小泉産業株式会社

卸売業設備機器

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02596 Japan GAAP


3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

   (1) 経営成績等の状況の概要

当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況

 当中間連結会計期間における我が国経済は、円安の進行によるインバウンド需要の増加や、コロナ禍の終息に向けた動きが加速することにより、緩やかに持ち直しています。しかしながら、物価高が続くため、家計の節約志向の高まりや、実質賃金の低下により、個人消費の低調が長期化する懸念があります。当社グループにおいても、原材料や人件費の高騰、人手不足などの影響を受け、事業ごとに業績格差が大きくなっており、引き続き厳しい状況が続いています。

 

以上の結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は180億12百万円と前年同期と比べ4億98百万円(2.8%増)の増収、営業利益は5億33百万円と前年同期と比べ86百万円(19.4%増)の増益、経常利益は5億72百万円と前年同期と比べ62百万円(12.3%増)の増益、親会社株主に帰属する中間純利益は1億89百万円と前年同期と比べ87百万円(31.7%減)の減益となりました。

 

なお、セグメントの業績は、次のとおりであります。
a. 照明事業

Ⅰ. 営業戦略

(イ)半導体不足による品切れからの売上回復を目的に、販促チラシ「Best Price Sale」の掲載アイテムの見直し及び住宅会社向け販促パンフレット「Akari Selection」の発刊を行い、売上獲得を図りました。
コロナウイルスの5類移行に伴い、コロナ禍以前のリアルでの顧客接点及び商品確認の場として全国でのエリア内覧会を12会場にて実施しました。

(ロ)品切れに伴う顧客離れよる売上減少を補うため、低シェア先への深耕及び新規顧客の開拓を推進し、今後のDXの営業スタイルのトライアルを実施しました。

 

(ハ)店舗市場においては、新設の大阪LABを活用し大手店装を中心に施主への新規開発やナショナルチェーンの獲得を推進していくとともに、ナショナルチェーン獲得の中で競争力のある海外子会社のスポットライトを定番として提案活動を実施しました。

(二)施設市場においては、①製品価値・②制御の価値・③DX設計の価値を軸に展示会「ビヨンドライティング」を開催し、設計・ゼネコンのVIPに来場いただき、顧客毎の実物件の中で顧客課題を解決し、継続した関係強化を図りました。

 

Ⅱ.商品戦略

(イ)住宅市場においては、あかり専科VOL-41(新製品700アイテム)を発刊し、顧客価値の向上、競争力強化を目指し、日本照明工業会が定義するLighting5.0の具現化を進め、特に高演色・高効率LEDパッケージを採用した新製品355アイテムを発売しました。

(ロ)店舗・施設市場においては、「Lighting PRO VOL-14」を発刊し、業界最多のDALI-2対応器具5944アイテムを発売しました。また、特徴品のSolidSeamlessシリーズの高効率化とX-PROシリーズのDALI-2へ更新を行いました。

(ハ)制御製品の展開においては、Bluetooth対応のTreeシリーズを発売し、専用コントローラーで全商品がスマートフォンやスマートスピーカーなどと連携することが可能となりました。また、TRee+のスケジュール設定やHEMSへの連携など高付加価値のアプリケーションと、簡単に操作のできるhandyTReeのリリースも行いました。

 

Ⅲ.開発・技術戦略

(イ)あかり専科VOL-41において、Bluetooth版TRee照明制御システムを開発し、機能拡張と操作性の向上を図りました。また、更なるアプリケーションのバージョンアップにより、LIXILライフアシスト2へのホワイトリスト対応など、HEMSに連動した差別化を推進しました。

(ロ)Lighting PRO VOL-14において、DALI-2電源のDiiA認証を取得し、業界No1のDALI-2アイテムの品揃えを実現しました。

(ハ)JIS規格のIEC国際標準規格への整合に対して、CISPRJ15に準拠したデバイス開発を推進しました。また、電安法別表第十二適用のための社内基準の策定を推進し、グローバル対応の電源開発や電源やり替えを計画的に推進しています。

 

Ⅳ.購買・生産戦略

一昨年の半導体不足の時に積み上げた製品在庫に対し、全社での販売促進を実施しました。また、年度末決算に向け、PSI計画の再調整、フォーキャストの管理、仕入調整を実施し、在庫削減に努めました。また、基盤整備の視点では、販売計画から需給業務に至る基幹業務へのシステム統合とDX化による効率化が図れるように、来年度より導入するERPシステムの要件定義、業務フローの作成・整合など全社にてインフラ整備を推進しました。

 

以上の結果、当セグメントにおきましては、売上高は128億60百万円と前年同期と比べ11億62百万円9.9%増)の増収、セグメント利益(営業利益)は6億44百万円と前年同期と比べ2億80百万円76.9%増)の増益となりました。

 

 

b. 家具事業

家具事業では、~会社をアップデートする~「自己変革で『シン・価値創造』を実現する」を経営方針に、次の戦略に取り組みました。

3つの変革として、①ビジネスモデル変革(商品・サービス)「事業ブランド価値の新創造」、②マーケティング変革(営業・商品開発・流通)「価値創造に集中」、③経営システム変革(経営・システム・業務全般)「社会貢献と経営体質強化」に取り組みました。

2つの戦略として、EX戦略(エンプロイー・エクスペリエンス)「従業員エンゲージメントを高める」、CX戦略(カスタマー・エクスペリエンス)「顧客体験価値を高める」に取り組みました。

メインの販売チャネルである家具専門店市場において、来客数及び売上高ともに概ね前年比70%~80%と低迷していることを受け、当社も大きく影響を受けています。そのような環境下、5年振りに総合展示会(グランドフェア)を8月に開催し、「学びと眠りの融合で家族の成長と共にあり続けるコイズミファニテック」を展示会テーマとして、新規顧客開拓と既存顧客深耕に取り組みました。

 

以上の結果、当セグメントにおきましては、売上高は8億83百万円と前年同期と比べ5億30百万円37.5%減)の減収、セグメント損失(営業損失)は1億65百万円(前年同期は2百万円の営業利益)となりました。

 

c. 物流事業

物流事業では、「営業力を強化し、3PL事業を拡充する」を基本方針に、以下の戦略に取り組みました。

Ⅰ.商品戦略

(イ)運送においては、燃料価格の高騰によるコスト負担の要請や、労務・環境をはじめとする法規制の強化など、アゲインストとなる要因が山積となりました。その中で新規商品開発として、EC宅配設置の需要もあり、全国宅配設置の配送ネットワークを構築しました。また、昨年度の取組みで効果が大きかった「首都圏電材プラットフォーム」の運用を、大阪の拠点へ展開して「近畿電材プラットフォーム」構築に向け取り組んでいます。輸配送ネットワークの整備・強化を図り、輸配送品質を高めると同時に売上の伸び率以下に運賃コストを抑制し利益を確保しました。

(ロ)保管においては、家具事業グループの運用効率を高める為に千代田新倉庫1,000坪を開設しました。また、外販3PL事業拡大を図るため、大阪で1,700坪、福岡で600坪の増床を行い、外販拡大を進めましたが、全体の取扱荷量が減少し保管収支が悪化しました。

(ハ)荷役においては、人手不足に起因する人件費や外注費の増加も散見されましたが、荷役体制の見直しと情報システムの活用により、円滑な運営を実現させて荷役デリバリーロスを抑制しました。

 

Ⅱ.営業戦略

(イ)新規得意先開拓による3PL事業拡大に向けて東西営業開発室を開設し、営業力を強化しています。

(ロ)新領域への取組として「求荷求車」を開始し「物販事業」においては取扱商材や販路を拡大しました。

 

  以上の結果、当セグメントにおきましては、売上高は21億64百万円と前年同期と比べ81百万円3.6%減)の減収、セグメント損失(営業損失)は15百万円(前年同期は29百万円の営業利益)となりました。

 

 

d. その他事業

その他事業は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、主に住宅設備機器の販売・施工、商業施設等への家具・什器の搬入・設置および情報通信事業等であります。

 

その他事業については、売上高は21億4百万円と前年同期と比べ52百万円2.4%減)の減収、セグメント利益(営業利益)は4億38百万円と前年同期と比べ5百万円1.3%増)の増益となりました。

 

また、当社グループの財政状態は次のとおりであります。

当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ12億47百万円減少して363億78百万円となりました。

流動資産は11億70百万円減少して159億82百万円、固定資産は76百万円減少して203億96百万円となりました。流動資産につきましては、主として受取手形及び売掛金が16億30百万円減少したことによるものであります。固定資産につきましては主として、ソフトウェアが2億11百万円増加したこと及び繰延税金資産が1億59百万円減少したことによるものであります。

 

当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ14億81百万円減少して121億81百万円となりました。

流動負債は15億71百万円減少して82億61百万円、固定負債は90百万円増加して39億19百万円となりました。流動負債につきましては、主として短期借入金が11億円減少したことによるものであります。固定負債につきましては、主として退職給付に係る負債が63百万円増加したことによるものであります。

 

当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2億34百万円増加して241億97百万円となりました。これは主として、その他有価証券評価差額金が95百万円増加したこと及び繰延ヘッジ損益が87百万円増加したことによるものであります。

 

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の63.7%から66.5%へ増加し、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の888円01銭から896円69銭へ増加しました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて1億21百万円増加し、当中間連結会計期間末は21億72百万円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は18億52百万円となりました(前中間連結会計期間は5億28百万円の減少)。これは主に、売上債権の減少及び仕入債務の増加によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は4億42百万円となりました(前中間連結会計期間は5億25百万円の減少)。これは主に、固定資産の取得による支出によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は13億21百万円となりました(前中間連結会計期間は12億45百万円の増加)。これは主に、短期借入金の減少によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当中間連結会計期間における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

照明事業

2,435

101.5

 

       (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しておりません。

            2 金額は製造原価によっております。

 

b. 受注実績

取り扱い商品のほとんどを受注即納入体制をとっており、特に記載すべき事項はありません。

 c. 販売実績

当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

照明事業

12,860

109.9

家具事業

883

62.5

物流事業

2,164

96.4

その他(情報通信事業他)

2,104

97.6

合  計

18,012

102.8

 

    (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

            2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前中間連結会計期間

当中間連結会計期間

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

小泉成器株式会社

1,823

10.4

1,669

9.3

 

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 ① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの中間連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この中間連結財務諸表の作成にあたっては、時価が著しく下落した有価証券及び発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく下落した市場価格のない株式について、必要な減損処理を行っており、商品及び製品のうち不良品、陳腐化品等についても必要な評価減を行っております。また、取立不能のおそれのある債権等に対しては、必要と認められる額の引当金を計上しております。

 

 ② 当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当中間連結会計期間の経営成績は、増収・減益となりました。これは、燃料価格の高騰によるコスト負担の要請や円安に伴う輸入コストの増加が主たる要因であります。

当社グループは主に照明器具、住・生活関連用品、家具等の商品を扱っており、新築住宅着工件数など住宅業界及び消費者動向に影響を受けやすい状況にあります。また、当社グループは輸入商品が多く、円安に伴う輸入コストの増加は主力事業の収益圧迫要因となります。このような状況下において、一部事業では回復の兆しがみられるものの、円安に伴う輸入コストの増加が当社グループの経営上、喫緊の課題であると認識しております。

また、当社グループは運転資金及び設備投資等の長期的な計画に必要な資金は、銀行借入により調達しておりますが、自己資本比率は年々改善しており、有利子負債も通期を通して減少傾向にあります。さらなる財務健全性の維持・向上を図りながら投資・研究開発活動等を推進してまいります。

なお、研究開発設備の導入など設備投資については、随時決定しておりますが、今後の重要な資本的支出等の予定は、提出日現在ございません。

 

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

a. 照明事業

照明事業については、ウクライナ情勢をはじめとした地政学リスクによる資材の高騰や、円安に伴う輸入コストの増加など厳しい状況が続いています。このような状況の中、高付加価値の商品の開発や、全国でのエリア内覧会を12会場にて実施し、低シェア先への深耕及び新規顧客の開拓を推進することで、売上の増加を図りました。この結果、増収・増益となりました。

しかしながら、一昨年の半導体不足の時に積み上げた製品在庫の見直しや、世界情勢が不透明な中、さらなるコストの増加により業績悪化の懸念は残ると考えております。その為、適切な在庫政策や当該コスト削減策への着手が喫緊の課題であると認識しております。このような課題解決を推進し、収益体質の改善を図ってまいります。

 

b. 家具事業

家具事業については、原材料や燃料費の高騰による物価高の影響で、消費者の節約志向の高まり、家具業界全体の売り上げが前年比70%~80%と低迷するなど厳しい状況が続いています。このような状況の中、5年ぶりに総合展示会を開催し、新規顧客開拓と既存顧客深耕に取り組みました。この結果、減収・減益となりました。

個人消費の低調は長期化すると捉えており、展示活動の基本に立ち返り、より一層の販売チャネルの拡大・多様化が今後の課題と判断しております。

 

c.物流事業

物流事業については、輸配送ネットワークの整備・強化、運賃コストの抑制、外販拡大を図りましたが、荷量が減少し保管収支が悪化したことに伴い減収・減益となりました。

今後は、3PL事業の拡大や新規顧客の獲得と安定的取扱荷量の確保が喫緊の課題と判断しております。

 

d.その他事業

その他事業については、前年までのオフィス・商環境事業の案件が一段落し受注が減少しました。また、人手不足の影響を受け、外注費が増加し利益を圧迫しました。しかしながら、ラグジュアリーホテルの新規出店、及び既存ホテルの改修案件が増加や、収益性を見直し、顧客の選別をおこなうことで収益の改善を図りました。この結果、当中間連結会計期間においては減収・増益となりました。