E02098 Japan GAAP
(1)経営成績等の状況の概要
当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間の世界経済は、コロナ禍からの正常化が本格化し、半導体や部品不足の解消も見られる等、全体として堅調に推移しました。反面、ウクライナ情勢や米中対立の長期化、世界的なインフレの進行と各国中央銀行による金融引き締めの継続等、先行きは依然として不透明な状況にあります。また、為替相場は日米金利差を背景に引き続き円安基調となりました。
このような情勢の中で、当社グループは引き続き先進的な商品の開発に努めるとともに、生産力増強のための設備投資を積極的に継続し、また、顧客に密着した販売活動を活発に行いました。
この結果、当中間連結会計期間末の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当中間連結会計期間末の資産合計は、前期末より27,365百万円増加して1,062,470百万円となりました。
当中間連結会計期間末の負債合計は、前期末より2,589百万円増加して95,464百万円となりました。
当中間連結会計期間末の純資産合計は、前期末より24,775百万円増加して967,006百万円となりました。
b. 経営成績
当中間連結会計期間の当社グループ(当社と連結子会社)の売上高は238,262百万円(前年同期比106%)、営業利益は23,974百万円(前年同期比52%)、経常利益は33,942百万円(前年同期比52%)、親会社株主に帰属する中間純利益は24,533百万円(前年同期比52%)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しています。
1)正極材料事業
正極材料事業では、“脱炭素化”と各国の自動車産業保護政策により、環境対応車の需要が増加し、それに伴い車載用途が急拡大しました。当社の正極材料の分野では、未だ次世代品への端境期にあり、出荷量は減少となりましたが、原材料価格の高騰と為替の影響により、売上高は増加しました。一方、原価面では、電力料や減価償却費等をはじめとする各種コストの上昇を余儀なくされました。さらに、当上半期は売上時と主要原材料購入時の為替差が前年同期ほど大きくなかったことも相まって、営業利益は大幅に減少しました。
これらの結果、売上高は102,801百万円(前年同期比125%)、営業利益は1,881百万円(前年同期比12%)となりました。
2)光半導体事業
(ⅰ)LED事業
車載分野では、車両生産における半導体を含む部材不足の影響が一部に残っているものの、自動車各社の生産及び販売が回復基調にあり、ヘッドライト用を中心とした製品の出荷増と為替の影響に伴い、売上高は増加しました。
液晶バックライト分野では、IT製品やTVなどの巣籠り需要が一巡したことから、それらの生産工場の稼働率低下の長期化により、売上高は減少しました。
照明分野では、欧米を中心とした景気の先行き不透明感による照明設備の買い控えが発生したことにより、売上高は減少しました。
スマートフォン向けフラッシュLED分野では、機能向上した新製品の採用と為替の影響により、売上高は増加しました。
UV分野においては、新型コロナウイルスの5類移行に伴い、殺菌用途市場の需要が大幅に減速したことにより、売上高は減少しました。
(ⅱ)LD(半導体レーザー)事業
車載ヘッドライト向けでは、搭載車種のモデルチェンジに伴う需要減のため、出荷数量が減少しました。また、プロジェクター向けでも、中国市場の減退と顧客の在庫調整のため、出荷数量が想定を下回りました。
これらの結果、売上高は133,055百万円(前年同期比95%)、営業利益は25,139百万円(前年同期比74%)となりました。
3)その他
蛍光体事業では、LED/LDの需要減速から低調な推移となりました。
磁性材料事業では、自動車販売が回復基調にあり、補機用モーター向けを中心に出荷増となりました。
これらの結果、売上高は2,405百万円(前年同期比84%)となりました。
(注) 売上高は外部顧客に対するものです。
連結営業利益は正極材料事業の1,881百万円と光半導体事業の25,139百万円の合計から、配賦不能営業費用等3,045百万円を差し引いた23,974百万円となります。配賦不能営業費用の主なものは提出会社の総務・経理部門等の管理部門に係る費用です。
②キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は340,857百万円と前連結会計年度末に比べ7,716百万円減少しました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は前中間連結会計期間に比べ1,900百万円増加して32,694百万円となりました。主な加算項目は、減価償却費26,365百万円、賞与引当金の増加1,889百万円、また、主な減算項目は、棚卸資産の増加30,055百万円、為替差損益5,385百万円、法人税等の支払額14,701百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は前中間連結会計期間に比べ10,487百万円減少して33,077百万円となりました。主な支出内訳は、有形固定資産の取得による支出31,805百万円、定期預金の預入による支出2,647百万円、また、主な収入内訳は、定期預金の払戻による収入2,712百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は前中間連結会計期間に比べ3,331百万円増加して16,770百万円となりました。主な収入内訳は、長期借入れによる収入6,200百万円、また、主な支出内訳は長期借入金の返済による支出7,139百万円、配当金の支払額15,723百万円です。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産及び受注実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲であり、その性質上、受注生産形態をとらないものも多く、過去の販売実績・市場動向などの情報をもとに、計画的に見込み生産を行っています。また、製品の在庫をほぼ一定に保つように計画を立て生産活動を行っていることから、生産状況は販売状況に類似しています。
このため、生産及び受注実績については、「(1)経営成績等の状況の概要」における各セグメントに関連づけて示しています。
b. 販売実績
当中間連結会計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
当中間連結会計期間 (自 令和5年1月1日 至 令和5年6月30日) |
前年同期比(%) |
正極材料事業(百万円) |
102,801 |
125 |
光半導体事業(百万円) |
133,055 |
95 |
報告セグメント計(百万円) |
235,857 |
106 |
その他(百万円) |
2,405 |
84 |
合計(百万円) |
238,262 |
106 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しています。
2.前中間連結会計期間及び当中間連結会計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
相手先 |
前中間連結会計期間 (自 令和4年1月1日 至 令和4年6月30日) |
当中間連結会計期間 (自 令和5年1月1日 至 令和5年6月30日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
プライムプラネットエナジー &ソリューションズ株式会社 |
8,648 |
3.9 |
32,493 |
13.6 |
伊藤忠商事株式会社 |
38,710 |
17.2 |
25,411 |
10.7 |
④会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの中間連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この中間連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項については、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っています。
詳細については、「第5 経理の状況 1 中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表 注記事項 中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しています。
②当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
a. 財政状態の分析
(資産合計)
当中間連結会計期間末の資産合計は前連結会計年度末より27,365百万円増加して、1,062,470百万円となりました。
流動資産は前連結会計年度末より7,483百万円増加して、680,451百万円となりました。
現金及び預金は4,802百万円減少して、346,430百万円となりました。主な増減要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
受取手形及び売掛金、電子記録債権は当中間連結会計期間の売上高が、前連結会計年度後半と比較して減少したことにより、7,325百万円減少して、122,888百万円となりました。
棚卸資産は主に正極材料事業において原材料相場の上昇や為替相場の影響等で、30,494百万円増加して197,086百万円となりました。
固定資産は前連結会計年度末より19,881百万円増加して、382,019百万円となりました。
有形固定資産は設備投資が減価償却を上回り、純額で3,636百万円増加して、264,081百万円となりました。
投資有価証券は17,809百万円増加して、105,364百万円となりました。
(負債合計)
負債合計は前連結会計年度末より2,589百万円増加して、95,464百万円となりました。
支払手形及び買掛金は、当中間連結会計期間の原材料相場の上昇や為替相場の影響等で、697百万円増加して、17,123百万円となりました。
未払法人税等は4,857百万円減少して、9,888百万円となりました。
借入金は返済が借入を上回ったため939百万円減少して、1年内返済予定の長期借入金は11,412百万円、長期借入金は21,664百万円となりました。
(純資産合計)
純資産合計は前連結会計年度末より24,775百万円増加して、967,006百万円となりました。増減内訳は、「第5 経理の状況、1 中間連結財務諸表等(1)中間連結財務諸表 ③中間連結株主資本等変動計算書」に記載のとおりです。
b. 経営成績の分析
(営業損益)
売上高、営業利益、及びそのセグメント別分析については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
(営業外損益)
営業外収益は11,448百万円(前年同期比60%)、営業外費用は1,481百万円(前年同期比1,110%)となり、純営業外損益は9,967百万円(前年同期比53%)となりました。これは主に、為替差益が前年同期よりも減少して8,166百万円(前年同期比47%)となったことによるものです。
(特別損益)
特別利益は286百万円、特別損失は1,487百万円となりました。
c. キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金及び設備投資資金は基本的に自己資金でまかなうこととしています。
なお、自己資本比率91.3%、流動比率1,067%、固定比率39.5%などの指標が示すように、健全な財務体質や営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力によって、当社グループの事業展開に必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えています。