株式会社キャストリコ

電気機器半導体

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E33345 


3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当中間会計期間における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下の通りであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

a.財政状態

(流動資産)

 当中間会計期間末における流動資産の残高は2,374,209千円で、前事業年度末に比べ318,435千円増加しております。主な増加要因は現金及び預金の増加194,745千円、原材料の増加110,039千円、仕掛品の増加53,910千円等、主な減少要因は貸倒引当金の増加22,000千円等であります。

(固定資産)

 当中間会計期間末における固定資産の残高は244,177千円で、前事業年度末に比べ13,628千円増加しております。主な増加要因は、繰延税金資産の増加6,706千円、工具、器具及び備品(純額)の増加5,980千円等であります。

(資産合計)

 当中間会計期間末における資産合計は2,618,386千円で、前事業年度末に比べ332,064千円増加しております。

(流動負債)

 当中間会計期間末における流動負債の残高は1,253,322千円で、前事業年度末に比べ252,188千円増加しております。主な増加要因は短期借入金の増加163,000千円、未払消費税等の増加32,748千円、未払法人税等の増加26,558千円、1年内返済予定の長期借入金の増加17,642千円、未払金の増加14,336千円等であります。

(固定負債)

 当中間会計期間末における固定負債の残高は256,676千円で、前事業年度末に比べ24,392千円減少しております。長期借入金の減少24,392千円がその変動要因であります。

(負債合計)

 当中間会計期間末における負債合計は1,509,998千円で、前事業年度末に比べ227,796千円増加しております。

(純資産)

 当中間会計期間末における純資産の残高は1,108,388千円で、前事業年度末に比べ104,268千円増加しております。増加要因は中間純利益109,778千円の計上による利益剰余金の増加、減少要因は剰余金の配当5,510千円による利益剰余金の減少であります。

 

b.経営成績

 当中間会計期間(2022年11月1日から2023年4月30日)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症について、ゼロコロナ政策を続けた中国で経済活動の停滞が長期化したものの、欧米諸国を中心に行動制限の緩和が進み、景気は総じて回復に向かっております。一方、ロシアによるウクライナ侵攻等の影響により、原材料価格・エネルギー価格の高騰が進行し、世界各国でインフレ基調にあります。

 日本経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和と経済活動の正常化が進む中で、設備投資に持ち直しの動きが見られます。一方、原材料価格・エネルギー価格の高騰や為替変動など、依然として不透明な状況が継続しております。

 当社の属する半導体業界においては、デジタルトランスフォーメーション(DX)やIoT化の動きが加速しており、在宅勤務や遠隔授業の増加によってノートPCや通信機器の需要が好調に推移し、半導体や電子部品、関連製造装置の需要が高まっております。世界規模での半導体不足は解消されつつあるものの、当社製品の基幹部品であるロボットアームなど、資材の調達に時間を要している状況であり、当社製品の安定供給の視点より、一定水準の在庫を確保する方針を取っております。

 このような経営環境の中で、売上高は1,670,877千円(前年同期比23.1%増加)、営業利益は166,890千円(同147.5%増加)、経常利益は168,108千円(同140.3%増加)、中間純利益は109,778千円(同213.3%増加)となりました。受注が好調に推移し、また、材料費率の低減等により売上総利益率が増加し、増収増益となっております。

 当社は、プロダクツ事業、エンジニアリング事業及びシステム事業を主体とするエレクトロニクス事業を行っており、単一セグメントであるため、セグメントごとの記載に代えて、事業別に記載いたします。

 なお、当中間会計期間より、当社における業績管理区分の一部見直しに伴い、従来「プロダクツ事業」に含めていた一部サービスの区分を「エンジニアリング事業」に変更しております。このため、前中間会計期間につきましては、事業変更後の数値に組み替えて表示しております。

[プロダクツ事業]

 プロダクツ事業の売上高は199,859千円(前年同期比89.6%増加)となりました。これは主に大型装置向けの基板の受注等が好調に推移したものであります。

[エンジニアリング事業]

 エンジニアリング事業の売上高は230,616千円(前年同期比5.7%増加)となりました。人員増に伴う生産能力の向上等により増収となっております。

[システム事業]

 システム事業の売上高は1,231,179千円(前年同期比31.2%増加)となりました。これは主に大型装置の受注等により受注が好調に推移したものであります。

[その他]

 環境関連装置事業等の売上高は9,222千円(前年同期比90.4%減少)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は687,937千円(前事業年度末比194,744千円増加)となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は65,731千円(前年同期は172,631千円の使用)となりました。主な増加要因は税引前中間純利益の計上168,108千円、未払消費税等の増加額32,748千円、貸倒引当金の増加額22,000千円等によるものであり、主な減少要因は棚卸資産の増加額153,285千円、法人税等の支払額44,846千円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は21,726千円(前年同期は166,688千円の使用)となりました。主な減少要因は有形固定資産の取得による支出18,686千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は150,740千円(前年同期は765,632千円の獲得)となりました。増加要因は短期借入れによる収入1,757,246千円によるものであり、減少要因は短期借入金の返済による支出1,594,246千円等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 当社はプロダクツ事業、エンジニアリング事業、システム事業を主体とするエレクトロニクス事業を行っており、単一セグメントであるため、セグメント別の記載に代えて事業部門別に記載しております。

 なお、「その他」は主に環境関連装置事業等であります。また、当中間会計期間より、当社における業績管理区分の一部見直しに伴い、従来「プロダクツ事業」に含めていた一部サービスの区分を「エンジニアリング事業」に変更しております。このため、前中間会計期間につきましては、事業変更後の数値に組み替えて表示しております。

a.生産実績

 当中間会計期間の生産実績を事業部門ごとに示すと、以下の通りです。

事業部門の名称

当中間会計期間

(自 2022年11月1日

至 2023年4月30日)

前年同期比(%)

プロダクツ事業

(千円)

94,254

126.3

エンジニアリング事業

(千円)

158,114

108.0

システム事業

(千円)

970,839

129.3

その他

(千円)

3,354

3.8

合計

(千円)

1,226,562

115.8

 

b.受注実績

 当中間会計期間の受注実績を事業部門ごとに示すと、以下の通りです。

事業部門の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

プロダクツ事業

49,721

85.0

74,887

79.4

エンジニアリング事業

230,616

105.7

システム事業

1,457,368

91.7

1,567,957

144.5

その他

9,180

9.6

合計

1,746,887

89.1

1,642,844

139.3

 

c.販売実績

 当中間会計期間の販売実績を事業部門ごとに示すと、以下の通りです。

事業部門の名称

当中間会計期間

(自 2022年11月1日

至 2023年4月30日)

前年同期比(%)

プロダクツ事業

(千円)

199,859

189.6

エンジニアリング事業

(千円)

230,616

105.7

システム事業

(千円)

1,231,179

131.2

その他

(千円)

9,222

9.6

合計

(千円)

1,670,877

123.1

(注)前中間会計期間及び当中間会計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下の通りです。

相手先

前中間会計期間

(自 2021年11月1日

至 2022年4月30日)

当中間会計期間

(自 2022年11月1日

至 2023年4月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

レーザーテック㈱

1,117,538

82.3

1,512,467

90.5

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、本半期報告書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 2023年1月31日に提出した有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

② 当中間会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

 当該事項につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載の通りです。

2)経営成績

 当該事項につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載の通りです。

(売上高、売上原価、売上総利益)

 売上高は1,670,877千円(前年同期比23.1%増加)となりました。プロダクツ事業が大型装置向けの基板の受注等により、エンジニアリング事業が人員増に伴う生産能力の向上等により、また、システム事業が主に大型装置の受注等により、それぞれ受注が好調に推移して増収となりました。

 売上原価は1,230,782千円(前年同期比18.0%増加)となりました。その結果、売上総利益は440,095千円(前年同期比39.8%増加)となり、売上総利益率は前中間会計期間の23.2%から当中間会計期間の26.3%へ3.1ポイント増加しております。その主な要因は、材料費率の低減及び2022年3月末に横浜事業所を一拠点に集約したことによる稼働率向上が成果として当期初より現れ、収益率が向上したものであります。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 販売費及び一般管理費は273,204千円(前年同期比10.4%増加)となりました。主な増加要因は貸倒引当金繰入額の増加22,000千円、人員増強に伴う従業員給与の増加14,163千円等、主な減少要因は賃借料の減少10,401千円等であります。

 その結果、営業利益は166,890千円(前年同期比147.5%増加)となり、営業利益率は前中間会計期間の5.0%から当中間会計期間の10.0%へ5.0ポイント増加しております。

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

 営業外収益は2,558千円(前年同期比32.7%減少)となりました。これは主に助成金収入の減少(前年同期比2,280千円減少)によるものであります。

 営業外費用は1,339千円(前年同期比6.9%増加)となりました。

 その結果、経常利益は168,108千円(前年同期比140.3%増加)となりました。

(特別利益、特別損失、法人税等合計、中間純利益)

 特別利益は、前中間会計期間、当中間会計期間ともに計上しておりません。

 特別損失は、当中間会計期間は計上しておりません。前中間会計期間に計上した15,306千円は和解金15,306千円であります。

 法人税等合計は58,330千円(前年同期比197.2%増加)となりました。これは主に、税引前中間純利益及び課税所得の増加によるものであります。

 その結果、中間純利益は109,778千円(前年同期比213.3%増加)となりました。

3)キャッシュ・フロー

 当該事項につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

 当社は、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 当社の資金需要は主に運転資金需要であり、製品製造のための材料費、外注費及び労務費等の営業費用が主な内容であります。当社の運転資金は、主に内部資金又は借入により調達しております。