売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01183 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来の見通しにかかわる記述については、当四半期報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①財政状態

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,997百万円増加し、45,724百万円となりました。商品及び製品の増加や、時価の上昇に伴う投資有価証券の増加が主な要因であります。

負債は、前連結会計年度末に比べ1,199百万円減少し、7,011百万円となりました。1年内返済予定の長期借入金や設備関係未払金などの流動負債の減少が主な要因であります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ3,197百万円増加し、38,712百万円となりました。利益剰余金、その他有価証券評価差額金及び為替換算調整勘定の増加が主な要因であります。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ3.5ポイント上昇し、84.3%となりました。

 

②経営成績

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、各国の経済政策などにより景気の持ち直しの動きがみられるものの、世界的なインフレの加速や欧米各国の金融引き締めの長期化が懸念されるなど、先行き不透明な状況で推移いたしました。国内経済についても、社会経済活動の正常化が進み景気は緩やかに回復しましたが、海外景気の下振れリスクや物価上昇による影響など、先行きの不透明感を払拭できない状況が続きました。

当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は、25,403百万円と前年同期比1,661百万円(7.0%)の増収となりました。売上高に含まれる海外売上高は、14,590百万円(対売上高57.4%)と前年同期比1,621百万円(12.5%)の増収となりました。

営業利益は、販売費及び一般管理費が増加したものの、増収効果により3,409百万円と前年同期比119百万円(3.6%)の増益となりました。

経常利益は、為替差益の減少や当社主催会費用の増加などにより営業外損益が減少し、3,692百万円と前年同期比28百万円(0.8%)の増益となりました。

特別利益として投資有価証券売却益285百万円を計上しましたが、税金費用の増加により親会社株主に帰属する四半期純利益は、2,747百万円と前年同期比48百万円(1.7%)の減益となりました。

 

セグメントの業績

①デンタル関連事業

国内では、当期に市場投入したデジタルカメラ「アイスペシャル C-Ⅴ」や自己接着性レジンセメント「ビューティリンク SA」、またCAD/CAM関連製品などが売上に寄与しましたが、機械器具類の需要が一巡したことなどにより前年同期比減収となりました。海外では、欧州や中国を含むアジア地域を中心に既存製品の拡販が進むなど堅調に推移し、さらに為替変動の影響もあり、前年同期比増収となりました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、23,550百万円と前年同期比1,600百万円(7.3%)の増収となり、販売費及び一般管理費が増加したものの、営業利益は3,384百万円と前年同期比161百万円 (5.0%)の増益となりました。

 

②ネイル関連事業

国内では、展示会を中心とした国内プロ向け市場がコロナ禍前の状況に戻りつつあり、主力であるジェルネイルが売上を伸ばしたことから前年同期比増収となりました。海外では、米国においてインフレの影響による消費の落ち込みが続いており前年同期比減収となりました。また、台湾では一般消費者向けの売上が好調に推移したことから前年同期比増収となりました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、1,795百万円と前年同期比75百万円(4.4%)の増収となりましたが、売上原価率の上昇や販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は11百万円と前年同期比45百万円(79.2%)の減益となりました。

 

③その他の事業

当社グループの株式会社松風プロダクツ京都において、歯科用研磨材の生産技術を応用し、工業用研磨材を製造販売しております。当第3四半期連結累計期間の売上高は、57百万円と前年同期比14百万円(20.6%)の減収となりましたが、営業利益は9百万円と前年同期比3百万円(62.5%)の増益となりました。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

なお、当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に定める事項)は次のとおりです。

 

Ⅰ  基本方針の内容

当社取締役会は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、特定の者の大規模な買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。
 しかし、歯科器材の国際的メーカーである当社の経営においては、当社の有形無形の経営資源、将来を見据えた施策の潜在的効果、そして世界の歯科医療に貢献し、このことを通じて人々の「健康」と「美」に貢献するという当社に与えられた社会的使命、それら当社グループの企業価値を構成する要素等への理解が不可欠であり、これらを継続的に維持、向上させていくためには、当社グループの企業価値の源泉等を機軸とした中長期的な視野を持った取組みが必要不可欠であると考えております。当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者によりこうした中長期的視点に立った施策が実行されない場合、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益や当社グループに関わる全てのステークホルダーの利益は毀損されることになる可能性があります。

当社は、当社株式の適正な価値を株主及び投資家の皆様にご理解いただくようIR活動に努めておりますものの、突然大規模な買付行為がなされたときに、買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当かどうかなど大規模買付者による大規模買付行為の是非を株主の皆様が短期間の内に適切にご判断いただくためには、買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供されることが不可欠です。さらに、当社株式の継続保有をお考えの株主の皆様にとっても、かかる買付行為が当社グループに与える影響や、買付者が考える当社グループの経営に参画したときの経営方針、事業計画の内容、当該買付行為に対する当社取締役会の意見等の情報は、当社株式の継続保有を検討するうえで重要な判断材料となると考えます。

 

Ⅱ  当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み

当社では、「創造的な企業活動を通じて世界の歯科医療に貢献する」という経営理念とともに、「質の重視と量の拡大」「変化への挑戦」を行動指針として企業価値の向上に努めております。また、当社グループでは、連結売上高500億円、連結営業利益75億円の実現に向けて、欧米を中心とした先進国市場や、経済成長に伴う生活水準の向上が期待される新興国市場の需要を取り込むべく、経営資源の配分を大きく海外へシフトし、海外事業の拡大を軸に取り組んでまいります。具体的な取組みとしては、「松風グループ第四次中期経営計画」を策定し、①地域の需要・ニーズに適合した新製品の開発、②生産拠点の再配置、海外生産の拡大、③販売網・販売拠点の整備及び国内外学術ネットワークの構築、④海外展開を積極的に進めるための人材育成・確保、⑤M&Aの推進、⑥グループガバナンスの強化、⑦三井化学株式会社、サンメディカル株式会社との業務提携といった重点施策を通じて、企業価値ひいては株主共同の利益の向上に努めてまいります。
 また、経営体制及びコーポレート・ガバナンス体制の強化を目的として、2020年6月の株主総会において取締役の員数を8名から9名に増員するとともに、豊富な経験を有する社外取締役を2名から4名(うち、独立社外取締役3名)に増員しております。これにより、取締役会に占める独立社外取締役の割合を3分の1とし、2021年12月には当社コーポレートガバナンス・ガイドラインでも、取締役会に占める独立社外取締役の割合を3分の1以上とする旨を定める改訂を行っております。当社は、独立社外取締役がその知見に基づき助言を行うこと、経営陣幹部の選解任その他の取締役会の重要な意思決定を通じて経営の監督を行うこと、利益相反に関する監督を行うこと、ステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映させることが、独立社外取締役の主たる役割の一つと考えております。さらに、当社は、社外役員の独立性を確保するために、当社独自の社外役員の独立性基準を定めております。加えて、代表取締役及び過半数を占める独立社外取締役で構成する「指名・報酬協議会」を設置し、取締役の指名・報酬等に関する手続きの公正性、透明性、客観性の強化を図るとともに、代表取締役及び独立社外取締役で構成する「コーポレートガバナンス会議」を設置し、当社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、経営戦略や経営計画等について建設的な議論を行い、取締役会に対して答申しております。また、社長執行役員以下全執行役員、各部長及び国内子会社社長等で構成する「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティの基本方針や戦略・計画の策定、目標とすべき指標の設定等について審議を行うとともに、取組状況のモニタリング等を実施し、取締役会に報告や提言を行っています。
 なお、当社は、取締役及び監査役の、就任時及び就任後に必要とされる知識、情報を提供するため、外部研修等の活用を含め、適宜役員研修を実施しております。
 このような体制整備のほか、当社では情報開示の充実がコーポレート・ガバナンスにとって有効な機能を果たすと考えており、各種の会社情報を適時、適切にかつ積極的に開示することによって、株主の皆様やその他外部からのチェック機能を高め、経営の透明度を高めることを今後とも充実させていきたいと考えております。

 

Ⅲ  会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、2022年5月11日開催の取締役会において、Ⅰで述べた会社支配に関する基本方針に照らし、「当社株券等の大規模買付行為への対応方針」(以下「本対応方針」といいます。)を継続することを決議いたしました。
 本対応方針は、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いませんが、あらかじめ当社取締役会が同意した者による買付行為を除きます。かかる買付行為を以下「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を以下「大規模買付者」といいます。)が行われる場合に、①大規模買付者が当社取締役会に対して大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を事前に提供し、②当社取締役会のための一定の評価期間が経過し、かつ③取締役会又は株主総会が新株予約権の発行等の対抗措置の発動の可否について決議を行った後に大規模買付行為を開始する、という大規模買付ルールの遵守を大規模買付者に求める一方で、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なう大規模買付行為を新株予約権の発行等を利用することにより抑止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的とするものです。なお、2022年3月末日現在、当社の筆頭株主である三井化学株式会社は当社株式の20.00%を保有しておりますが、三井化学株式会社とは、同社との間の業務・資本提携に基づき当社の主要株主として友好的な関係を構築しており、現時点において本対応方針における適用対象とはなりません。

当社の株券等について大規模買付行為が行われる場合、まず、大規模買付者には、当社代表取締役宛に大規模買付者及び大規模買付行為の概要並びに大規模買付ルールに従う旨が記載された意向表明書を提出することを求めます。さらに、大規模買付者には、当社取締役会が当該意向表明書受領後10営業日以内に交付する必要情報リストに基づき株主の皆様の判断及び当社取締役会の意見形成のために必要な情報の提供を求めます。但し、大規模買付者からの情報提供の迅速化と、当社取締役会が延々と情報提供を求める等の恣意的な運用を避ける観点から、情報提供期間を、必要情報リストを大規模買付者に交付した日の翌日から起算して60日間に限定し、仮に必要情報が十分に提出されない場合であっても、情報提供期間が満了したときは、その時点で情報提供にかかる大規模買付者とのやり取りを打ち切ります。
 次に、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し前述の必要情報の提供を完了した後又は情報提供期間が満了した後、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)又は90日間(その他の大規模買付行為の場合)(最大30日間の延長がありえます。)を取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間とし、当社取締役会は、当該期間内に、外部専門家等の助言を受けながら、大規模買付者から提供された情報を十分に評価・検討し、後述の企業価値検討委員会の勧告を最大限尊重した上で、当社取締役会としての意見を取りまとめて公表します。また、当社取締役会は、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会としての代替案を提示することもあります。
 当社取締役会は、本対応方針を適正に運用し、当社取締役会による恣意的な判断を防止するための諮問機関として、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役及び社外有識者の中から選任された委員からなる企業価値検討委員会を設置し、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないため対抗措置を発動すべきか否か、大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと認められるため対抗措置を発動すべきか否か、対抗措置の発動の可否につき株主総会に諮るべきか否か等の本対応方針に係る重要な判断に際しては、企業価値検討委員会に諮問することとします。企業価値検討委員会は、①大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないため対抗措置発動を勧告した場合、②大規模買付者による大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと認められるため対抗措置発動を勧告した場合、及び③大規模買付者による大規模買付行為ないしその提案内容の評価、検討の結果、対抗措置の不発動を勧告した場合を除き、新株予約権の発行等の対抗措置の発動の可否につき株主総会に諮るべきである旨を当社取締役会に勧告するものとします。
 当社取締役会は、株主総会決議に従って、又は取締役としての善管注意義務に明らかに反する特段の事情がない限り企業価値検討委員会の上記勧告を最大限尊重し、新株予約権の発行等の対抗措置の発動又は不発動に関する会社法上の機関としての決議を遅滞なく行うものとします。対抗措置として新株予約権の発行を実施する場合には、新株予約権者は、当社取締役会が定めた1円以上の額を払い込むことにより新株予約権を行使し、当社普通株式を取得することができるものとし、当該新株予約権には、大規模買付者等による権利行使が認められないという行使条件や当社が大規模買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項等を付すことがあるものとします。また、当社取締役会は、当社取締役会又は株主総会が対抗措置の発動を決定した後も、対抗措置の発動が適切でないと判断した場合には、企業価値検討委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置の発動の変更又は停止を行うことがあります。当社取締役会は、上記決議を行った場合は、適時適切に情報開示を行います。
 本対応方針の有効期限は、2022年6月24日開催の定時株主総会においてその継続が承認されたことから、当該定時株主総会の日から3年内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとし、以降、本対応方針の更新(一部修正した上での継続を含みます。)については当社株主総会の承認を経るものとします。なお、本対応方針の有効期間中であっても、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の観点から、関係法令の整備や、金融商品取引所が定める上場制度の整備等を踏まえ随時見直しを行い、本対応方針の変更を行うことがあります。
 なお、本対応方針の詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト(アドレスhttps://www.shofu.co.jp/ir/)に掲載する2022年5月11日付プレスリリースをご覧下さい。

 

Ⅳ  具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

前記Ⅱの当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組みは、そこに記載したとおり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための具体的方策であり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の基本方針に沿うものです。
 また、前記Ⅲの会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みに記載した本対応方針も、そこに記載したとおり、企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるために導入されたものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の基本方針に沿うものです。特に、本対応方針は、当社取締役会から独立した組織として企業価値検討委員会を設置し、対抗措置の発動・不発動の判断の際には取締役会はこれに必ず諮問することとなっていること、企業価値検討委員会が株主総会に諮る必要がないと判断する限定的な場合を除き、原則として株主総会決議によって対抗措置の発動の可否が決せられること、本対応方針の有効期間は3年であり、その継続については株主の皆様のご承認をいただくこととなっていること等その内容において公正性・客観性が担保される工夫がなされている点において、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間は研究開発費として、1,370百万円を投入いたしました。

なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。