売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00857 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績

 当第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)における世界経済は、根強いインフレが需要を押し下げ、また中東及びウクライナ情勢の緊張が続いているうえ、中国においては不動産市場の悪化を背景とした過剰債務問題が顕在化しており、従来にも増して減速懸念を強めております。

 日本経済においては、賃金上昇や価格転嫁が加速する等、経済正常化が進んでいるものの、物価上昇率が賃金上昇率を上回り、実質賃金は前年比マイナスで推移しております。しかしながら自動車業界の生産回復やインバウンド消費の増加等も見込まれ、経済全体の活性化が期待できる状況であります。

 このような状況の中、当社グループは、2021年5月に公表した「第3次中期経営計画」に基づき、中長期的な成長戦略の実現に向けた基盤構築を進めつつ、生産体制の最適化・効率化に努めてまいりました。

 この結果、売上高は70,796百万円(前年同期比4.0%減)となり、営業利益は1,244百万円(前年同期比28.7%減)、経常利益は3,053百万円(前年同期比20.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,228百万円(前年同期比38.3%増)となりました。

 

 セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

(日本)

 ハウスウエア合成樹脂製品分野及び関連商品においては、消費財における消費活動が活性化しない中、価格改定効果に加え、新製品を含めた商品ラインナップの増加にも取り組み、売上は微減に留まりました。工業品合成樹脂製品分野においては、引続き車両関連売上が好調であり、全体で売上が増加しました。

 利益面につきましては、ハウスウエア合成樹脂製品分野及び関連商品における価格改定や新製品販売効果もあり、大きく改善しました。

 この結果、当セグメントの売上高は15,143百万円(前年同期比0.1%増)となり、セグメント利益(営業利益)は442百万円(前年同期はセグメント損失88百万円)となりました。

 

(中国)

 工業品合成樹脂製品分野においては、取引先における東南アジアへの生産シフトや生産調整の影響等もあり、売上が大きく減少しました。ハウスウエア合成樹脂製品分野及び関連商品においては個人消費の回復が鈍く、また不動産市況の低迷も続いており、売上が減少しました。

 利益面につきましては、引続き人員体制の見直しや自動化等の生産効率改善に取り組んでいるものの、売上減少の影響が大きく、前年同期を下回りました。

 この結果、当セグメントの売上高は16,070百万円(前年同期比17.2%減)となり、セグメント利益(営業利益)は666百万円(前年同期比38.0%減)となりました。

 

(東南アジア)

 取引先における生産調整は見られるものの、上半期が好調であったこと、また円安効果等もあり、工業品合成樹脂製品分野の売上は微減に留まりました。ハウスウエア合成樹脂製品分野及び関連商品については、現時点ではボリュームは小さいものの、インドネシアでの販売を本格化させ、また今後は他地域への展開も視野に入れております。

 利益面につきましては、引続き人員削減等による固定費圧縮に取り組んでいるものの、一部拠点での新機種立上げに伴う生産効率悪化等もあり、前年同期を下回りました。

 この結果、当セグメントの売上高は39,011百万円(前年同期比0.5%減)となり、セグメント利益(営業利益)は1,149百万円(前年同期比31.3%減)となりました。

 

(北米)

 2023年5月にメキシコにて車両部品の製造を行う Tenma Plastic Mexico, S.A. de C.V. 及びその親会社でアメリカ合衆国にて車両部品の販売を行う Tenma America Corporation の株式を新たに取得し、当第3四半期連結会計期間より連結損益計算書への計上を開始しました。北米では主に車両の安全部品を製造販売しており、当セグメントの売上高は571百万円となりました。

 利益面につきましては、米ドルに対するペソ高が顕著であり、またメキシコにおける賃金上昇等により、米ドル建ての支払コストが増加したことから、セグメント損失(営業損失)は52百万円となりました。

 

 

②財政状態の分析

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計期間年度末に比べて434百万円増加し、103,236百万円となりました。これは有形固定資産合計が2,168百万円、無形固定資産が816百万円、それぞれ増加し、また受取手形及び売掛金が1,496百万円、現金及び預金が1,435百万円、それぞれ減少したこと等によります。

 

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計期間年度末に比べて2,852百万円減少し、21,639百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が2,639百万円減少したこと等によります。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計期間年度末に比べて3,287百万円増加し、81,597百万円となりました。これは為替換算調整勘定が4,810百万円増加し、また資本剰余金1,872百万円が減少したこと等によります。

 

(2)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(3)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、345百万円であります。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当社グループは2021年5月13日に第76期(2024年3月期)を最終年度とする3ヶ年の「第3次中期経営計画」を公表いたしました。

 「百年企業への歩み」をテーマとして「人とプラスチックの調和する豊かな社会の実現」を長期ビジョンに掲げ、「サステナブル経営の推進」と「成長基盤の構築」を基本方針としております。目標の達成に向けては、6つの全社戦略(「①人財への取り組み」、「②環境問題への取り組み」、「③ガバナンス強化」、「④DX(デジタルトランスフォーメーション)と自動化の推進」、「⑤技術開発の推進」、「⑥ビジネス領域の拡張」)を着実に推し進めております。