E00920 IFRS
前期
1.30兆 円
前期比
117.2%
株価
1,480.5 (04/19)
発行済株式数
1,809,663,075
EPS(実績)
54.55 円
PER(実績)
27.14 倍
前期
1,064.4万 円
前期比
99.8%
平均年齢(勤続年数)
42.4歳(16.2年)
従業員数
4,867人(連結:14,484人)
当社グループは、当社及び連結子会社77社、持分法適用会社3社から構成されており、医薬品の研究開発、製造及び販売を主要な事業としています。
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。
なお、当社グループは、区分すべき事業セグメントが存在しないため、報告セグメントは医薬品事業単一となっています。
当社は研究開発、製造及び販売を行っており、各地域の関係会社へ原料及び製品の一部を供給しています。
また、主に以下の関係会社が、研究開発、製造及び販売の各機能を担っています。
(注)オーデンテス セラピューティクス Inc.は、2023年4月1日に社名をアステラス ジーン セラピーズ Inc.に
変更しました。
以上で述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー (以下「経営成績等」) の状況の概要は次のとおりです。
[財政状態]
当連結会計年度末の連結財政状態計算書の概要及び前連結会計年度末からの主な変動は以下のとおりです。
総資産は2兆4,565億円 (前連結会計年度末比1,241億円増) となりました。
非流動資産は、1兆4,066億円 (同25億円減) となりました。有形固定資産は、2,865億円 (同174億円増) となりました。のれんは3,284億円 (同254億円増) 、無形資産は5,625億円 (同609億円減) となりました。第4四半期連結会計期間において、エベレンゾの将来計画の見直しに伴う無形資産の減損損失、FX-322の開発中止に伴う無形資産の減損損失、Adaptimmune Limitedとの契約解約に伴う無形資産の減損損失を計上したこと等により、無形資産が減少しました。
流動資産は、1兆500億円 (同1,266億円増) となりました。現金及び現金同等物は3,768億円 (同609億円増) となりました。
資本合計は、1兆5,080億円 (同476億円増) となり、親会社所有者帰属持分比率は61.4%となりました。当期利益987億円を計上した一方で、剰余金の配当1,004億円に加え、自己株式の取得606億円を実施しました。なお、2023年3月に477億円(2,618万株)の自己株式を消却しました。
(注)株式数は表示単位未満の端数を切り捨てて表示しています。
負債の合計は、9,486億円 (同765億円増) となりました。
非流動負債は2,225億円 (同379億円増) となりました。その他の金融負債は、第3四半期連結会計期間において、普通社債500億円を発行したこと等により、1,399億円 (同440億円増) となりました。
流動負債は7,260億円 (同386億円増) となりました。その他の金融負債は1,801億円 (同48億円減) となりました。そのうち、コマーシャル・ペーパーの残高は750億円となりました。その他の流動負債は3,827億円(同599億円増)となりました。
[経営成績]
<連結業績 (コアベース) >
当連結会計年度の連結業績 (コアベース) は下表のとおりです。売上収益、コア営業利益、コア当期利益はいずれも増加しました。
売上収益
・主要製品の前立腺がん治療剤XTANDI/イクスタンジ、尿路上皮がん治療剤パドセブ、急性骨髄性白血病治療剤ゾスパタの売上が拡大しました。これらのほか、日本における骨粗鬆症治療剤イベニティの売上も増加し、増収に貢献しました。
以上の結果、売上収益は1兆5,186億円 (前連結会計年度比17.2%増) となりました。
コア営業利益/コア当期利益
・売上総利益は、1兆2,303億円 (同17.9%増) となりました。売上原価率は、前連結会計年度に比べ0.5ポイント低下し、19.0%となりました。
・販売費及び一般管理費は、6,303億円 (同14.8%増) となりました。グローバルでのコマーシャル要員の最適化による費用減少(同約80億円減)や、成熟製品における費用の削減(同約80億円減)があった一方で、新製品の立ち上げ・発売に向けた準備費用の増加(同約120億円増)や為替の影響(同803億円増)を受け、総額として増加しました。なお、XTANDIの米国での共同販促費用を除いた販売費及び一般管理費は、4,548億円(同11.1%増)となり、為替の影響を除くと前連結会計年度比較で減少しました。
・研究開発費は、2,761億円 (同12.2%増) となりました。為替の影響(同275億円増)に加え、第1四半期連結会計期間に選択的ニューロキニン3受容体拮抗薬fezolinetantの優先審査を目的にPriority Review Voucherを使用したことに伴う費用(137億円)を計上したことにより、総額として増加しました。売上収益研究開発費比率は、前連結会計年度に比べ0.8ポイント減少し、18.2%となりました。
・無形資産償却費は、384億円 (同35.9%増) となりました。
以上の結果、コア営業利益は2,869億円 (同17.2%増) 、コア当期利益は2,246億円 (同17.9%増) となりました。
<連結業績 (フルベース) >
当連結会計年度の連結業績 (フルベース) は下表のとおりです。売上収益は増加しましたが、営業利益及び当期利益は減少しました。
フルベースの業績には、コアベースの業績で除外される「その他の収益」、「その他の費用」等が含まれます。当連結会計年度における「その他の収益」は36億円 (前連結会計年度:153億円) となりました。
「その他の費用」として、第4四半期連結会計期間において、抗Claudin18.2モノクローナル抗体ゾルべツキシマブの条件付対価の公正価値の増加(386億円)、エベレンゾの将来計画の見直しに伴う無形資産の減損損失(471億円)、FX-322の開発中止に伴う無形資産の減損損失(86億円)、Adaptimmune Limitedとの契約解約に伴う無形資産の減損損失(46億円)等を計上しました。加えて、第1四半期連結会計期間に計上した遺伝子治療プログラムAT702、AT751、AT753の研究開発中止に伴う無形資産の減損損失(230億円)やfezolinetantの米国承認申請に伴い発生した条件付対価の公正価値の増加(132億円)等の計上もあり、当連結会計年度における「その他の費用」は1,575億円(前連結会計年度:1,043億円)となりました。
<主要製品の売上>
(注) プログラフ:アドバグラフ、グラセプター、アスタグラフXLを含む
<XTANDI/イクスタンジ>
・全ての地域で売上が拡大し、グローバル売上は前連結会計年度と比較して増加しました。特にエスタブリッシュドマーケット、日本及びインターナショナルマーケットにおいて処方が伸長し、売上の拡大に貢献しました。
<パドセブ>
・米国において、これまでに承認を取得した適応症の患者層に対する推奨治療のオプションとしてのポジショニングを確立したことにより、売上が増加しました。日本においても、推奨治療オプションとしての浸透が進み、新規患者数が大きく増加し、売上が増加しました。また、欧州においては、2022年4月の承認以降、発売国が着実に拡大し、売上の増加に貢献しました。
<ゾスパタ>
・高いマーケットシェアを獲得している米国や欧州、日本での継続的な成長に加えインターナショナルマーケットでは発売国が増加するなど、全ての地域で売上が増加しました。
<エベレンゾ>
・欧州においては発売国が増加したことに伴い売上が拡大した一方、日本では市場の競合激化の影響を受け売上が減少しました。
<ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ>
・地域ごとに増減はあったものの、グローバルの売上は拡大しました。
<プログラフ>
・グローバルの売上は増加しました。
(注) エスタブリッシュドマーケット:欧州、カナダ
インターナショナルマーケット:ロシア、中南米、中東、アフリカ、東南アジア、南アジア、韓国、
オーストラリア、輸出売上等
<地域別売上収益の状況>
地域別の売上収益は下表のとおりです。全ての地域において、売上収益が増加しました。
(注) 当連結会計年度から、オーストラリアのコマーシャル区分をエスタブリッシュドマーケットからインターナショナルマーケットに変更しています。前連結会計年度の金額は当該変更を反映しています。
エスタブリッシュドマーケット:欧州、カナダ
グレーターチャイナ:中国、香港、台湾
インターナショナルマーケット:ロシア、中南米、中東、アフリカ、東南アジア、南アジア、韓国、
オーストラリア、輸出売上等
[セグメント情報]
当社グループは、医薬品事業の単一セグメントのため、記載を省略しています。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、3,278億円 (前連結会計年度比703億円増) となりました。
・法人所得税の支払額は695億円 (同274億円増) となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、△845億円 (同221億円支出増) となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、△1,956億円 (同207億円支出減) となりました。
・第3四半期連結会計期間において、普通社債を発行したことにより、社債の発行及び長期借入れによる収入が500億円ありました。
・配当金の支払額は1,004億円(同151億円増)となりました。また、自己株式の取得による支出606億円(同98億円支出増)がありました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、3,768億円 (前連結会計年度末比609億円増) となりました。
当連結会計年度における生産及び仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注) 1.当社グループでは、自社工場及び外部パートナーへの製造委託による生産のほか、他社からの仕入等さまざまな工程を経て完成した製品を販売しています。前連結会計年度までは生産実績のみを開示していましたが、当社グループの事業活動をより適切に表すため、当連結会計年度からこれら一連の工程を一体の活動とみなし、生産実績と仕入実績を合算した「生産及び仕入実績」を開示する方法に変更しています。
2.金額は、販売価格に基づいています。
3.前連結会計年度比 (%) は、前連結会計年度の「生産及び仕入実績」に対する比率となっています。
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注) 主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、以下のとおりです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。また、文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。
[キャッシュ・フロー]
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
[財務政策]
当社グループは、企業価値の持続的向上に努めるとともに、株主還元にも積極的に取り組んでいます。
成長を実現するための事業投資を優先しながら、配当については、連結ベースでの中長期的な利益成長に基づき、安定的かつ持続的な向上に努めます。また、自己株式の取得を必要に応じて機動的に実施し、資本効率の改善と1株当たり利益の向上を図ります。資金の流動性については、コマーシャル・ペーパー及び借入金による資金調達を行い、当面の運転資金及び設備資金に加え、一定の戦略的投資機会にも備えられる現預金水準を確保しています。
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの事業等は医薬品事業に特有のさまざまなリスクを伴っています。事業展開にあたっては、必要資金を円滑にかつ低利で調達できるよう財務基盤の健全性の維持に努めます。
当社グループは、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しています。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定」に記載のとおりです。