売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01805 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態及び経営成績の状況

   ① 経営成績

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、サービス分野のリバウンド需要、底堅い個人消費による景気下支えなどにより比較的安定した動きとなりました。一方、ウクライナ情勢やイスラエル・ハマス紛争による地政学リスクの高まり、米国での労働需給のひっ迫を背景にした賃金上昇圧力や物価上昇の継続、中国における不動産市況低迷と輸出落ち込みを要因とした景気回復モメンタムの低下など、先行きの景況感は依然不透明となっております。製造業においては半導体・原材料調達難は回復基調に転換しましたが、市場の在庫調整は依然として継続しております。また、日米金融政策の違いの継続により、対ドル円相場は円安基調となりました。

当電子部品業界におきましては、全体的に市況は厳しく、低調に推移しました。車載市場では、半導体不足の緩和に伴い回復軌道に向かいましたが、在庫調整の影響などにより力強い回復には至りませんでした。情報通信市場では、スマートフォン、タブレットなどは欧米における買い替えサイクルの長期化、景気の先行き不透明感から低調に推移しました。家電市場では、住宅設備機器、エアコンなどが在庫調整、巣ごもり需要の反動減、サービス消費へのシフトなどにより低調に推移しました。産機市場は半導体関連などの一部で需要増はあるものの、FA・設備関連が中国経済の減速などにより低調に推移し、総じて厳しい状況が続きました。

当社グループでは、部材の安定調達を徹底し、顧客需要に即応した安定的な製品供給を維持すると共に、積極的な新製品の投入とコスト削減に努めたものの、市況環境を受けた主要得意先の在庫調整が継続した結果、当第3四半期累計期間の売上高は342億4千3百万円(前年同期比18.7%減)、営業損失は5億5千6百万円(前年同期は営業利益14億7千6百万円)となりました。経常利益は3千9百万円(前年同期比98.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は3億1千6百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益24億5千万円)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりです。

 

(CS事業部) 

車載市場においては、カメラ関連が堅調に推移したことに加え、電装品関連などの需要が順調に拡大したことにより、前年を上回りました。家電市場では、好調に推移してきたゲーム機関連は市場の在庫調整の影響による発注調整が入りましたが、デジカメ関連が好調で堅調に推移しました。情報通信市場は、中国顧客向けスマートフォン関連の需要が好調を維持した一方、米国顧客タブレット関連の需要減の影響も大きく、前年を下回る結果となりました。

CS事業全体として、インフレ、世界情勢不安、中国景気懸念、消費動向の変化などにより需要の縮小が継続しており、前年を下回りました。

この結果、当事業の売上高は154億2千2百万円(前年同期比2.0%減)、営業利益は7億5千7百万円(前年同期比25.6%減)となりました。

 

 

(SCI事業部) 

家電市場では、主力のリモコンにおいて、サニタリー用が順調に推移しましたが、住設用・エアコン用・スマート家電用は主要得意先の在庫調整などの影響により縮小しました。車載市場では、操作ユニット・カメラモジュール・タッチセンサーなどが在庫調整の影響を受け低調に推移しました。

SCI事業全体として、巣ごもり需要が一巡し得意先の在庫調整が継続したことから、前年を下回りました。

この結果、当事業の売上高は185億3千9百万円(前年同期比29.0%減)、営業損失は11億6千7百万円(前年同期は営業利益5億7千8百万円)となりました。

 

(開発センター) 

開発センターの主力事業、無線通信モジュールの売上の中心であるBluetooth®モジュールにおいて、決済端末用、医療機器用は前年を割り込みましたが、モバイルプリンター用は、好調に推移しました。また、Sub-GHz通信モジュールについて、照明機器用が拡大し、開発センター全体として前年を上回る結果となりました。

この結果、当事業の売上高は2億7千2百万円(前年同期比15.3%増)、営業損失は1億3千9百万円(前年同期は営業損失1億2千1百万円)となりました。

 

    ② 財政状態

流動資産は、前連結会計年度末に比べて2.6%増加し、341億2千8百万円となりました。これは、現金及び預金が11億4千9百万円、原材料及び貯蔵品が10億9千3百万円それぞれ増加したことなどによります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて1.8%増加し、235億4千万円となりました。これは、投資その他の資産が6億5千9百万円増加したことなどによります。
 この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて2.3%増加し、576億6千9百万円となりました。
 流動負債は、前連結会計年度末に比べて1.9%減少し、158億9千万円となりました。これは、短期借入金が3億9千万円減少したことなどによります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて30.9%増加し、103億3千4百万円となりました。これは、長期借入金が22億3千2百万円増加したことなどによります。
 この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて8.9%増加し、262億2千5百万円となりました。
 純資産合計は、前連結会計年度末に比べて2.6%減少し、314億4千3百万円となりました。これは、利益剰余金が13億3百万円減少し、為替換算調整勘定が3億5千3百万円増加したことなどによります。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は18億4千8百万円であります。
 なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(4) 生産、受注及び販売の実績

当第3四半期連結累計期間において、SCI事業部の生産実績(前年同期比35.2%減)及び受注実績(前年同期比34.3%減)が著しく減少しております。減少の背景につきましては、「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、家電市場及び車載市場における主要得意先の在庫調整などの影響によります。