売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01953 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

業績の全般的概況

当第3四半期連結累計期間における世界情勢は、米欧の中央銀行による金融引き締めや、中国の不動産市場の低迷、中東情勢の不安定化を背景とした景気の減速懸念があり、不透明感が継続しております。

エレクトロニクス業界におきましては、自動車市場では電動化・電装化の進展による台当たりの電子部品搭載数の増加に加え、半導体調達環境の改善に伴う自動車生産台数の緩やかな回復が見られましたが、自動車関連部品の在庫調整により伸びが鈍化しました。産業機器市場では金利上昇や景気減速懸念を受けた設備投資への慎重姿勢が見られ、調整局面となりました。民生機器市場、通信機器市場及びコンピュータ&ストレージ市場は需要の低迷が継続しました。

このような経営環境の中、中長期的に成長が期待される自動車市場や産業機器市場などに向けてロームグループが強みを持つパワー・アナログの新製品・新技術の開発を進め、お客様の省エネ・小型化に広く貢献できるトータルソリューションでの提案を推進しました。

生産面においても、継続して全社最適化を進めるとともに、「モノづくり改革」による省人化・自動化ラインの構築を推し進めました。また、一部の汎用品で生産調整を行うものの、SiCをはじめとするパワーデバイスの更なる受注に対応するための生産能力増強や生産性向上を進めるなど、お客様への安定供給体制の向上に努めました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、注力市場である自動車市場において増加したものの、産業機器市場を含む他市場においては前年を下回る結果となり、前年同期比9.0%減の3,551億2千6百万円、営業利益は前年同期比46.1%減の406億4千9百万円となりました。当第3四半期連結累計期間の営業利益率は前第3四半期連結累計期間の19.3%から11.4%に低下しました。

経常利益につきましては、営業利益及び為替差益が減少した一方、受取手数料の増加により、前年同期比33.6%減の601億1千8百万円となりました。

親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比33.6%減の451億2百万円となりました。

またロームグループで重視している経営指標について、当第3四半期連結累計期間のEBITDA(※)は前年同期比20.6%減の915億1千1百万円となりました。

 

※ EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization)

税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて求めたもの。グローバル企業などの収益力を比較する際によく利用される指標。ロームグループでは簡易的に営業利益に減価償却費を加えて算出しております。

 

業績のセグメント別概況

<LSI>

市場別では、自動車市場につきましては、電動車(xEV)の普及加速に伴いパワートレイン向け絶縁ゲートドライバICが順調に伸びたことに加え、車載LEDドライバICや高性能半導体パワースイッチIPDなどの他の高付加価値商品も堅調に推移しました。一方で、民生機器市場では、省エネ性能エアコン向けモータドライバが好調だったものの、AV機器や白物家電向けを中心に減少しました。また、コンピュータ&ストレージ市場向けではPC関連やSSD向けの電源ICやFANモータドライバICなどの売上が落ち込みました。産業機器市場及び通信機器市場においても厳しい状況となりました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,585億3千4百万円(前年同期比11.2%減)、セグメント利益は178億5千9百万円(前年同期比55.5%減)となりました。

 

<半導体素子>

事業セグメント別では、トランジスタ、ダイオード、パワーデバイスにつきましては、自動車市場のxEV向けを中心に好調に推移しましたが、産業機器市場、民生機器市場及びコンピュータ&ストレージ市場では依然として厳しい状況となりました。また、発光ダイオード、半導体レーザーにつきましては、民生機器市場を中心に低迷しました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,516億3千5百万円(前年同期比7.2%減)、セグメント利益は145億4千6百万円(前年同期比48.4%減)となりました。

 

<モジュール>

事業セグメント別では、プリントヘッドにつきましては、決済端末向けを中心に売上が減少し、オプティカル・モジュールにつきましては、スマートフォン向けでセンサモジュールの売上が増加しました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は255億7千5百万円(前年同期比3.7%減)、セグメント利益は20億9千4百万円(前年同期比47.8%減)となりました。

 

<その他>

事業セグメント別では、抵抗器につきましては、自動車市場向けに高電力抵抗・シャント抵抗等の高信頼品は順調に推移しましたが、産業機器市場向けなどの売上が落ち込みました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は193億8千万円(前年同期比10.4%減)、セグメント利益は16億8千万円(前年同期比59.6%減)となりました。

 

上記「業績のセグメント別概況」の記載は、外部顧客に対するものであります。

 

(2)財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末の財政状態といたしましては、総資産は、前連結会計年度末に比べ2,997億2千1百万円増加し、1兆4,230億4百万円となりました。主な要因といたしましては、投資有価証券が2,961億5千3百万円、有形固定資産が675億4千万円、棚卸資産が221億9千2百万円、それぞれ増加した一方、現金及び預金が520億5千5百万円、有価証券が315億1千1百万円、それぞれ減少したことによるものであります。

負債は、前連結会計年度末に比べ2,754億4千4百万円増加し、4,832億6千1百万円となりました。主な要因といたしましては、短期借入金が3,000億円、繰延税金負債が46億3千9百万円、固定負債のその他が21億9千7百万円(うち長期未払金が20億7千2百万円)、それぞれ増加した一方、未払法人税等が161億8千3百万円、未払金が104億5千万円、それぞれ減少したことによるものであります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ242億7千8百万円増加し、9,397億4千3百万円となりました。主な要因といたしましては、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により利益剰余金が256億3千9百万円、為替換算調整勘定が201億6千6百万円、それぞれ増加した一方、自己株式の取得により199億7千6百万円減少したことによるものであります。

これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の81.4%から66.0%に低下しました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、ロームグループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、ロームグループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、325億6千7百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、ロームグループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。