売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E36896 


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日2023年9月30日)における我が国の経済情勢は、長期化した新型コロナウイルス感染症流行の影響からは概ね回復し、感染症流行以前の状況に戻りつつあるものの、ウクライナ及びロシア情勢や急激な円安の進行、原材料価格の上昇などにより経済情勢の先行き不透明な状況が続き、多くの企業が環境変化への対応と新たな価値の創出を両立することを模索している状況と推察されます。このような状況下、日本企業は激しく変化する市場環境の中で生き残りを図るべく、イノベーションの創出や生産性の向上、これらを実現するテクノロジーの活用など、経営戦略の見直しを迫られております。

そうした中、当社グループが事業展開するデジタルトランスフォーメーション(DX)市場におきましては、同感染症流行後のニューノーマル定着や政府によるDX支援も追い風となり、市場規模が順調に拡大しております。特に大手企業を中心に、既存のビジネスモデルを大きく変化させる新たな潮流として、DXに強い関心が寄せられております。このような状況下、当社グループは様々な業界の主要企業に対し、DX戦略立案から新規事業開発・既存事業変革支援、そしてデジタルマーケティングやUI/UXの改善まで一連のDX支援サービスを一気通貫で提供できる強みを持って、ソリューション横断でのDX案件を多数受注し、クライアントの事業推進を支援してまいりました。また、2022年4月には新たにHRソリューションサービスの株式会社uloqo(現株式会社プロジェクトHRソリューションズ)、2022年10月にはテクノロジーサービスの株式会社クアトロテクノロジーズ(現株式会社プロジェクトテクノロジーズ)、2023年4月にはヘルスケアサービスの株式会社Dr.健康経営とテクノロジーサービスの株式会社アルトワイズを連結子会社化したことによって、より一層のDX支援サービス及びグループ経営体制拡充を図ってまいりました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は4,723,636千円(前年同期比58.7%増)、営業利益は668,404千円(前年同期比3.4%減)、経常利益は660,372千円(前年同期比3.7%減)、親会社に帰属する四半期純利益は402,276千円(前年同期比12.6%減)となりました。

各セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

 

(デジタルトランスフォーメーション事業)

「デジタルトランスフォーメーション事業」においては、過去の支援実績、業務品質を評価いただけている既存クライアントからの追加発注と同時に、新規クライアントの獲得にも成功している状況です。また、クライアントがDXの特定領域にのみ課題を抱えることは少ないと当社グループは認識しており、例えば入り口はUI/UXについてのご相談であっても、結果的に領域をまたがるDXの課題解決のためのより本質的な提案を行う余地があるケースも多いことから、新規クライアントについても領域横断での提案を行うことによって、顧客単価向上により一層の売上高を拡大させる余地があると判断しております。当社グループの提供サービスの性質上、一度受注すれば中長期的に継続支援させていただくことが多く、当第3四半期連結累計期間の売上に占めるストック売上(6か月以上の連続受注を獲得したクライアントからの売上のうち、スポットの性質が強い広告出稿やユーザーテスト等を除いたもの)の比率は92.3%となりました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間の「デジタルトランスフォーメーション事業」におけるサービスごとの売上高は、コンサルティングサービスが2,933,994千円(前年同期比25.9%増)、マーケティングサービスが490,613千円(前年同期比9.5%減)、UIscopeサービスが76,880千円(前年同期比73.5%増)の計3,501,487千円(前年同期比20.0%増)となり、セグメント利益は1,241,397千円(前年同期比6.6%増)となりました。

 

(DX×テクノロジー事業)

「DX×テクノロジー事業」においては、IT企業などに対し、プログラミングスキルを有するエンジニア人材が顧客企業に常駐し、システム開発業務やソフトウエアテスト業務を提供するテクノロジーサービスを提供しております。顧客企業のエンジニア人材に対するニーズは引き続き強く、一部クライアントについて「デジタルトランスフォーメーション事業」とのクロスセルが奏功したことも受け、当事業の業績は堅調に推移しております。また、第2四半期連結会計期間より、2023年4月に子会社化したテクノロジーサービスを提供する株式会社アルトワイズを連結の範囲に含めております。この結果、当第3四半期連結累計期間の「DX×テクノロジー事業」における売上高は、903,658千円(前年同期は連結開始前)となり、セグメント利益は36,985千円(同左)となりました。

 

(DX×HR事業)

「DX×HR事業」においては、テクノロジー領域を中心とするクライアントのニーズに応じた、採用代行、人事評価制度コンサルティングなどのHRソリューションサービスを提供しております。テクノロジー領域の企業の人材採用等の動きは引き続き活発であり、当社グループの提供するHRソリューションサービスに対するニーズは強いと認識しており、より一層の売上高拡大に向け組織開発に注力している状況です。また、第2四半期連結会計期間より、2023年4月に子会社化したヘルスケアサービスを提供する株式会社Dr.健康経営を連結の範囲に含めております。その結果、当第3四半期連結累計期間の「DX×HR事業」における売上高は、HRソリューションサービスが263,347千円(前年同期比349.1%増)、ヘルスケアサービスが55,142千円の計318,489千円(前年同期比443.2%増)となり、セグメント利益は85,651千円(前年同期比529.2%増)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産は3,449,612千円となり、前連結会計年度末に比べ541,256千円増加となりました。これは主に、現金及び預金が357,446千円、受取手形及び売掛金が174,499千円増加したことによるものであります。固定資産は2,049,864千円となり、前連結会計年度末に比べ679,615千円増加となりました。これは主にのれんが517,637千円、敷金が165,561千円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は5,503,285千円となり、前連結会計年度末に比べ1,217,433千円増加となりました

 

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債は1,020,877千円となり、前連結会計年度末に比べ52,919千円増加となりました。これは主に、買掛金が39,522千円、未払金が52,028千円増加したことによるものであります。固定負債は1,200,172千円となり、前連結会計年度末に比べ688,081千円増加となりました。これは主に、長期借入金が709,298千円増加したことによるものであります。

この結果、負債合計は2,221,049千円となり、前連結会計年度末に比べ741,000千円増加となりました。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は3,282,236千円となり、前連結会計年度末に比べ476,432千円増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益を402,276千円計上したことにより、利益剰余金が増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は59.5%前連結会計年度末は65.1%)となりました。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

2023年9月8日付「代表取締役および取締役の異動(辞任)に関するお知らせ」及び同年9月13日付「代表取締役および取締役の異動(辞任)に関する経過報告」で公表しているとおり、当社共同創業者であり前代表取締役副社長グループCOOの伊藤翔太氏が2023年9月8日付で当社の代表取締役及び取締役を辞任いたしました。本事象を受け、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、下記3点が重要と判断しております。

 

① 事実関係の調査

今般、このような事態に至りましたことは誠に遺憾であり、また本件が当社のステークホルダーの皆さまにご心配をおかけしていること等に鑑み、本件に関わる事実関係及び本件を未然に防ぐことができなかったガバナンスの課題について、当社との間に利害関係のない外部専門家である弁護士による調査を進めております。調査結果等については、判明次第、お知らせいたします。

 

② コーポレートガバナンスの強化

当社の前代表取締役副社長が今回このような事案を引き起こしたことについて、現経営陣一同、重く受け止めております。既に、社内で暫定的な再発防止策を策定しておりますが、今後は外部専門家による調査の結果も踏まえつつ、コーポレートガバナンスの更なる強化に取り組むことが重要と判断しております。具体的には、経営陣へのけん制機能を強化し特定の人物への権限集中を回避するため、今後、監査等委員会設置会社への移行も含めた機関設計変更の検討を開始して社外取締役の増員を図ること、及び任意の報酬委員会設置等により執行を担う経営陣の選任や待遇決定への社外取締役の関与を強化すること等を検討してまいります。

 

③ 伊藤氏の保有する当社株式の取り扱い

現在、前代表取締役副社長グループCOOの伊藤翔太氏は当社の事業運営に一切関与しておりませんが、同氏は2023年9月末時点で当社の議決権総数の28.6%を所有しております。今回の事案を受け、会社として前代表取締役副社長との一切の関係を断ち切るため、同氏の保有する当社株式については処分するよう現経営陣から依頼をしており、同氏が保有する株式の保有比率引き下げについて同氏と協議を重ねております。本四半期報告書提出日時点においてご報告できる事項はございませんが、決定次第、速やかに開示をしてまいります。

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。