売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E01806 IFRS


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、米国や欧州で景気回復の兆しが見られたものの、中国で景気の先行きに不安があることから、経済活動は全体として減速しました。

日本経済は、内需主導により穏やかに回復しているものの、製造業では世界経済の減速にともない輸出が減少、生産活動も停滞しました。

そのような中で、当社グループの主要な販売市場である通信装置、およびロボット、工作機械、半導体製造装置などのファクトリーオートメーション市場からの需要は減退しました。

その結果、当第3四半期連結累計期間における連結売上収益は86,556百万円(前年同期比3.1%減)となり、連結営業利益は9,674百万円(前年同期比0.4%減)、連結税引前四半期利益は10,663百万円(前年同期比1.8%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は7,814百万円(前年同期比4.8%減)となりました。
 受注高は56,141百万円(前年同期比46.3%減)、受注残高は51,510百万円(前年同期比42.8%減)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりです。

 
①日本

日本には、当社および連結子会社の山洋工業株式会社、山洋電気テクノサービス株式会社、山洋電気ITソリューション株式会社があります。セグメント売上収益は84,445百万円(前年同期比3.4%減)となり、セグメント利益は5,242百万円(前年同期比5.5%増)となりました。
②北米

北米には、連結子会社のSANYO DENKI AMERICA,INC.があります。セグメント売上収益は16,906百万円(前年同期比8.7%減)となり、セグメント利益は1,792百万円(前年同期比15.0%増)となりました。

③ヨーロッパ

ヨーロッパには、連結子会社のSANYO DENKI EUROPE S.A.およびSANYO DENKI GERMANY GmbHがあります。セグメント売上収益は7,254百万円(前年同期比24.3%増)となり、セグメント利益は579百万円(前年同期比138.5%増)となりました。

④東アジア

東アジアには、連結子会社の山洋電气(上海)貿易有限公司、山洋電氣(香港)有限公司、台灣山洋電氣股份有限公司、SANYO DENKI KOREA CO.,LTD.、上海山洋電气技術有限公司、山洋電气貿易(深圳)有限公司、中山市山洋電气有限公司、山洋電气精密機器維修(深圳)有限公司および山洋電气(天津)貿易有限公司があります。セグメント売上収益は11,062百万円(前年同期比25.6%減)となり、セグメント利益は545百万円(前年同期比59.6%減)となりました。

⑤東南アジア

東南アジアには、連結子会社のSANYO DENKI PHILIPPINES,INC.、SANYO DENKI INDIA PRIVATE LIMITEDおよびSANYO DENKI (THAILAND) CO.,LTD.があります。
 セグメント売上収益は32,668百万円(前年同期比1.8%減)となり、セグメント利益は1,552百万円(前年同期比18.5%減)となりました。 

 

また、事業部門別の営業概況は次のとおりです。


①クーリングシステム事業

クーリングシステム製品「San Ace」は、EV用急速充電器や高性能サーバ向けの需要が好調でした。一方、通信機器や一般産業機器向けの需要は低調でした。

その結果、売上収益は33,428百万円(前年同期比5.5%増)、受注高19,894百万円(前年同期比49.1%減)、受注残高21,131百万円(前年同期比46.3%減)となりました。
 
②パワーシステム事業

パワーシステム製品「SANUPS」は、社会インフラおよびカーボンニュートラル向けの需要が堅調でした。また、第3四半期から官公庁向けの需要が増加に転じました。一方、半導体製造装置の需要は低調でした。

その結果、売上収益は5,570百万円(前年同期比18.4%増)、受注高6,156百万円(前年同期比5.9%増)、受注残高3,778百万円(前年同期比8.0%減)となりました。

 
③サーボシステム事業

サーボシステム製品「SANMOTION」は、半導体製造装置、ウェハ搬送ロボット向けの需要が低調でした。また、前連結会計年度から続く中国市場の低迷により、電子部品実装機、金属加工機、射出成形機、工作機械向けの需要も低調でした。

その結果、売上収益は43,263百万円(前年同期比10.3%減)、受注高25,975百万円(前年同期比53.0%減)、受注残高24,788百万円(前年同期比44.5%減)となりました。

 

④電気機器販売事業

医療機器向けの需要の増加により、産業用電気機器、制御機器および電気材料の需要は堅調に推移しました。一方、半導体業界や太陽光発電向けの需要は低調でした。

その結果、売上収益は3,471百万円(前年同期比8.7%減)、受注高3,068百万円(前年同期比11.8%減)、受注残高1,022百万円(前年同期比20.9%減)となりました。

 

⑤電気工事事業

主要顧客である鉄鋼業界からの需要は堅調に推移しました。一方、工事用部材の調達難のため、一般産業向けの電気設備工事の需要は低調でした。

その結果、売上収益は823百万円(前年同期比4.1%減)、受注高1,046百万円(前年同期比4.0%増)、受注残高789百万円(前年同期比27.4%増)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末における財政状態は、前連結会計年度末と比較して、資産合計は1,820百万円の増加、負債合計は8,286百万円の減少、資本合計は10,107百万円の増加となりました。
 資産の主な変動要因は、営業債権及びその他の債権の減少4,382百万円、現金及び現金同等物の増加2,725百万円、有形固定資産の増加2,419百万円によるものです。

負債の主な変動要因は、借入金(流動負債)の減少6,372百万円、営業債務及びその他の債務の減少2,811百万円、退職給付に係る負債の減少1,436百万円によるものです。
 資本の主な変動要因は、利益剰余金の増加7,144百万円、その他の資本の構成要素の増加2,929百万円によるものです。 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、23,274百万円となり、前連結会計年度末より2,725百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間の営業活動による資金の増加は、15,969百万円(前年同期間は4,089百万円の増加)となりました。これは主に、税引前四半期利益10,663百万円、営業債権及びその他の債権の減少額5,238百万円、減価償却費及び償却費4,326百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間の投資活動による資金の減少は、5,548百万円(前年同期間は2,593百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出5,147百万円、無形資産の取得による支出765百万円、その他の金融資産の売却による収入280百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間の財務活動による資金の減少は、8,507百万円(前年同期間は612百万円の増加)となりました。これは主に、短期借入金の純減少額6,884百万円、長期借入による収入2,216百万円、配当金の支払額1,694百万円によるものです。

 

(4) 研究開発活動

無形資産に計上された開発費を含む当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は、2,703百万円です。