(12.2%)減少し、550億53百万円となりました。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当中間連結会計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(8)研究開発活動
富士電機は、「2026年度中期経営計画」の研究開発戦略に基づき、現行製品の競争力強化や次世代機の開発、成長戦略をけん引するGX、DXやグローバル商材の新製品開発、及び2030年以降の市場拡大を見据えた、水素関連などの新技術獲得に取り組んでいます。これらに向けて、パートナー企業やアカデミアとの協業・共創も進めています。
当中間連結会計期間における富士電機の研究開発費は184億34百万円であり、各部門の研究成果及び研究開発費は次のとおりです。
また、当中間連結会計期間末において富士電機が保有する国内外の産業財産権の総数は13,420件です。
■エネルギー部門
●発電プラント分野
地熱発電プラント向けに、地熱蒸気と熱水の混合流体に対応する、業界初の二相流量リアルタイム計測システムを開発し発売しました。本システムは、蒸気生産井の配管に外付けしたセンサを用いて流速と気液比を計測し、二相流量を算出します。計測値のトレンドを監視することにより、蒸気生産井の状態変化を細かく把握でき、生産量の減衰兆候への早期対策やメンテナンス計画の最適化など、地熱発電プラントの安定稼働に貢献します。
将来の水素社会の到来に備え、自動車用固体高分子形燃料電池モジュールを適用した工場・施設向けの純水素燃料電池システムを開発しています。実用化に向けて、化学プラントで発生する副生水素やメタノールを改質して得られる水素を用いた顧客サイトでの実証試験を今年度より進めます。これらの実証を通じて、水素の社会実装に向けた課題を検証します。
●エネルギーマネジメント分野
自家消費を中心とした中小規模太陽光発電向けに、ストリング型太陽光PCS「PIS-112/420-J-Z11」(440V/112.5kW)を開発し発売しました。市場要求の高い容量帯に対応するために、従来品(42kW)に比べて容量を約3倍に拡大しました。これにより、据付け工事や接続配線などの導入コストを低減できます。また、最長20年間の延長保証や沿岸地域への設置を可能とする重耐塩仕様など、さまざまな顧客のニーズに対応しました。
●変電システム分野
国内外の電力インフラ向けに、300MVA級(国内275kV、海外230kV)の大容量変圧器を開発しました。巻線構造の最適化による損失低減や、放熱器の改良による冷却性能向上により体積を従来品に比べて約30%縮小し、世界最小クラスのサイズを実現しました。本製品は、今年度中に発売する予定です。
●施設・電源システム分野
省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)に基づく第三次判断基準に適合したモールド変圧器「2026トップランナーモルトラ」(低圧100~600V、高圧3kV、6kV/単相10~500kVA、三相20~2,000kVA)を開発し発売しました。低損失の鉄心材料適用により、エネルギー消費効率を従来品に比べて全容量で15%改善しました。
当中間連結会計期間における当部門の研究開発費は37億38百万円です。
■インダストリー部門
●オートメーション分野
中国では脱炭素化に向けて、石油・ガスプラントのタービン駆動コンプレッサのモータ駆動化(電動化)やモータ駆動コンプレッサを使用した圧縮空気によるエネルギー貯蔵設備の導入が進んでいます。そこで、これらモータ駆動向けの大容量水冷高圧インバータ「FRENIC-MV」(43MVA)を開発し発売しました。空冷と比べて高効率な水冷方式を採用したことにより、同容量の他社品に比べて幅寸法を約15%削減しました。なお、本製品は当社と上海電気集団股份有限公司との合弁会社である上海電気富士電機電気技術社との共同開発によるものです。
製造業の様々な外観検査工程に適用可能なAI外観検査装置を開発し発売しました。異常検知AIとルールベース画像処理を当社独自の手法で組み合わせることにより、熟練検査員と同等の精度と検査時間を実現しました。これにより外観検査工程の省力化・省人化に貢献します。本製品は、一般社団法人日本電機工業会の2025年度(第74回)電機工業技術功績者表彰において、ものづくり部門優秀賞を受賞しました。
電気自動車のモータ駆動用インバータや電池などの試験に用いる直流電源装置(300kW)を開発し発売しました。本製品は、幅広い出力電圧範囲(100~1,000V)での評価試験に適用可能で、近年の車載モータや車載電池における高電圧化(800V~)に対応できます。また、供試体の回生電力を電源系統で再利用できる双方向仕様としており、試験実施時の消費電力量やCO2排出量の削減にも貢献します。
●FAコンポーネント分野
製造ライン向けに、設備データ監視機能を搭載したプログラマブル表示器「製造ライン監視パッケージ Powered by MONITOUCH X1 Series」を開発し発売しました。本製品は、簡単な初期設定を行うだけで、最大30台の生産設備のエネルギー使用量、製品品質、生産進捗、稼働状態などをリアルタイムで見える化できます。これにより、従来必要であった顧客設備に応じたシステム構築が不要となり、短期間かつ安価に導入できます。
生産設備の稼働データを収集するエッジコントローラ「FiTSAΣB5」にEMS(エネルギーマネジメントシステム)のアプリケーションを標準搭載した「FiTSAΣB5-EMS」を開発し発売しました。これまでのデータ収集機能に加え、電力量計を接続することでエリアや工程ごとのエネルギー使用量をパソコンのWebブラウザ上で分析することができます。これにより、従来のクラウドやサーバーを利用したEMSが不要となり、製造現場のエネルギー監視を容易に実現できます。
工場やビルなどの施設向けの電力品質モニタ「FY10」とデュアル電力モニタ「FY20」を開発し発売しました。「FY10」は、電力計測や漏洩電流計測、高調波電流計測、瞬低検知の4機能を搭載する国内唯一のオールインワンタイプです。「FY20」は、単相3線式及び三相3線式で2回路、単相2線式では4回路の電力計測が可能で、薄型コンパクトな筐体により盤内設置に最適です。本製品により電力の見える化に貢献します。
●放射線機器・システム分野
医療施設で利用される診療用放射性同位元素(RI: Radio Isotope)の放射能を定量測定する「RIキャリブレータ」を開発し発売しました。新たな診断や治療に用いられる核種の増加に対応し、プリセット登録できる核種を従来の9種類から13種類へと拡充しました。これにより、使用頻度の高い主要な核種を簡便に測定できます。また、タブレット端末の導入により操作性を向上しました。本製品により、放射線を利用する医療現場での作業を効率化します。
●輸送システム分野
脱炭素化に向けて、普及が期待される小型の電気推進船(400~2,000kW級)に搭載する推進用モータ(600V/400~2,600kW)とドライブ装置(690V/2,300kW)を開発しており、今年度から順次発売する予定です。推進用モータには高効率な水冷方式の永久磁石同期モータを採用し、さらに磁石配置の最適化により全容量で業界最小レベルの体積を実現しました。ドライブ装置は、船舶向けに最適化した構造設計と水冷方式の導入により大幅な小型化を達成し、従来品に比べて幅寸法を32%縮小しました。これらにより、設置スペースに制約がある船舶にも対応可能となりました。
●ITソリューション分野
オフィス業務の業務効率向上に貢献するWebデータベース「軽技WebDB V1.2」を開発し発売しました。プログラミング不要の簡単操作で、クラウドやサーバーにあるデータファイルからデータベースを自動で作成し、Webシステムを構築できます。さらに本製品は、当社のBI(Business Intelligence)ツール「軽技Web」と合わせて使うことにより、データの収集・管理から分析・見える化までを一気通貫で実現し、顧客の業務負荷を低減します。
また、管理業務の効率化を支援するBIツール「軽技Web」に、製造業の現場に特化した機能を追加した「軽技Web for Factory」を開発し発売しました。稼働監視や工程管理、多変量解析による診断など、製造現場ですぐに使える機能を搭載し、誰でも簡単・迅速に分析や診断ができます。
当中間連結会計期間における当部門の研究開発費は56億92百万円です。
■半導体部門
●産業モジュール分野
再エネ発電システム向けに、絶縁耐圧を向上した2,300V/1,200Aの大容量モジュール(HPnC:High Power next Coreパッケージ)を開発し量産を開始しました。低損失な第7世代IGBT/FWD「Xシリーズ」チップを搭載し、パッケージは従来と同じ外形寸法を維持したまま、新たな絶縁基板と封止材を採用することで絶縁耐圧を従来の4kVから6kVに向上しました。これにより、従来の1,000Vから1,500Vに高電圧化している再エネ発電システムに対応します。
エアコンや低圧インバータ、サーボアンプ向けに、第3世代小容量IGBT-IPMのP641シリーズ(650V/20、30、40A)を開発し、量産準備を進めています。内部構造の最適化と新しい絶縁構造の採用により体積を従来品より約44%削減しました。これにより、電力変換装置の更なる小型化に貢献します。
また、最新世代となる第8世代IGBTモジュールのサンプル展開を開始しました。セル構造の最適化などにより第7世代IGBTに比べて10%以上の低損失化を実現し、ドライブ装置などのパワエレ機器の更なる高効率化、小型化に貢献します。
●車載モジュール分野
軽・小型車用インバータ(50~100kW)向けに、第7世代RC-IGBTチップを搭載した750V/600Aの直接水冷型パワーモジュール(M682パッケージ)の量産を2025年4月から開始しました。さらに、さまざまな出力の軽自動車に対応するため、系列製品(750V/300A、450A)の開発や、中型車用インバータ(100~125kW)向けに、同じM682パッケージで大電流品の開発を進めています。
2027年以降の電動車モデル向けに、第3世代トレンチゲートSiC-MOSFETチップを搭載したSiCパワーモジュールの開発を進めています。このモジュールは、発生損失の大幅な低減に加えて、パッケージの薄型化と低インダクタンス化を実現し、第7世代IGBTモジュールと比較して電力密度を約2倍に向上しました。さらに、2030年度以降の製品化を想定し、更なる損失低減を目指した第4世代SiC-MOSFETチップやモジュールの開発を進めています。これらの製品を通じて、電動車の高効率化と小型・軽量化に貢献します。
当中間連結会計期間における当部門の研究開発費は70億28百万円です。
■食品流通部門
●店舗流通分野
コンビニエンスストア(コンビニ)向けに、店舗のエネルギー利用を最適化する新型「エコマックスコントローラ」を開発し発売しました。省エネと快適性を指標とする新たな空調制御やショーケースの冷やし過ぎを防止する制御などの適用により、実店舗において空調・冷凍冷蔵設備の年間消費電力量を約10%削減(当社従来比)できることを確認しました。これにより、コンビニの省エネに貢献します。
当中間連結会計期間における当部門の研究開発費は19億74百万円です。
■その他部門
当中間連結会計期間における当部門の研究開発費は0百万円です。
■新技術・基盤技術分野
●パワーエレクトロニクス技術
脱炭素社会の実現に向けて、製鉄業では石炭を用いた高炉から電気炉への転換が進んでいます。電気炉ではアークにより電流が大きく変動するため、電圧変動や高調波が外部系統へ流出する電力品質問題が生じる可能性があります。現在は、受動フィルターとフリッカ補償装置を用いてこの電力品質対策をしています。しかし、受動フィルターの設計が非常に難しく、調整に時間がかかっていました。そこで、この問題を解決するために、インバータを用いて電圧変動や高調波の流出を抑制するシステムの開発に取り組んでいます。現在、当社独自のインバータ回路とその制御アルゴリズムの開発を進めています。
電気炉を使用した製鋼プロセスの高効率化(生産量向上)に向けて、原料の溶解に用いる電極の昇降制御技術を開発し、製鋼アーク炉の制御システムに適用しました。原料の状態変化や負荷変動などに対して電極の位置や昇降速度を最適に制御することで原料の溶解速度を速めて、製鋼時間を従来システムに比べて約5%短縮しました。これにより1日あたりの製鋼回数を増やせるため、顧客の生産量向上に貢献します。
●AI活用技術
列車のより安全なワンマン運転の実現に向けて、駅ホームにおけるドア閉めのタイミングを判断・通知するAI画像解析・判定技術を用いた列車運転支援システムを開発しました。このシステムは、監視カメラで撮影した乗降客の行動をリアルタイムで解析してドア閉め可否を判断し、運転士や係員に通知します。車掌の判断基準を数値化した当社独自の判定アルゴリズムにより、車掌と同等レベルの安全な判断精度と応答速度を実現しました。
(注)上記のうち、将来の経営目標等に関する記載は、本半期報告書の提出日現在において合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は、実際の結果とは実質的に異なる可能性があり、当社はこれらの記載のうち、いかなる内容についても、確実性を保証するものではありません。