売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E34716 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結会計期間における国内経済は、長期化する円安を背景としたインフレ懸念により、引き続き停滞感の漂う経済環境下で推移いたしました。一方、木材価格は2021年からウッドショックと呼ばれる価格急騰が発生したものの、当第1四半期から沈静化したことにより、木材価格は前年と比較すると70%程度となり、通常水準に戻りました。木材供給環境は落ち着きを取り戻し、材料調達環境は健全化しました。

 住宅業界におきましては、資材価格の値上がりを背景に住宅販売価格が上昇していることから、新築住宅の着工はマイナスで推移しており、政府公表の新設住宅着工戸数では、持家(戸建て注文住宅)の新設住宅着工戸数が、10月は前年同月比17.2%減、11月は同17.3%減、12月は同13.8%減となり、25ヵ月連続での減少となりました。

 また、2022年6月通常国会において、決議されました建築基準法の一部改正につきましては、具体的な内容が示され始めました。2025年より木造住宅の省エネルギー性能の確保が義務となり、従来の基準より高度な省エネルギー性能基準が提示されました。木造における確認申請基準(4号特例)の改定内容が発表され、木造住宅における簡易設計(壁量計算)の基準強化(壁量の増加)が公表され、住宅メーカー各社は、具体的な準備をはじめております。

 当社は創業以来木造住宅の構造設計を主業務としており、2025年以降の構造計算ニーズ増大に対応すべく、社内体制の整備をすすめております。

 

 各分野の結果は、以下の通りです。

 

<住宅分野>

 当第3四半期連結累計期間のSE構法出荷数は、取引先各社の住宅販売低迷の影響を受け709棟(前年同期比23.7%減)となりました。また、木材相場が平準化したことにより住宅1棟平均単価は5.3百万円(前年同期比12.8%減)となり、売上高は3,809百万円(前年同期比33.4%減)となりました。

 一方で、建築基準法改正へ対応するため当社の構造計算サービス利用を希望する会社は増加傾向にあり、当第3四半期連結会計期間においてSE構法登録施工店は新規に20社加入し、605社となっております。

 

<大規模木造建築(非住宅)分野>

 CO2削減やSDGs推進により、建築物の木造化は進んでおり、当第3四半期連結累計期間のSE構法出荷数は97棟(前年同期比42.6%増)となり、引き続き好調に推移いたしました。

 SE構法以外の大規模木造建築を扱う株式会社木構造デザインでは、継続的なプロモーション活動及び営業活動により、当第3四半期連結累計期間の構造計算出荷数は55棟(前年同期比57.1%増)となり、第3四半期までの累計期間において黒字化を達成いたしました。その結果、大規模木造建築(非住宅)分野全体の構造計算出荷数は165棟(前年同期比21.3%増)と大きく増加いたしました。

 加えて、一昨年の10月に大断面集成材加工や特殊加工、大規模木造建築の施工力に強みを持つ株式会社翠豊をグループ化したことにより大規模木造建築分野における事業領域が拡大し、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,039百万円(前年同期比76.9%増)となりました。

 

<環境設計分野>

 2021年4月より説明義務化となった住宅の省エネ性能に対して、補助金の受給に関するコンサルティング業務と合わせてサービス提供することにより、木造住宅、集合住宅及び非住宅木造物件向けの一次エネルギー計算書の出荷数は2,230件(前年同期比20.9%増)となり、売上高は188百万円(前年同期比18.6%増)となりました。

 

<子会社及び関連会社>

 当社の持分法適用関連会社である株式会社MUJI HOUSEは、戸建て住宅販売において、資材高騰の影響から当第3四半期連結累計期間では赤字を計上しております。一方、成長分野に向けた取り組みとして木造店舗建築(非住宅分野)へ進出いたしました。親会社である株式会社良品計画とともに、2023年5月に農林水産省と「木材利用拡大に関する建築物木材利用促進協定」を締結し、店舗の木造化を推進していくこととなりました。株式会社MUJI HOUSEによる木造店舗は、SE構法を利用するとともに、省エネ計算等の環境設計をおこなうことで脱炭素化を目指しております。当社がこれまでに培った木造建築に関する知見を活かして、株式会社良品計画のLCA(ライフサイクルアセスメント)向上に寄与するとともに、株式会社MUJI HOUSEによる木造店舗建築の普及促進に向けた取り組みを推進してまいります。

 

 これらの結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は6,092百万円(前年同期比14.3%減)、売上総利益は1,656百万円(同4.9%減)となりました。営業利益は販管費が増加(同16.4%増)したことにより、前年同期比91.3%減の29百万円となりました。

 経常利益は、株式会社MUJI HOUSEによる持分法投資損失が発生したことにより19百万円の損失(前年同期比361百万円減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は40百万円(前年同期比227百万円減)となり、売上高営業利益率は0.5%、ROE(自己資本当四半期純利益率)は△2.1%となりました。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は6,129,632千円となり、前連結会計年度末に比べ719,692千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が257,067千円、売掛金及び有償支給未収入金が512,656千円減少したこと等によるものです。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は4,025,096千円となり、前連結会計年度末に比べ561,209千円減少いたしました。これは主に買掛金が305,486千円、未払金が146,374千円、短期借入金及び長期借入金が54,042千円、前受金が46,564千円減少したこと等によるものです。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は2,104,536千円となり、前連結会計年度末に比べ158,482千円減少いたしました。これは親会社株主に帰属する当四半期純損失が40,539千円であったことに加えて、第28期配当金118,700千円の支払等によるものです。

 

この結果、連結ベースの自己資本比率30.7%となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、100,211千円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。