売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03614 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。

 

1 財政状態及び経営成績の状況

(1) 経営環境

当第3四半期連結累計期間を顧みますと、世界経済は、インフレや高金利の影響を受けて回復ペースが鈍化しました。

主要地域別に見ますと、米国では、金融環境の引き締まりが企業活動を下押ししたものの、雇用・所得環境の改善等が個人消費を下支えしたことで、景気は堅調に推移しました。また、東南アジア等では、内需やインバウンド需要等の回復が続いたほか、IT関連製品について輸出に持ち直しの兆しがみられる等、景気は底堅く推移しました。一方、中国では、外需の停滞や不動産市場の調整を背景に、景気は力強さを欠きました。欧州では、根強いインフレ圧力を背景に家計の購買力が低下したほか、政策金利の引き上げが設備投資や住宅投資を下押しし、景気は低迷しました。

わが国の景気は一部で足踏みがみられましたが、緩やかに回復しました。輸出や鉱工業生産は、海外経済の減速が重石となったものの、自動車等の供給制約の緩和に支えられて、持ち直しの兆しがみられました。設備投資は、堅調な企業収益に支えられてソフトウェア投資を中心に底堅く推移しました。また、個人消費は、物価高の影響を受けながらも雇用・所得環境の改善に支えられて、緩やかに増加しました。

わが国の金融資本市場におきましては、日本銀行による「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」のもと、民間金融機関の当座預金の一部に適用するマイナス金利が維持され、短期市場金利は期末にマイナス0.01%台となりました。長期市場金利は、日本銀行が7月と10月に長短金利操作の運用柔軟化を決定したこと等を受けて、11月初めに0.9%台へ上昇しましたが、その後は米国長期金利の低下等海外からの金利低下圧力が強まり、期末には0.6%程度へ低下しました。円相場は、11月に1ドル151円台まで円安ドル高が進みましたが、その後は米国の早期利下げ観測が強まり、期末には141円台となりました。日経平均株価は、国内企業の業績改善に対する期待が高まり、11月には取引時間中にバブル経済崩壊後の高値を更新し、3万3千円台後半へ上昇しました。その後は日本銀行の政策修正観測や海外景気の減速懸念がくすぶるなかで、3万3千円前後で一進一退の展開となりました。

規制面では、11月20日、幅広い金融事業者および企業年金等の関係者に対して、顧客等の最善の利益を勘案した誠実かつ公正な業務の遂行を求める最善利益義務や、顧客属性に応じた説明義務の法定化等を定めた、「金融商品取引法等の一部を改正する法律」が可決、成立し、同月29日に公布されました。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。なお、2023年12月1日付で中島達 執行役社長が新たに就任いたしましたが、当社グループは引き続き、「最高の信頼を通じて、お客さま・社会とともに発展するグローバルソリューションプロバイダー」というビジョンの実現に向けて、中期経営計画「Plan for Fulfilled Growth」における取組みを加速させ、「質の伴った成長」を目指してまいります。

 

(3) 経営成績の分析

当第3四半期連結累計期間の連結業務純益は、円安による為替影響に加え、SMBC日興証券株式会社の業績が回復したことや国内外の貸金収益が増益となったこと等から、前第3四半期連結累計期間比1,729億円増益の1兆2,021億円となりました。

与信関係費用は、国内のリテール子会社を中心にコスト発生が増加したこと等により、前第3四半期連結累計期間比236億円増加の1,347億円となりました。

以上の結果、経常利益は前第3四半期連結累計期間比1,641億円増益の1兆1,967億円となりました。

また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前第3四半期連結累計期間比268億円増益の7,928億円となりました。

 

主な項目の分析は、以下のとおりであります。

(単位:億円)

 

 

前第3四半期
連結累計期間

当第3四半期
連結累計期間

前第3四半期
連結累計期間比

連結粗利益

 

23,774

27,263

3,489

資金運用収支

 

12,738

13,426

688

信託報酬

 

48

58

10

役務取引等収支

 

9,019

10,555

1,537

特定取引収支

 

1,003

1,167

164

その他業務収支

 

967

2,057

1,091

営業経費

 

△14,277

△16,310

△2,033

持分法による投資損益

 

795

1,068

274

連結業務純益

 

10,292

12,021

1,729

与信関係費用

 

△1,111

△1,347

△236

不良債権処理額

 

△1,250

△1,477

△227

貸出金償却

 

△665

△1,086

△421

貸倒引当金繰入額

 

△375

△186

190

その他

 

△210

△205

5

償却債権取立益

 

139

130

△9

株式等損益

 

1,382

1,446

63

その他

 

△237

△153

83

経常利益

 

10,326

11,967

1,641

特別損益

 

△25

△1,121

△1,097

うち固定資産処分損益

 

△1

△32

△31

うち減損損失

 

△24

△16

8

うち貨車リース事業売却関連損失

 

△1,070

△1,070

税金等調整前四半期純利益

 

10,301

10,845

544

法人税等

 

△2,565

△2,881

△316

四半期純利益

 

7,736

7,965

229

非支配株主に帰属する四半期純利益

 

△76

△36

40

親会社株主に帰属する四半期純利益

 

7,660

7,928

268

 

(注)1 減算項目には金額頭部に△を付しております。

2 連結粗利益=資金運用収支+信託報酬+役務取引等収支+特定取引収支+その他業務収支

 

 

ホールセール事業部門の連結業務純益は前第3四半期連結累計期間比436億円増益4,372億円、リテール事業部門は同161億円増益1,502億円、グローバル事業部門は同427億円増益4,773億円、市場事業部門は同168億円増益3,011億円となりました。

(単位:億円)

 

前第3四半期
連結累計期間

当第3四半期
連結累計期間

前第3四半期
連結累計期間比

連結粗利益

連結業務純益

連結粗利益

連結業務純益

連結粗利益

連結業務純益

ホールセール事業部門

5,564

3,896

5,906

4,372

550

436

リテール事業部門

8,480

1,648

9,448

1,502

782

161

グローバル事業部門

9,178

5,162

9,527

4,773

958

427

市場事業部門

3,715

3,116

3,991

3,011

299

168

本社管理等

△3,163

△3,531

△1,609

△1,637

900

537

合計

23,774

10,292

27,263

12,021

3,489

1,729

 

(注)1 セグメントは内部管理上採用している区分によっております。

2 本社管理等には、内部取引として消去すべきものを含めております。

3 前第3四半期連結累計期間比は、金利・為替影響等を調整しております。

 

 

(4) 財政状態の分析
① 貸出金

貸出金は、前連結会計年度末比4兆7,832億円増加して103兆1,874億円となりました。

(単位:億円)

 

前連結会計年度末

当第3四半期
連結会計期間末

前連結会計年度末比

貸出金残高(末残)

984,041

1,031,874

47,832

うち銀行法及び再生法に基づく債権

9,278

9,516

238

うち住宅ローン(注)

112,241

113,262

1,021

 

(注) 当社国内銀行子会社の単体計数を単純合算して表示しております。

 

[ご参考]国内・海外別貸出金残高の状況

○業種別貸出状況(末残・構成比)

 

業種別

前連結会計年度末

当第3四半期連結会計期間末

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

59,091,821

100.00

60,938,752

100.00

製造業

9,019,445

15.26

9,646,436

15.83

農業、林業、漁業及び鉱業

217,440

0.37

225,572

0.37

建設業

804,339

1.36

964,052

1.58

運輸、情報通信、公益事業

5,970,855

10.10

6,111,806

10.03

卸売・小売業

5,018,415

8.49

4,967,396

8.15

金融・保険業

3,108,951

5.26

3,168,281

5.20

不動産業、物品賃貸業

12,342,473

20.89

13,095,524

21.49

各種サービス業

4,883,713

8.27

5,094,646

8.36

地方公共団体

609,285

1.03

463,319

0.76

その他

17,116,902

28.97

17,201,715

28.23

海外及び特別国際金融取引勘定分

39,312,315

100.00

42,248,630

100.00

政府等

287,504

0.73

389,419

0.92

金融機関

2,875,583

7.32

3,411,758

8.07

商工業

32,669,082

83.10

34,790,111

82.35

その他

3,480,144

8.85

3,657,340

8.66

合計

98,404,137

103,187,383

 

(注)1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。

2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。

 

 

また、銀行法及び再生法に基づく債権は以下のとおりであります。

 

銀行法及び再生法に基づく債権は、前連結会計年度末比573億円増加して9,851億円となりました。その結果、不良債権比率は前連結会計年度末比0.01%上昇して0.81%となりました。債権区分別では、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が914億円増加して1,843億円、危険債権が87億円増加して5,029億円、要管理債権が428億円減少して2,979億円となりました。

(単位:億円)

 

 

前連結会計年度末

当第3四半期
連結会計期間末

前連結会計年度末比

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

929

1,843

914

危険債権

 

4,942

5,029

87

要管理債権

 

3,407

2,979

△428

三月以上延滞債権

 

199

420

221

貸出条件緩和債権

 

3,208

2,559

△649

小計

9,278

9,851

573

正常債権

 

1,151,393

1,207,770

56,377

合計

1,160,671

1,217,621

56,950

不良債権比率

(=①/②)

0.80

0.81

0.01

 

 

② 有価証券

有価証券は、前連結会計年度末比3兆6,311億円増加して36兆8,443億円となりました。

(単位:億円)

 

前連結会計年度末

当第3四半期
連結会計期間末

前連結会計年度末比

有価証券

332,132

368,443

36,311

国債

96,488

89,581

△6,907

地方債

11,807

12,063

256

社債

25,136

22,715

△2,421

株式

39,307

43,564

4,257

うち時価のあるもの

31,755

34,861

3,106

その他の証券

159,393

200,520

41,127

 

(注) 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式が含まれております。

 

また、有価証券等の評価損益は以下のとおりであります。

(単位:億円)

 

前連結会計年度末

当第3四半期
連結会計期間末

前連結会計年度末比

満期保有目的の債券

△4

△6

△2

その他有価証券

19,151

26,112

6,960

うち株式

19,448

23,239

3,792

うち債券

△642

△898

△256

その他の金銭の信託

合計

19,148

26,106

6,959

 

 

 

③ 繰延税金資産(負債)

繰延税金資産は、前連結会計年度末比243億円増加して984億円となりました。また、繰延税金負債は、前連結会計年度末比2,008億円増加して4,662億円となりました。

(単位:億円)

 

前連結会計年度末

当第3四半期
連結会計期間末

前連結会計年度末比

繰延税金資産

741

984

243

繰延税金負債

△2,654

△4,662

△2,008

 

 

④ 預金

預金は、前連結会計年度末比3兆8,719億円増加して162兆6,422億円となりました。また、譲渡性預金は、前連結会計年度末比8,579億円増加して13兆8,834億円となりました。

(単位:億円)

 

前連結会計年度末

当第3四半期
連結会計期間末

前連結会計年度末比

預金

1,587,703

1,626,422

38,719

国内

1,272,306

1,288,907

16,602

海外

315,397

337,515

22,118

譲渡性預金

130,256

138,834

8,579

 

(注)1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。

2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。

 

⑤ 純資産の部

純資産の部合計は、13兆9,052億円となりました。このうち株主資本合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上や剰余金の配当等の結果、前連結会計年度末比3,033億円増加して10兆6,117億円となりました。また、その他の包括利益累計額合計は、前連結会計年度末比7,964億円増加して3兆1,685億円となりました。

(単位:億円)

 

前連結会計年度末

当第3四半期
連結会計期間末

前連結会計年度末比

純資産の部合計

127,911

139,052

11,141

うち株主資本合計

103,084

106,117

3,033

うちその他の包括利益累計額合計

23,721

31,685

7,964

 

 

 

(5) 国内・海外別収支

当第3四半期連結累計期間の資金運用収支は前第3四半期連結累計期間比688億円増益1兆3,426億円、信託報酬は同10億円増益58億円、役務取引等収支は同1,537億円増益1兆555億円、特定取引収支は同164億円増益1,167億円、その他業務収支は同1,091億円増益2,057億円となりました。

国内・海外別に見ますと、国内の資金運用収支は前第3四半期連結累計期間比3,054億円減益2,377億円、信託報酬は同10億円増益58億円、役務取引等収支は同1,139億円増益7,843億円、特定取引収支は同213億円減益△267億円、その他業務収支は同398億円増益1,180億円となりました。

海外の資金運用収支は前第3四半期連結累計期間比4,562億円増益1兆3,590億円、役務取引等収支は同424億円増益2,844億円、特定取引収支は同377億円増益1,433億円、その他業務収支は同696億円増益886億円となりました。

 

種類

期別

国内

海外

消去又は
全社(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前第3四半期連結累計期間

543,104

902,712

△172,016

1,273,801

当第3四半期連結累計期間

237,693

1,358,958

△254,063

1,342,588

うち資金運用収益

前第3四半期連結累計期間

914,542

1,666,988

△52,188

2,529,341

当第3四半期連結累計期間

1,249,246

3,400,376

△154,470

4,495,152

うち資金調達費用

前第3四半期連結累計期間

371,437

764,275

119,827

1,255,540

当第3四半期連結累計期間

1,011,552

2,041,418

99,592

3,152,563

信託報酬

前第3四半期連結累計期間

4,788

4,788

当第3四半期連結累計期間

5,769

5,769

役務取引等収支

前第3四半期連結累計期間

670,424

241,951

△10,478

901,897

当第3四半期連結累計期間

784,280

284,397

△13,130

1,055,548

うち役務取引等
収益

前第3四半期連結累計期間

810,756

279,465

△16,869

1,073,352

当第3四半期連結累計期間

933,643

334,156

△21,980

1,245,819

うち役務取引等
費用

前第3四半期連結累計期間

140,332

37,513

△6,391

171,455

当第3四半期連結累計期間

149,362

49,758

△8,849

190,271

特定取引収支

前第3四半期連結累計期間

△5,394

105,666

100,271

当第3四半期連結累計期間

△26,661

143,330

116,668

うち特定取引収益

前第3四半期連結累計期間

10,788

106,846

△8,891

108,742

当第3四半期連結累計期間

177,601

146,114

△95,527

228,187

うち特定取引費用

前第3四半期連結累計期間

16,182

1,179

△8,891

8,470

当第3四半期連結累計期間

204,262

2,784

△95,527

111,518

その他業務収支

前第3四半期連結累計期間

78,178

19,035

△527

96,686

当第3四半期連結累計期間

118,022

88,593

△867

205,748

うちその他業務
収益

前第3四半期連結累計期間

247,257

121,860

△1,186

367,931

当第3四半期連結累計期間

209,692

175,426

△1,011

384,107

うちその他業務
費用

前第3四半期連結累計期間

169,078

102,825

△658

271,244

当第3四半期連結累計期間

91,669

86,833

△144

178,358

 

(注)1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。

2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。

3 「国内」、「海外」間の内部取引は、「消去又は全社(△)」欄に表示しております。