売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E02780 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社及び連結子会社が判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 ① 財政状態の状況

当中間連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。

 

(資産)

当中間連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ607億76百万円増加し1兆1,746億8百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

流動資産は前連結会計年度末に比べ624億71百万円増加いたしました。これは主に、有価証券が99億98百万円減少したものの、現金及び預金が166億98百万円、受取手形及び売掛金が539億13百万円増加したことによるものであります。

固定資産は前連結会計年度末に比べ16億95百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産が32億62百万円増加したものの、無形固定資産が2億54百万円、投資その他の資産が47億2百万円減少したことによるものであります。

 

(負債)

当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ625億59百万円増加し7,689億70百万円となりました。これは主に、未払法人税等が25億74百万円、賞与引当金が17億22百万円、独占禁止法関連損失引当金が14億8百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が511億7百万円、流動負債のその他が190億83百万円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ17億82百万円減少し4,056億37百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

株主資本は前連結会計年度末に比べ6億12百万円増加いたしました。これは主に、剰余金の配当の支払が36億3百万円、自己株式の取得による減少が121億84百万円あったものの、親会社株主に帰属する中間純利益を162億41百万円計上したことによるものであります。

その他の包括利益累計額は前連結会計年度末に比べ23億98百万円減少いたしました。これは主に、その他有価証券評価差額金が18億15百万円減少したことによるものであります。

 

 

 ② 経営成績の状況

当中間連結会計期間においては、米国政権の政策動向の不確実性など、複合的な要因による外国為替相場の変動、電力・エネルギー価格や原材料価格の高騰による物価高が引き続き進展しております。また、政策的な賃金上昇に加えて、いわゆる「2024年問題」に代表される「働き手不足」が進展し、様々なコストが上昇する一方で、価格転嫁が十分に見通せないことなど、国内景気や企業収益については先行き不透明な状況が続いております。

 

そのようななか、当社グループは、当期を最終年度とする中期経営計画を策定しており、本中計の実践を通じて、グループが「One Team」となって健康創造事業体への変革を進め、変化するヘルスケアエコシステムに新たな「解」と「希望」を送り続ける存在として新たな価値を創出し続け、さらなる企業価値の向上と社会課題の解決に貢献してまいります。

2032年の当社創立100周年に向け、本中計期間は「既存事業の変革」と「新たな成長事業の準備」を主なテーマと位置づけて取り組んでおります。

 

当中間連結会計期間における、「既存事業の変革」については、多様な企業との協業を通じ、希少疾病薬や再生医療等製品を含むスペシャリティ医薬品の流通モデルの強化やMS(※1)の活動による新たな収益モデル構築に取り組んでおります。

具体的には、医療流通プラットフォームの構築に向けて、スペシャリティ医薬品トレーサビリティシステムである「キュービックス」を全国の地域中核病院などへ導入し、医薬品の流通品質向上に取り組んでおり、スペシャリティ医薬品流通において、国内への新規参入や新製品の上市を目指す製薬企業のご要望にお応えするとともに、新薬を待ち望む患者さまに確実に医薬品をお届けできる流通基盤の強化に努めております。

また、医薬品流通のリアルタイムの可視化と最適化の取り組みとして、医薬品の出荷調整による医療機関や保険薬局の業務負荷軽減や当社の生産性向上に寄与する仕組みの開発・導入を進め、発注した医薬品の納期や代替品の在庫などをインターネット上で確認できる「納品予定お知らせサービス」ならびに「納品予定アプリ」を2023年5月より導入しており、既に約10.1万軒(2025年9月末時点登録数)を超えるお得意さまにご利用いただいております。また、2023年10月より導入した、需要予測による発注サポートを行う「発注提案アプリ」は、既に約1.8万軒(2025年9月末時点登録数)を超えるお得意さまにご利用いただいております。

「2024年問題」を踏まえた取り組みとしては、2024年4月より、埼玉県草加市に、最新のロボット技術を駆使した自動化・省人化を実現する卸物流拠点に、製造業務受託・メーカー物流エリアを併設した、業界初のコンセプトを持つ「首都圏物流センター」を構築し、本稼働しております。加えて、2025年5月に中部圏をカバーする新たな物流拠点「中部圏物流センター(仮称)」の構築に向け、愛知県春日井市との間で物流センター用地の売買仮契約(2027年10月着工予定)を締結いたしました。今後、「首都圏」「中部圏」両センターをはじめとする当社グループの物流網を最大活用し、自動化による効率化をはじめ、輸配送コストの低減、GDP基準(※2)に準拠した品質面、CO2排出量の削減などの環境面、災害時におけるBCP対応のより一層の強化など、さまざまな効果の実現を目指してまいります。

今後もスズケングループは、「既存事業の変革」を実現する新たな仕組みを順次導入してまいります。

 

「新たな成長事業の準備」については、既に提携している企業とともに、新たな流通チャネル構築や、協業によるデジタルヘルス事業の構築を加速させ、革新的なサービスや情報ビジネスを推進し、製薬企業や医療機関、保険薬局、患者さまへの新たな価値の提供に取り組んでおります。

具体的には、医療・介護従事者向けのポータルサイトである「コラボポータル」(※3)のサービス提供を開始し、当社グループが保有するさまざまなサービスや情報の発信に加え、お得意さまと当社グループ、製薬企業、さらには 多職種・専門スタッフをつなぐ機能、協業企業のデジタルヘルスサービスを統合的にお届けする機能などを搭載し、医療・介護現場へデジタルヘルスサービスを安心・安全にご利用いただける環境づくりに取り組んでおります。

コラボポータルと完全子会社であるエンブレース㈱が展開する、医療・介護に特化したソーシャル医療・介護連携プラットフォーム「メディカルケアステーション(MCS)」(※4)との連携により、当社と38万人(ID)以上の医療・介護従事者との新たなつながりが生まれております。今後、医薬品卸としてお取引頂いている全国の約16万軒のお得意さまとのつながりと、新たに構築した38万人以上の医療・介護従事者「個」との繋がりとを組み合わせたマーケティング支援など、情報による新たな収益事業にスピードを上げて取り組んでまいります。

また、2025年9月より、当社グループや提携企業が持つ機能を組み合わせる「機能総体」の発想のもと、取り組みをさらに加速させるため、東京における「スズケン本社各部署およびグループ会社(当社含め計6社:約200名)」のオフィスを「MSH 日本橋箱崎ビル」に移転し、機能を集約することで、提携企業を含めた本部間・事業間の連携を強化し、「One Team」によるグループ一体経営を推進してまいります。

今後も、スズケングループは、協業するヘルステック企業をはじめとする外部企業とともに、「健康創造事業体」の構築に向けた取り組みを加速させてまいります。

 

リスクマネジメントに関しては、ランサムウェア被害の多発など、高度化・重大化する情報セキュリティリスクへの対応に向け、2025年4月1日付で、取締役会の下部機構である「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」傘下の実務委員会として「情報セキュリティ実務委員会」を新設いたしました。今後、当社グループにおける一元的なセキュリティ水準の把握・統制と強化を一層推進してまいります。

 

株主還元方針については、2023年5月に開示した株主還元方針を2023年11月10日に改定・強化し、安定的な配当の継続を基本とし、中期経営計画の最終年度である2026年3月期までの3年間平均において、総還元性向100%以上の株主還元を実施することにより株主還元の充実を図るとともに、既存事業の強化や新規事業の創出に向けた投資を行うことで企業価値と資本効率の向上を目指しております。上記方針を踏まえ、2025年5月13日開催の取締役会において、会社法第459条第1項の規定による定款の定めに基づき自己株式の取得を決議し、2025年9月末時点で約219万株(取得価額の総額:121億83百万円)の自己株式の取得を実施しております。

<自己株式の取得の内容>

株式の種類:普通株式、取得株式の総数:5,200,000株(上限)、

取得価額の総額:260億円(上限)、

期間:2025年5月15日から2026年3月19日、

取得方法:自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)を含む東京証券取引所における市場買付け

 

当中間連結会計期間の業績につきましては、売上高は、新型コロナウイルス関連商材(治療薬・診断薬その他)売上が前年よりも落ち込んだものの、医療用医薬品市場が伸長したことに加え、スペシャリティ医薬品等の新薬などが寄与し、増収となりました。利益面では、増収効果に加えて、引き続き適正利益の獲得と、販管費の見直しと抑制に取り組んでまいりました。

 

その結果、売上高は1兆2,194億40百万円(前年同期比1.8%増)、営業利益は169億58百万円(前年同期比0.8%減)、経常利益は180億32百万円(前年同期比6.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は162億41百万円(前年同期比19.9%減)となりました。

 

※1 MS(Marketing Specialist)

:医薬品卸売業の営業担当者のこと。

医療機関・保険薬局等を訪問し、医薬品の紹介、商談、情報の提供や収集を行います。

 

※2 GDP(Good Distribution Practice)

:医薬品の適正流通基準のこと。

医薬品の市場流通における流通経路の管理保証、医薬品の完全性の保持、更に偽造医薬品が正規流通経路へ流入することの防止を図ることを目的としております。

 

※3 コラボポータル

:当社グループが保有するさまざまなサービスを提供する「ソリューション機能」をはじめ、当社グループの営業担当者やMRさま、専門スタッフの皆さまなどがチャットや動画などを活用して、遠隔でお得意さまと接点を持つことが可能になる「コミュニケーション機能」、さらにはAmazonビジネスとの連動による「購買機能」などをワンストップで提供するデジタルヘルスサービスの総合ポータルサイトです。SSO(Single Sign On:一度のユーザー認証によって複数のシステムの利用が可能になる仕組み)やデータ連携を採用し、アクセス性を高めることで医療・介護現場の業務効率化にも寄与します。

 

※4 メディカルケアステーション(MCS)

:誰でも簡単に利用できるタイムライン形式による非公開型医療・介護連携SNSで、タブレット、スマートフォン、パソコンなど多様な端末に対応しています。強固なセキュリティのもとで院内や施設内はもちろん、外出先からでも必要な情報へ簡単にアクセスし、共有が可能。医師やコメディカル、介護職、患者さまとそのご家族が職種や立場を超えてつながる地域包括ケア・多職種連携を実現します。

 

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(医薬品卸売事業)

医療用医薬品市場は、抗悪性腫瘍剤の市場拡大やスペシャリティ医薬品等の新薬などが寄与したことにより、伸長したものと推測しております。

そのようななか、売上高は、新型コロナウイルス関連商材(治療薬・診断薬その他)売上が前年よりも落ち込んだものの、医療用医薬品市場が伸長したことに加え、スペシャリティ医薬品等の新薬の寄与などにより1兆1,772億56百万円(前年同期比1.9%増)となりました。営業利益は、2024年4月に改訂された流通改善ガイドラインへの取り組みおよび、物流委託費をはじめ医薬品流通に係る様々なコストが高ぶれする状況下においても、引き続き販売費及び一般管理費の見直しと抑制に取り組んだものの、医薬品等の仕入価格の上昇を十分に補うに至らず、141億82百万円(前年同期比2.5%減)となりました。

 

(ヘルスケア製品開発事業)

売上高は、医薬品製造事業における二次性副甲状腺機能亢進症治療薬ウパシタ静注透析用シリンジや、持続型赤血球造血刺激因子製剤ダルベポエチンアルファBS注が伸長したものの、薬価改定の影響などにより減収となりました。営業利益は、販売費及び一般管理費の適正化に努めたものの減益となりました。

これらの結果、売上高は254億77百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益は11億92百万円(前年同期比10.6%減)となりました。

 

 (地域医療介護支援事業)

売上高は、保険薬局事業において、閉局により運営店舗数が減少した結果、処方箋受付枚数が減少したことによりわずかながら減収となりました。営業利益は、販売費及び一般管理費の適正化に努めた結果、増益となりました。

これらの結果、売上高は464億83百万円(前年同期比0.4%減)、営業利益は4億11百万円(前年同期比224.8%増)となりました。

 

 (スペシャリティ医薬品流通受託事業)(※5)

売上高は、既受託医薬品の市場伸長に加えて、新規受託医薬品も増加したことにより大幅な増収となりました。営業利益は、増収効果に伴い、増益となりました。

これらの結果、売上高は2,034億31百万円(前年同期比48.0%増)、営業利益は5億32百万円(前年同期比41.0%増)となりました。

 

※5 スペシャリティ医薬品流通受託事業

:希少疾患治療薬など、一般的な流通経路とは異なる、より厳格な品質管理と流通管理が必要な医薬品の流通を 医薬品メーカーから受託する事業です。医療機関への販売・納入など、実際の流通機能は当社グループの「医薬品卸売事業」が担うことから、売上高はほとんどが「医薬品卸売事業」との内部取引となります。

 

 (医療関連サービス等事業)

売上高は、外部ロジスティクス事業における一部製品の流通量の減少などにより減収となりました。一方、営業利益は、デジタルヘルス事業の収益性改善などにより増益となりました。

これらの結果、売上高は208億58百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益は5億21百万円(前年同期比1.7%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前中間連結会計期間に比べ70億49百万円減少し1,352億64百万円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は251億71百万円(前年同期は565億97百万円の支出)となりました。この主な要因は、売上債権の増加539億13百万円があったものの、税金等調整前中間純利益232億34百万円、仕入債務の増加511億7百万円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は74億47百万円(前年同期比37億94百万円増)となりました。この主な要因は、有価証券の取得による支出65億3百万円、有形固定資産の取得による支出70億33百万円、無形固定資産の取得による支出14億28百万円があったものの、有価証券の売却及び償還による収入175億円、投資有価証券の売却及び償還による収入61億80百万円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は158億95百万円(前年同期比123億99百万円増)となりました。この主な要因は、自己株式の取得による支出121億84百万円、配当金の支払36億1百万円があったことによるものであります。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は、1,647百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。