E00923 IFRS
前期
3,351.4億 円
前期比
127.3%
株価
7,733 (03/28)
発行済株式数
307,386,165
EPS(実績)
601.73 円
PER(実績)
12.85 倍
前期
857.5万 円
前期比
106.2%
平均年齢(勤続年数)
42.1歳(16.5年)
従業員数
2,458人(連結:5,680人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社45社、関連会社3社及び共同支配企業1社(2023年3月31日現在)より構成されており、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売並びにこれらの付随業務を事業内容とする単一セグメントであります。
主要な会社は次のとおりであります。
当社、シオノギファーマ株式会社、シオノギヘルスケア株式会社、シオノギテクノアドバンスリサーチ株式会社、
シオノギビジネスパートナー株式会社、株式会社UMNファーマ、Pharmira株式会社、Shionogi Inc.、
Tetra Therapeutics Inc.、Shionogi B.V.、台湾塩野義製薬股份有限公司、北京塩野義医薬科技有限公司、
平安塩野義(香港)有限公司、平安塩野義(中国)有限公司
その他36社
事業の内容と当社グループ各社の当該事業における位置付けを事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
また、当社グループの事業は、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売並びにこれらの付随業務を事業内容とする単一セグメントであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度末の資産合計は1兆3,118億円で、前連結会計年度末に比べて1,611億98百万円増加しました。
非流動資産は、5,276億7百万円で、仕掛研究開発資産等の無形資産の増加やその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の増加等により前連結会計年度末に比べて362億11百万円増加となりました。流動資産は7,841億92百万円で、現金及び現金同等物、3ヶ月超の定期預金および債券(流動資産のその他の金融資産に含みます)の増減、その他の流動資産、営業債権の増減等の結果、前連結会計年度末に比べて1,249億86百万円増加しました。
資本については1兆1,218億78百万円となり、当期利益の計上と配当金の支払、自己株式の取得、在外営業活動体の外貨換算差額(その他の資本の構成要素に含みます)が増加した結果、前連結会計年度末に比べて1,285億92百万円増加しました。
負債については1,899億21百万円で、前連結会計年度末に比べて326億5百万円増加しました。
非流動負債は313億69百万円で、前連結会計年度末に比べて15億50百万円減少しました。流動負債は1,585億52百万円で、未払法人所得税の増加等により、前連結会計年度末に比べて341億55百万円増加しました。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)の経営成績は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
※ 会社の経常的な収益性を示す利益指標として「コア営業利益」を設定し、これを当社独自の業績管理指標として採用しております。「コア営業利益」は、営業利益から非経常的な項目(減損損失、有形固定資産売却益等)を調整した利益となります。
売上収益は、4,267億円(前期比27.3%増)となり、過去最高の売上収益を達成しました。ゾコーバの売上を含めた国内医療用医薬品の売上収益は1,797億円(前期比101.7%増)となりました。また、海外子会社および輸出の売上収益は、セフィデロコル※の米欧での売上の伸長により、425億円(前期比23.7%増)となりました。さらに、HIVフランチャイズに関するロイヤリティー収入は、導出したHIVフランチャイズの売上が伸長しましたが、2021年度においてヴィーブよりギリアドとの特許侵害訴訟の和解に伴う一時金を受領したことにより、1,685億円(前期比3.2%減)となりました。
営業利益は、COVID-19に対する治療薬、ワクチンなどの最優先課題や注力プロジェクトへの投資による研究開発費の増加やZatolmilastのアルツハイマー型認知症での開発計画の見直しに伴う減損損失の計上などがありましたが、売上収益の増加に伴い1,490億円(前期比35.1%増)となりました。また、前述の減損損失などの特殊要因を除くコア営業利益は1,585億円(前期比43.3%増)でした。
税引前利益は2,203億円(前期比74.5%増)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前第1四半期に大阪国税局からの更正処分に対する取消請求訴訟の勝訴に関する還付金を受領した影響により、1,850億円(前期比62.0%増)にとどまりました。
2022年度は積極的に行ってきたCOVID-19関連事業に対する先行投資が収益化し、売上収益およびすべての利益項目において、創業来の最高業績を実現しました。2023年度は、感染症ビジネスのグローバル展開によるトップラインの成長と、中長期の成長に向けた新規事業・成長ドライバーの確立を最優先課題として取り組んでまいります。
※ 米国の製品名:Fetroja、欧州の製品名:Fetcroja
・COVID-19関連製品
COVID-19関連製品に関して、2022年11月22日に開催された薬事・食品衛生審議会にて、ゾコーバの緊急承認制度に基づく製造販売承認を取得しました。そして、速やかに国内の感染患者さまに本剤を広く提供できるよう、厚生労働省との間で締結した本剤の国内供給に関する基本合意書に基づき、日本政府が計200万人分のゾコーバを購入しました。その後、本剤の安定供給の見通しが立ったことから、2023年3月31日より一般流通を開始しました。これらの売上収益の計上により、COVID-19関連製品の売上収益は1,047億円となりました。
・国内医療用医薬品
国内の医療用医薬品の売上収益は750億円(前期比15.8%減)となりました。インチュニブとビバンセの売上は、それぞれ192億円(前期比17.0%増)、14億円(前期比81.2%増)と伸長しました。一方で、サインバルタの売上収益は、後発品参入の影響により54億円(前期比65.8%減)となりました。インフルエンザ関連製品群に関しては、3年ぶりにインフルエンザが流行したことで昨年に比べ医療機関での処方数は伸長し売上収益は42億円と増加しましたが、第2四半期に発生したゾフルーザ、ラピアクタの返品により、売上収益はマイナス11億円となりました。COVID-19関連製品を除く感染症薬の売上収益に関しては、74億円(前期比37.2%減)となりました。
・海外子会社および輸出
海外子会社および輸出の売上収益は、425億円(前期比23.7%増)となりました。米国での売上収益は、前第1四半期にFORTAMETの販売権などの移管に関する一時金を受領した影響を受けたものの、多剤耐性グラム陰性菌に効果を示すセフィデロコルが引き続き好調に推移し、セフィデロコルの売上収益は100億円(前期比59.5%増)となり、米国での売上収益は154億円(前期比12.2%増)となりました。欧州での売上収益は、セフィデロコルが好調に推移したことで、91億円(前期比81.4%増)となりました。また、セフィデロコルに関しては2022年度にスペインでの販売を新たに開始しました。引き続き、セフィデロコルの販売国とサブスクリプション型償還モデル※の採用国の拡大を通して、欧米事業の成長を進めてまいります。中国での売上収益は、COVID-19の流行に伴うロックダウンの影響を受けましたが、ジェネリック医薬品や南京工場における製造受託などの伸長により、120億円(前期比17.7%増)となりました。
※ 抗菌薬の処方量と切り離し、国が開発企業に対して固定報酬を支払う代わりに、必要なときに抗菌薬を受け取ることができるモデル
・ロイヤリティー収入およびヴィーブからの配当金収入
ヴィーブからのロイヤリティー収入は、2021年度にヴィーブのギリアドに対する特許侵害訴訟における和解に伴う一時金を受領していたことにより、1,685億円(前期比3.2%減)となりました。また、配当金に関しては、上記訴訟に伴う一時金をヴィーブが受領したことによる配当金の増加、前第4四半期に受領予定であったヴィーブからの配当金が第1四半期に期ずれしたことにより、612億円(前期比370.8%増)となりました。
ロシュからのロイヤリティー収入に関して、数年ぶりにグローバルでインフルエンザが流行したことに伴い、導出したゾフルーザの売上が伸長し、当期は9億円となりました。アストラゼネカからのロイヤリティー収入に関しては、クレストールの売上によるロイヤリティー収入を受領したことで、13億円(前期比15.4%増)となりました。
以上の結果から、2022年度のロイヤリティーおよび配当金収入全体は、2,359億円(前期比21.4%増)となりました。
・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しましたとおり、当社グループは、2023年6月にSTS2030を改定し、STS2030 Revisionとして再策定しました。
STS2030 Revisionでは、達成すべき財務経営指標として3つの成長性指標と3つの株主還元指標を設定しました。成長性指標については、トップラインの成長を優先して進めていくことから売上収益、またその成長をグローバルに成し遂げていくことから海外売上高 CAGR(Compound Annual Growth Rate:年平均成長率)、EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization:利払い・税引き・償却前利益)の3つを設定しております。また、株主還元指標として、事業成長と財務施策の観点からEPS、DOE、ROEの3つを継続して設定しております。
エンシトレルビルなどの感染症薬を中心にグローバルでのトップラインの成長を実現することで、各年度の売上収益および海外売上高 CAGR目標を達成するとともに、さらなる収益ドライバーを確立するためのM&Aや導入、アライアンスなどの事業開発機会の探索を継続し、価値に見合った投資を強固な財務基盤を活かして積極的に実行していくことで、経営指標の達成を目指してまいります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、その他流動資産増加の一方、税引前利益の増加、営業債権の減少、利息および配当金受取額の増加により、前連結会計年度に比べて757億99百万円多い1,778億67百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、無形資産の取得による支出増加の一方、定期預金や余資運用に係る有価証券の増減により、前連結会計年度に比べて479億11百万円少ない482億92百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得や配当金の支払いの増加により、前連結会計年度に比べて475億8百万円多い841億23百万円の支出となりました。
これらを合わせた当連結会計年度の現金及び現金同等物の増減額は548億3百万円の増加となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、3,092億24百万円となりました。
〔キャッシュ・フロー指標のトレンド〕
(注) 親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
1.指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としております。
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
(注) 金額は、正味販売見込価格により算出したものであります。
当連結会計年度における商品仕入実績は次のとおりであります。
(注) 金額は、実際仕入額によっております。
当社グループは、主として販売計画に基づいて生産計画をたてて生産しております。
当社及び一部の連結子会社で受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
(注) 1.販売金額は、外部顧客に対する売上収益を表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
※前連結会計年度の厚生労働省に対する販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4) 重要な会計上の判断、見積り及び仮定」をご参照ください。