E02015 IFRS
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響が収束したことを背景に回復基調が継続しているものの、製造業を中心とした設備投資の抑制、就業者数の回復の遅れ等もあり、全般に緩やかな回復となりました。海外においては、米国では個人消費や設備投資が堅調に推移する一方、欧州ではインフレ進展による経済の減速、中国では国内の需要低迷や輸出の伸び悩みが見られました。加えて、中東やロシア・ウクライナ問題の地政学上リスクが残る等、依然として不透明な状況が継続しております。
医療面におきましては、国内では高齢化や健康・医療ニーズの多様化を背景に、医療及びヘルスケア分野の需要が高まっております。政府も成長戦略の一つとして「次世代ヘルスケア」を挙げており、引き続き活性化が見込まれております。海外においても先進国の高齢化や新興国の経済成長に伴う医療需要の拡大と医療の質・サービス向上へのニーズの高まりに加えて、人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)等の最先端技術のヘルスケア領域への実装が急速に進展しており、今後も継続した成長が期待されております。
このような状況の下、ダイアグノスティクス事業では、当社は富士レビオ・ホールディングス株式会社と免疫検査領域における研究・開発、生産、臨床開発、販売等多面的な協業の強化に向けた、業務提携基本契約を締結いたしました。同契約に基づき、神経変性疾患関連領域における当社の全自動免疫測定装置 HISCL™シリーズ専用試薬に関するCDMO※1契約の締結や、両社が保有する試薬原料供給に関し基本合意いたしました。今後、両社が保有する質の高い試薬原料の相互利活用を推進し、新規項目開発や新たな技術開発も視野に入れ、更に連携して取り組んでまいります。
また、機器生産機能を強化するため、臨床検査のトータルソリューションに欠かせない検体検査用の搬送システム※2製品や周辺装置等の設計・生産を担うシスメックスRA株式会社の工場を移転・拡張することを決定いたしました。生産エリアの拡張に加え、部品・ユニットの共通化、生産ラインのフレキシブル化、ロボットを活用した自動化等による生産効率の向上により、生産能力を約2倍に拡大すると共に、他の当社グループ工場の災害等、有事の際のBCP機能も整備します。
再生細胞医療領域では、ヒトiPS細胞※3から血小板を産生させる基盤技術を有する株式会社メガカリオン(以下、メガカリオン)を連結子会社化いたしました。メガカリオンを当社グループの一員とすることで更にシナジーを発揮し、高品質かつ安全性の高いiPS細胞由来血小板製剤の事業化を加速します。また、当社検査機器の精度管理に用いる標準物質の原材料への応用の検討等も進めていきます。加えて、JCRファーマ株式会社との合弁会社であるAlliedCel株式会社(以下、AlliedCel)は、株式会社JUNTEN BIOとライセンス契約を締結し、誘導型抑制性T細胞(JB-101)による免疫寛容状態を誘導する再生医療等製品の国内製造販売業を担うことを決定いたしました。AlliedCelの既存事業に誘導型抑制性T細胞(JB-101)が加わることで、より早期に再生医療等製品による患者さんへの適切な治療機会の提供が可能となります。
最後にメディカルロボット事業では、当社と川崎重工業株式会社が共同出資する株式会社メディカロイド(以下、メディカロイド)は、国内外の事業展開に向けた薬事・販売体制等の準備を推進し、「hinotori™」が現在日本国内で適応しております三診療科(泌尿器科、消化器外科、婦人科)に加え、呼吸器外科への適応について、薬事申請を行いました。今後も、メディカロイドが進める国内外の薬事申請活動と連携し、順次製品の導入を目指します。
※1 CDMO:
Contract Development and Manufacturing Organization(受託開発製造)の略。
※2 搬送システム:
検査機器の組み合わせにより様々な構成、検査運用を可能とするため、検査機器同士を接続して、機器間で検体を自動搬送するためのもの。これら搬送システムや周辺装置により、従来は手作業で行っていた業務を自動化したり、必要な検査工程に応じて検体を並べ替えたりすることで、検査業務の効率化、省力化を図ることができる。
※3 iPS細胞(人工多能性幹細胞:induced pluripotent stem cell):
ヒトの皮膚の細胞等にいくつかの因子を導入することによって作製された、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力を持った幹細胞。山中伸弥教授率いる京都大学の研究グループによって発見された。この細胞を分化誘導することにより、理論上は体を構成する全ての組織や臓器に分化させることが可能と考えられており、再生医療の実現に向けて注目が集まっている。
<参考>地域別売上高
|
前第3四半期 連結累計期間 |
当第3四半期 連結累計期間 |
前年同期比 (%) |
|||
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
|||
国内 |
43,765 |
14.6 |
43,315 |
13.3 |
99.0 |
|
|
米州 |
77,236 |
25.9 |
85,310 |
26.1 |
110.5 |
|
EMEA |
84,636 |
28.3 |
92,831 |
28.4 |
109.7 |
|
中国 |
66,038 |
22.1 |
73,460 |
22.5 |
111.2 |
|
アジア・パシフィック |
27,066 |
9.1 |
31,607 |
9.7 |
116.8 |
海外計 |
254,978 |
85.4 |
283,210 |
86.7 |
111.1 |
|
合計 |
298,743 |
100.0 |
326,525 |
100.0 |
109.3 |
国内販売につきましては、ヘマトロジー分野及び尿検査分野における機器の売上が増加いたしましたが、新型コロナウイルス感染症に関する検査需要の低下により免疫検査分野における試薬の売上が減少したことに加え、ライフサイエンス分野における試薬の売上が減少した結果、国内売上高は43,315百万円(前年同期比1.0%減)となりました。
海外販売につきましては、ヘマトロジー分野における機器、試薬及び保守サービスの売上が増加したことに加え、為替相場が円安に推移した結果、海外売上高は283,210百万円(前年同期比11.1%増)、構成比86.7%(前年同期比1.3ポイント増)となりました。
また、販売費及び一般管理費につきましては、前年同期は一部地域において新型コロナウイルス感染症拡大に伴う活動制限の影響が残っていたものの、当第3四半期連結累計期間は販売及びサービス活動が再開したこと等により増加した結果、95,849百万円(前年同期比17.5%増)となりました。
以上により、当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は326,525百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益は54,212百万円(前年同期比0.3%減)、税引前四半期利益は51,102百万円(前年同期比0.1%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は34,464百万円(前年同期比2.0%減)となりました。
セグメントの経営成績は、以下のとおりであります。
① 日本
ヘマトロジー分野及び尿検査分野における機器の売上が増加いたしましたが、新型コロナウイルス感染症に関する検査需要の低下により免疫検査分野における試薬の売上が減少したことに加え、ライフサイエンス分野における試薬の売上が減少した結果、売上高は46,404百万円(前年同期比0.4%減)となりました。
利益面につきましては、売上原価率が改善いたしましたが、販売費及び一般管理費の増加により、セグメント利益(営業利益)は37,882百万円(前年同期比1.8%減)となりました。
② 米州
北米においては、ヘマトロジー分野及び尿検査分野における機器、試薬及び保守サービスの売上が増加いたしました。中南米においては、ヘマトロジー分野における試薬及び尿検査分野における機器、試薬の売上が増加いたしました。その結果、売上高は80,729百万円(前年同期比10.2%増)となりました。
利益面につきましては、販売費及び一般管理費が増加いたしましたが、増収及び売上原価率の改善により、セグメント利益(営業利益)は4,229百万円(前年同期比72.0%増)となりました。
③ EMEA
ヘマトロジー分野における試薬及び保守サービス、ライフサイエンス分野における試薬の売上が増加した結果、売上高は94,582百万円(前年同期比10.0%増)となりました。
利益面につきましては、売上原価率の悪化、販売費及び一般管理費の増加により、セグメント利益(営業利益)は5,345百万円(前年同期比39.7%減)となりました。
④ 中国
検査需要の回復を背景に、現地生産化による効果も寄与しヘマトロジー分野における機器及び試薬の売上が増加いたしました。加えて、尿検査分野及び免疫検査分野における試薬の売上が増加いたしました。その結果、売上高は73,341百万円(前年同期比11.2%増)となりました。
利益面につきましては、売上原価率の悪化、販売費及び一般管理費の増加により、セグメント利益(営業利益)は6,396百万円(前年同期比5.4%減)となりました。
⑤ アジア・パシフィック
ヘマトロジー分野における機器、試薬及び保守サービス、免疫検査分野における試薬の売上が増加した結果、売上高は31,467百万円(前年同期比16.8%増)となりました。
利益面につきましては、販売費及び一般管理費が増加いたしましたが、増収及び売上原価率の改善により、セグメント利益(営業利益)は5,351百万円(前年同期比19.7%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて36,125百万円増加し、567,200百万円となりました。この主な要因は、営業債権及びその他の債権が6,430百万円、棚卸資産が8,414百万円、有形固定資産が8,912百万円、無形資産が7,280百万円増加したこと等によるものであります。
一方、負債合計は、前連結会計年度末と比べて17,555百万円増加し、160,273百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が25,000百万円増加したこと等によるものであります。
資本合計は、前連結会計年度末と比べて18,570百万円増加し、406,927百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が16,799百万円増加したこと等によるものであります。また、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の73.0%から1.4ポイント減少して71.6%となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末より10,097百万円減少し、59,362百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動の結果得られた資金は、38,868百万円(前年同期比1,012百万円減)となりました。この主な要因は、税引前四半期利益が51,102百万円(前年同期比43百万円増)、減価償却費及び償却費が26,165百万円(前年同期比2,612百万円増)、棚卸資産の増加額が7,182百万円(前年同期比6,083百万円減)、法人所得税の支払額が26,333百万円(前年同期比4,121百万円増)となったこと等によるものであります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動の結果使用した資金は、41,861百万円(前年同期比3,353百万円増)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出が18,590百万円(前年同期比6,619百万円増)、無形資産の取得による支出が18,196百万円(前年同期比814百万円増)となったこと等によるものであります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動の結果使用した資金は、10,707百万円(前年同期比11,639百万円減)となりました。この主な要因は、長期借入れによる収入が25,000百万円(前年同期比25,000百万円増)、配当金の支払額が17,579百万円(前年同期比1,050百万円増)、自己株式の取得による支出が12,000百万円(前年同期比11,998百万円増)となったこと等によるものであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
前事業年度の有価証券報告書に記載した「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」内の「優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」の記載について重要な変更はありません。
(5) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」内の「重要な会計方針及び見積り」の記載について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は23,219百万円であります。
また、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
なお、当第3四半期連結累計期間における、主な研究開発活動の状況は以下のとおりであります。
① 2023年5月 当社は、日本国内において、「フローサイトメーター XF-1600」、「検体前処理装置 PS-10」を合わせたクリニカルフローサイトメトリー※1システム、及び抗体試薬等の関連製品を発売いたしました。
※1 フローサイトメトリー(FCM):
微細な粒子を流体中に分散させ、その流体を細く流して、個々の粒子を光学的に分析する手法のこと。主に細胞を個々に観察する際に用いられる。
② 2023年6月 当社は、血液からアルツハイマー病の原因となる脳内アミロイドβ(Aβ)の蓄積状態を調べる検査試薬「HISCL™ β-アミロイド 1-42 試薬」及び「HISCL β-アミロイド 1-40 試薬」を日本で発売いたしました。
③ 2023年6月 当社は、尿路感染症※2が疑われる患者さんの尿検体を用いて、測定開始後最短約30分で細菌の有無及び抗菌薬の有効性を判定する迅速薬剤感受性検査システムを欧州で発売いたしました。
※2 尿路感染症:
尿路(腎臓から尿の出口まで)に細菌が進入し炎症が生じたものを尿路感染症という。膀胱では膀胱炎、腎臓では腎盂腎炎を引き起こす。日常診療において最も頻度が高いとされる細菌感染症の一つで、女性の約6割が生涯に一度は感染するとされている。
④ 2023年7月 当社と川崎重工業株式会社が共同出資する株式会社メディカロイドは、手術支援ロボット「hinotori™サージカルロボットシステム」において、手術操作と鉗子動作の接続を遮断するクラッチ操作を、足元のフットペダルに加え、手元でも操作できる「ハンドクラッチ機能」を搭載したバージョンアップモデルの販売を開始いたしました。
⑤ 2023年8月 当社は、血液中のアミロイドβを測定する試薬を米国におけるLDT※3向け試薬として大手検査センターに供給を開始いたしました。本LDTは、アルツハイマー病の原因とされる脳内のAβの蓄積状態の把握を補助する検査であります。
※3 LDT:
Laboratory Developed Test(自家調製検査)の略。医療機関や検査センター等の臨床検査室内において、独自の品質管理規定に基づき行われる検査。
⑥ 2023年8月 当社は、遺伝性網膜ジストロフィ(Inherited Retinal Dystrophy: IRD)※4の患者さん又はIRDと疑われる患者さんの血液から包括的なゲノムプロファイル※5を取得することで、IRDの原因遺伝子の同定に有用な情報を提供する「PrismGuide™ IRDパネル システム」(2023年5月に国内での製造販売承認取得)が、IRDの遺伝子パネル検査※6システムとして国内で初めて保険適用を受けました。
※4 遺伝性網膜ジストロフィ(Inherited Retinal Dystrophy: IRD):
遺伝子変異が原因と考えられる遺伝性進行性の疾患。類似の症状を示すいくつかの疾患を総じて遺伝性網膜ジストロフィと呼ぶ。夜盲(暗いところでものが見えにくくなる)や視野狭窄(視野が狭くなる)、視力低下が主な症状であり、進行すると場合によっては失明に至ることもある。代表的な疾患は網膜色素変性症(指定難病:告示番号90)であり、頻度は4,000~8,000人に1人とされている。
※5 包括的なゲノムプロファイル:
疾患の診療上重要な、検体中の複数の遺伝子の変異を同時に解析して得られる情報。
※6 遺伝子パネル検査:
関連する複数の遺伝子の変異状況を一度に調べる検査法。
⑦ 2023年9月 当社は「OncoGuide™ NCCオンコパネルシステム」が、大鵬薬品工業株式会社が開発した「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子※7陽性の治癒切除不能な胆道がん」への治療薬フチバチニブ※8の胆道がん※9患者さんへの適応を調べるコンパニオン診断として、日本における保険適用を受け、子会社である株式会社理研ジェネシスでの保険適用に対応したアッセイサービスを開始いたしました。
※7 FGFR2融合遺伝子:
FGFR(fibroblast growth factor receptor)はFGFR1-4の4種類が同定されており、細胞の成長や増殖に関わる線維芽細胞増殖因子受容体と呼ばれるタンパク質である。FGFR遺伝子異常には、融合、変異、増幅等があり、これら遺伝子異常により機能が活性化されると、がん細胞の増殖、生存、遊走、腫瘍血管新生、薬剤耐性等に結び付くと考えられている。日本において胆道がんの一種である切除不能な胆管がんの患者さんを対象とした研究では、FGFR2遺伝子再構成の陽性率は、肝内胆管がんで7.4%、肝外胆管がん(肝門部領域胆管がん)で3.6%との報告がある。
※8 フチバチニブ:
大鵬薬品工業株式会社が創製した新規経口抗がん剤で、遺伝子異常を持つ線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)と呼ばれるタンパク質の働きを阻害することにより、がん細胞の増殖を抑制する。2022年9月には、米国において「前治療歴を有するFGFR2融合遺伝子またはその他の再構成を伴う切除不能な局所進行または転移性肝内胆管がん」の適応での迅速承認、2023年7月には、欧州において「全身療法後に進行したFGFR2融合または再構成を伴う局所進行または転移性の胆管がん」の適応で条件付き販売承認を取得している。
※9 胆道がん:
胆道に発生するがんの総称で、発生部位により、胆管がん(肝臓内の胆管に発生する肝内胆管がんを含む)、胆のうがん、乳頭部がんに分類される。
⑧ 2023年10月 当社と富士レビオ・ホールディングス株式会社(以下、富士レビオHD)は、免疫検査領域における研究・開発、生産、臨床開発、販売等多面的な協業の強化に合意し、業務提携基本契約を締結いたしました。11月には本契約に基づき、富士レビオHDの子会社が行っている当社の全自動免疫測定装置 HISCLシリーズを対象とした検査試薬の開発に、神経変性疾患関連領域の項目を追加する旨のCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization:受託開発製造)契約を締結いたしました。また、12月には両社が保有する試薬原料供給に関し基本合意いたしました。
⑨ 2023年11月 当社と川崎重工業株式会社が共同出資する株式会社メディカロイドは、手術支援ロボット「hinotori サージカルロボットシステム」の呼吸器外科への適応について、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に申請を行いました。
⑩ 2023年12月 慢性肝炎・肝硬変の患者さんの診断・治療において、血液のみで肝臓の線維化の進行度を定量的に評価できる当社の検査用試薬「HISCL M2BPGiTM-Qt 試薬」について、国内の保険適用が開始されました。
⑪ 2023年12月 当社は、再生細胞医療領域への取り組み加速に向けて、ヒトiPS細胞※10から血小板を産生させる基盤技術を有する株式会社メガカリオンの株式を追加取得し、連結子会社化いたしました。
※10 iPS細胞(人工多能性幹細胞:induced pluripotent stem cell):
ヒトの皮膚の細胞等にいくつかの因子を導入することによって作製された、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力を持った幹細胞。山中伸弥教授率いる京都大学の研究グループによって発見された。この細胞を分化誘導することにより、理論上は体を構成する全ての組織や臓器に分化させることが可能と考えられており、再生医療の実現に向けて注目が集まっている。