売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02530 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の扱いが感染症法の「5類」に移行し、経済活動の回復は加速しており、所得情勢には回復への足踏みがみられるものの、個人消費、設備投資、生産活動、雇用情勢には持ち直しの動きがみられます。

 消費者心理は、経済情勢の先行き不透明感や消費者物価の上昇に賃金の上昇が追いつかないなど厳しい状況にあります。また、消費者購買行動では、生活防衛意識を反映し、節約志向が継続しています。

 水産物流通業界におきましては、需要動向については、新型コロナウイルス禍からの社会活動の正常化が進み、外食・宿泊・インバウンド関連需要は回復しつつあるものの、内食関連需要は消費者物価の高止まり等から総じて伸び悩んでいます。

 また、価格動向については、円安やコスト上昇などを反映して、輸入水産物を始め、国内水産物においても調達価格は一部に下落はあるものの全般的に上昇し、これに呼応して販売価格も上昇しています。

 業界環境としては、価格上昇により需要が全般的に伸び悩む中、業種・業態の垣根を越えた販売競争が繰り広げられるなど、厳しい状況下にあります。

 このような環境にあって、当社グループは、全体最適のグループ経営のもと、販売力・調達力の強化、顧客起点志向の追求、地域に対応したソリューションの提供、業務の効率化、諸経費の削減などに注力し積極的な事業活動を展開してまいりました。

 また、『OUGグループ中期経営計画2021』(2021年度~2023年度)の最終年度に当たり、当社グループは、引き続きグループ横断的な4つの重点テーマである「鮮魚事業(取引)の拡大」、「加工事業(取引)の拡大」、「エリア戦略の推進」、「海外事業の推進」について、バリューチェーンの最適化を意識したグループ役職員の個々の行動変容を通じ、業績を向上させるべく取り組んでまいりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

 当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比べて25,007百万円増加し、106,996百万円となりました。増加の主な要因は、受取手形及び売掛金の増加18,051百万円、棚卸資産の増加4,976百万円によるものであります。

 負債は、前連結会計年度末と比べて22,278百万円増加し、78,338百万円となりました。増加の主な要因は、支払手形及び買掛金の増加15,269百万円、借入金の増加6,806百万円によるものであります。

 純資産は、前連結会計年度末と比べて2,729百万円増加し、28,657百万円(自己資本比率26.8%)となりました。増加の主な要因は、利益剰余金の増加2,035百万円によるものであります。

b.経営成績

 当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は255,834百万円(前年同四半期比101.6%)となりました。損益面では、売上総利益は21,723百万円(前年同四半期比97.2%)となり、営業利益2,876百万円(前年同四半期比75.2%)、経常利益3,471百万円(前年同四半期比86.0%)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,409百万円(前年同四半期比86.5%)となりました。

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

<水産物荷受事業>

 中央卸売市場を核とする集荷販売機能をもつ水産物荷受事業は、外食・中食関連の販売が回復傾向にある中、販管費の節減に努めましたが、主要商材の一部に相場下落があり、当該在庫の早期販売を積極的に進めた結果、売上高153,989百万円(前年同四半期比99.3%)、セグメント利益1,538百万円(前年同四半期比72.9%)となりました。

<市場外水産物卸売事業>

 全国各地を網羅する販売拠点を活かした幅広い流通網をもつ市場外水産物卸売事業は、外食・宿泊・インバウンド関連需要が回復しつつあることに加え、商品調達コスト等が上昇する中、販売価格への価格転嫁を進めたことにより売上総利益率が改善し、売上高101,846百万円(前年同四半期比104.4%)、セグメント利益1,333百万円(前年同四半期比222.6%)となりました。

 

<養殖事業>

 九州、四国にて、ハマチ、ブリ、マグロの養殖を展開する養殖事業は、養殖ブリの在池量が多く販売価格が低下したことに加え、餌料の高騰等による生産原価の上昇もあり、売上高6,433百万円(前年同四半期比88.1%)、セグメント損失196百万円(前年同四半期はセグメント利益1,088百万円)となりました。

<食品加工事業>

 消費地にある食品加工センターでの水産加工、量販店向けの米飯加工、カット野菜加工、飲食事業者向けの加工・調理サービスなどを行う食品加工事業は、ホテル・ブライダル向けの販売は回復傾向にあるものの、輸入原料の調達コストが高止まりしていることに加え、カット野菜の販売が減少したこと等により、売上高3,328百万円(前年同四半期比97.3%)、セグメント損失44百万円(前年同四半期はセグメント損失42百万円)となりました。

<物流事業>

 物流センターにおいて、搬入された水産物等を量販店等の配送先別に仕分け・配送を行う物流事業は、センター業務売上およびギフト作業売上が増加したことにより、売上高1,314百万円(前年同四半期比104.4%)、セグメント利益16百万円(前年同四半期比182.3%)となりました。

<その他>

 グループの水産物流通を補完するリース事業等その他は、売上高3,925百万円(前年同四半期比120.1%)、セグメント利益95百万円(前年同四半期はセグメント損失47百万円)となりました。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。