売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02213 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 本項において含まれる将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断した ものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績

 半導体・船腹不足による車両供給不足は、解消に向かったものの、一部地域において総需要が期待を下回って推移いたしました。このような経営環境の中、当社は、販売の質向上、あるいは「手取り改善活動」を推進することにより、堅調な業績を達成いたしました。

 この結果、当社グループの売上高は2兆639億円(前年同期比+2,586億円、同+14%)、営業利益は1,601億円(前年同期比+64億円、同+4%)となりました。さらに、経常利益は1,660億円(前年同期比+113億円、同+7%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,028億円(前年同期比△280億円、同△21%)となりました。

 また、当第3四半期連結累計期間におけるグローバル販売台数は585千台となりました。主な地域別の販売状況は次のとおりです。

 

・ アセアン        : 181千台(前年同期比 △15千台)

・ 豪州・ニュージーランド :  58千台(  同上   △10千台)

・ 中南米、中東、アフリカ他:  97千台(  同上   △17千台)

・ 日本          :  75千台(  同上    +11千台)

・ 北米          : 117千台(  同上    +20千台)

・ 欧州          :  36千台(  同上   △16千台)

・ 中国他         :  21千台(  同上   △18千台)

 

 主な地域の販売状況は以下のとおりです。

 

 アセアン各国の総需要は、インフレ、金利高、販売金融審査の厳格化などを背景に、想定を下回って推移し、価格競争も激化しております。

 そういった環境下で、フィリピンは海外労働者からの送金増加と、国内の失業率低下、販売金融の拡大を背景に大幅に伸長いたしました。

 当社の小売販売台数は、フィリピンでは伸長するも、タイ、インドネシア等で減少したため、アセアン全体で前年同期比8%減少の181千台となりました。

 新型『トライトン』の投入を開始したタイでは、自動車ローン審査厳格化等の影響を大きく受け、特にピックアップセグメントの需要が前年比約40%減少となるなど需要減の影響が大きく、当社も台数・シェアともに苦戦を強いられました。今後は『エクスパンダーHEV』モデル、ローン審査厳格化影響の少ない『トライトン』の最上級グレードモデルを含む全類別が順次投入されるため、これを好機と捉え、販売向上を図ってまいります。

 同様にインドネシアにおいても、継続するインフレや、大統領選挙を控えた様子見の影響が大きく、自動車総需要が7ヶ月連続で前年割れ、特に後半に向け悪化する状況となりました。これを受け各社の値引き競争も激化する中、2023年末よりデリバリーを本格化した『エクスフォース』は、価値訴求を継続しつつイベントマーケティングを中心とした販促活動の強化で販売促進を目指してまいります。

 

 日本国内の自動車総需要は、コロナ禍以前の水準には達していないものの、2022年9月以降前年を上回っています。半導体不足を起因とする車両供給不足の問題に対しては、解消に向けた進展がみられました。当社も、受注残解消に努めた結果、前年同期比で大幅に増加しました。

 好調なスタートを切った『デリカミニ』は、本格的に市場に投入された後も、強力な販売モメンタムが維持されています。「三菱自動車らしさ」の象徴車種である新型『トライトン』が、いよいよ当社の商品ラインナップに加わることで、価値販売へのシフトに向けた体質改善と基盤形成を効果的に推進いたします。

 

 北米地域における自動車総需要は、堅調な小売にフリート需要増加が加わり、全需を牽引しています。

 当社も同様に、在庫レベルの改善とともに、コアモデルである『アウトランダー』シリーズの販売モメンタムを維持することにより、前年を上回る結果となりました。特に、2022年11月より本格投入した、新型『アウトランダーPHEV』モデルは、前年実績を大幅に上回りました。

 

 半導体等部品供給改善により、生産は概ね正常化しております。それに伴い競争環境も正常化に向かい、各社のインセンティブの積み増しが顕在化してきました。当社は、各社の動向を注視しつつも、販売の質及び顧客満足度の向上を重視し、インセンティブに頼らない販売へのシフトを確立し、持続的な成果を上げてまいります。

 

 2023年度は、新中期経営計画「Challenge 2025」の初年度で、現時点のところ業績は順調に推移しております。新商品の連続投入により、成長フェーズへの準備が整いつつあります。今後はこれらの販売を本格化させ、他地域へも展開を拡大していきます。新型車の成功は、当社の持続的成長に向けた重要な一歩と位置付けています。

 一方で、各国の景気後退懸念や地政学リスクなど、外部環境は不透明感を増しています。厳しい環境下にかかわらず、これらの新型車を活かして販売を伸ばし、収益を確保することが、当社にとって大きなチャレンジとなっています。過去の経験から、当社はさまざまな難局や課題を全社一丸となって克服してきた実績があり、厳しい環境だからこその底力を発揮できると考えています。

 1つ1つの課題を着実に解決し、「Challenge 2025」の2年目に向けて成果を積み上げてまいります。

 

② セグメントごとの経営成績

(ⅰ)自動車

当第3四半期連結累計期間における自動車事業に係る売上高は2兆497億円(前年同期比+2,581億円)となり、営業利益は1,577億円(前年同期比+74億円)となりました。持続的な売価改善等により、前年同期比で好転しました。

 

(ⅱ)金融

当第3四半期連結累計期間における金融事業に係る売上高は262億円(前年同期比+2億円)となり、営業利益は32億円(前年同期比△5億円)となりました。

 

③ 財政状態

当第3四半期連結会計期間末の総資産は2兆3,436億円(前年度末比+1,421億円)となりました。そのうち現金及び預金は6,390億円(前年度末比+430億円)となりました。負債合計は1兆3,962億円(前年度末比+251億円)となり、そのうち有利子負債残高は、4,783億円(前年度末比+500億円)となりました。純資産は9,474億円(前年度末比+1,170億円)となりました。

 

(2)経営方針・経営戦略等及び対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等、及び当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。

 

(3)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費(自動車事業)は、816億円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(4)生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

 当第3四半期連結累計期間における生産実績は次のとおりであります。

 

当第3四半期連結累計期間

数量(台)

前第3四半期連結累計期間比(%)

国 内

369,905

113.3

海 外

378,130

90.7

合計

748,035

100.6

 

② 販売実績

 当第3四半期連結累計期間における販売実績は次のとおりであります。

 

当第3四半期連結累計期間

前第3四半期連結累計期間比(%)

数量(台)

金額(百万円)

数量

金額

国 内

188,344

437,165

109.0

112.1

海 外

578,716

1,626,689

101.2

114.9

合計

767,060

2,063,855

103.0

114.3

(注)販売実績は、外部顧客の所在地別の当社及び連結子会社の完成車及びKDパックの卸売り台数を示しております。