売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01957 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績および財政状態の状況

当第3四半期連結累計期間の半導体業界は、緩やかな需要回復が見られるものの、世界的なインフレの継続や米国による対中半導体輸出規制をはじめとする地政学リスクの影響に加え、パソコン、サーバー市場の低迷継続や、買い替えサイクル長期化等によるスマートフォン需要の減少、在庫調整などにより、市況回復が遅れ、厳しい環境が継続しました。

このような環境下にあって、当社グループ(当社および連結子会社、以下同じ)におきましては、フリップチップタイプパッケージは、パソコン・サーバー需要の回復の遅れ等により売上が大きく減少しました。半導体製造装置向けセラミック静電チャックは半導体輸出規制に加え、市況悪化の影響を受け、リードフレームは在庫調整を背景に減収となるなど、総じて市況低迷の影響を受けました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績および財政状態は以下のとおりとなりました。

 

①経営成績

当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は前年同期に比べ759億5百万円(32.6%)減少し1,566億38百万円となりました。利益面につきましては、売上高減少の影響を大きく受け、経常利益は前年同期に比べ531億68百万円(72.9%)減少し197億18百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期に比べ371億24百万円(73.5%)減少し133億81百万円となりました。

当第3四半期連結累計期間における海外売上高比率は87.0%となり、前年同期より2.9ポイント低下しました。

なお、当第3四半期連結累計期間における米国ドルの平均為替レートは141円(前年同期は135円)となりました。

セグメント別の状況は次のとおりであります。

(プラスチックパッケージ)

フリップチップタイプパッケージは、コロナ特需の反動などによるパソコン・サーバー需要の回復の遅れ等により、大幅な減収となりました。プラスチックBGA基板は先端メモリー向けが在庫調整の影響を受け、IC組立はスマートフォン市場の低迷によりハイエンドスマートフォン向けの需要が減少するなど、売上がそれぞれ減少しました。

これらの結果、当セグメントの売上高は前年同期に比べ481億15百万円(33.3%)減少し964億80百万円、経常利益は前年同期に比べ364億66百万円(79.8%)減少し92億43百万円となりました。

(メタルパッケージ)

半導体製造装置向けセラミック静電チャックは、米国による対中半導体輸出規制やメモリー市況悪化などの影響を大きく受け、リードフレームは、半導体市況低迷による在庫調整等を背景に、それぞれ大幅な減収となりました。また、CPU向けヒートスプレッダーは、パソコン需要減退等の影響を大きく受け、ガラス端子は光学機器向けが低調に推移し、それぞれ売上が減少しました。

これらの結果、当セグメントの売上高は前年同期に比べ258億61百万円(32.4%)減少し540億59百万円、経常利益は前年同期に比べ154億92百万円(57.3%)減少し115億66百万円となりました。

 

なお、上記のセグメント別の売上高は外部顧客への売上高であり、経常利益はセグメント間取引調整前のものです。

 

②財政状態

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ87億62百万円減少し3,781億71百万円となりました。このうち流動資産は、前連結会計年度末に比べ476億4百万円減少し1,784億71百万円となりました。これは主に、手許流動性預金および売掛金が減少したことなどによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ388億41百万円増加し1,996億99百万円となりました。これは主に、設備投資に伴い有形固定資産が増加したことなどによるものであります。

負債の部は、前連結会計年度末に比べ162億64百万円減少し1,196億55百万円となりました。これは主に、買掛金が増加し、未払法人税等、契約負債および未払金が減少したことなどによるものであります。

純資産の部は、前連結会計年度末に比べ75億1百万円増加し2,585億15百万円となりました。これは主に、利益剰余金が増加したことなどによるものであります。

以上により、自己資本比率は68.4%(前連結会計年度末は64.9%)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間における「現金及び現金同等物」(「(2)キャッシュ・フローの状況」において、以下「資金」という)の状況は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローで得られた資金は274億73百万円(対前年同期比63.5%減)となりました。主な要因は、減価償却費、税金等調整前四半期純利益および売上債権の減少などにより資金が増加し、法人税等の支払などにより資金が減少したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローでは634億39百万円(対前年同期比44.5%増)の資金を使用しました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローでは68億43百万円(対前年同期比4.5%減)の資金を使用しました。主に、配当金の支払に使用したものであります。

これらの活動の結果に為替換算差額を加味した当第3四半期連結会計期間末における資金の残高は、前連結会計年度末の1,155億92百万円から420億27百万円減少し735億64百万円となりました。

(3)会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

(4)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

(5)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。

(6)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は25億53百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

(7)資本の財源および資金の流動性

当社グループの資金需要の主なものは、原材料の購入等の製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金および設備投資によるものであります。また、当社ではプラスチックパッケージにおいて半導体用フリップチップタイプパッケージの生産体制強化に、メタルパッケージにおいてはセラミック静電チャックの生産能力増強に向けた設備投資などを進めております。

これらに必要な資金については自己資金をもって充当することを基本とし、必要に応じて銀行借入等を行うこととしております。

当第3四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(2)キャッシュ・フローの

状況」に記載のとおりであります。