売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02683 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績に関する説明

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、個人消費や設備投資が増加し、企業収益も総じて改善されるなど景気に緩やかな回復が見られました。一方で、世界的な金融引き締めによる景気下振れリスクは依然として高く、日本国内においては、原材料価格の高止まりや円安を背景とした物価上昇など、経済動向は先行き不透明な状況が続いております。

このような経済状況の中、当情報サービス業界では、デジタル社会の実現に向けたDX(デジタルトランスフォーメーション)推進やIoT化の動きが継続し、IT投資については引き続き底堅く推移いたしました。

こうした環境の下、当社グループでは長期ビジョン「CANVAS(キャンバス)」に基づく中期経営計画「CANVAS ONE(2023年3月期~2025年3月期)」にて、「新たな価値提供への挑戦を続け、彩りのある企業へ」をビジョンに掲げ、人的資本を中心とした価値創造投資を推進すべく「五方良し」の経営の実践に向け引き続き取り組んでおります。

営業活動全般におきましては、ハードウェア、工事資材などの納期遅延等が徐々に緩和され、公共分野から民需分野へのシフトも定着しております。加えて、前期に引き続き収益性が高い重点ソリューションに注力するとともに、お客さまの様々なニーズに対応するため、以下ソリューションの提案と販売に注力しております。

・セキュリティソリューション

戦略商品「AppGuard®」を中心とした、サイバー攻撃やランサムウェアから企業を守る数多くのセキュリティソリューション

・HRソリューション

『WEB給与明細』を基本機能として、スマートフォンやパソコンからの雇用契約や入社手続きを可能とする『WEB雇用契約』、その他年末調整、安否確認などのオプションをラインナップした当社クラウド型ポータルサービス「i-Compass」

・法令改正に対応するペーパーレスソリューション

電子契約サービス「DD-CONNECT(ディ・ディ・コネクト)」、社内・社外文書の送付と受取の双方向に対応した電子データ交換機能、加えて紙に記載された項目をAIと人を活用してデジタル化するサービスがセットされた統合ペーパーレスサービス「EdiGate DX-Pless」(2023年5月から提供を開始、「EdiGate for INVOICE」は当ソリューションに機能を統合)

また、コアビジネスの取り組みと併せ、連結子会社である株式会社CAMI&Co.のIoT事業における技術力やコンサルティング力を活用することで「CANVAS ONE」に掲げるシン・ビジネス創出を加速し、M&Aによるシナジーの発揮に加え、様々な素材のビジネス化に向けて企画ならびに実行を継続しております。

グループ運営におきましては、M&Aにより連結子会社化した各社との、技術者確保やシン・ビジネス創出を目的とした一層の連携強化に取り組んでおります。

一方、社内的には「お客さま第一」の方針のもとお客さまの経営課題の解決をご支援するために、「人の品質」「物の品質」「仕事の品質」の向上を目指し、組織を横断するタスクフォース活動に引き続き取り組みました。

この結果、販売面におきましては、富士通株式会社及び同社グループとの連携強化による新規商談及び既存顧客からの受注が増加し、当第3四半期連結累計期間の業績は、受注高314億46百万円(前年同期比110.0%)と前四半期連結累計期間に引き続き伸長しました。今後の売上につながる受注残高(受注後、未売上の契約額)も依然として高水準(前年同期比106.0%)であり、新たに連結した子会社を含めて子会社の業績が好調であったことなどから、売上高につきましては299億56百万円(前年同期比121.5%)と増加しました。

利益面におきましては、収益性が高いソリューションサービスの売上高が堅調であったこと、情報通信機器の売上高が大幅に増加したこと等により売上総利益が増加しました。一方で、「CANVAS ONE」に基づく人的資本投資の一環である社員の処遇改善や教育投資の増加、70周年関連行事の実施を含む営業・販促活動の活性化により経費の増加がありましたが、営業利益15億93百万円(前年同期比451.9%)、経常利益16億60百万円(前年同期比416.6%)と増加いたしました。

 

また、法人税、住民税及び事業税ならびに法人税等調整額を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は9億81百万円となりました。

 

事業部門別の業績は次のとおりであります。

なお、当社グループは、情報通信分野における機器の販売及びサービスの提供を行う単一の事業活動を営んでいるため、事業部門別に記載しております。

 

情報通信機器部門

情報通信機器部門におきましては、半導体不足による納期遅延の影響の解消が進み、大型案件の獲得もあり受注高は84億28百万円(前年同期比112.7%)、売上高は79億2百万円(前年同期比138.8%)と伸長いたしました。

 

ソリューションサービス部門

ソリューションサービス部門におきましては、受注高230億17百万円(前年同期比109.0%)、売上高220億53百万円(前年同期比116.3%)となりました。同部門の内訳としては、ソフトウェアサービスでは、受注高は155億4百万円(前年同期比116.2%)、売上高は149億46百万円(前年同期比125.0%)と公共分野から民需分野へのシフトが定着し、インボイス制度対応の案件が積み上がったこと、ストックビジネスの受注も堅調であることなどから増加しました。

保守サービスでは、情報通信機器の販売の増加に伴い受注高は増加しましたが、売上高は前年同期並みの49億94百万円(前年同期比98.9%)となりました。

ネットワーク工事では、受注高は減少しましたが大型案件が前倒しで計上されたことなどから、売上高は21億11百万円(前年同期比108.0%)と増加しました。

 

当社グループの四半期業績の特性について

 情報サービス産業の特性として、ハードウェアならびにシステムの導入及び更新が年度の節目である9月、3月に集中する傾向にあるため、当社グループの売上高及び利益は、第2四半期、第4四半期に増加する特性があります。

 

②財政状態に関する説明

当第3四半期連結会計期間末の総資産につきましては、前連結会計年度末より69百万円増加し、256億86百万円となりました。この主な要因は、前連結会計年度末に集中した売上に係る債権が順調に回収されたことにより受取手形、売掛金及び契約資産が32億74百万円減少し、現金及び預金が13億94百万円増加したこと、及び仕掛品が18億58百万円、投資有価証券が3億42百万円増加したこと等によるものであります。

負債につきましては、前連結会計年度末より7億34百万円減少し、149億78百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が4億90百万円、賞与引当金が3億66百万円減少したこと等によるものであります。

純資産につきましては、前連結会計年度末より8億3百万円増加し、107億8百万円となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加、及び配当金の支払いによる利益剰余金の減少等によるものであります。

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題、経営者の問題認識と今後の方針について

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

また、当第3四半期連結累計期間において、当社の財政及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(3)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因や問題点と経営戦略および今後の方針について

 当社グループは、コンピュータメーカー各社及び関連ソフトウェア会社、ソフトウェアパッケージ会社、システムインテグレータ、コンサルティング会社など多種多様な企業と競合関係にあり、今後、同業他社あるいは新規参入者との取扱い商品・サービス、業務スキル、技術面等での競争結果によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 このような要因を解消するため、当社グループは「お客さま第一」の基本に立ち返り、「顧客視点」の営業活動を積極的に展開するとともに、コスト削減の推進に加え、会社体質の変革を進めてまいります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金需要は、情報通信機器等の仕入、ソフトウェア等の制作及び人件費を主とする販売費及び一般管理費等によるものであり、これらを使途とする運転資金の安定的かつ機動的な確保を資金調達の基本方針としております。この方針に沿い、当第3四半期連結会計期間末現在、短期借入金20億70百万円及び長期借入金20百万円(1年内返済予定の長期借入金を含む。)を本邦内において調達しております。

 当社グループは、売掛金の回収促進などの営業活動によるキャッシュ・フローの改善に加え、金融機関からの安定した資金調達により、当社グループの成長を維持するための運転資金を確保する方針であります。