E02542 Japan GAAP
前期
376.9億 円
前期比
105.9%
株価
1,690 (04/25)
発行済株式数
4,168,500
EPS(実績)
227.66 円
PER(実績)
7.42 倍
前期
630.5万 円
前期比
98.8%
平均年齢(勤続年数)
41.9歳(15.2年)
従業員数
160人(連結:479人)
当社グループは、当社及び関係会社10社で構成されており、主に国内及び海外において各種商品の卸売及び輸出入取引を行うほか、電子関連製品の製造・組立を行っております。
当社グループの事業における当社及び主な関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。
(注) 1 上記関係会社は、連結子会社であります。このほか、Shinyei(Thailand)Co., Ltd.は連結子会社でありますが、同社は、2022年9月26日付にて解散し、現在清算中であります。
2 神栄キャパシタ㈱は、Shinyei Kaisha Electronics(M)SDN.BHD.の親会社であります。
3 上記のほか関西通商㈱(非連結子会社)、寧波神鑫服装整理有限公司(関連会社)があります。当該2社については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表[注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
事業系統図を示すと次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における世界経済は、ウィズコロナへの転換が進んだことで新型コロナウイルス感染症による景気への影響は低減されたものの、ウクライナ情勢の長期化に加え、インフレ圧力による影響も懸念される中、米国では利上げによる景気後退懸念が高まっている状況下においても良好な雇用環境や底堅い個人消費により景気の回復傾向が継続し、また東南アジアでも活動規制の緩和に伴う個人消費の伸長などで景気回復が続き、中国ではゼロコロナ政策とその後の政策転換の影響などで景気減速傾向が続いたものの、同政策転換後には内需主導による回復の兆しもみられるようになりました。
わが国経済は、設備投資の増加基調が持続し、新型コロナウイルス感染症対策としての行動制限の緩和に伴い、個人消費も回復基調にある一方で、原油価格や原材料費の高騰に急激な円安進行も加わった輸入コストの上昇、また物流コストも増加が続くなどインフレ圧力が高まり、厳しい状況が継続しました。
当社グループでは、2022年3月期から2024年3月期までの3年間を対象とする中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2023」を策定し、環境変化にも適切に対応し安定的に連結経常利益10億円を創出できる企業・収益体質を構築することを目標としており、2年目にあたる2023年3月期は、原材料費・物流費の高騰や円安などのコストアップとなる要因について収益への影響を最小限に留めるべく、適時適切な対応を進めました。
当連結会計年度における当社グループの売上高は、繊維関連と電子関連が減少したものの、仕入コスト上昇に伴い段階的な販売価格の調整を行ってきた食品関連及び北米向け輸出事業や防災関連分野が伸長した物資関連が増加したことで、全体では39,892百万円(前連結会計年度比5.9%増)となりました。
利益面では、食品関連における販売価格調整による利益率の回復とともに、物資関連が北米向け輸出事業や防災関連分野を中心に増益となったことで営業利益は1,375百万円(前連結会計年度比90.6%増)、経常利益は1,340百万円(前連結会計年度比111.3%増)と大幅に伸長しました。また、特別損失にフイルムコンデンサの取引に関する米国における民事訴訟に対応するための弁護士報酬や和解金などに係る訴訟関連損失に加え、繊維関連における一部事業撤退に伴う事業整理損などを計上したものの、親会社株主に帰属する当期純利益は949百万円(前連結会計年度比100.3%増)と大幅な増益となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
食品業界の輸入食材を取り巻く環境は、国内において経済活動の正常化に向けた動きが徐々に進む中、幅広い業態において食品需要に持ち直しの動きがみられたものの、中国をはじめとする仕入国での工場経費・原材料費の高騰や世界的な物流混乱による輸入コスト増のほか、急激な円安進行もあって仕入コストが大幅に上昇したことに加え、ウクライナ情勢の長期化や中国におけるロックダウンの影響等による供給面の制約もあり、仕入面では厳しい環境が続きました。
このような状況の中、当社グループの冷凍食品分野では、強みである品質管理体制を活かした医療老健施設向けなど品質管理要求の高いルートへの販売に引き続き注力しながら、幅広い業態で回復傾向にあった需要を取込むべく生産から物流管理にわたるサプライチェーンの安定化を図り、また上記のような仕入コスト上昇に伴う販売価格の段階的な調整が寄与し、冷凍野菜・冷凍調理品・冷凍水産加工品の各商材において、売上・利益ともに大幅に増加しました。
農産分野は、販売先の在庫調整や円安進行下における価格高騰による仕入姿勢の慎重化などから、数量は減少したものの、落花生・ナッツ類ともに販売価格が上昇したことにより、売上・利益ともに増加しました。
その結果、食品関連の売上高は29,772百万円(前連結会計年度比12.7%増)、セグメント利益は1,667百万円(前連結会計年度比55.5%増)となりました。
輸出事業を取り巻く環境は、半導体などの電子部品不足が国内生産に下押し圧力をかけたものの、世界経済のコロナ禍からの活動再開による外需回復の影響が相対的に大きくなりました。
このような状況の中、当社グループの機械機器・金属製品分野では、北米向け等のハードウエアの取扱いが大幅に伸長し、各種試験機器の北米向け輸出も堅調であったほか、中国向け大型建設機械の取扱いも好調に推移したことから、売上・利益ともに大幅に増加しました。
また、防災関連分野では、海外調査案件に係る計測機器類の輸出に加え、現地において開始した役務提供を継続したことにより、売上・利益ともに大幅に増加しました。
国内における住宅建設関連については、集合住宅着工数に伸長の動きがみられた中で、当社グループの建築金物・資材分野では、金物の取扱いが近畿圏をはじめ主要都市圏で堅調に推移したことに加え、輸入ガラスの取扱いが首都圏を中心に大幅に伸長したことで、売上・利益ともに増加しました。
その結果、物資関連の売上高は4,028百万円(前連結会計年度比19.5%増)、セグメント利益は597百万円(前連結会計年度比58.2%増)となりました。
繊維業界では、国内の市場環境は外出需要等の増加に伴い回復基調にあるものの、原材料費やエネルギー価格の高騰に為替の影響もあり仕入コストが上昇したことに加え、熾烈な販売競争が繰り広げられるなど、厳しい状況が続きました。
当社グループでは、企画提案が高く評価され、複数ブランドの商品を提供しているテレビショッピング向けレディース衣料品や伸縮性に優れた紳士スーツ用ニット生地が伸長したものの、量販店やホームセンター向けなどの衣料品で価格競争が激化したことが大きく響き、売上が大幅に減少し、利益も悪化しました。
その結果、繊維関連の売上高は2,194百万円(前連結会計年度比35.3%減)、セグメント利益は101百万円の損失(前連結会計年度は57百万円の損失)となりました。
なお、今後の収益改善を見据え、事業拡大が見込まれるテレビショッピング向け事業に注力することとし、その他のアパレル卸売事業及びテキスタイル事業からは撤退することを決定いたしました。
電子部品業界は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う供給制約を懸念した在庫の積み増しが受注水準を高めるなど市場の拡大が続いた一方で、半導体をはじめ電子部品不足による仕入価格の上昇や自動車業界に代表される減産の影響も広がりました。
当社グループのセンサ機器分野では、コロナ禍における特需の反動による生産調整等の影響を受け、ホコリセンサが主に空気清浄機用途で減少し、湿度センサも民生用途が減少したことで、売上・利益ともに減少しました。
計測・試験機器分野では、輸送や梱包に係る各種試験機や医療関連における物流用途の温度ロガーは減少したものの、湿度計測機器の販売が大幅に伸長したことから、売上・利益ともに増加しました。
コンデンサ分野では、照明用途は堅調に推移したものの、産業機器用途などが減少したことで売上は減少し、さらには主に海外現地法人が生産する製品において、急激な円安進行等に伴う製造コスト上昇分の販売価格への調整遅れもあり、利益も減少しました。
その結果、電子関連の売上高は3,897百万円(前連結会計年度比13.6%減)、セグメント利益は308百万円(前連結会計年度比31.4%減)となりました。
※ セグメント利益は、報告セグメントに帰属しない一般管理費等配賦前の経常利益の金額に 基づいております。
当連結会計年度末の資産は、24,159百万円であり、前連結会計年度末に比べて572百万円の増加となりました。これは有形固定資産が272百万円減少した一方で、商品及び製品が496百万円、投資有価証券が時価の上昇などに伴い338百万円増加したことなどによるものであります。
また、負債は19,507百万円であり、前連結会計年度末に比べて646百万円の減少となりました。これは流動負債のその他に含まれる契約負債が202百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が530百万円、長短借入金が352百万円減少したことなどによるものであります。
一方、純資産は4,651百万円であり、前連結会計年度末に比べて1,219百万円の増加となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益949百万円の計上などにより株主資本が967百万円増加したことに加え、その他有価証券評価差額金などのその他の包括利益累計額が251百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、598百万円の収入(前連結会計年度比1,890百万円の収入増)となりました。これは、棚卸資産の増加455百万円及び仕入債務の減少554百万円などにより減少した一方で、税金等調整前当期純利益1,140百万円、減価償却費358百万円及び契約負債の増加202百万円などにより増加したことによるものであります。
また、投資活動によるキャッシュ・フローは、70百万円の支出(前連結会計年度比193百万円の支出減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出60百万円などにより減少したことによるものであります。
一方、財務活動によるキャッシュ・フローは、484百万円の支出(前連結会計年度比1,832百万円の支出増)となりました。これは、長短借入金の純減額352百万円などにより減少したことによるものであります。
その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は67百万円増加(前連結会計年度は167百万円の減少)して1,251百万円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
2 セグメント間の内部売上高は控除しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
経営成績につきましては、当社グループの当連結会計年度における経営成績に重要な影響を与える要因についての分析等は、前項の(1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりでありますが、当連結会計年度におきましては、食品関連でコロナ禍からの需要回復や販売価格調整により利益率が回復し、物資関連で北米向け輸出事業や防災関連分野などが好調であったことから、売上・利益ともに伸長しました。経常利益については、中期経営計画の最終年度(2024年3月期)の目標である1,250百万円を1年前倒しで達成しました。また各事業が収益に貢献し又は将来貢献し得るかの検証を定期的に行う中、繊維関連において今後の事業拡大が見込まれるテレビショッピング向け事業に注力することとし、その他の事業からの撤退を決定いたしました。引き続き、すべてのセグメントがさらに収益を拡大しつつバランスの取れた事業ポートフォリオとするべく、取組みを進めてまいります。
財政状態につきましては、主に食品関連において、棚卸資産が今後の売上拡大に向けた積み増しや円安進行などによる仕入コスト増加により大幅に増加したことに加え、売上債権が増収に伴い増加したことで、総資産は増加しました。これらの要因により運転資金は増加しましたが、利益計上などにより有利子負債を圧縮したことで負債は減少しました。一方、純資産は利益計上に加え、その他有価証券評価差額金などの増加により大幅に増加したことで、連結自己資本比率は前連結会計年度から4.7ポイント上昇し19.3%となりました。引き続き連結自己資本比率の改善に向け、強みを有する中核的事業の拡大と今後中核となりうる事業の育成に取組むことで、すべての事業における収益基盤の確立を図り、また保有資産の効率的な活用などによる総資産の圧縮及び有利子負債の抑制に取組んでまいります。
キャッシュ・フローの分析につきましては、前項の(1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりであります。資本の財源及び資金の流動性につきましては、主に食品関連における運転資金の増加に係る資金需要はあったものの、利益計上に加え、設備投資を減価償却費の範囲内で行ったことなどにより、有利子負債の削減を進めました。2024年3月期においては、電子関連における新製品及び新サービス等の研究開発投資については、前連結会計年度に実施した第三者割当増資により調達した資金を引き続き一部充当して対応することとし、例年実施している更新等に係る設備投資は減価償却費の範囲内で行うことを原則とし、全体としては利益計上などによるフリーキャッシュ・フローの確保に取組んでまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、当社グループとして重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社グループは、回収可能性があると判断した将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金について繰延税金資産を計上しております。また回収可能性については、過去の実績に基づき見積可能期間に応じた将来の課税所得を見積もっております。
なお、当連結会計年度の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項] (重要な会計上の見積り)」に記載しております。