E33638 Japan GAAP
(1)経営成績に関する説明
当中間会計期間におけるわが国経済は、堅調な企業業績、雇用や所得環境の改善など、緩やかに持ち直しの動きが見られる一方、継続する物価の上昇、貿易政策の不確実性によって生ずる影響等、依然として先行き不透明な状況が続いております。
ホテル業界全体におきましては、国土交通省が発表する宿泊旅行統計調査(2025年7月・第2次速報、2025年8月・第1次速報)にて、宿泊事業全体の延べ宿泊数は7月5,575万人泊(前年同月比2.6%減)、8月6,682万人泊(同0.8%増)となり宿泊需要は昨年とほぼ同等程度の結果となりました。また当社の属するビジネスホテル業界の稼働率に関しては、7月74.7%、8月76.8%と、ビジネスホテル業界においても同水準で推移している状況であります。
こうした経済環境のもとで、当社はインバウンド需要を取り込むため、特に海外の利用頻度が高いOTA(OnlineTravelAgency)を拡充しました。また一部店舗でウェルカムドリンクを無料提供するなど、お客様の更なる満足度向上に努めました。その一方で人件費や資源価格の高騰によって生ずる様々なコスト増加に対応するため、一部店舗において実施していた自社清掃店舗を拡大してコストの削減に取り組みました。価格面では以前より行っていたレベニューマネジメントに磨きをかけ、コスト削減と適正価格の設定を両軸とした施策を実施しました。
宿泊ニーズの高い立地での運営に加え、当社の主要顧客であるビジネスのお客様が堅調に推移し、尚且つインバウンド需要や特に関西圏での宿泊需要が増加したことによって1室あたりの宿泊単価は上昇しました。その一方で稼働率の適正化を図った結果、前々期までに開業した既存34店舗の中間会計累計期間平均宿泊稼働率は85.6%(前年同期比0.5ポイント減)となりました。
当中間会計期間におきましては、2025年9月福井県初出店となる「ABホテル越前武生」を出店し、新規開業店舗を含め運営店舗は37店舗となり、客室数は4,804室となりました。
この結果、当中間会計期間における売上高は6,033百万円(前年同期比16.3%増)、営業利益2,417百万円(同25.3%増)、経常利益2,388百万円(同25.5%増)、中間純利益1,483百万円(同25.1%増)となりました。また当社の主要KPIである経常利益率は39.6%となり、売上高、営業利益、経常利益、中間純利益は、いずれも中間会計期間における過去最高をそれぞれ更新しました。
なお、当社はホテル事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)財政状態の分析
①資産・負債及び純資産の状況
(資産)
当中間会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べ1,737百万円増加の28,022百万円となりました。主な要因といたしましては、現金及び預金が946百万円、有形固定資産がABホテルの新規出店等により479百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
(負債)
負債総額は、前事業年度末に比べ537百万円増加の14,073百万円となりました。主な要因といたしましては、ABホテルの建設による借入金が358百万円減少した一方、ABホテルの新規出店等の未払金が448百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産は、前事業年度末に比べ1,200百万円増加し13,949百万円となりました。主な要因といたしましては、利益剰余金が増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は49.8%(前事業年度末は48.5%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間におけるキャッシュ・フローにつきましては、営業活動による資金増加が2,319百万円あった一方、ABホテル建設等の投資活動による支出が877百万円、財務活動による支出が795百万円ありました。
その結果、現金及び現金同等物は6,567百万円となり前事業年度末と比べ646百万円の増加となりました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,319百万円(前年同期は1,387百万円の収入)となりました。これは主に税引前中間純利益が2,388百万円、減価償却費が446百万円あった一方、利息の支払額が46百万円、法人税等の支払額が769百万円あったこと等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は877百万円(前年同期は2,998百万円の支出)であります。これは主にABホテル新規開業等に伴う固定資産の取得による支出が569百万円あったこと等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は795百万円(前年同期は1,277百万円の収入)であります。これはビジネスホテルの運営等に伴う借入金による収入が500百万円あった一方、長期借入金の返済による支出が885百万円、配当金の支払による支出が283百万円あったこと等を反映したものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間会計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)従業員数
当中間会計期間において、前事業年度末より当社の従業員数(臨時社員を含む)は、19名増加し286名となりました。主な要因は、外注していた客室清掃業務を自社対応に切り替えたことによるものであります。
(7)資本の財源及び資金の流動性の分析
当社の資金需要のうち主なものは、設備投資資金のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、営業費用の主なものは、人件費及び販売手数料であります。
今後もABホテルの開発により、設備投資資金の需要は大きくなるものと予想されますが、リースバック方式の導入等資金需要の伴わない開発等を検討し、投資による資金需要を最小限に抑える創意工夫を行ってまいります。
(8)経営者の問題認識と今後の方針について
当社を取り巻く事業環境においては、「観光立国推進基本法」に基づき、2023年3月31日に閣議決定された「観光立国推進基本計画」により、政府主導のもと、持続可能な観光地域づくり、インバウンド需要の回復、国内交流の拡大という3つの戦略が進められることが期待されています。
一方で、物価の継続的な高騰や貿易政策における不確実性など、先行き不透明な状況が続いております。こうした環境下においても、お客様に当社のサービスをご利用いただけるよう、既存サービスの見直しを行い、更なる顧客満足度の向上とリピーターの確保に取り組むとともに、継続的な経費削減にも努めてまいります。
また、成長戦略としては、市場環境を見極めながら、年間3店舗以上の新規出店を目標に開発を進めてまいります。人件費や資材の高騰に伴う設備投資額や長期借入金の調達コストが増加する中、建設プランの見直しなどによる開発コストの削減に取り組むほか、投資に見合う収益構造の構築や、資金調達手段の多様化を図りながら、持続可能な成長戦略の推進に努めてまいります。