売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01841 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、社会・経済活動は正常化に向かいましたが、不安定な国際情勢のなか、円安を背景とした物価上昇、資源・エネルギー価格の高止まりにより、依然として不透明な状況が続いています。

 また、世界経済におきましても、半導体などの部材調達難に改善の動きが見られるものの、資源・エネルギー価格の高騰による物価の高止まりやインフレ抑制のための政策金利引き上げを要因とした景気の減速のほか、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化など、先行き不透明な状況が続いています。

 

 このような状況のなか、当社は昨年6月に公表しました単年度の事業再生計画「Re-Futaba -考動(決意と約束)-」に基づき、構造改革を確実に遂行するとともに、持続的に成長できる体制への立て直しと企業価値の向上に努めてまいりました。

 併せて、機動的かつ安定的な資金調達を可能とすることで、今後の成長に伴い生じる必要運転資金を確保し、財務基盤の一層の強化を図るとともに事業拡大の機会を確保することを目的として、コミットメントライン契約の締結手続きを進めるとともに、旧明石精機工場についても経営資源の有効活用による資産の効率化を図るため譲渡を行う予定です。

 当第3四半期連結会計期間において実施した主な内容は、次のとおりです。

・有機ELディスプレイおよびアウトセル用タッチセンサーの自社生産終了に向けた取り組みと事業構造の再構築を推進

・電子デバイス関連事業の海外販売拠点の再編により、シンガポール子会社の解散を決定

・生産器材事業における国内工場集約および中国生産拠点の人員適正化を踏まえた最適な生産体制の構築を推進

・適正売価政策の積極的な推進および適正在庫管理の強化

・産業用ドローンでは実証実験の実施とともに、小型・軽量設計のレンズ交換式フルサイズ業務用カメラをオプションとして搭載する運用を開始

・生産器材事業のECサイトで展開している簡易設計・調達サービス「Plate Builder(プレートビルダー)」の加工対応範囲、加工種類拡充により、FA業界における調達業務の合理化を推進

・サステナビリティへの取り組みとして、2023年度の当社単体GHG排出量(温室効果ガス排出量)を公表、人的資本活用として「人事制度改定」「人財育成」「リスキリング」の計画に沿った活動を実施

 

 この結果、当第3四半期連結累計期間における経営成績は、次のとおりになりました。

(単位:百万円)

 

前第3四半期

連結累計期間

当第3四半期

連結累計期間

増減率

(%)

売上高

45,147

42,251

△6.4

営業損失(△)

△1,858

△1,138

経常損失(△)

△820

△24

親会社株主に帰属する

四半期純損失(△)

△2,704

△3,438

米ドル平均レート

135円/$

143円/$

8円/$

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

 

① 電子デバイス関連

(主な製品:タッチセンサー、有機ELディスプレイ、蛍光表示管、複合モジュール、産業用ラジコン機器、

 ホビー用ラジコン機器等)

(単位:百万円)

 

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

増減率(%)

売上高

20,079

18,445

△8.1

営業損失(△)

△2,267

△1,006

 

 タッチセンサーでは、顧客における部材調達難が一部で解消したことから国内の車載用途で出荷が進んだものの、海外では受注が低迷したことから、売上げは前年同期を下回りました。

 有機ELディスプレイでは、海外での音響用途および映像用途は堅調に推移したものの、事務機用途が低調に推移したことから、売上げは前年同期を下回りました。

 複合モジュールでは、部材調達難が一部で解消し、計測器用途は横ばいであったものの娯楽用途が引き続き順調に推移、EMSにおいても車載用途や計測器用途が順調であったことから、売上げは前年同期を上回りました。

 産業用ラジコン機器では、トラッククレーンなどの建機向けは堅調に推移しましたが、FA向けが低調に推移したことから、売上げは前年同期を下回りました。

 ホビー用ラジコン機器は、市況の悪化が継続しており、国内および欧米での販売が低迷したことから、売上げは前年同期を下回りました。

 営業損失は、海外製造拠点の解散を含めた構造改革の効果や、固定費の統制を継続したことにより、前年同期に比べて損失が縮小しました。

 

② 生産器材

(主な製品:プレート製品、金型用器材、成形・生産合理化機器)

(単位:百万円)

 

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

増減率(%)

売上高

25,079

23,815

△5.0

営業利益又は

営業損失(△)

409

△131

 

 国内では、前期から継続して適正売価政策を推し進め、プレス金型用器材は堅調に推移したものの、モールド金型や設備関連市場の停滞が継続しており、モールド金型用器材やプレート製品が低調に推移したことから、売上げは前年同期を下回りました。

 海外では、主力の韓国市場において自動車や家電の開発延期に加え競合との価格競争の影響を受け軟調に推移し、中国市場の市況低迷も続いたことから、売上げは前年同期を下回りました。

 営業損益は、構造改革の効果に加えて固定費統制の継続強化による影響があったものの、市況悪化に伴う操業度の悪化や退職給付費用の増加の影響も受けたことから、前年同期に比べて減益となり、赤字となりました。

 

(2)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、10億4千4百万円です。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。