売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04810 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における日本経済は、世界的な物価高やインフレ抑止としての金融引き締めによる海外景気の下振れ等、先行き不透明感は続いておりますが、経済活動の正常化を背景に企業収益や個人消費に改善がみられ、景気回復の動きが続きました。

情報サービス産業におきましては、為替や世界的な物価上昇等の不透明感が残るものの、多岐にわたる業種で事業拡大や競争力強化を目的としたシステム投資の意欲は根強く、DX(デジタルトランスフォーメーション)化の潮流に対応するための戦略的なシステム投資需要は拡大基調が続いております。

また、ChatGPTを始めとするAIのモデルの1つである大規模言語モデル(LLM)が注目され、コミュニケーションや情報収集を飛躍的に簡便化・低コスト化するモデルやツールの登場が期待されるとともに、様々な分野でのイノベーションが期待されています。

 

このような状況の下、当社グループは、2022年に発表した中期経営計画(2022-2024)において掲げた経営方針「デジタル技術でIT、OTの両面からDXをリードし、お客様と社会の価値向上とイノベーションに貢献」の下で、持続的な成長と付加価値向上の実現に取り組んでおります。

また、当社グループの企業価値及びガバナンス体制強化を目的として設立した、「企業価値向上委員会及びガバナンス委員会」の活動状況について、2023年8月10日に状況報告を発表しております。

システム構築分野の業務系システム開発におきましては、DX推進の流れを受け、業務効率と生産性向上等を達成するために必要不可欠である仮想化やクラウド化を、グローバルベンダーの技術も活用して実現するシステムインフラ構築分野、老朽化や事業基盤強化に対応する基幹システムの再構築、新たなサービスを展開するためのサービスシステム開発等の分野で好調に推移いたしました。

さらに、昨今、対策の重要性が高まっているサイバーセキュリティ分野や、今後さらなる拡大が見込まれるデジタル金融分野等、これまでに培った豊富なノウハウと技術力をもとに、事業拡大に向けた積極的な営業活動を展開し、ビジネス拡大を図ってまいりました。

また、当社は長年、知能化技術・AIに取り組んでおり、ChatGPTについてもいち早くサービス検証を開始し、効率的・効果的な活用方法の検討を進めてまいりました。その知見を活かし、お客様専用のセキュアなChatGPT環境の構築を支援する新しいサービス「Azure OpenAI Service導入支援 powered by ChatGPT」の提供を開始しております。

組込/制御系システム開発におきましては、機械制御分野では、社会のデジタル化を背景に車載や産業用途向けが堅調な半導体製造装置関連分野が好調に推移するとともに、大手メーカーのデジタル家電機器関連分野への投資も継続され、堅調に推移いたしました。また、自動車のEVシフトが加速する中で、EV部品の増産に向けた工作機械への設備投資等が見込まれ、これに対応するための積極的な営業活動を展開してまいりました。

自動車分野では、引き続き、国際的なカーボンニュートラルの実現に向けたEV化や、進化する自動運転等のCASE分野への投資活発化を背景に好調に推移いたしました。さらに、自動車の進化をソフトウェアが担う、ソフトウェア・ディファインド・ビークル(SDV)等の新領域での投資拡大もあり、積極的な受注戦略の推進に取り組んでまいりました。

プロダクト・サービス分野におきましては、IoT/5G市場の拡大と利用の多様化が進み、IoT機器や回線が年々増加する中、目的に応じて運用、管理をサポートするため、モバイル通信端末やIoT機器、回線などの通信環境の統合的な管理/制御を可能にする新サービス「+F MDM LiNK(プラスエフ エムディーエムリンク)」の提供を開始いたしました。

今後も、お客様のニーズに合致したより質の高い製品の提供を行うとともに、社会変化に柔軟に対応した新たなプロダクト製品の開発・販売を進め、事業の強化・拡大を目指してまいります。

 

このような活動により、当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、SI事業が好調に推移し、売上高は2,236億68百万円(前年同期比6.7%増)となりました。また、販売費及び一般管理費が343億53百万円(前年同期比7.4%増)になり、営業利益は155億6百万円(前年同期比11.3%増)、経常利益は158億4百万円(前年同期比5.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は93億26百万円(前年同期比5.3%増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

①SI(システムインテグレーション)事業

SI事業における、組込系/制御系ソフトウェアにおきましては、モバイル系及び社会インフラ系は減少したものの、自動車関連においてEV関連分野、機械制御系において産業・家電分野向け開発案件が好調に推移し、増収・増益となりました。業務系ソフトウェアにおきましては、製造業・金融業を中心に各分野向けのインフラ構築・基幹系開発案件等が好調に推移し、増収となり、営業利益は、増収及び生産性の改善等により増益となりました。プロダクト・サービスにおきましては、子会社における自社プロダクト及び他社ライセンス販売等が堅調に推移し、増収・増益となりました。アウトソーシングにおきましては、海外小売業向けITサービスの減少等により減収となり、営業利益は、減収及びデータセンターにおける電力価格高騰の影響等により減益となりました。

以上の結果、売上高は2,113億84百万円前年同期比6.7%増)、営業利益は141億40百万円前年同期比11.2%増)となりました。

 

※SI事業の主な売上高及び営業利益の内訳については、次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

売上高

前年同期比(%)

営業利益

前年同期比(%)

 SI事業合計

211,384

106.7

14,140

111.2

 

システム構築

133,864

109.8

9,949

119.9

 

 

組込系/制御系ソフトウェア

58,554

106.0

4,999

110.7

 

業務系ソフトウェア

75,310

113.0

4,950

130.9

プロダクト・サービス

77,520

101.6

4,191

94.8

 

プロダクト・サービス

66,856

102.7

3,690

102.2

 

アウトソーシング

10,663

95.5

500

61.8

 

    (注) 営業利益については、セグメント間取引消去0百万円が含まれております。

 

②ファシリティ事業

ファシリティ事業におきましては、テナントの増加等により、売上高は21億78百万円前年同期比10.3%増)となり、営業利益は8億1百万円前年同期比24.3%増)となりました。

 

③その他

その他におきましては、コールセンターサービス及びBPOサービスともに前年度に開始した年金関連業務が大
きく寄与したことにより、売上高は101億5百万円前年同期比6.1%増)となり、第2四半期累計期間までの不採算案件により、営業利益は5億64百万円前年同期比0.4%減)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

総資産

当第3四半期連結会計期間末における総資産は2,519億25百万円前連結会計年度末差110億89百万円増)となりました。その内訳は、流動資産が1,216億77百万円前連結会計年度末差89億47百万円増)、固定資産が1,302億47百万円前連結会計年度末差21億42百万円増)であります。

流動資産の主な変動要因は、受取手形、売掛金及び契約資産が614億73百万円前連結会計年度末差48億38百万円増)、現金及び預金が346億71百万円前連結会計年度末差19億35百万円増)、前渡金が39億70百万円(前連結会計年度末差12億65百万円増)、前払費用が69億84百万円(前連結会計年度末差10億94百万円増)によるものです。

固定資産の主な変更要因は、建物及び構築物が316億41百万円前連結会計年度末差40億33百万円増)、投資有価証券が98億48百万円前連結会計年度末差21億55百万円増)、建設仮勘定が91億91百万円前連結会計年度末差37億87百万円減)によるものです。

 

負債

当第3四半期連結会計期間末における負債総額は914億90百万円前連結会計年度末差33億99百万円増)となりました。その内訳は、流動負債が755億39百万円前連結会計年度末差35億94百万円増)、固定負債が159億50百万円前連結会計年度末差1億94百万円減)であります。

流動負債の主な変動要因は、賞与引当金が138億49百万円前連結会計年度末差63億78百万円増)、未払法人税等が47億25百万円前連結会計年度末差18億96百万円増)、短期借入金及び1年以内返済予定の長期借入金が147億77百万円(前連結会計年度末差30億78百万円減)、未払金が49億59百万円(前連結会計年度末差13億91百万円減)によるものです。

固定負債の主な変動要因は、長期借入金が85億29百万円前連結会計年度末差2億53百万円減)、退職給付に係る負債が45億54百万円前連結会計年度末差49百万円増)によるものです。

 

純資産

当第3四半期連結会計期間末における純資産は1,604億34百万円前連結会計年度末差76億90百万円増)となりました。また、自己資本比率は前連結会計年度末の55.7%から56.0%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、327億41百万円であり、前連結会計年度末に比べ、3億44百万円の減少となりました。

なお、当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における営業活動による資金の増加は、136億62百万円となりました。

これは、増収・増益に伴う入金増加等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少は、56億88百万円となりました。

これは、有形固定資産売却による収入やオフィス建設及び有価証券等への投資による支出によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における財務活動による資金の減少は、86億72百万円となりました。

これは、配当金の支払い及び借入金の返済等によるものです。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は6億3百万円であります。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。

 

 

(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費及び外注費のほか、オフィスの賃借に伴う地代家賃等の営業費用であります。当社グループは、事業運営上適切な手元流動性と資金需要に応じた調達手段を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は、自己資金に加えて、金融機関からの短期借入及びコマーシャル・ペーパーによる調達を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。当社は、㈱日本格付研究所から信用格付を取得しており、当第3四半期連結会計期間末現在、当社の発行体格付は、A-(長期)、J-1(短期)となっております。なお、当第3四半期連結会計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は233億14百万円となっております。