E02759 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績に関する説明
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、コロナ禍からの経済活動の正常化が一段と進み、物価上昇による消費者マインドの弱含みはあるものの、インバウンド需要や国内観光需要が回復する等、景気は緩やかに持ち直しています。しかしながら、ウクライナ情勢や中東情勢の長期化に伴う原燃料価格の高止まり、海外経済の下振れ等のリスクは続いており、景気の先行きは不透明な状況にあります。
紙パルプ業界におきましては、印刷・情報用紙の構造的な需要減少や原燃料高騰に伴う価格改定による需要の冷え込みは依然として続いており、紙・板紙での国内出荷量(日本製紙連合会発表値)は、前年同四半期実績を下回りました。
このような中で当社グループは、事業の高付加価値化と需要伸長分野の深耕を目指して、主力である高付加価値特殊紙の販売強化、インバウンドやリオープン消費、イベント事業の需要が見込める高級パッケージや高級印刷紙、各種機能紙分野への注力、新規需要、新規顧客の獲得を推進しました。製紙メーカーの事業再構築に伴う抄造設備の停機等による商品再構築局面での商品の高付加価値化も進行し、顧客満足度向上と収益性の改善を図っています。また、脱炭素、脱プラスチック、SDGs等の社会ニーズに応える商材の開発や提案を進め、展示会、SNS等の継続的な情報発信による新規顧客及び新規需要の獲得を強化しています。原燃料の高騰による価格改定に伴う需要減退の影響を受け、販売数量は前年同四半期実績を下回りましたが、販売単価の上昇もあり、売上高は前年同四半期実績を上回りました。
なお、前第3四半期連結累計期間に固定資産売却益11億33百万円を計上しており、前年同四半期実績との比較では、親会社株主に帰属する四半期純利益が大きく減少しております。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高119億15百万円(前年同四半期比0.5%増)、経常利益1億74百万円(前年同四半期比33.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億2百万円(前年同四半期比87.5%減)となりました。
当第3四半期連結累計期間におけるセグメントごとの経営成績は、次のとおりです。なお、以下の数値はセグメント間の取引消去前となっております。
<和洋紙卸売業>
和洋紙卸売業は、構造的な情報伝達媒体のデジタルシフト、価格改定による需要減退の影響が大きく、販売数量は減少しました。しかしながら、販売単価の上昇と経済活動の正常化による観光イベント事業等の国内需要の緩やかな回復が続いたことから、ファインボードと高級印刷紙の販売が堅調に推移し、売上高は123億75百万円(前年同四半期比0.5%増)、営業利益は99百万円(前年同四半期比45.2%増)となりました。
<不動産賃貸業>
不動産の売買、賃貸借、管理及び仲介で構成される不動産賃貸業は、概ね前年同四半期と同水準で、売上高は14百万円(前年同四半期比2.3%増)、営業利益は11百万円(前年同四半期比2.8%増)となりました。
(参考)
当社単体の和洋紙卸売業の営業成績
品目別 |
前第3四半期累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年12月31日) |
当第3四半期累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年12月31日) |
増減率(%) |
||
金額(百万円) |
構成比 (%) |
金額(百万円) |
構成比 (%) |
||
ファンシーペーパー |
2,600 |
23.4 |
2,551 |
22.9 |
△1.9 |
ファインボード |
1,372 |
12.4 |
1,494 |
13.4 |
8.9 |
高級印刷紙 |
2,551 |
23.0 |
2,621 |
23.5 |
2.7 |
ベーシックペーパー |
2,978 |
26.8 |
2,928 |
26.2 |
△1.7 |
技術紙 |
1,438 |
13.0 |
1,413 |
12.7 |
△1.7 |
その他 |
162 |
1.4 |
147 |
1.3 |
△8.9 |
合計 |
11,104 |
100.0 |
11,157 |
100.0 |
0.5 |
[ファンシーペーパー]
多様な色、表面性、風合いを持つ高付加価値特殊紙のファンシーペーパーは、コロナ禍の影響が縮減し、書籍装丁用途や紙製品用途、東アジア向けの輸出が堅調に推移しましたが、商業印刷物や紙袋用途が減少し、売上高は25億51百万円、前年同四半期比1.9%の減少となりました。
[ファインボード]
ファンシーペーパーの厚物(板紙)であるファインボードは、各種観光イベント事業の再開に伴い、菓子食品・化粧品等の高級パッケージ向け販売が回復し、売上高は14億94百万円、前年同四半期比8.9%の増加となりました。
[高級印刷紙]
独自の風合いを持ち、通常の印刷用紙より高価格帯の高級印刷紙は、商業印刷物用途の販売が安定し、出版物や紙製品用途が増加したことで、売上高は26億21百万円、前年同四半期比2.7%の増加となりました。
[ベーシックペーパー]
上質紙、塗工紙、色上質紙等の印刷用紙、包装用紙、各種パッケージ向け板紙等で構成されるベーシックペーパーは、書籍向けや医療品・化粧品パッケージ用途が堅調に推移しましたが、商業印刷物及び紙製品用途、東アジア向け輸出の販売が減少し、売上高は29億28百万円、前年同四半期比1.7%の減少となりました。
[技術紙]
通常の紙にはない特殊機能が付与されている技術紙は、各種工業品製造用工程紙や耐水撥水性機能紙、合成紙の販売が堅調に推移しましたが、偽造防止用途の販売が減少し、売上高は14億13百万円、前年同四半期比1.7%の減少となりました。
[その他]
家庭紙、紙加工品、製紙関連資材等で構成される当区分では、ペーパータオル、製紙関連資材及び紙加工品の販売が減少し、売上高は1億47百万円、前年同四半期比8.9%の減少となりました。
② 財政状態に関する説明
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて7億45百万円増加して、183億10百万円となりました。主な要因は、現金及び預金4億27百万円が減少したものの、受取手形及び売掛金1億44百万円、電子記録債権4億84百万円、投資有価証券5億58百万円が増加したことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べて3億25百万円増加して、84億81百万円となりました。主な要因は、短期借入金1億67百万円、未払法人税等1億33百万円、賞与引当金61百万円が減少したものの、支払手形及び買掛金5億16百万円、繰延税金負債2億11百万円が増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて4億19百万円増加して、98億29百万円となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金3億95百万円が増加したことによるものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。