売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E36223 


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)業績の状況

当第1四半期連結累計期間においては、世界的な原材料の価格高騰等の影響による物価高、地政学的リスクの高まりなどにより、依然として経済への先行き不透明感が強まっております。

建設コンサルタント業界では自然災害リスクに備え、国土強靭化の推進や社会資本老朽化に対する適切な維持管理、長寿命化、更新への危急的な対応が求められております。また、情報通信技術(以下「ICT」という。)を活用したインフラサービスの高度化、急速に進む少子高齢化への備えや地域創生への対応、さらには、現在大きな変革期にある国内エネルギーの需要、供給政策への対応など、これまでにないスピードで発展する社会への貢献、コミットが求められております。これらは、いずれも我が国の発展に向けた根幹部分であり、その実現のために建設コンサルタントが果たすべき役割は、ますます大きくなっております。

このような状況の中、公共事業投資額については、近年約8~9兆円の水準で安定的に推移しているほか、2020年12月に15兆円程度の予算規模を目処とした「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」が閣議決定されており、現在のところ国内公共事業を取り巻く環境はおおむね堅調に推移しております。

 

当社グループは、長期経営計画である「長期経営ビジョン2030」(2019年10月~2031年9月)を公表しております。さらに、この「長期経営ビジョン2030」の実現に向けての第2フェーズとして、2022年11月に公表しました中期経営計画「持続成長プラン2025」(2022年10月~2025年9月)を策定し、当社グループのさらなる成長に向けた基盤づくりを行う重要なステージと位置づけ、より具体的な目標及び施策をとりまとめております。

 

当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の業績といたしましては、受注高は、防災・減災に向けた国土強靭化への備えや、インフラの維持管理、長寿命化、またICTの活用による建設産業全体の効率化、活性化の環境下にて、前年同四半期連結累計期間比20.8%増加となる95億43百万円となりました。

売上高は前年同四半期連結累計期間比8.8%減少となる81億80百万円となりました。当社グループの売上高は、受注の大半が官需という特性により、第2四半期以降に偏る傾向があり、当第1四半期連結累計期間の売上高81億80百万円は、通期予想売上高430億円に対して19.0%の達成度になります。

売上原価は前年同四半期連結累計期間比5.5%減少となる63億13百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、前年同四半期連結累計期間比10.0%増加となる21億42百万円となりました。なお、売上高が第2四半期以降に偏る傾向があることに対し、販売費及び一般管理費は年間を通じ大きく偏る特徴はございません。

以上の結果、営業損失は2億75百万円(前年同四半期連結累計期間3億33百万円の営業利益)経常損失は3億7百万円(前年同四半期連結累計期間2億69百万円の経常利益)親会社株主に帰属する四半期純損失は2億78百万円(前年同四半期連結累計期間1億37百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。

 

 

セグメントごとの概況は次のとおりであります。

〔コンサルタント事業〕

構造事業については、株式会社長大、株式会社ピーシーレールウェイコンサルタントが主に手掛けており、主軸である橋梁設計の他、維持管理や老朽化対策、耐震補強業務等を実施してまいりました。高度橋梁監理システム(i-Bridge)の実用化に向けたフィールド実験など、次世代の橋梁管理の技術開発に積極的に取組んでおります。

社会基盤事業については、株式会社長大、株式会社長大テックが主に手掛けており、道路構造物の維持管理、更新に向けた各種点検業務や道路管理データベース構築業務、交通需要予測や事業評価業務などに加え、自動車の移動情報、挙動情報に関するビッグデータ処理による渋滞や事故評価業務などに取組んでまいりました。また、モビリティと駅前再開発の融合であるバスタ事業など、新たな都市機能の強化事業についても積極的に取組んでおります。さらに、ITS・情報/電気通信事業では、新たな自動運転による公共サービスの導入に参画するなど、自社技術の展開による次世代移動支援の実現に向け、グループをあげて取組んでまいりました。

社会創生事業については、株式会社長大が主に手掛けており、基幹である環境事業の他、PPP/PFIや建築計画・設計等のまちづくり事業に積極的に取組み、安定的に売上を伸ばしております。環境・新エネルギー事業では、国内外における再生可能エネルギー事業でのコンサルティングに取組んでまいりました。また、水力、風力、地熱、バイオマスなど再生可能エネルギー発電事業に多く取組んでまいりました。さらに、現在はデジタル田園都市国家構想において北海道更別村の「北海道更別村SUPER VILLAGE構想」への取組みを推進しております。その他、数年前から本格スタートした防衛関連事業においても、構造物設計、交通、環境分野から建築分野まで幅広く受注するなど、積極的な展開を図っております。

地質・土質事業については、基礎地盤コンサルタンツ株式会社が主に手掛けており、基幹の地質・土質調査関連事業を基軸に、売上高を安定的に推移することができております。「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を背景に、既存の土木インフラに対する地質調査や地盤解析の分野で多くの案件に取組むとともに、災害からの復興に伴う地質調査・対策工設計などに取組んでまいりました。また、再生可能エネルギー分野において、複数の洋上風力発電事業や地熱発電事業、災害対策に伴う地質調査・診断などに取組んでまいりました。

海外事業については、株式会社長大、基礎地盤コンサルタンツ株式会社が主に手掛けており、橋梁設計、施工監理業務、また地質調査などに積極的に取組んでおります。

以上の結果、受注高91億52百万円(前年同四半期連結累計期間比31.2%増)、売上高77億29百万円(前年同四半期連結累計期間比10.5%減)となりました。

 

〔サービスプロバイダ事業〕

国内では、地元企業と連携したPark-PFI事業の運営や自治体と連携したバイオマス発電事業の事業化など、地域創生に資する事業の推進に取組んでまいりました。また、海外では、フィリピン国ミンダナオ島における「カラガ地域総合地域経済開発プロジェクト」について着実に進展しております。既に供用開始しているアシガ川小水力発電所やタギボ川上水供給コンセッション事業についても順調に稼動しております。今後は、フィリピン国内でのインフラ整備事業や、インドネシア国でのエネルギーマネジメント事業など、アジア諸国での展開を推進させてまいります。

 以上の結果、受注高1億23百万円(前年同四半期連結累計期間比81.1%減)、売上高2億45百万円(前年同四半期連結累計期間比65.9%増)となりました。

 

〔プロダクツ事業〕

型枠リースシステムは、従来のコンクリート型枠を使用した際に発生する廃材について、循環型資材への転換を図ることで削減提案する商品であり、SDGsに対応し、継続的に顧客にご使用いただいております。またコンクリート用夜間反射塗料、バイオグリーンシールドなどオリジナル商品を拡充し、ラインアップの充実を図っております。

以上の結果、受注高2億67百万円(前年同四半期連結累計期間比2.3%減)、売上高2億5百万円(前年同四半期連結累計期間比11.4%増)となりました。

 

 

(2)財政状態の分析

〔資産〕

当第1四半期連結会計期間末の資産合計は393億94百万円(前連結会計年度末362億41百万円)となり、31億52百万円の増加となりました。流動資産は271億48百万円(前連結会計年度末241億86百万円)となり、29億62百万円の増加固定資産は122億45百万円(前連結会計年度末120億55百万円)となり1億89百万円の増加となりました。

流動資産が増加となった主な要因は、受取手形、完成業務未収入金及び契約資産が20億88百万円増加したことによるものです。

固定資産が増加となった主な要因は、投資有価証券が1億37百万円増加したことによるものです。

 

〔負債〕

当第1四半期連結会計期間末の負債合計は195億11百万円(前連結会計年度末155億43百万円)となり、39億68百万円の増加となりました。流動負債は135億12百万円(前連結会計年度末95億30百万円)となり、39億81百万円の増加、固定負債は59億98百万円(前連結会計年度末60億12百万円)となり、13百万円の減少となりました。

流動負債が増加となった主な要因は、業務未払金が15億52百万円、未払費用が7億11百万円それぞれ減少したものの、短期借入金が71億円増加したことによるものです。

固定負債が減少となった主な要因は、退職給付に係る負債が45百万円増加したものの、長期借入金が58百万円減少したことによるものです。

 

〔純資産〕

当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は198億82百万円(前連結会計年度末206億98百万円)となり、8億15百万円の減少となりました。

減少となった主な要因は、配当金の支払い6億45百万円を行ったことにより、利益剰余金が9億5百万円減少したことによるものです。

これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末の56.9%から50.3%となっております。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は36百万円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。