売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02485 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、ウクライナや中東情勢をはじめとする地政学的リスクの高まりに加え、不動産市況の低迷を受けた中国経済の減速や、欧米の主要政策金利の据え置きによる影響等、先行き不透明な状況が継続しております。当社が関連する情報通信市場、半導体市場、エレクトロニクス市場につきましては、一昨年秋からみられた在庫調整局面に底打ち感が見られ当第3四半期より回復基調が鮮明になりつつあるとともに、デジタル社会の進展やグリーン社会への転換を背景に中期的な成長が見込まれております。なお、ドル円為替相場は、インフレ圧力の根強さを背景に米国の利下げ時期が遅れるとの見方が市場に広がり一段と円安が進行しました。当社が取り扱う主要貴金属価格は、緩やかに下降しておりますが依然高い水準で推移しており、売上、利益に影響しております。

 このような状況のもと、全体として受注の回復傾向が見られるものの好調に推移した前年同四半期比で売上、利益ともに減少し、当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高33,359百万円(前年同四半期比9.1%減)、売上総利益10,260百万円(前年同四半期比20.7%減)、営業利益7,232百万円(前年同四半期比30.8%減)、経常利益6,965百万円(前年同四半期比33.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益4,843百万円(前年同四半期比31.2%減)となりました。

セグメント別の業績は以下のとおりです。

なお、セグメントにつきましては、事業内容をより適正に表示するために、報告セグメントの名称を「ケミカル」から「ファインケミカル・リサイクル」に変更しております。また、量的重要性の観点から、当社製品の受注に関係しない主要な貴金属原材料の販売につきましては、「サプライチェーン支援」として報告セグメントに記載する方法に変更しております。

 

[電子]

海外の医療用シンチレーター(放射線に当たると、蛍光を発生する物質)用途の単結晶育成装置向けイリジウムルツボの受注は堅調に推移しましたが、スマートフォンに搭載されるSAWデバイス用途のリチウムタンタレート単結晶育成装置向けイリジウムルツボについては、受注回復傾向がみられるものの在庫調整の影響を受け、売上高4,631百万円(前年同四半期比24.2%減)、売上総利益1,737百万円(前年同四半期比26.3%減)となりました。

[薄膜]

データセンターで使用されるHD(ハードディスク)向けスパッタリングターゲットは、受注の回復基調が鮮明となりつつあるものの、長らく続いた顧客の在庫調整の影響を受け、売上高6,271百万円(前年同四半期比25.4%減)、売上総利益2,409百万円(前年同四半期比34.5%減)となりました。

[サーマル]

半導体装置メーカーや海外半導体メーカーから受注が堅調に推移するとともに、高付加価値品へのシフトを進めてきたことから、売上高4,305百万円(前年同四半期比6.4%減)、売上総利益1,705百万円(前年同四半期比9.0%増)となりました。

[ファインケミカル・リサイクル]

電極向け貴金属化合物の受注が復調しましたが、有機EL向け化合物、化学プラント向け化合物については、顧客の在庫調整局面にも底打ち感がみられるものの在庫調整の影響を受け、売上高12,987百万円(前年同四半期比12.6%減)、売上総利益4,055百万円(前年同四半期比22.7%減)となりました。

[サプライチェーン支援]

当社製品の受注に関係しない主要な貴金属原材料の需要は底堅く、販売が増加したことにより、売上高4,803百万円(前年同四半期比83.9%増)、売上総利益313百万円(前年同四半期比274百万円増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末における総資産は112,503百万円(前連結会計年度末比24,969百万円の増加)、総負債は54,566百万円(前連結会計年度末比11,401百万円の増加)、純資産は57,937百万円(前連結会計年度末比13,567百万円の増加)となりました。

①流動資産

当第3四半期連結会計期間末における流動資産残高は91,543百万円となり、前連結会計年度末比24,374百万円増加いたしました。これは株式の発行による収入10,396百万円等により現金及び預金が11,871百万円、原材料及び貯蔵品が8,274百万円増加したことが主な要因であります。

②固定資産

当第3四半期連結会計期間末における固定資産残高は20,960百万円となり、前連結会計年度末比594百万円増加いたしました。これはソフトウエア仮勘定594百万円増加したことが主な要因であります。

③流動負債

当第3四半期連結会計期間末における流動負債残高は46,648百万円となり、前連結会計年度末比10,865百万円増加いたしました。これは支払手形及び買掛金1,475百万円、短期借入金が9,000百万円増加したことが主な要因であります。

④固定負債

当第3四半期連結会計期間末における固定負債残高は7,918百万円となり、前連結会計年度末比535百万円増加いたしました。これはリース債務が162百万円、長期借入金が330百万円増加したことが主な要因であります。

⑤純資産

当第3四半期連結会計期間末における純資産残高は57,937百万円となり、前連結会計年度末比13,567百万円増加いたしました。これは資本金が5,217百万円、資本剰余金が5,242百万円、利益剰余金が3,063百万円増加したことが主な要因であります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は826百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動において重要な変更はありません。

 

(6)主要な設備

前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第3四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。

①計画の変更

新基幹システムの投資予定総額及び完了予定年月は、当初の計画に比べ、要件等の変更やプロジェクトの進捗に伴い、変更となる見込みです。