株式会社モスフードサービス

ブランドなど:モスバーガー
卸売業飲食店プライムTOPIX Small 1

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02675 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う経済活動の正常化が進んだほか、インバウンドの戻りもあって外食需要の回復が見られました。一方で、物価高騰による消費者の生活防衛意識の高まりに加え、急激な為替変動や物流費およびエネルギー価格の高騰等、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような環境の中、基幹事業である国内モスバーガー事業においては、重点施策として粗利の改善、販管費の抑制を徹底し、利益確保に取り組んでおります。海外事業では、コロナ後の人流の変化に対応して、既存店の強化に努めるとともに、不採算店舗の閉店や本社経費の抑制など、収益性の改善に継続して取り組んでおります。

また、ESGの観点から当社グループのマテリアリティ(重要課題)を、①食と健康、②店舗と地域コミュニティ、③人材育成と支援、④地球環境の4つに定め、事業活動を通じて社会に向けた価値創造に取り組んでおります。

当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高が705億50百万円(前年同四半期比9.9%増)、営業利益35億38百万円(同282.1%増)、経常利益38億25百万円(同227.4%増)となり、最終損益は主に投資有価証券売却益が増加した一方、利益の増加に伴い税金費用が増加したことにより、親会社株主に帰属する四半期純利益31億4百万円(同240.6%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

<国内モスバーガー事業>

国内モスバーガー事業では、お客様のニーズに合わせた商品・マーケティング展開に加え、お客様との接点を強化するため、積極的な出店や地域に密着した店舗運営を推進しております。当第3四半期累計期間の既存店売上高は105.4%と前年を上回り、順調に推移しております。

 

モスバーガー既存店および全店実績(2023年4月~12月)

(前年同四半期比)

既存店売上高

既存店客数

既存店客単価

全店売上高

105.4%

99.4%

106.0%

107.9%

 

 

①  商品・マーケティング施策

当年度は、「家族みんながワクワクする、モスらしい感動体験」を提供することをテーマに、ブランドキャラクターとして女優・永野芽郁さんを起用し、「おっ!MOS品質」を合言葉に、“おいしさ”と“あんしん”へのこだわりと創業以来守り続けている「MOS品質」を訴求しております。

当第3四半期連結会計期間においては、昨年販売し好評だった「一頭買い 黒毛和牛バーガー」をリニューアルし、11月から販売いたしました。第1弾として発売した「一頭買い 黒毛和牛バーガー シャリアピンソース~トリュフ風味~」は、好調な販売が続き、一部店舗では当初の予定より早く、第2弾の「一頭買い 黒毛和牛バーガー 特製テリヤキソース~ゆず胡椒風味~」に順次切り替えました。

クリスマスから年末年始のシーズンに向けた話題喚起策として、TVアニメ『ONE PIECE』とコラボレーションした「モスチキン」キャンペーンや「2024 モス福袋」を数量限定で販売いたしました。

地域密着の取り組みとしては、東海出店50周年の感謝を込めた記念商品「みそカツバーガー 八丁味噌使用」「みそカツライスバーガー 八丁味噌使用」を地域・数量限定で販売いたしました。

また、地域の生産者応援企画として、シロップに高知県産の柚子を使用した「ゆず&レモン ジンジャーエール」を期間限定で販売いたしました。

今後も地域に密着した社会貢献活動に積極的に取り組むとともに、各地域の名物や特産品を使用した地域密着型のメニュー開発に取り組んでまいります。

 

②  店舗施策

これまで未開拓であった、都市部の住宅地近接のコンパクトな物件等、多様な立地に適応した店舗づくりを推進いたしました。また、キッチン設備や機器を充実させ、省力化を図ったほか、コロナ禍で短縮していた営業時間の延長に引き続き取り組みました。

 

出退店実績(2023年12月末時点)

(2023年3月末比)

出店

退店

店舗数

増減

24

11

1,305

+13

 

 

③  デジタル技術の活用

デジタル技術を活用し、CX(お客様の体験価値)とEX(社員や店舗メンバーの働きがい)の向上を目指しております。人手不足の対応として、フルセルフレジやソフトコール、番号表示パネル等、IT技術を活用した店舗づくりを引き続き推進いたしました。お客様の利便性向上に向けた対応としては、レジに並ばずにスマホで注文するテーブルオーダーや、パーキングオーダーを試験的に導入いたしました。さらに、予約販売が定着してきたクリスマス時期のモスチキンパックや福袋において、ネット予約の使い勝手を改善し、ストレスなくご購入いただける仕組みを導入いたしました。

 

④  ESGへの取り組み

モスグループの各事業を通じて社会課題の解決に貢献するために、環境・社会・ガバナンス(ESG)の観点から4つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、サステナビリティ経営を通じてさらなる企業価値の向上を推進しております。

 

 主な取り組み(2023年4月~12月)

モスバーガー店舗で着用するコスチューム変更

従業員の「働きやすさ」を追求し、快適さ、機能性と着心地の良さを重視したコスチュームに変更。

コールドドリンク容器を紙製に変更

コールドドリンクのカップをプラスチック製から紙製に変更。これにより、1年間で約670トンのプラスチック削減見込み。

モスファーム熊本で非食用米の本格生産開始

モスバーガー全店で使用する「ライスレジン(R)」(国産非食用米を25%配合したバイオマスプラスチック)製のテイクアウト用カトラリー(スプーン、フォーク)1年分をモスファーム熊本で賄うことが可能。

「新潟MOSごと美術館2023」開催

障がいのある方の社会参加支援を目的に、新潟県にお住まいの障がいのある方々が描いたアート作品をモスバーガー店舗で展示。

温室効果ガス排出量を5%以上抑えて作ったレタスを広島県のモスバーガーで使用開始

農林水産省が推進している『温室効果ガスの「見える化」ラベル』を、広島県内のモスバーガー店舗内に掲示するとともに、温室効果ガス排出量を5%以上抑えて生産しているレタスを「テリヤキバーガー」などレタスを使用するすべてのメニューに使用。

広島市内の店舗で分身ロボット「OriHime」が接客

子育てや介護、身体障がいなどの社会的ハンディキャップにより外出困難な方の分身として、店舗勤務を可能とする分身ロボット「OriHime」を広島市内の店舗で実験導入。

これまでに「OriHime」は「モスバーガー原宿表参道店」で導入しているほか、福岡県や北海道の店舗でも実験導入済み。

第24回グリーン購入大賞で優秀賞を受賞

国内モスバーガー全店舗でのエコマーク認定取得など「環境に配慮した飲食店」実現への取り組みが評価され、第24回グリーン購入大賞において、優秀賞(農林水産特別部門)を受賞。

 

 

⑤  新たな事業展開

モスブランドを活用した新たな事業を展開するマーチャンダイジング事業では「モス公式オンラインショップ~Life with MOS~」内に、「モスライスバーガー専門店」を8月よりオープンしました。海外モスバーガー店舗で実績のある商品をアレンジした「モスライスバーガー <ガパオ>」などに加え、11月には新たに「モスライスバーガー専門店」オリジナルの新商品として、「モスライスバーガー<韓国風ピリ辛ポーク>」の販売を開始いたしました。

今後も海外店舗の限定商品や、国内店舗で過去に人気だった商品の復刻、オリジナル商品の開発など、モスライスバーガー専門店ならではの商品を取り揃え、ブランドの価値向上とともに、新たな収益源へと育ててまいります。

 

以上の事業活動の結果、国内モスバーガー事業の売上高は558億2百万円(前年同四半期比10.1%増)となり、セグメント利益(営業利益)は48億60百万円(前年同四半期比100.8%増)となりました。

 

<海外事業>

海外事業では、日本の食文化を大切にした定番商品に加え、現地の嗜好を取り入れたローカライズ商品を販売するなど、地域に根差した店舗展開を進めております。また、商圏の変化および人流の変化に対応して、不採算店舗の閉店や管理コストの抑制など収益性の改善に取り組みました。積極的にスクラップ&ビルドを実施した結果、一部地域では店舗を減少させておりますが、全体では、1店舗増の456店舗となりました。

なお、海外事業に属する関係会社の当第3四半期連結会計期間は2023年7月から9月であるため、同期間の情報を記載しております。

 

① 主要な連結子会社(香港、シンガポール、魔術食品工業(食品製造))

シンガポールでは、不採算店舗の見極めと整理、物流コストと本社経費の削減に取り組みました。原材料費の高騰を背景に、7月から一部商品において価格改定を実施し、価格の適正化に取り組んでおります。

香港では、本社経費の削減、調達の工夫による原価率低減を図りました。不採算店舗については、サービス向上と収益性の改善に向けて個店別に対策を講じております。また、7月に一部商品において価格改定を実施し、来店客数の維持と客単価上昇による収益性改善に取り組みました。

海外店舗の主要な食品の製造を担う台湾の魔術食品工業では、収益性の改善や新たな販路開拓に取り組んでおります。

 

② 主要な関連会社(台湾)

台湾では、海外からの観光客の増加や国内旅行の活性化を背景に、飲食店への需要が高まっております。一方で、鶏肉など原材料価格が徐々に上昇していることから、コストの見直しなどに取り組んでおります。

 

(2023年9月末時点、増減:2022年12月末比)

国・地域名

台湾

シンガポール

香港

タイ

中国

店舗数

304

45

47

29

6

増減数

+2

△4

+2

+3

0

国・地域名

オーストラリア

韓国

フィリピン

インドネシア

合計

店舗数

3

15

7

0

456

増減数

0

0

0

△2

+1

 

 

以上の事業活動の結果、海外事業の売上高は125億74百万円(前年同四半期比9.7%増)、セグメント利益(営業利益)は0百万円(前年同四半期はセグメント損失1億57百万円)となりました。

 

 

<その他飲食事業>

その他飲食事業は、新型コロナウイルス感染症発生前の水準に戻りつつあります。新たな施策として、紅茶専門店「マザーリーフ」と株式会社ドウシシャとの初のコラボレーション商品「マザーリーフ監修 さくさくミニクロワッサンラスク ロイヤルミルクティー風味」を12月より順次、全国のスーパー、小売店などを通じて発売し、「マザーリーフ」の認知度の向上とブランディングの強化を図りました。

引き続き、商品力の強化、サービス品質の向上、テイクアウトやデリバリーの拡大を図り、収益力の改善を進めてまいります。

 

(2023年12月末時点)

事業

事業の内容

店舗数

マザーリーフ

スリランカの茶園直送の紅茶とアメリカンワッフルを提供する紅茶専門店

12

モスド

モスバーガーとミスタードーナツとのコラボレーションショップ

1

モスプレミアム

グルメバーガーとお酒が楽しめるフルサービスレストラン

2

ミアクッチーナ

フードコート向けパスタ専門店

1

カフェ

 山と海と太陽

バリエーション豊かなドリンクとハンバーガーを提供するカフェ店舗

1

あえん

四季折々の旬菜料理を提供する和風レストラン

6

シェフズブイ

旬の野菜を主役にしたベジタブルレストラン

1

合計

24

 

 

以上の事業活動の結果、その他飲食事業の売上高は14億5百万円(前年同四半期比3.6%増)、セグメント損失(営業損失)は61百万円(前年同四半期比88百万円の損失減)となりました。

 

<その他の事業>

連結子会社の株式会社エム・エイチ・エスは衛生、株式会社モスクレジットは金融・保険・設備レンタル、株式会社モスシャインはグループ内業務のアウトソーシング等により、主に国内モスバーガー事業やその他飲食事業を支援しております。

これらによるその他の事業の売上高は7億68百万円(前年同四半期比11.9%増)となり、前年同四半期に一時的に減少した設備レンタルに係る費用の増加等により、セグメント利益(営業利益)は3億57百万円(前年同四半期比34.1%減)となりました。

 

当第3四半期連結会計期間末の財政状態につきましては、以下のとおりであります。

(資産)

当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度に比べ67億86百万円増加し、812億66百万円となりました。流動資産は前連結会計年度に比べ50億89百万円増加し、固定資産は16億97百万円増加しております。流動資産が増加した主な理由は、現金及び預金が増加したこと及び季節変動により売上債権、棚卸資産が増加したことによるものであります。固定資産が増加した主な理由は、時価の変動等によって投資有価証券が増加したことによるものであります。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度に比べ24億58百万円増加し、288億47百万円となりました。この増加の主な理由は、クリスマス商戦と年末年始に備えた仕入に係る仕入債務が増加したこと及び、利益の増加に伴い未払法人税等が増加したことによるものであります。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度に比べ43億27百万円増加し、524億19百万円となりました。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末64.3%から当第3四半期連結会計期間末は64.2%と0.1%減少しております。

 

 

(2) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は6百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(3) 生産、受注及び販売の実績

当第3四半期連結累計期間において、その他の事業の仕入実績が著しく増加しております。この増加の主な理由は、前年同四半期に一時的に減少した設備レンタルに係る費用の増加等によるものであります。この結果、その他の事業の仕入実績は6億37百万円(前年同四半期比40.1%増)となりました。