新生紙パルプ商事株式会社

卸売業紙製品

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02562 Japan GAAP


3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は当中間連結会計期間の末日現在において、判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に引き下げられたことで行動制限が解除され、社会経済活動の正常化が進みました。

世界経済は緩やかに回復しているものの、ウクライナ紛争の長期化に伴うエネルギー価格高騰や労働需給のひっ迫などに起因するインフレ圧力が続き、欧米を中心に抑制対策の金融引き締めによる政策金利の引き上げを継続しており、景気の減速感が強まっております。

国内経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が解除されたことを背景に、外食や旅行等の個人消費やインバウンド需要の回復がみられ、設備投資等が底堅く推移し、緩やかな回復基調が続きました。足元では海外経済の減速が製造業を中心に企業収益を下押しし、物価高による実質個人所得の伸び悩みが消費マインドを低下させるなど、景気回復の鈍化が懸念されます。

この間、当社グループの関連する紙・板紙の国内出荷は前年を下回りました。特に新聞用紙や印刷・情報用紙に代表されるグラフィック用紙の需要は減少傾向が続いております。また、紙器用板紙や段ボール原紙、包装用紙等のパッケージ関連分野は、行動制限の解除により土産物用途向け等の需要回復がみられたものの、猛暑による食料品向けの出荷低調や物価高騰による買い控えの影響もあり、前年を下回りました。

このような状況下、国内製紙各社は、グラフィック用紙の需要減少に対して、生産体制の再編成等による国内事業の構造転換を推進するとともに、海外市場への展開とエネルギー事業・新素材事業の新分野への取り組みを強化しております。

紙パ関連業界を品種別にみますと、印刷用紙は電子化や少子化といった構造的な減少が続き、国内出荷は前年を下回りました。情報用紙はコロナ禍におけるテレワーク等の勤務形態の変化からペーパーレス化が進行し、オフィス向けPPC用紙の需要減少が続き前年を下回りました。段ボール原紙は、通販向けは堅調に推移したものの、物流改革が進んだことで梱包資材の小箱化や袋化により使用量が減り、物価高による消費抑制の動きや猛暑の影響もあり、飲料・加工食品向けや青果物向けが伸び悩み前年を下回りました。紙器用板紙は、社会経済活動の再開により旅行や外食関連等の需要回復がみられたものの、物価高による個人消費の落ち込みの影響があり前年を下回りました。また、化成品は、食品や日用品等の相次ぐ値上げによる買い控え等の影響を受け、減少傾向が続いております。

当社グループにおきましては、印刷用紙・特殊紙・情報用紙・パッケージ・化成品の5分野の連携を強化し、社会環境の変化と構造的な需要の減少に対応すべく、企業価値の持続的な拡大と事業の生産性の向上に取り組みました。

この結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高121,112百万円(前年同期比1.3%減)、経常利益は3,216百万円(同14.1%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は2,183百万円(同14.9%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

(紙・板紙・化成品等卸売関連事業)

紙・板紙・化成品等卸売関連事業におきましては、国内向けは、印刷用紙等の需要減少により紙の販売数量は前年を下回りました。板紙は、猛暑による食品等の出荷低調や物価高騰による需要落ち込みにより、販売数量は前年を下回りました。売上高は紙・板紙ともに各品種の価格修正により前年を上回りました。化成品は、食料品の値上げにより食品用途向けの需要が減少を続け、売上高は前年を下回りました。海外向けは、需要の減退に加え、海上運賃の低下により市況が軟化傾向となったことから在庫調整の局面を迎え、販売数量が減少し、売上高は前年を大きく下回りました。

この結果、国内向けの売上高は前年を上回りましたが、海外向けの減少の影響が大きく、紙・板紙・化成品等卸売関連事業の売上高は116,788百万円、営業利益は1,696百万円となりました。

(紙加工等関連事業)

紙加工等関連事業におきましては、段ボール製造子会社の販売が堅調に推移し、売上高が増加しました。利益面では原材料高騰による価格改定に取り組み、固定費等の削減に努めました。

この結果、紙加工等関連事業の売上高は3,173百万円、営業利益は50百万円となりました。

(不動産賃貸関連事業)

不動産賃貸関連事業におきましては、所有不動産の有効活用及び維持管理に努めましたが、入居テナントの解約により賃貸料収入が減少し、光熱費上昇等の影響を受け、経費が増加しました。

この結果、不動産賃貸関連事業の売上高は1,134百万円、営業利益は650百万円となりました。

 

当中間連結会計期間末の総資産は、保有株式の時価上昇による投資有価証券の増加等により前連結会計年度末に対して13,946百万円増加し176,619百万円となりました。

総負債は仕入債務の増加等により前連結会計年度末に対して8,622百万円増加し98,967百万円となりました。

純資産は親会社株主に帰属する中間純利益及びその他有価証券評価差額金の増加等により前連結会計年度末に対して5,324百万円増加し77,652百万円となりました。

②キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前中間連結会計期間末に比べ1,645百万円増加し、当中間連結会計期間末には8,899百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は7,079百万円(前年同期3,082百万円の獲得)となりました。
これは主に、仕入債務の増加によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は213百万円(前年同期1,071百万円の使用)となりました。
これは主に、有価証券及び投資有価証券の取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は1,962百万円(前年同期1,667百万円の使用)となりました。
これは主に、借入金の返済によるものであります。

③会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

当社グループの中間連結財務諸表及び中間財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

④生産、仕入及び販売の実績

a.生産実績

当中間連結会計期間の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当中間連結会計期間

(自  2023年4月1日

至  2023年9月30日)

前年同期比(%)

紙加工等関連事業(百万円)

1,404

109.9

(注) 金額は製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

b.仕入実績

当中間連結会計期間の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当中間連結会計期間

(自  2023年4月1日

至  2023年9月30日)

前年同期比(%)

紙・板紙・化成品等卸売関連事業(百万円)

111,406

97.6

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

c.販売実績

当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当中間連結会計期間

(自  2023年4月1日

至  2023年9月30日)

前年同期比(%)

紙・板紙・化成品等卸売関連事業(百万円)

116,788

98.6

紙加工等関連事業(百万円)

3,173

101.6

不動産賃貸関連事業(百万円)

1,134

99.0

報告セグメント計(百万円)

121,095

98.7

その他(百万円)

16

123.1

合計(百万円)

121,112

98.7

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため省略しております。

3 「その他」は、太陽光発電による売電事業であります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

①当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当中間連結会計期間の財政状態、経営成績及びセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

なお、当社グループの自己資本比率は当中間連結会計期間末時点で43.93%となっており、現状、財政状態につきましては大きな懸念はないものと認識しております。今後も、企業体質の強化と将来の事業展開に備えるための内部留保の充実を図るとともに、事業投資及び安定的な配当等により、企業価値の向上に努めてまいります。

②資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の購入費用及び原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、投資有価証券の取得等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当中間連結会計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,017百万円となっております。また、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は8,899百万円となっております。