株式会社サマンサタバサジャパンリミテッド

ブランドなど:SamanthaThavasaSamanthaTiara
その他製品アパレルグロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03463 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 ①経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の5類感染症への移行、足元ではインバウンド需要が2019年(新型コロナ禍以前)を超える勢いであります。米欧では政策金利の高止まりから利下げ見通しへ転換しつつあります。一方日本においては、原材料価格やエネルギー価格の高騰に加え、人手不足に伴う人件費の上昇などにより国内物価も上昇基調にあり、今後はモノからサービス分野へ値上げが広がりを見せていくかなどが国内物価上昇の持続性のカギになりつつあります。

 当社グループが属するファッション・アパレル業界においては、社会経済活動の正常化が進んだことによる外出機会の増加が個人消費を拡大させる後押しとなりました。また円安によるインバウンド需要の回帰も見られるなどコロナ禍以前の消費水準にはまだ届かないものの消費の伸びが見られました。一方で、コロナ禍によって変容した人々のライフスタイルにより消費行動や消費構成が変化しており、販売チャネルの多様性が求められるなど、より一層の対応と工夫が求められる市場になりつつあります。

 このような状況のもと、当社グループは「心を一つに!一手間かけた思いやり」を行動規範として、全方位的な構造改革(Reborn計画)を推進しております。サマンサタバサ事業においては、新業態店舗であるReborn計画店舗の拡大を進めるとともに、ブランド&デザインの一元化をおこなうことで、販売面での世代別マーケティングの強化に加えて、高級素材を用いた本革製品の構成比を従来の15%前後から30%超に押上げ客単価の向上に奏功し、さらに戦略的ブランドパートナー企業との協業を加速し実店舗並びにECでの販売を拡大するなど、新たなる市場領域を通じて売上高向上に向けた諸施策を推進しております。また、製造原価低減への取組みとともに品質向上のために、点在していた中国の製造拠点をブランド別に2拠点に集約し、専用化ラインの契約と生産開始を行うとともに、ASEAN地域での生産拠点化にも取り組む一方、本革製品の構成比が急速に向上されたことに対応して子会社工場を中心に国内での生産力の向上に努めております。さらには高コスト化が大きな課題であった従来の配送管理と店着物流において、ロジスティクス総合化計画に取り組んでおり、従来の関東エリアの5拠点に点在していた物流倉庫を、新物流センター(名称:「サマンサタバサグループロジテックセンター」)に移転統合を行い、IT化で支援した保管と配送の効率化により大きく改善するとともに、「店着物流」の合理化と効率化を行い、2024年度問題も視野に入れて物流構成比の削減に取り組んでおります。

 フィットハウス事業におきましては、これまでの郊外ロードサイド単店舗型の事業構造から、ショッピングモール内での新たなReborn計画店舗業態を開発し、今下期よりテスト店舗でのゾーニング化とMDプランの実証実験を行いながら、業態開発店舗の出店を開始してまいります。

 以上の取組みにより、業績を改善してまいります。

 

 店舗展開につきまして、店舗数は下記のとおりであります。

 

ブランド事業別店舗数                                  (単位:店舗)

 

合計

内訳

(Reborn)

(バッグ)

(ジュエリー)

(アパレル)

(その他)

(海外)

前連結会計年度末

270

131

29

44

40

26

 (出店)

16

12

 (退店)

46

32

  (増減)

△30

12

△32

△7

△5

当第3四半期連結会計期間末

240

12

99

22

45

35

27

 当第3四半期連結累計期間末の店舗数は、国内バッグ事業で111店舗(内Reborn計画店舗12店舗)、海外バック事業で27店舗、ジュエリー事業で22店舗、アパレル事業で45店舗、その他事業で35店舗となります。期首270店舗から30店舗純減(内Reborn計画店舗への移行に伴う閉店は14店舗)し、総店舗数は240店舗となりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は166億45百万円(前年同期比8.8%減)、営業損失は9億10百万円(前年同期は14億61百万円の損失)となりました。

 営業外収益には受取利息14百万円、為替差益1億25百万円、不動産賃貸料71百万円、受取保険金39百万円などを、営業外費用には支払利息1億1百万円、2023年5月31日付A種種類株式の発行諸費用である株式交付費2億14百万円、浸水被害による商品廃棄損などを含むその他営業外費用47百万円などを計上した結果、経常損失は10億29百万円(前年同期は12億2百万円の損失)となりました。

 

 また、第3四半期連結累計期間において、特別利益に関係会社清算益41百万円を、特別損失に減損損失2億31百万円を、法人税、住民税及び事業税17百万円、法人税等調整額△1億29百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純損失は11億89百万円(前年同期は13億74百万円の損失)となりました。

 なお、当社グループは「ファッションブランドビジネス」の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を行っておりません。

 

 ②財政状態の分析

(資産)

 総資産は158億35百万円であり、前連結会計年度末と比較して5億19百万円減少しております。主な要因は、現金及び預金が9億84百万円減少に対し、売掛金が1億42百万円増加、商品及び製品が92百万円増加などによるものであります。

 

(負債)

 総負債は147億12百万円であり、前連結会計年度末と比較して11億62百万円減少しております。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が24億円減少、未払法人税等が1億99百万円減少、賞与引当金が1億20百万円減少した一方、長期借入金が13億円増加などによるものであります。

 

(純資産)

 純資産は11億22百万円であり、前連結会計年度末と比較して6億43百万円増加しております。主な要因は、2023年5月31日付A種種類株式の発行による18億円の資本増強の一方、親会社株主に帰属する四半期純損失11億89百万円の計上によるものであります。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

  当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 1「事業等のリスク」(重要事象等に関する事項)に記載の継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況の解消は事業上及び財務上の対処すべき課題と認識しております。この状況を解消すべく、対応策を着実に進め、収益改善と財務基盤の安定化に努めてまいります。

 

(4)研究開発活動

 該当事項はありません。