株式会社紫雲ゴルフ倶楽部

サービス業ゴルフ場

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04721 Japan GAAP


3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当中間会計期間における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当中間会計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大もひとまず歯止めがかかり、各種規制が緩和されたことにより社会経済活動の回復が見られました。

 一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化でエネルギーコストの高騰、原材料価格の上昇が影響し、消費者物価指数が上昇するなど依然として先行き不透明な状況が続いております。

 ゴルフ業界におきましては、密になりにくい屋外スポーツとの認識が浸透し、来場者も若年層を中心とした増加傾向で推移しており、コロナ禍以前の水準までに戻ってきております。

 このような状況のもと、当社はメンバーシップの精神を基本理念とした運営を目指す一方で、会員の活性化を図って世代交代をすすめるとともに、新規入場者の増加に努めてまいりました。

 当中間会計期間においては、営業日数は前年よりオープンが早まり5日増加しましたが、地元自治体により企画された「日帰りゴルフプラン」等の観光支援事業が終了したことなどもあり、来場者数は前年同期より949名減の20,432名となりました。

さらには、2022年12月の雪害によりコース内の樹木の倒木や枝折れ、建物倒壊など甚大な被害が発生し、その復旧に相当の時間と費用を要しています。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローは13,261千円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは29,718千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは25,530千円の支出となった結果、前事業年度末に比べ41,988千円減少し、146,325千円となりました。

 当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は、13,261千円(前年同期は32,196千円の獲得)となりました。

 これは主に、税引前中間純利益7,624千円の計上及び減価償却費29,924千円の計上による増加要因があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、29,718千円(前年同期は23,241千円の使用)となりました。

 これは主に、クラブハウス内浴室のろ過機など有形固定資産の取得による支出が29,718千円あったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、25,530千円(前年同期は27,954千円の使用)となりました。

 これは、配当金の支払いが19,075千円、リース債務の返済による支出が6,455千円あったことによるものであります。

 

 ③営業の実績

 a.収入の実績

 当社は、ゴルフ場事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 なお、当中間会計期間の営業の成績を部門別に示すと次のとおりであります。

部門別

当中間会計期間

(自 2023年1月1日

至 2023年6月30日)

前年同期比(%)

料金収入(千円)

175,275

105.35

キャディ収入(千円)

20,414

98.49

食堂売上(千円)

44,810

102.18

用品売上(千円)

13,887

109.75

売店売上(千円)

2,213

92.93

会費収入(千円)

24,690

100.00

名義書換料収入(千円)

13,626

103.37

その他の収入(千円)

7,286

97.41

合計(千円)

302,204

103.73

 

 b.収容能力

 当ゴルフ場の快適な利用者の限度は、一日当たり両コース合計概ね300人程度であります。

 

 c.来場者の実績

月別

前中間会計期間

(自 2022年1月1日

至 2022年6月30日)

当中間会計期間

(自 2023年1月1日

至 2023年6月30日)

メンバー

(人)

ビジター

(人)

合計

(人)

営業日数

(日)

一日平均

(人)

メンバー

(人)

ビジター

(人)

合計

(人)

営業日数

(日)

一日平均

(人)

1月

2月

3月

745

1,656

2,401

16

150

894

1,578

2,472

21

118

4月

2,004

3,878

5,882

30

196

1,925

3,706

5,631

30

188

5月

2,044

4,748

6,792

31

219

1,811

4,570

6,381

31

206

6月

1,782

4,524

6,306

30

210

1,654

4,294

5,948

30

198

合計

6,575

14,806

21,381

107

200

6,284

14,148

20,432

112

182

割合(%)

30.8

69.2

100.0

30.8

69.2

100.0

(注) 当中間会計期間のうち1月1日から3月10日までの69日間は、降雪のため営業をいたしておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。

 ①重要な会計方針及び見積り

 当社の中間財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 この中間財務諸表の作成には、当中間会計期間末における資産・負債及び当中間会計期間の収入・費用の数値に影響を与える見積りは、主に資産の評価や引当金の計上等であり、これらの見積り及び判断に対して継続して評価を行なっております。

 ただし、経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 

 ②当中間会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.経営成績等

 1)財政状態

 (資産合計)

 当中間会計期間末の資産合計は、前事業年度末に比べ57,838千円増加の4,025,592千円となりました。

 流動資産は、前事業年度末に比べ20,619千円増加し、234,645千円となりました。これは、主に未収入金の増加によるものです。

 固定資産は、前事業年度末に比べ37,219千円増加の3,790,946千円となりました。これは、主に固定資産の取得が15,981千円及び繰延税金資産が18,014千円増加したことによるものです。

 (負債合計)

 当中間会計期間末の負債合計は、前事業年度末に比べ71,977千円増加し、333,610千円となりました。

 流動負債は、前事業年度末に比べ49,422千円増加し、298,287千円となりました。これは、未払費用などが増加したことによるものであります。

 固定負債は、前事業年度末に比べ9,988千円増加し、35,322千円となりました。これは、リース債務が増加したことによるものです。

 (純資産合計)

 当中間会計期間末の純資産合計は、前事業年度末に比べ14,138千円減少し、3,691,982千円となりました。これは、主に配当金の支払いにより剰余金が減少したことによるものです。

 

  2)経営成績

 (売上高)

 売上高は、昨年まで地元新発田市と新発田市観光協会による観光支援事業が終了したことが影響し、入場者は、減少いたしましたが、一部プレー料金を値上げしたことにより、料金収入が増え10,861千円増収の302,204千円となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

 売上原価は、食材等の商品の値上げなどにより371千円増の27,499千円となりました。

 販売費及び一般管理費は、人件費の増加や燃料費の高騰などにより前年同期に比べ5,676千円増加の264,879千円となりました。その結果、営業利益が9,875千円、経常利益は21,659千円となりました。

 一方、昨年末の雪害による倒木等の廃棄費用などが12,323千円発生し、中間純利益は、4,936千円となりました。

 

 3)キャッシュ・フローの状況

 当中間会計期間のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社を取り巻くゴルフ場業界は、少子高齢化によるゴルフ人口の減少や景気の変動、さらには個人消費の動向が来場者数に大きく影響を与えます。また、毎年冬期の降雪によるクローズをはじめ夏期の猛暑や風水害などの気象条件も経営成績に重大な影響を及ぼします。

 さらには、新型コロナウイルスの収束が見通せないことから、より一層厳しい経営環境が続くものと認識しております。

 

(4)経営戦略の現状と見通し

 当社といたしましては、メンバーシップを基本とした品格を保ち、最高のコースコンディションを維持して会員の皆様にご満足いただけるようサービスの向上に努める所存であります。

 また、倶楽部主催の各種企画コンペ等を含めた積極的な営業活動を行ない、業績の回復に邁進してまいります。

  一方、新型コロナウイルス感染予防のため引き続き「新しい生活様式」を採り入れた新スタイルの実践とその定

 着に努め、お客様ならびに従業員の安全・安心な施設環境を提供してまいります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の運転資金需要のうち主なものは、人件費、施設の維持管理費、コース管理作業機械の修繕費及び固定資産税等の販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、コース管理作業機械やクラブハウス等を維持更新していくための設備投資等によるものであります。

 当社は、事業運営上必要な流動性と資金を安定的に確保することを基本方針とし、短期及び長期運転資金については、いずれも内部留保による自己資金を基本としております。

 具体的には、営業活動によるキャッシュ・フローでは、13,261千円(前年同期は32,196千円の獲得)の資金の獲得による増加要因あったことによるものであります。これは主に、税引前中間純利益7,624千円の計上及び、減価償却費29,924千円を計上したことによるものです。

 投資活動によるキャッシュ・フローでは、29,718千円(前年同期は23,241千円の使用)の資金の支出となりました。これは主に、クラブハウス浴室のろ過機の更新など有形固定資産の取得による支出が29,718千円あったことによるものであります。

 財務活動によるキャッシュ・フローでは、25,530千円(前年同期は27,954千円の使用)の資金の支出となりました。これは、配当金の支払いが19,075千円とリース債務の返済による支出が6,455千円あったことによるものであります。

 

(6)経営者の問題意識と今後の方針について

 当社の経営陣は、現在の事業運営の環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、今後もプレー料金の低価格化および過当競争の激化は避けられず、業界を取り巻く経営環境は、ますます厳しさを増すものと思われます。

 加えて、新型コロナウイルス感染が再び拡大することで、さらに悪化することも予想されます。

 このような状況下、新規入会会員を増やして世代交代を推進し、会員活性化をはかるとともに、積極的な営業活動を展開して入場者増と売上高増収に注力し、経営の安定化と魅力あるクラブライフづくりを目指します。