浜名湖観光開発株式会社

サービス業ゴルフ場

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04640 Japan GAAP


 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当中間会計期間における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。」の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 当中間会計期間における日本経済は、ウクライナ情勢などに伴う世界的な原材料・食料価格やエネルギー価格の高騰、急激な為替変動や海外経済の減速懸念はあるものの半導体不足などの供給制約が緩和され、製造業の生産活動は改善しつつあります。また、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進み、個人消費など回復の兆しが見られました。

ゴルフ場業界におきましては、社会経済活動の正常化の進展に伴いコンペ需要に回復の兆しがみられる一方、県内は5,6月の雨の影響もあり、来場者数は前年を下回る結果となりました。また、高齢化に伴うゴルフ参加人口の減少やセルフ志向の高まりなどによる価格競争の激化により、引き続き厳しい経営環境が続くものと予想されます。

こうした環境の中、当社では安全・安心・快適なゴルフ場作りのために、地域トップ水準の良好なコースコンディションの維持・改善を目指し、グリーン・FW等のメンテナンスに注力するとともに花木の間伐・剪定など景観美の改善やカート道の整備・改修、新たな信号設置など安全対策の強化にも努めて参りました。また、キャディ付プレー主体の運営方針の基、より快適なプレイを楽しんでいただくため、引き続きキャディ業務をはじめサービス品質の向上に取組んで参りました。

営業面では、好評をいただいているグルメ3daysやレディース感謝祭、各種協賛企画等の継続実施に加え、ホームページの充実やInstagram・Line等のSNSを活用した情報発信の強化に取組んで参りました。また、ネット予約の利便性改善や当クラブを舞台にしたゴルフ番組のTV放映などクラブの認知度向上に取組んだ結果、来場者は23,315人と前年同期比677人増加(3.0%増)となりました。この結果、料金収入は9,772千円増加し253,155千円となりました。年会費収入、風力売電収入、会員登録料を含めた売上高は22,143千円増加し361,609千円となりました。一方、売上原価はキャディ費用が減少したもののコース管理費用、食堂売上原価が増加し前年同期比5,774千円増加し174,776千円となりました。販売費及び一般管理費は間接部門の増員等による人件費の増加を主因に前年同期比6,668千円増加し167,457千円となりましたが、営業利益は前年同期比9,700千円増益の19,375千円となりました。その他の営業外損益を加減し、経常利益は21,539千円と前年同期比10,268千円の増益となりました。

  a 財政状態

  (資産)

当中間会計期間末における資産は、前事業年度末と比べ57,573千円増加し2,941,950千円(前年比2.0%増)となりました。

流動資産は、前事業年度末と比べ79,656千円増加し、1,089,048千円(同7.9%増)となりました。この主な要因は、当座預金の増加43,140千円及び普通預金の増加44,791千円であります。

固定資産は、前事業年度末と比べ22,082千円減少し1,852,901千円(同1.2%減)となりました。この主な要因は、有形固定資産の減少21,909千円であります。この主な増減内訳はプール及び潮見No3,5号井戸自動給水装置更新、コース整備用機械購入等による有形固定資産購入25,631千円、減少要因が減価償却額49,897千円であります。

  (負債)   

当中間会計期間末における負債は、前事業年度末と比べ46,686千円増加し637,502千円(同7.9%増)となりました。流動負債では前事業年度末と比べ41,962千円増加し481,784千円(同9.5%増)となりました。この主な要因は契約負債24,807千円、未払法人税等10,967千円、未払金9,592千円の増加によるものです。

固定負債では前事業年度末と比べ4,724千円増加し155,718千円(同3.1%増)となりました。この主な要因は、退職給付引当金の増加4,164千円であります。

   (純資産)

当中間会計期間末における純資産は、前事業年度末と比べ10,887千円増加し2,304,447千円(同0.5%増)となりました。

この結果、自己資本比率は、前事業年度末と比べ1.2ポイント減少し78.3%となり、1株当たりの純資産額は前事業年度末と比べ4,536円44銭増加し960,186円66銭となりました。

 

 

  b 経営成績

年会費、食堂売上高及び風力発電の売電収入を加えた当期の売上高は、来場者増加と客単価上昇等により料金収入が増加したことに加え、風力発電事業が不稼働期間もなく順調に推移したことから、前年同期比22,143千円増収の361,609千円となりました。売上原価面ではコース管理費用及び食堂原価の増加を主因に5,774千円増加し、販売費及び一般管理費は間接部門の増員等に伴う人件費の増加を主因に6,668千円増加しましたが、営業利益は前年同期比9,700千円増益の19,375千円となりました。その他の営業外損益を加減し、経常利益は21,539千円と前年同期比10,268千円の増益となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 現金及び現金同等物の当中間期末残高は、282,782千円と前年同期と比べ70,388千円(33.1%)の増加となりました。

 当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

a 営業活動によるキャッシュ・フロー

税引前中間純利益21,629千円(前年同期は税引前中間純利益11,271千円)、減価償却費49,897千円、売上債権の減少6,771千円及び契約負債の増加24,807千円等を加減算の結果、103,140千円の収入超過(前年同期は102,317千円の収入超過)となりました。

b 投資活動によるキャッシュ・フロー

有形固定資産の取得による支出△16,272千円等より16,181千円の支出超過(前年同期は65,113千円の支出超過)となりました。

c 財務活動によるキャッシュ・フロー

 該当事項はありません(前年同期も該当事項はありません)。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

   a 生産実績

      該当事項はありません。

  b 受注実績

   該当事項はありません。

c 販売実績

  当中間会計期間の販売実績を売上区分別に示すと次のとおりであります。

 

区分

人員(人)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

グリーンフィ(会員)

6,931

92.6

23,787

92.9

グリーンフィ(準会員)

1,689

91.4

10,387

91.4

グリーンフィ(無記名会員)

1,977

106.8

19,022

106.9

ビジターフィ

12,718

111.0

114,231

116.7

貸与品

32,932

106.7

キャディーフィ

12,357

89.4

51,835

89.3

年会費

1,739

96.3

23,421

97.5

会員登録料

21,045

101.3

ロッカーフィ

431

100.7

1,292

100.7

その他 (注1)

957

53.2

小計

298,913

103.3

商品販売収入

1,783

100.5

食堂売上高

42,858

116.4

 風力売電収入

18,054

158.4

合計

361,609

106.5

 

 (注1) その他には、競技参加料、違約金、及びその他の収入が含まれております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、

文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。 

①重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況」に記載していますが、特に次の重要な会計方針が財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。

a 退職給付引当金

  従業員の退職給付に備えるため、当中間会計期間末における退職給付債務(簡便法)に基づき計上しておりますが、当該退職給付債務は、当中間会計期間における要支給額に基づいて算定されております。

b 役員退職慰労引当金

 内規による中間会計期間末支給額に基づいて算定されております。

②当中間会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社の当中間会計期間における経営成績等は、「経営成績等の状況の概要」で述べたとおり、社会経済活動の正常化が進展する中、消費活動に回復の兆しが見られる一方、ウクライナ情勢などの影響による原材料・燃料、食料品の価格高騰、急激な為替変動など企業業績の下振れリスクや景気減速も懸念されています。ゴルフ場業界においても経営環境の不透明感が強まっていますが、回復傾向にあるコンペ需要の取込みや各種イベント企画の実施等により、来場者は23,315人(前期は22,638人)、売上高は361,609千円となりました。

 売上原価は、前年同期比5,774千円増加しております。キャディ費用が3,593千円減少しましたが、コース管理費用・食堂売上原価の増加によるものです。また、販売費及び一般管理費は、減価償却費、水道光熱費等が減少した一方、間接部門の増員に伴う人件費の増加により前年同期比6,668千円増加し167,457千円となりました。

以上により、税引前中間純利益は、21,629千円(前期は11,271千円)となりました。

a 経営成績に重要な影響を与える要因について

 「経営成績等の状況等の概要」で述べたとおり、セルフ志向の高まりや低価格競争に伴うキャディ付プレーの減少や客単価の低下に加え、ウクライナ情勢などの影響による原材料・燃料等の高騰などにより、コース管理費用や販売費及び一般管理費の増加等、下期以降の売上・収益面の見通しにつきましては、ともに厳しいものがあると予想しております。

b 戦略的現状と見通し

 当社は、このような状況・今後の見通しを踏まえて、売上原価・販売費及び一般管理費を見直しつつ、キャディサービスの品質向上・良好なコースコンディションの維持・管理に注力し、安心・安全・快適なゴルフ場作りにより顧客満足度の更なる改善に努めて参ります。

c 資本の財源及び資金の流動性についての分析 

 当社は、事業運営上必要な流動性及び資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 当社の運転資金需要の主なものは,ゴルフ場コースの運営及び維持管理に伴う費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備投資を目的とした資金需要は、ゴルフ場コースの改修及び維持管理用機械の購入等の設備投資によるものであります。

 運転資金・設備投資につきましては全て自己資金により調達しております。なお、当事業年度末における借入金等の有利子負債は無く、現金及び現金同等物の残高は282,782千円であります。

d 経営者の問題認識と今後の方針について

 当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案し実行するよう努めておりますが、セルフ志向の高まりや低価格競争の激化による来場者及び料金収入への影響のほか、原材料・燃料等の高騰による売上原価の上昇、販売費及び一般管理費の増加、風力等発電事業の故障リスク等、今後も当社を取り巻く事業環境は更に厳しさが増すことが予想され、一層の営業努力と効率化の推進・生産性の向上が喫緊の課題と認識しております。