売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01827 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①経営成績

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、経済活動の持ち直しが見られ、半導体を中心とした電子機器部品の調達難が緩和した結果、生産活動が増加し、回復基調が継続しております。一方、地政学リスクや世界的なインフレ圧力により、エネルギー価格や原材料価格の上昇による物価高が消費に影響を与えており、先行き不透明な状況が続いております。

当社グループの関連するICT市場は、Society 5.0の実現に向けてIoTやAIを活用した製品・サービスの高度化等、技術革新と共に新たなビジネスの躍進が見込まれております。

このような状況下で、当社グループは2021年4月からスタートした「第五次中期経営計画」において、「ハードウエア・ソフトウエアとサービスによる価値創造により、お客様の事業発展と社員幸福を目指す」という経営ビジョンに基づき、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を見据えて事業分類を見直し、事業の柱であるビジネスホンにさらなる展開を加え、新たな事業基盤の確立に取り組むと共に、情報伝送技術と製造能力にITを融合させた事業「スマートX事業」に経営資源を重点配分しております。

現段階で当社グループは、ビジネスホン需要の漸減に対して市場シェアアップのための機能追加、EMS事業の拡大、また、立ち上げが遅れているスマートXの一部機能の順次リリースに取り組んでおります。具体例として、2023年11月に「エアーディスプレイ」を発売いたしました。本製品はビルやオフィスのエントランスでの受付セキュリテイシステムとしてディスプレイに表示している映像コンテンツを空中に浮かび上がらせ、空中での操作を可能にするディスプレイで、感染症対策として手指衛生に配慮した非接触操作機能とインパクトのある空間デザインを実現することができる製品となります。また、労務管理用アプリケーションとして「NYC On Timeアシスト」の機能改善版を2023年11月に発売いたしました。新機能として、株式会社DONUTSの勤怠管理システム「ジョブカン勤怠管理」と連携ができるようになり、労務・残業管理の利便性が向上しております。引き続き、お客様目線での製品開発を行い、新しい製品やサービスを提供してまいります。

当第3四半期連結累計期間の業績については、部材需給の緩和による生産活動が回復したこともあり売上高12,211百万円(前期比4.6%増)になりました。利益面については、売上の増加があったものの、部材価格やインフラ費用の高止まりにより、営業損失589百万円(前年同四半期は営業損失942百万円)、経常損失523百万円(前年同四半期は経常損失845百万円)、法人税等調整額として76百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純損失653百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失1,080百万円)となりました。

なお、当社グループは通信機器事業の単一セグメントであります。

 

 

②財政状態
(a) 資 産

総資産は前連結会計年度末に比べ454百万円減少し、21,938百万円となりました。

流動資産は前連結会計年度末に比べ884百万円減少し、14,150百万円となりました。これは主に、原材料及び貯蔵品の増加589百万円、流動資産の「その他」に含まれる前渡金の増加322百万円があったものの、受取手形及び売掛金の減少1,209百万円、現金及び預金の減少593百万円があったこと等によるものであります。

固定資産は前連結会計年度末に比べ429百万円増加し、7,787百万円となりました。これは主に、投資有価証券の増加365百万円、無形固定資産の増加84百万円があったこと等によるものであります。

(b) 負 債

負債は前連結会計年度末に比べ41百万円増加し、5,538百万円となりました。

流動負債は前連結会計年度末に比べ140百万円減少し、4,264百万円となりました。これは主に、流動負債の「その他」に含まれる契約負債の増加414百万円があったものの、支払手形及び買掛金の減少240百万円、電子記録債務の減少178百万円、賞与引当金の減少143百万円があったこと等によるものであります。

固定負債は前連結会計年度末に比べ182百万円増加し、1,274百万円となりました。これは主に、固定負債の「その他」に含まれる繰延税金負債の増加174百万円があったこと等によるものであります。

(c) 純資産

純資産は前連結会計年度末に比べ496百万円減少し、16,399百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金の増加260百万円があったものの、利益剰余金の減少742百万円があったこと等によるものであります。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は335百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、部品や製品の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資資金需要は、設備投資、開発投資であります。また、株主還元については、株主の皆様に対する利益還元を充実していくことが経営上の重要課題であることを認識しており、業績に応じた配当の実現と市場競争力の維持や収益の向上に不可欠な設備投資、研究開発等を実行するための内部資金の確保を念頭に、財政状態、利益水準及び配当性向等を総合的に勘案し、安定的に実施する様努めてまいります。運転資金、投資資金及び株主還元等につきましては、主として内部資金を基本としております。また、大規模災害や新規開発投資の増加あるいは新規設備投資の増加、配当金の増加等によって、キャッシュ・フローが一時的に悪化した場合に備え、主要取引金融機関との間でコミットメントラインの契約を締結しており、流動性リスクを回避する体制をとっております。

当社グループは、健全な財務体質及び継続的な営業活動により、資金調達は可能であると考えております。