E05714 Japan GAAP
2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当中間連結会計期間の日本経済は、均してみれば踊り場が続きました。2025年4~6月期の実質GDP成長率は前期比年率+2%強の高い伸びとなりました。しかし、米国政府による関税引き上げ前の駆け込み輸出や気温上昇による季節商材の販売増といった特殊要因の影響が大きく、総じてみれば景気は力強さに欠ける状況が続いております。食料品価格上昇の長期化などによる節約志向が個人消費の重石となっていることや、米国では労働市場に悪化の兆しが出始めていることもあり、引き続き景気の先行きは予断を許さない状況が続いております。
10年国債利回りは期初の1.5%台から上昇しました。4月初めに米国政府が関税の大幅引き上げ方針を発表し、日本を含む世界の景気悪化懸念が高まり、10年国債利回りは1.1%台まで低下しました。その後、米国と中国の間で相互の関税大幅引き上げの見直しが進むなど、米国の関税政策による悪影響への懸念が徐々に和らいだことから、10年国債利回りは再び上昇傾向で推移し、9月には約17年ぶりの高水準(1.6%台後半)を記録しました。
米国では、4月初めの関税の大幅引き上げ方針を受けて、米10年物国債利回りは一時4%を割りました。その後、関税政策への過度な悲観が収まっていく中で、米10年物国債利回りは4%台中盤まで上昇しました。しかし、雇用情勢悪化の兆しや、早期利下げを求めるトランプ大統領によるFRB(米国連邦準備制度理事会)の金融政策への介入に対する懸念が高まり、夏場以降の米10年物国債利回りは低下し、9月中旬には4.1%程度まで水準を落としました。
ドル円レートは、米国の政策動向の影響を大きく受けました。4月の関税政策発表後、米国景気の悪化懸念や長期金利低下を受けて、為替レートは一時140円近辺まで円高が進みました。その後は方向感の乏しい展開となりました。なお、10月に高市早苗・自民党新総裁の選出によって金融緩和・財政出動観測が高まり、円安が進みました。
こうした状況のもと、当社グループは、健全な財務基盤を維持しつつ、付加価値の高い商品と質の高いサービスの提供、内部管理態勢の一層の充実など、様々な取組みを行ってまいりました。
その結果、当社グループの当中間連結会計期間(2025年4月1日~2025年9月30日)の業績は次のとおりとなりました。
経常収益は、生命保険事業、損害保険事業及び銀行事業のすべての事業において増加した結果、前年同期比19.4%増の1兆5,324億円となりました。経常損益は、損害保険事業において増益となったものの、生命保険事業及び銀行事業において減益となった結果、193億円の損失(前年同期は256億円の利益)となりました。経常損益に特別損益、契約者配当準備金繰入額、法人税等合計等を加減した親会社株主に帰属する中間純損益は、174億円の損失(前年同期は178億円の利益)となりました。
財政状態については、次のとおりとなりました。
当中間連結会計期間末における総資産は、前年度末比3.1%増の24兆1,066億円となりました。主な勘定残高は、国債を中心とした有価証券が前年度末比4.4%増の18兆2,995億円、貸出金が前年度末比0.6%減の3兆8,752億円であります。
負債の部合計は、前年度末比3.3%増の23兆4,585億円となりました。主な勘定残高は、保険契約準備金が前年度末比4.0%増の16兆4,694億円、預金が前年度末比2.8%増の4兆3,632億円であります。
純資産の部合計は、前年度末比3.2%減の6,481億円となりました。純資産の部のうち、その他有価証券評価差額金は、前年度末比41億円減の△772億円となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりです。
経常収益は、特別勘定における運用益が増加したことにより、1兆3,698億円(前年同期比20.6%増)となりました。経常損益は、ALM(資産負債の総合管理)の考え方に基づくリバランスを目的とした債券売却に伴う一般勘定における有価証券売却損益の悪化等により、317億円の損失(前年同期は97億円の利益)となりました。
経常収益は、主力の自動車保険を中心に正味収入保険料が堅調に増加したことにより、930億円(前年同期比12.9%増)となりました。経常利益は、自然災害の減少等により損害率が低下したことにより、60億円(同111.6%増)となりました。
貸出金利息や有価証券利息配当金等の資金運用収益の増加があったものの、住宅ローン関連役務収益の減少や営業経費の増加により、経常収益は623億円(同4.9%増)、経常利益は80億円(同42.7%減)となりました。
各事業における主要な子会社の業績は次のとおりです。
<ソニー生命保険株式会社(以下、「ソニー生命」)(単体)>
ソニー生命の経常収益は、保険料等収入9,130億円(前年同期比3.3%減)、資産運用収益4,440億円(同150.4%増)、その他経常収益125億円(同9.3%減)を合計した結果、1兆3,697億円(同20.6%増)となりました。
一方、経常費用は、保険金等支払金5,067億円(同5.2%減)、責任準備金等繰入額6,272億円(同108.5%増)、資産運用費用1,248億円(同19.6%減)、事業費1,070億円(同5.3%増)などを合計した結果、1兆4,009億円(同24.5%増)となりました。
経常損益は、ALM(資産負債の総合管理)の考え方に基づくリバランスを目的とした債券売却に伴う一般勘定における有価証券売却損益の悪化等により、312億円の経常損失(前年同期は102億円の経常利益)となりました。経常利益に特別損益、契約者配当準備金繰入額、法人税等合計を加減した中間純損失は、237億円(前年同期は57億円の中間純利益)となりました。
基礎利益は、変額保険等の最低保証に係る責任準備金繰入額が減少したことなどにより、851億円(前年同期比38.4%増)となりました。逆ざや額は24億円(同50.0%減)となりました。
個人保険、個人年金保険を合計した新契約高は、5兆4,463億円(同0.7%増)となりました。新契約年換算保険料は840億円(同4.3%減)となり、うち医療保障・生前給付保障等は、50億円(同19.0%増)となりました。一方、解約・失効率※1は、2.63%(同0.38ポイント低下)となりました。
以上の結果、個人保険、個人年金保険を合計した保有契約高は、74兆8,085億円(前年度末比3.9%増、前年同期比8.7%増)となりました。保有契約年換算保険料は1兆3,379億円(前年度末比3.1%増、前年同期比7.7%増)となり、うち医療保障・生前給付保障等は2,074億円(前年度末比0.6%減、前年同期比1.0%減)となりました。
有価証券含み損益※2は、△2兆7,073億円(前年度末比4,688億円減)となりました。また、その他有価証券評価差額金は、△752億円(同39億円減)となりました。
(※1) 契約高の減額又は増額、並びに復活を含めない解約・失効高を年度始の保有契約高で除した率です。
(※2) 売買目的有価証券以外の有価証券のうち時価のあるものの帳簿価額と時価の差額。
(保険引受の状況)
① 保有契約高
(注) 1.個人年金保険については、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金を合計したものです。
2.団体年金保険については、責任準備金の金額です。
② 新契約高
(注) 1.新契約・転換による純増加の個人年金保険の金額は年金支払開始時における年金原資です。
2.新契約の団体年金保険の金額は第1回収入保険料です。
③ 保有契約年換算保険料
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額です(ただし、一時払契約等は、保険料を保険期間で除した金額)。
2.「医療保障・生前給付保障等」については、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)等に該当する部分の年換算保険料を計上しています。
④ 新契約年換算保険料
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額です(ただし、一時払契約等は、保険料を保険期間で除した金額)。
2.「医療保障・生前給付保障等」については、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)等に該当する部分の年換算保険料を計上しています。
(単体ソルベンシー・マージン比率)
(注) 1.上記は、保険業法施行規則第86条、第87条、及び平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しています。
2.(B)リスクの合計額のうち、最低保証リスク相当額は標準的方式を用いて算出しています。
<ソニー損害保険株式会社(以下、「ソニー損保」)>
ソニー損保の経常収益は、保険引受収益が920億円(前年同期比12.7%増)、資産運用収益が10億円(同35.2%増)となった結果、930億円(同12.9%増)となりました。保険引受収益の増加は、主力の自動車保険を中心に正味収入保険料が堅調に増加したことによるものです。一方、経常費用は、保険引受費用が658億円(同9.0%増)、営業費及び一般管理費が211億円(同10.1%増)となったことにより、869億円(同9.3%増)となりました。経常利益は、自然災害の減少等により損害率が低下したことにより、60億円(同111.6%増)となりました。経常利益から特別損失、法人税等合計を控除した中間純利益は44億円(同118.2%増)となりました。
保険引受の状況については、元受正味保険料が966億円(同14.1%増)、正味収入保険料が919億円(同12.7%増)となりました。また、正味支払保険金は497億円(同12.4%増)となり、その結果、正味損害率は60.7%(同0.1ポイント低下)となりました。保険引受に係る営業費及び一般管理費は211億円(同10.1%増)となり、正味事業費率は24.2%(同0.7ポイント低下)となりました。これらに支払備金繰入額、責任準備金繰入額などを加減した結果、保険引受利益は50億円(同138.4%増)となりました。
(保険引受の状況)
① 元受正味保険料(含む収入積立保険料)
(注) 元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金及び元受その他返戻金を控除したものです(積立型保険の積立保険料を含む)。
② 正味収入保険料
③ 正味支払保険金
(注) 正味損害率=(正味支払保険金+損害調査費)÷正味収入保険料
(単体ソルベンシー・マージン比率)
保険業法施行規則第86条及び第87条並びに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づき、単体ソルベンシー・マージン比率を算出しております。
損害保険会社は、保険事故発生の際の保険金支払や積立保険の満期返戻金支払等に備えて準備金を積み立てておりますが、巨大災害の発生や、損害保険会社が保有する資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。こうした「通常の予測を超える危険」を示す「単体リスクの合計額」(下表の(B))に対する「損害保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」(すなわち単体ソルベンシー・マージン総額:下表の(A))の割合を示す指標として、保険業法等に基づき計算されたものが、「単体ソルベンシー・マージン比率」(下表の(C))であります。
単体ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に活用する客観的な判断指標のひとつでありますが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされております。
<ソニー銀行株式会社(以下、「ソニー銀行」)(単体)>
ソニー銀行(単体)は、貸出金利息や有価証券利息配当金等の資金運用収益の増加があったものの、住宅ローン関連役務収益の減少や営業経費の増加により、経常収益は623億円(前年同期比5.0%増)、経常利益は80億円(同42.6%減)、中間純利益は54億円(同51.7%減)となりました。
資金運用収支は302億円(同4.1%増)、役務取引等収支は△60億円(前年同期は△23億円)、その他業務収支は△16億円(同△6億円)となり、業務粗利益は225億円(前年同期比13.3%減)となりました。また、営業経費は148億円(同14.0%増)となり、その結果、業務純益は77億円(同40.6%減)となりました。
当中間会計期間末(2025年9月30日)の預かり資産(預金と投資信託の合計)残高は、4兆8,493億円(前年度末比1,570億円増、3.3%増)となりました。内訳は次のとおりです。預金残高は、4兆5,369億円(同1,202億円増、2.7%増)となりました。預金残高のうち、円預金は普通預金、定期預金ともに増加し、3兆8,006億円(同1,550億円増、4.3%増)、外貨預金は7,362億円(同348億円減、4.5%減)となりました。投資信託は3,123億円(同368億円増、13.4%増)となりました。また、貸出金残高は、住宅ローン残高の減少により、3兆6,501億円(同229億円減、0.6%減)となりました。
なお、純資産のうち、その他有価証券評価差額金は△20億円(同3億円減)となりました。
(銀行事業の状況)
① 国内・国際業務部門別収支
当中間会計期間の資金運用収支は302億円、役務取引等収支は△60億円、その他業務収支は△16億円となりました。このうち、国内業務部門の資金運用収支は175億円、役務取引等収支は△60億円、その他業務収支は△18億円となりました。また、国際業務部門の資金運用収支は126億円、役務取引等収支は0億円、その他業務収支は2億円となりました。
(注) 1.国内業務部門は国内の円建取引、国際業務部門は外貨建取引です。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。
2.資金運用収益及び資金調達費用の合計額の( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
3.資金調達費用は金銭の信託運用見合費用を控除して表示しております。
② 国内・国際業務部門別役務取引の状況
役務取引等収益は、預金・貸出業務及びデビットカード関連業務を中心に合計で49億円、役務取引等費用は109億円となりました。
(注) 国内業務部門とは円建取引、国際業務部門とは外貨建取引です。
③ 国内・国際業務部門別預金残高の状況
預金の種類別残高(末残)
(注) 1.国内業務部門とは円建取引、国際業務部門とは外貨建取引です。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。
2.流動性預金は普通預金です。定期性預金は定期預金です。
④ 国内・海外別貸出金残高の状況
1.業種別貸出状況(末残・構成比)
2.外国政府等向け債権残高(国別)
該当事項はありません。
⑤ 単体自己資本比率の状況
自己資本比率(国内基準)は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、単体ベースについて算出しております。なお、ソニー銀行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出において、「基礎的内部格付手法」を採用しております。
⑥ 資産の査定
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、ソニー銀行の中間貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに中間貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、主に生命保険事業における保険料等収入により、4,435億円の収入超過となりました。前年同期比では、収入超過額が2,276億円減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に生命保険事業における有価証券の取得による支出が有価証券の売却・償還による収入を上回ったことにより、4,819億円の支出超過となりました。前年同期比では、支出超過額が1,746億円減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、41億円の支出超過となりました。前年同期比では、支出超過額が40億円増加しました。
これらの活動の結果、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比べ423億円減少、前年同期と比べ2,322億円増加し、1兆1,597億円となりました。
(3) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等若しくは指標等について重要な変更及び新たに定めたものはありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。