売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E32990 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、インバウンド需要の回復や日経平均株価の上昇により景気好転への期待が高まる一方、物価上昇に伴う消費者の買い控えやエネルギー価格の高止まりが続くなど先行きを楽観視できない経営環境が続いております。

 国内の物流市場は、消費の冷え込みによる出荷減や在庫調整で荷動きが鈍化する中、燃料費や人件費が高騰するなど不安定な状況が続きました。また、トラックドライバーの残業時間が規制される「2024年問題」を控え先行き不透明な状況が続いております。

 このような厳しい経済・社会情勢下において、当社グループでは、主にEC(注1)ビジネスを手掛ける企業を対象にしたサードパーティー・ロジスティクス(3PL)(注2)事業である「ECソリューションサービス事業」として、①物流センターの運営機能(業務)を提供する「オペレーションサービス」、②拠点間の幹線輸送や配車プラットフォーム機能の提供(利用運送)、ルート配送やラストワンマイル配送などを担う「トランスポートサービス」の2つのサービスメニューを軸に事業拡大を図ってきました。

 また、輸出入貨物に関する海外および国内の運送取扱(ドレージ手配等)や、通関手続き代行サービスを提供する「国際物流サービス事業」の事業拡大にも努めてきました。

 「オペレーションサービス」では、大手ネット通販会社向けや流通業向けといった既存の物流センター運営受託業務を中心に事業を展開しました。また、神奈川県海老名市、埼玉県久喜市や愛知県岩倉市、三重県桑名郡、大阪府茨木市、大阪府堺市に開設した新規事業所の安定稼働にむけた採用教育などに投資を行いました。

 「トランスポートサービス」では、配車プラットフォーム事業において、取引社数(荷主および実運送会社)および成約件数(マッチング件数)が拡大しました。実運送では、EC案件を中心とした拠点間輸送(幹線輸送)業務の受託増、家電専門店向けEC商品配送をはじめとするラストワンマイル配送業務での配送カバーエリアの拡大などに取り組みました。酒類の配送や空港配送といった新サービスも本格化しました。

 「国際物流サービス」では、不採算案件やターゲット領域の見直しなどに取り組む一方、新規クライアントの獲得に向けた営業開拓を強化しました。

 「その他サービス」では、グループ会社の日本システムクリエイト株式会社を通じて情報システム開発受託事業やシステム保守サポート事業、技術者派遣事業などの拡販を進めました。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間における経営成績は、売上高20,721,963千円(前年同四半期比14.2%増)、営業利益1,045,014千円(前年同四半期比14.9%増)、経常利益1,079,946千円(前年同四半期比12.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益673,824千円(前年同四半期比7.7%増)となり、売上高及び各段階利益について過去最高を達成しました。

 

 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。セグメントの売上高は外部顧客に対するものです。

 ECソリューションサービス事業

 物流センターの運営受託事業では、既存事業所における作業生産性の向上に注力しました。また、大手家電専門店向け倉庫運営サービスを提供する「堺築港八幡事業所」、自動車部品などを扱う「岩倉事業所」などの新規事業所開設に向けた採用教育などに投資し、順次安定稼働しております。

 一方、輸配送の領域では、配車プラットフォームサービスの取引社数および成約件数が伸長しました。拠点間輸送ではEC関連商品を中心に、日用雑貨や飲料などの需要の掘り起こしに努めました。目前に迫った「2024年問題」によるドライバー人件費や傭車費などの費用増加への対応の一環として、取引先との運賃・料金の見直し交渉にも取り組みました。ラストワンマイル配送では、受託対象エリアや取扱商品カテゴリーの拡大、配送協力会社の再編やパートナー関係の強化を進めました。

 その結果、当セグメントの売上高は18,986,065千円(前年同四半期比16.7%増)、セグメント利益は904,496千円(前年同四半期比6.7%増)となりました。

 ECソリューションサービス事業の各サービス別の売上は次のとおりであります。

 ①  オペレーションサービス

 ネット通販会社向け物流センター、大手日雑メーカー向けセンター、大手流通業向けセンターなどを運営する既存事業所の受託業務が堅調に推移しました。新たにオープンした営業所や事業所での請負業務や人材派遣業務なども業績拡大に寄与しました。人材紹介サービスの取り扱い件数も増加しました。その結果、売上高は12,830,626千円(前年同四半期比16.3%増)となりました。

 ②  トランスポートサービス

 配車プラットフォームサービスの取引社数および成約件数が伸長しました。EC商品を中心とした拠点間輸送ルートや運賃の見直しなども進めました。ラストワンマイル配送では、対象エリアや取扱商品群の拡大、新サービスの提供に取り組みました。その結果、売上高は6,155,439千円(前年同四半期比17.5%増)となりました。

 国際物流サービス事業

 中国経済の不透明感や円安が続く中、不採算案件からの撤退やターゲット領域の見直しなどを進めました。その一方で、国内パートナー企業との協業、新規取引先の開拓などに取り組みました。その結果、当セグメントの売上高は615,719千円(前年同四半期比37.6%減)となりました。

 その他

 その他サービス事業としては、グループ会社である日本システムクリエイト株式会社を通じて、市場での旺盛な開発サポート需要や人材不足などを背景に、情報システム開発サービスやシステム保守サービス、技術者派遣サービスの拡販に成功しました。その結果、当セグメントの売上高は1,120,178千円(前年同四半期比25.6%増)となりました。

(注1)ECとは、インターネットやコンピュータなど電子的な手段を介して行う商取引の総称。また、Webサイトなどを通じて企業が消費者に商品を販売するオンラインショップのこと

(注2)サードパーティーロジスティクスとは、荷主が第三者であるロジスティクス業者に対し、物流業務全般を長期間一括して委託すること

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ848,151千円増加し、7,709,960千円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が1,408,631千円増加した一方、現金及び預金が452,682千円減少したことによるものであります。

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ508,201千円増加し、4,545,061千円となりました。これは主に買掛金が506,280千円、未払費用が571,119千円増加した一方、未払法人税等が252,964千円、1年内返済予定を含む長期借入金175,368千円減少したことによるものであります。

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ339,949千円増加し、3,164,899千円となりました。これは主に四半期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加等によるものであります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(5)従業員数

 当第3四半期連結会計期間末における従業員数は640名(1,765名)と、前連結会計年度末に比べ社員については49名、アルバイト社員については158名増加しておりますが、その主な理由は、ECソリューションサービス事業におけるオペレーションサービスの業務拡大による人員増加によるものであります。

 なお、従業員数は就業人数(アルバイト社員を除く)であります。従業員数(外書)は、アルバイト社員の当第3四半期連結累計期間の1人1日8時間換算による平均人数を記載しております。アルバイト社員は、パートタイマーを含み、派遣社員を除いております。

 

(6)主要な設備

 当第3四半期連結累計期間において、主要な設備に著しい変更はありません。

 

(7)経営成績に重要な影響を与える要因

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。