売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02485 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間における世界経済は、長引くロシア・ウクライナ戦争に加え、中東での紛争勃発など、新たな地政学リスクが生まれるとともに、先進国を中心に長期化する高インフレと金融引き締めの影響から経済成長の停滞が続いている状況にあります。当社が関連する情報通信市場、半導体市場、エレクトロニクス市場につきましても短期的な景況感が後退しておりますが、デジタル社会の進展やグリーン社会への転換を背景に中期的な成長が見込まれております。なお、ドル円為替相場は、年末にかけて米国での利下げや日銀による政策修正の観測が広がったことから、年初から急速に進んだ円安の流れに変化が生じました。また、当社が取り扱う主要貴金属価格につきましては依然高い水準で推移しており、売上、利益に影響しております。

このような状況のもと、当第2四半期連結累計期間において、売上高21,124百万円(前年同四半期比13.0%減)、売上総利益6,615百万円(前年同四半期比27.1%減)、営業利益4,553百万円(前年同四半期比39.4%減)、経常利益4,305百万円(前年同四半期比42.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,985百万円(前年同四半期比40.3%減)となりました。

セグメント別の業績は以下のとおりであります。

 

[電子]

海外の医療用シンチレーター(放射線に当たると、蛍光を発生する物質)に使用される単結晶育成装置向けイリジウムルツボの受注は堅調に推移しましたが、スマートフォン市場の低迷を受けて、SAWデバイス用のリチウムタンタレート単結晶育成装置向けイリジウムルツボの受注が低迷し、売上高3,055百万円(前年同四半期比31.4%減)、売上総利益1,273百万円(前年同四半期比28.2%減)となりました。

[薄膜]

データセンター向けHDD(ハードディスクドライブ)の塗布材料であるスパッタリングターゲットは顧客の在庫調整局面にも底打ち感が見えておりますが、受注回復の足取りは依然重く、売上高4,068百万円(前年同四半期比21.5%減)、売上総利益1,775百万円(前年同四半期比26.0%減)となりました。

[サーマル]

材料となる貴金属価格が下落しましたが、半導体装置メーカーや海外半導体メーカーから受注が堅調に推移するとともに、高付加価値品へのシフトを進めてきたことから、売上高3,109百万円(前年同四半期比2.0%減)、売上総利益1,299百万円(前年同四半期比24.0%増)となりました。

[ケミカル]

電極向け貴金属化合物が弱含みに推移いたしました。有機EL向け化合物、化学プラント向け化合物については顧客の在庫調整局面が続いており、売上高6,764百万円(前年同四半期比34.6%減)、売上総利益1,986百万円(前年同四半期比48.3%減)となりました。

[その他]

当社製品の受注に関係しない貴金属原材料の需要は底堅く、販売が増加したことにより、売上高4,127百万円(前年同四半期比3,005百万円増)、売上総利益279百万円(前年同四半期比265百万円増)となりました。

 

 

(2)財政状態の分析

当第2四半期連結会計期間末における総資産は103,730百万円(前連結会計年度末比16,195百万円の増加)、総負債は47,670百万円(前連結会計年度末比4,505百万円の増加)、純資産は56,059百万円(前連結会計年度末比11,689百万円の増加)となりました。

①流動資産

当第2四半期連結会計期間末における流動資産残高は83,335百万円となり、前連結会計年度末比16,166百万円増加しました。これは株式の発行による収入10,396百万円により現金及び預金が10,876百万円増加し、原材料及び貯蔵品が4,430百万円増加したことが主な要因であります。

②固定資産

当第2四半期連結会計期間末における固定資産残高は20,394百万円となり、前連結会計年度末比28百万円増加しました。これは建設仮勘定が463百万円減少いたしましたが、ソフトウエア仮勘定が402百万円増加したことが主な要因であります。

③流動負債

当第2四半期連結会計期間末における流動負債残高は39,165百万円となり、前連結会計年度末比3,383百万円増加しました。これは短期借入金が3,000百万円増加したことが主な要因であります。

④固定負債

当第2四半期連結会計期間末における固定負債残高は8,505百万円となり、前連結会計年度末比1,122百万円増加しました。これは長期借入金が1,135百万円増加したことが主な要因であります。

⑤純資産

当第2四半期連結会計期間末における純資産残高は56,059百万円となり、前連結会計年度末比11,689百万円増加しました。これは資本金が5,217百万円、資本剰余金が5,242百万円、利益剰余金が1,205百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、13,990百万円となりました。なお、当第2四半期連結累計期間における項目別のキャッシュ・フローは、次のとおりであります。

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

営業活動により使用した資金は1,468百万円となりました。これは税金等調整前四半期純利益が4,305百万円ありましたが、棚卸資産の増加による支出が6,294百万円あったことが主な要因であります。

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

投資活動により使用した資金は908百万円となりました。これは有形固定資産の取得による支出が484百万円、無形固定資産の取得による支出が421百万円あったことが主な要因であります。

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

財務活動により獲得した資金は13,249百万円となりました。これは短期借入れによる収入が3,000百万円、長期借入れによる収入が3,300百万円、株式の発行による収入が10,396百万円、長期借入金の返済による支出が1,607百万円、配当金の支払による支出が1,773百万円あったことが主な要因であります。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

(6)研究開発活動

当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は597百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間における研究開発活動において重要な変更はありません。

 

(7)主要な設備

前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第2四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。

①計画の変更

新基幹システムの投資予定総額及び完了予定年月は、当初の計画に比べ、要件等の変更やプロジェクトの進捗に伴い、変更となる見込みです。