売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E01086 IFRS

売上高

4.31兆 円

前期

4.11兆 円

前期比

105.0%

時価総額

4.78兆 円

株価

6,692 (04/19)

発行済株式数

713,698,221

EPS(実績)

472.68 円

PER(実績)

14.16 倍

平均給与

748.3万 円

前期

748.5万 円

前期比

100.0%

平均年齢(勤続年数)

41.6歳(15.2年)

従業員数

14,106人(連結:125,199人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、当社、子会社239社(うち連結子会社239社)、及び関連会社等128社(うち持分法適用会社128社)により構成されており、「日本」「中国・アジア・大洋州」「米州」「欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ」の報告セグメント及びその他のセグメント区分で以下の事業を行っております。

 なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント」に記載のとおりであります。

 

セグメントの名称

主要な事業

主要会社

日本

プレミアムタイヤ事業

ソリューション事業

化工品・多角化事業[スポーツ、サイクル]

[統括・製造・販売]

当社

[タイヤ販売統括]

ブリヂストンタイヤソリューションジャパン㈱

[タイヤ販売]

ブリヂストンリテールジャパン㈱

 

BRIDGESTONE MINING SOLUTIONS LATIN AMERICA S.A.

 

BRIDGESTONE MINING SOLUTIONS AUSTRALIA PTY. LTD.

[化工品販売]

ブリヂストン化工品ジャパン㈱

[ゴルフ用品製造・販売]

ブリヂストンスポーツ㈱

[自転車等製造・販売]

ブリヂストンサイクル㈱

中国・

アジア・

大洋州

プレミアムタイヤ事業

ソリューション事業

[統括・販売]

BRIDGESTONE ASIA PACIFIC PTE. LTD.

 

普利司通(中国)投資有限公司

[タイヤ製造・販売]

普利司通(無錫)輪胎有限公司

 

THAI BRIDGESTONE CO., LTD.

 

BRIDGESTONE TIRE MANUFACTURING (THAILAND) CO., LTD.

 

PT BRIDGESTONE TIRE INDONESIA

[タイヤ販売]

BRIDGESTONE AUSTRALIA LTD.

米州

プレミアムタイヤ事業

ソリューション事業

多角化事業[空気バネ]

[統括]

BRIDGESTONE AMERICAS, INC.

[タイヤ製造・販売]

BRIDGESTONE AMERICAS TIRE OPERATIONS, LLC

 

BRIDGESTONE BANDAG, LLC

 

BRIDGESTONE CANADA INC.

 

BRIDGESTONE DE MEXICO, S.A. DE C.V.

 

BRIDGESTONE DO BRASIL INDUSTRIA E COMERCIO LTDA.

 

BRIDGESTONE ARGENTINA S.A.I.C.

[タイヤ販売]

BRIDGESTONE RETAIL OPERATIONS, LLC

[タイヤ原材料製造・販売]

FIRESTONE POLYMERS, LLC

[空気バネ製造・販売]

FIRESTONE INDUSTRIAL PRODUCTS COMPANY, LLC

欧州・

ロシア・

中近東・

インド・

アフリカ

プレミアムタイヤ事業

ソリューション事業

[統括・販売]

BRIDGESTONE EUROPE NV/SA

[タイヤ製造・販売]

BRIDGESTONE POZNAN SP. Z O.O.

 

BRIDGESTONE STARGARD SP.Z O.O.

 

BRIDGESTONE HISPANIA MANUFACTURING S.L.U.

 

BRIDGESTONE INDIA PRIVATE LTD.

 

BRIDGESTONE SOUTH AFRICA (PTY) LTD.

[タイヤ販売]

FIRST STOP AYME SAS

 

BRIDGESTONE MIDDLE EAST & AFRICA FZE

その他

その他の事業

[ファイナンスほか]

ブリヂストンファイナンス㈱

 

BRIDGESTONE TREASURY SINGAPORE PTE. LTD.

(注)1 プレミアムタイヤ事業は主に乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、スペシャリティ系タイヤ(鉱山・建設車両用、航空機用、農業車両用、モーターサイクル用)事業を行っております。

2 ソリューション事業は小売サービスソリューション事業、タイヤセントリックソリューション事業、モビリティソリューション事業を行っております。

3 化工品事業は主に油圧・高機能ホース、ゴムクローラ、樹脂配管、免震ゴム事業を行っております。

4 ロシア事業は2023年12月に譲渡が完了しております。

24/03/26

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度より、当社グループではグローバルサプライチェーンマネジメントへの日本の生産拠点の貢献を評価する目的から、一般タイヤ取引における日本の輸出損益について、「全社又は消去」から「日本」セグメントへ変更しております。これにより、前連結会計年度の数値についても新たなセグメント区分に組み替えたうえで表示しております。

また、当社グループは米国建築資材事業、防振ゴム事業、化成品ソリューション事業を非継続事業に分類しており、前連結会計年度及び当連結会計年度の金額から非継続事業を控除しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント」に記載のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において、判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

a.業績全般

 

当連結会計年度

前連結会計年度

増減

金額

比率

 

億円

億円

億円

売上収益

43,138

41,101

+2,037

+5

調整後営業利益

4,806

4,826

△20

△0

営業利益

4,818

4,413

+405

+9

税引前当期利益

4,442

4,235

+207

+5

親会社の所有者に帰属する当期利益

3,313

3,003

+310

+10

 

 当社グループは、企業理念の「使命」として掲げる「最高の品質で社会に貢献」の下、「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンの実現に向け、2021年2月に発表した中期事業計画(2021-2023)に沿って活動を進めてまいりました。また、使命、ビジョンの下に、従業員、社会、パートナー、お客様と共に持続的な社会を支えることにコミットする「Bridgestone E8 Commitment」を企業コミットメントとして制定し、これを価値創造の軸及びベクトルとしております。当社創立100周年となる2031年へ向けて実現したい姿を描いた「2030年 長期戦略アスピレーション(実現したい姿)」を道筋として、歩みを進めております。

 当連結会計年度は、下期以降に顕著となった米欧の市販用トラック・バス用タイヤの需要減速及び低迷などを背景に、想定以上に厳しい事業環境となる中、中期事業計画(2021-2023)の最終年として「実行と結果」に拘り、変化に対応できる強いブリヂストンへ戻すことを目指し、プレミアムタイヤ事業における「稼ぐ力の再構築」と、厳しい事業環境においてもプレミアムタイヤ生産強化を中心に戦略的成長投資を厳選して実行し、「将来への布石を打つ」ことに注力いたしました。

 

 プレミアムタイヤ事業においては、市販用タイヤの全体需要環境が厳しく、グローバルの販売数量が前連結会計年度比減少する中、プレミアム領域へのフォーカスを一層強化いたしました。市販用乗用車用タイヤにおいては、戦略的価格マネジメントを推進すると共に、環境変化に対する影響が比較的少なく安定した需要を維持した高インチタイヤの販売拡大を中心に、赤字・不採算領域の削減を推進すると共に、高性能・高付加価値な断トツ商品を投入し、販売MIX改善を徹底いたしました。高い商品力、サービス拠点網などの強いビジネス基盤を持つ北米での市販用トラック・バス用タイヤにおいては、想定した以上に新品タイヤの需要が厳しくなる中、リトレッド(更生)タイヤを組み合わせ、プレミアム領域における新品タイヤ、リトレッドタイヤのシェアを向上することができました。また、断トツ商品を基盤にタイヤのメンテナンス・サービスなど現物現場の強い力を発揮し、堅調な販売・シェア向上を達成した鉱山車両用タイヤが、厳しい事業環境下、全社業績を下支えした結果となりました。一方で、これまでも収益性や事業基盤の面で当社グループの経営課題であった欧州事業については、厳しい事業環境下に、販売チャネル基盤などの弱さが顕在化し、その改善へ向けた課題が残っております。米州事業では、超インフレ会計(注)を適用しておりますアルゼンチンにおいて、大幅な通貨の切り下げ影響が業績を大きく押し下げ、全社業績にネガティブな影響を与えました。

 以上を踏まえ、当連結会計年度の業績については、変化への対応不足が顕在化し、変化を捉える兆候管理、変化へ素早く対応する感度、PDCAサイクルの質・スピードの改善が来期へ向けて急務となり、期初に目標としていた「変化に対応できる強いブリヂストン」へは課題を残す結果となりました。売上収益は、米欧の市販用トラック・バス用タイヤ需要の大幅な減少に起因する販売数量減少及びアルゼンチンの超インフレ会計による影響がある中、市販用乗用車用プレミアムタイヤ(18インチ以上高インチタイヤ、各地域において高収益なプレミアムタイヤブランドなど)の販売拡大による販売MIX改善、鉱山車両用タイヤの前連結会計年度比販売数量増を達成し、為替の追い風もあり前連結会計年度比で増収となりました。調整後営業利益については、原材料価格・インフレ(エネルギー費、労務費等)等による原価・経費面のマイナス影響を売値・販売MIXの改善でカバーし、徹底した経費マネジメント・生産現場の生産性改善に継続的に取り組みましたが、販売数量減少による工場操業度悪化による加工費増及びアルゼンチンの超インフレ会計に関連する減益が大きく影響し、為替影響込みで前連結会計年度比減益となりました。アルゼンチンの超インフレ会計による前連結会計年度比減益影響は約100億円であり、当該影響を除けば前連結会計年度比増益となりました。調整後営業利益率は前連結会計年度比0.6ポイント低下の11.1%と前連結会計年度に及ばず、今後も、変化に対応できるビジネス体質の向上に向けて取り組みを加速してまいります。

 以上の結果、当社グループの当連結会計年度の売上収益は43,138億円(前連結会計年度比5%増)、調整後営業利益は4,806億円(前連結会計年度比0.4%減)、営業利益は4,818億円(前連結会計年度比9%増)、税引前当期利益は4,442億円(前連結会計年度比5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は3,313億円(前連結会計年度比10%増)となりました。

 

(注) IAS第29号超インフレ会計

 

b.セグメント別業績

 

 

当連結会計年度

前連結会計年度

増減

金額

比率

 

日本

 

億円

億円

億円

売上収益

12,424

11,571

+854

+7

調整後営業利益

2,065

1,506

+559

+37

中国・アジア・大洋州

売上収益

4,611

4,570

+41

+1

調整後営業利益

416

399

+17

+4

米州

売上収益

20,800

19,880

+920

+5

調整後営業利益

2,120

2,512

△392

△16

欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ

(注)

売上収益

9,085

8,700

+385

+4

調整後営業利益

251

664

△412

△62

その他

売上収益

784

805

△21

△3

調整後営業利益

56

73

△17

△24

連結 合計

売上収益

43,138

41,101

+2,037

+5

調整後営業利益

4,806

4,826

△20

△0

(注) ロシア事業は2023年12月に譲渡が完了しております。

 

[日本]

 売上収益は12,424億円(前連結会計年度比7%増)、調整後営業利益は2,065億円(前連結会計年度比37%増)となりました。

 市販用乗用車及び小型トラック用タイヤ、並びにトラック・バス用タイヤの販売本数は前連結会計年度比で下回った一方で、戦略的価格マネジメントに加え、低採算領域の削減によりプレミアム領域へのフォーカスを強化し、原材料高騰・インフレ影響を売値・販売MIX改善でカバーいたしました。鉱山車両用タイヤの販売拡大並びに乗用車用及びトラック・バス用タイヤの海外向け輸出が堅調であったことに加え、為替円安の追い風もあり前連結会計年度比増収増益となりました。

[中国・アジア・大洋州]

 売上収益は4,611億円(前連結会計年度比1%増)、調整後営業利益は416億円(前連結会計年度比4%増)となりました。

 販売本数では、新車用・市販用合計にて乗用車及び小型トラック用タイヤは前連結会計年度を下回り、トラック・バス用タイヤは前連結会計年度並みに推移した一方で、域内各国での売値改善、プレミアム領域へのフォーカス徹底による販売MIX改善を達成し、為替円安の追い風もあり前連結会計年度比増収増益となりました。

[米州]

 売上収益は20,800億円(前連結会計年度比5%増)、調整後営業利益は2,120億円(前連結会計年度比16%減)となりました。

 北米タイヤ事業において、販売本数は新車用・市販用を合わせて、乗用車及び小型トラック用タイヤ全体では前連結会計年度並みとなり、トラック・バス用タイヤは大幅な需要減速の影響もあり、前連結会計年度を大きく下回りました。一方で、売値・販売MIXは着実に改善いたしました。コスト面においては、インフレ及び販売本数減により生産調整を行い、加工費が悪化したことに加え、アルゼンチンの超インフレ会計に関連する減益が大きく影響し、為替の追い風があったものの前連結会計年度比増収減益となりました。

 

[欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ]

 売上収益は9,085億円(前連結会計年度比4%増)、調整後営業利益は251億円(前連結会計年度比62%減)となりました。

 欧州事業において、販売本数は市販用乗用車及び小型トラック用タイヤ並びにトラックバス用タイヤにて前連結会計年度を大幅に下回り、特にトラック・バス用タイヤでは需要低迷が続き販売へ大きく影響いたしました。これに対し、市販用乗用車用タイヤを中心に、戦略的価格マネジメント・低採算領域の削減を加速することで対応し、売値・販売MIXは改善した一方で、コスト面におけるインフレ及び販売本数減のための生産調整による加工費悪化が大きく、為替の追い風があったものの前連結会計年度比増収減益となりました。

 

(注) セグメント別の金額はセグメント間の取引を含んでおり、連結合計の金額はそれらを消去した後の数値であります。

c.財政状態

(流動資産)

 流動資産は、棚卸資産が167億円、売却目的で保有する資産が256億円減少したものの、現金及び現金同等物が2,057億円増加したことなどから、前連結会計年度末比1,848億円増加(同7%増)し、26,974億円となりました。

(非流動資産)

 非流動資産は、有形固定資産が1,818億円、無形資産が409億円増加したことなどから、前連結会計年度末比2,808億円増加(同11%増)し、27,304億円となりました。

(流動負債)

 流動負債は、引当金が161億円減少したものの、社債及び借入金が1,502億円、未払法人所得税等が373億円増加したことなどから、前連結会計年度末比1,790億円増加(同16%増)し、12,648億円となりました。

(非流動負債)

 非流動負債は、リース負債が133億円増加したものの、社債及び借入金が1,058億円減少したことなどから、前連結会計年度末比1,063億円減少(同12%減)し、7,576億円となりました。

 なお、流動負債及び非流動負債に計上された有利子負債(注)の合計は、前連結会計年度末比630億円増加(同8%増)し、8,302億円となりました。

(注) 有利子負債には社債及び借入金、リース負債を含んでおります。

(資本)

 資本合計は、配当金(親会社の所有者)により1,301億円減少したものの、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により3,313億円増加したことなどから、前連結会計年度末比3,929億円増加(同13%増)し、34,054億円となりました。

 

 これらの結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて4,656億円増加(同9%増)し、54,278億円となりました。また、当連結会計年度の親会社所有者帰属持分比率は61.8%となり、前連結会計年度末比2.0ポイントの上昇となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 

当連結会計年度

前連結会計年度

増減

金額

 

億円

億円

億円

営業活動によるキャッシュ・フロー

6,614

2,685

+3,930

投資活動によるキャッシュ・フロー

△2,977

△3,380

+403

財務活動によるキャッシュ・フロー

△1,837

△3,641

+1,805

現金及び現金同等物に係る換算差額

255

652

△397

現金及び現金同等物の増減額

2,055

△3,685

+5,740

現金及び現金同等物の期首残高

5,189

7,875

△2,686

売却目的で保有する資産に含まれる現金及び現金同等物の増減額

998

△997

現金及び現金同等物の期末残高

7,246

5,189

+2,057

 

 当連結会計年度における当社グループの現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、全体で2,057億円増加(前連結会計年度は2,686億円の減少)し、当連結会計年度末には7,246億円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金収支は、6,614億円の収入(前連結会計年度比3,930億円の収入増)となりました。これは、未払賞与の減少額108億円(前連結会計年度は13億円)や、営業債務及びその他の債務の減少額553億円(前連結会計年度は営業債務及びその他の債務の増加額525億円)や、法人所得税の支払額580億円(前連結会計年度は862億円)などがあったものの、税引前当期利益4,442億円(前連結会計年度は4,235億円)や、減価償却費及び償却費3,058億円(前連結会計年度は2,821億円)や、営業債権及びその他の債権の減少額568億円(前連結会計年度は営業債権及びその他の債権の増加額1,396億円)や、棚卸資産の減少額853億円(前連結会計年度は棚卸資産の増加額1,954億円)などがあったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金収支は、2,977億円の支出(前連結会計年度比403億円の支出減)となりました。これは、有形固定資産の売却による収入296億円(前連結会計年度は277億円)や、投資有価証券の売却による収入279億円(前連結会計年度は29億円)や、貸付金の回収による収入149億円(前連結会計年度は195億円)などがあったものの、有形固定資産の取得による支出2,824億円(前連結会計年度は2,213億円)や、無形資産の取得による支出605億円(前連結会計年度は334億円)や、長期貸付けによる支出211億円(前連結会計年度は289億円)などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金収支は、1,837億円の支出(前連結会計年度比1,805億円の支出減)となりました。これは、短期借入金の増加額209億円(前連結会計年度は216億円)や、長期借入れによる収入231億円(前連結会計年度は6億円)などがあったものの、長期借入金の返済による支出207億円(前連結会計年度は541億円)や、リース負債の返済による支出684億円(前連結会計年度は658億円)や、配当金の支払額(親会社の所有者)1,300億円(前連結会計年度は1,190億円)などがあったことによるものであります。

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)(注1)

前連結会計年度比(%)

日本

798,975

+4.4

中国・アジア・大洋州

363,838

+3.9

米州

1,611,785

△1.8

欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ(注2)

741,073

△4.7

合計

3,515,672

△0.5

  (注1) 金額は、販売価格によっております。

  (注2) ロシア事業は2023年12月に譲渡が完了しております。

 

b.受注実績

 当社グループは、少数の特殊製品(特殊ホース等)について受注生産を行うほかは、すべて見込生産であります。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

日本

946,547

+6.4

中国・アジア・大洋州

398,135

+5.7

米州

2,063,073

+4.7

欧州・ロシア・中近東・インド・アフリカ(注)

888,479

+3.7

その他

17,543

+3.8

全社又は消去

23

△42.0

合計

4,313,800

+5.0

  (注) ロシア事業は2023年12月に譲渡が完了しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年3月26日)現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。

 なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因や当該事項への対応については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 (売上収益、調整後営業利益及び営業利益)

 売上収益、調整後営業利益及びセグメント別の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。また、営業利益は、上記による影響に加えて、その他の一時的かつ多額の費用が178億円、減損損失が157億円それぞれ減少したことなどにより前連結会計年度比405億円増加(同9%増)し、4,818億円となりました。

 この結果、調整後営業利益率は11.1%となり、前連結会計年度比0.6ポイントの低下となりました。

 (親会社の所有者に帰属する当期利益)

 親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比310億円増加(同10%増)し、3,313億円となりました。これは、金融費用が364億円増加したものの、営業利益が405億円増益、金融収益が171億円増加したことなどによるものです。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

 現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比2,057億円増加し、7,246億円となりました。なお、活動区分ごとのキャッシュ・フローについては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 資金調達にあたっては、金融機関からの借入れに加え、引き続き、国内普通社債やコマーシャル・ペーパーなどの直接金融手段や、売上債権の証券化、リースの活用など、リスク分散や金利コストの抑制に向けその多様化を図ってまいります。

 資金使途につきましては、主に稼ぐ力の強化、価値創造へのフォーカス、サステナブルなプレミアムブランド構築のための戦略的成長投資による持続的な成長と企業価値向上の実現を優先しつつ、適正な財務体質の維持と株主還元に活用してまいります。

 

④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、2023年に最終年を迎えた中期事業計画(2021-2023:2023年度 売上収益3兆3,000億円レベル、調整後営業利益4,500億円レベル、調整後営業利益率13%レベル、ROIC10%レベル、ROE12%レベル)においては、事業環境の変化に対応できる強いブリヂストンへ戻すことを目指して歩を進めてまいりました。

 当連結会計年度においては、売上収益4兆3,138億円、調整後営業利益4,806億円、調整後営業利益率11.1%、ROIC8.7%、ROE10.4%となりました。

(注) ROEにつきましては、親会社の所有者に帰属する当期利益のうち継続事業に係る金額に基づいて算出しております。