売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E01121 IFRS

売上高

7,635.2億 円

前期

6,005.7億 円

前期比

127.1%

時価総額

482.6億 円

株価

528 (03/29)

発行済株式数

91,395,299

EPS(実績)

-369.40 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

741.6万 円

前期

734.0万 円

前期比

101.0%

平均年齢(勤続年数)

46.9歳(22.9年)

従業員数

1,707人(連結:24,880人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社及び当社の関係会社(子会社184社(内連結子会社184社)、ジョイント・ベンチャー及び関連会社20社(内持分法適用会社20社)(2023年3月31日現在))においては、建築用ガラス事業、自動車用ガラス事業及び高機能ガラス事業を主として行っており、その製品はあらゆる種類にわたっています。各事業における当社及び関係会社の位置付け等は次の通りです。

(建築用ガラス事業)
 建築用ガラス事業は、建築材料市場向けの板ガラス製品及び内装外装用加工ガラス製品を製造・販売しており、当連結会計年度における当社グループの売上高のうち48%を占めています。太陽電池パネル用ガラス事業も、ここに含まれます。

《主な関係会社》

日本板硝子ビルディングプロダクツ(株)、(株)サンクスコーポレーション、日本板硝子ウインテック(株)、Pilkington United Kingdom Ltd.、Pilkington Technology Management Ltd.、Pilkington Deutschland AG、Pilkington Austria GmbH、Pilkington Norge AS、Pilkington IGP Sp.z o.o.、Pilkington Polska Sp.z o.o.、Pilkington Italia S.p.A.、NSG Glass North America, Inc.、Pilkington North America, Inc.、Vidrieria Argentina S.A.、Vidrios Lirquen S.A.、Pilkington Brasil Ltda.、Malaysian Sheet Glass Sdn. Bhd.、Vietnam Float Glass Co.,Ltd.、NSG Vietnam Glass Industries Ltd.

(自動車用ガラス事業)

 自動車用ガラス事業は、新車組立用及び補修用市場向けに種々のガラス製品を製造・販売しており、当社グループの売上高のうち47%を占めています。

《主な関係会社》

 Pilkington Automotive Ltd.、Pilkington Technology Management Ltd.、Pilkington Automotive Deutschland GmbH、Pilkington Automotive Finland Oy、Pilkington Automotive Poland Sp.z o.o.、Pilkington Italia S.p.A.、Pilkington North America, Inc.、L-N Safety Glass SA de CV、Pilkington Automotive Argentina S.A.、Pilkington Brasil Ltda.、Malaysian Sheet Glass Sdn. Bhd.

 

(高機能ガラス事業)

 高機能ガラス事業は、当社グループの売上高のうち5%を占めており、ディスプレイのカバーガラスなどに用いられる薄板ガラス、プリンター向けレンズ及び光ガイドの製造・販売、並びにエンジン用タイミングベルト部材などのガラス繊維製品の製造・販売など、いくつかの事業からなっています。

《主な関係会社》

NGF Europe Ltd.、Suzhou NSG Electronics Co.,Ltd.、NSG Hong Kong Co.,Ltd.、NGF Canada Ltd.

(その他)

 その他には、全社費用、連結調整、前述の各セグメントに含まれない小規模な事業、並びにピルキントン社買収に伴い認識された無形資産の償却費が含まれます。

 

《主な関係会社》

NSG Holding (Europe) Ltd.、NSG UK Enterprises Ltd.、Pilkington Group Ltd.、Pilkington Finance Ultd.、Pilkington Holding GmbH、Dahlbusch AG、NSG Asia Pte. Ltd.

 

(持分法適用会社)

《主な持分法適用会社》

Cebrace Cristal Plano Ltda.、SP Glass Holdings B.V.、Flachglas Wernberg GmbH、SYP Kangqiao Autoglass Company Limited、Holding Concorde S.A.S.

 

<事業系統図>

 事業系統図によって示すと、次の通りになります。

無印

連結子会社

184

社)

持分法適用会社

20

社)

 

※画像省略しています。

 

23/06/30

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績等の概要

(単位:百万円)

 

売上高

個別開示項目前

営業利益

税引前利益

当期利益

親会社の所有者に帰属する

当期利益

当連結会計年度

763,521

34,812

△21,933

△31,017

△33,761

前連結会計年度

600,568

19,980

11,859

6,759

4,134

増減率

27.1%

74.2%

 

1)全体の状況

 2023年3月期第4四半期において当社グループが事業を行う市場環境は、概ね安定していました。建築用ガラス市場は、欧州での需要は引き続きやや軟調に推移しましたが、その他の地域では比較的堅調でした。エネルギーに関連する投入コストは当第4四半期において下落しましたが、過去の水準と比較すると依然として高い水準にあります。原材料も含めた投入コスト高は、引き続き販売価格の上昇により吸収しました。太陽電池パネル用ガラスの需要も堅調でした。自動車用ガラス市場は、半導体を中心とした自動車部品不足の影響から引き続き緩やかに回復しました。また、上昇した投入コストの取引先に対する転嫁もさらに進展しました。高機能ガラス市場は当第4四半期においてやや減速しました。

 

2)セグメント別の状況

 当社グループの事業は、建築用ガラス事業、自動車用ガラス事業、高機能ガラス事業の3種類のコア製品分野からなっています。

 「建築用ガラス事業」は、建築材料市場向けの板ガラス製品及び内装外装用加工ガラス製品を製造・販売しており、当連結会計年度における当社グループの売上高のうち48%を占めています。太陽電池パネル用ガラス事業も、ここに含まれます。

 「自動車用ガラス事業」は、新車組立用及び補修用市場向けに種々のガラス製品を製造・販売しており、当社グループの売上高のうち47%を占めています。

 「高機能ガラス事業」は、当社グループの売上高のうち5%を占めており、ディスプレイのカバーガラスなどに用いられる薄板ガラス、プリンター向けレンズ及び光ガイドの製造・販売、並びにエンジン用タイミングベルト部材などのガラス繊維製品の製造・販売など、いくつかの事業からなっています。

 「その他」には、全社費用、連結調整、前述の各セグメントに含まれない小規模な事業、並びにピルキントン社買収に伴い認識された無形資産の償却費が含まれています。

 

 セグメント別の業績概要は下表の通りです。

 

(単位:百万円)

 

売上高

個別開示項目前営業利益

 

当連結会計年度

前連結会計年度

当連結会計年度

前連結会計年度

建築用ガラス事業

365,947

281,816

33,557

28,130

自動車用ガラス事業

354,693

276,246

4,052

△7,908

高機能ガラス事業

38,754

39,770

8,733

9,907

その他

4,127

2,736

△11,530

△10,149

合計

763,521

600,568

34,812

19,980

 

建築用ガラス事業

 当連結会計年度における建築用ガラス事業の売上高は3,659億円(前連結会計年度は2,818億円)、個別開示項目前営業利益は336億円(前連結会計年度は281億円)となりました。販売価格の改善及び円安の影響を受け、売上高・営業利益ともに前年度から増加しました。

 欧州における建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の43%を占めています。売上高は、販売価格の上昇と為替影響の結果、大幅に増加しました。営業利益は、高騰したエネルギーに関連する投入コストを販売価格の改善により吸収し、前年度と同水準でした。当第4四半期ではエネルギー価格は下落しましたが、燃料サーチャージ制の影響もあり販売価格も低下したためその恩恵を受けることはできませんでした。また、当第4四半期ではインフレの進行と金利上昇により企業の景況感や消費者マインドが悪化し、販売数量はやや減少しました。

 アジアにおける建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の27%を占めています。売上高・営業利益ともに前年度を上回りました。市場環境は販売数量増加と販売価格上昇に伴い改善し、安定した操業とともに、投入コスト増加の影響を相殺しました。

 米州における建築用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の30%を占めています。売上高・営業利益ともに前年度比で増加しました。北米では、需要は好調だったものの上半期は販売数量が物流の制約の影響を多少受けましたが、下半期にはその制約も緩和されました。また、第3四半期からアルゼンチンで2基目のフロート窯が生産を開始しました。

 

自動車用ガラス事業

 当連結会計年度における自動車用ガラス事業の売上高は3,547億円(前連結会計年度は2,762億円)、個別開示項目前営業利益は41億円(前連結会計年度は79億円の損失)となり通期でも黒字となりました。これは、営業利益が当第4四半期においてもさらに改善したためです。販売数量は引き続き徐々に増加するとともに取引先に対する販売価格上昇も合意に達し、高騰した投入コストを相殺しました。

 欧州における自動車用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の42%を占めています。売上高は増加しましたが、一部為替の影響によるものもあります。販売数量は自動車メーカーにおける半導体等部品不足の影響を受けましたが、下半期において徐々に緩和しました。収益性は引き続き投入コスト上昇の影響を受けましたが、第2四半期以降多くの取引先との価格交渉が進捗し、販売価格が改善したため、その影響を大きく軽減しました。補修用市場向けの販売数量は好調でした。

 アジアにおける自動車用ガラス事業の売上高は、グループ全体における当事業売上高の20%を占めています。売上高及び営業利益は前年度比で増加しましたが、これは投入コスト上昇の影響を緩和するために取引先との価格改善交渉を進めた結果です。

 米州における自動車用ガラス事業の売上高はグループ全体における当事業売上高の38%を占めています。売上高は為替の影響を受けて前年度比で増加しましたが、営業利益は減少しました。北米での需要は、多くの取引先で引き続きサプライチェーンの問題の影響を受けましたが、自動車メーカーによる在庫の積み増しの影響を受け好調でした。南米での需要は比較的堅調で、ブラジルとアルゼンチンでは販売数量が改善しました。

 

高機能ガラス事業

 当連結会計年度における高機能ガラス事業の売上高は388億円(前連結会計年度は398億円)、個別開示項目前営業利益は87億円(前連結会計年度は99億円)となりました。売上高・営業利益は前年度にバッテリーセパレーター事業を譲渡したためわずかに減少しました。バッテリーセパレーター事業譲渡による売上高・営業利益への影響は、存続している事業の好調な市場環境により概ね相殺されていますが、下半期には新型コロナウイルスに関連したロックダウンと景気減速の影響を受けました。

 ファインガラス事業では、景気減速の影響を一部受けましたが、継続的なコスト削減による事業基盤の強化により、業績は引き続き安定していました。情報通信デバイス事業では、取引先における半導体等部品不足の影響から徐々に回復したため売上高は安定していましたが、プリンター用レンズの需要は北米や欧州でのインフレの影響によりわずかに減少しました。エンジンのタイミングベルト用グラスコードの潜在的需要自体は安定しているものの、販売数量は引き続き取引先におけるサプライチェーンの問題による影響を受けました。メタシャイン®の売上高は、自動車塗料及び化粧品向けでわずかに改善しました。

 

 

その他

 当連結会計年度におけるその他の売上高は41億円(前連結会計年度は27億円)、個別開示項目前営業損失は115億円(前連結会計年度は101億円)となりました。

 このセグメントには、全社費用、連結調整、前述の各セグメントに含まれない小規模な事業、並びにピルキントン社買収に伴い認識された無形資産の償却費が含まれています。

 

持分法適用会社

 持分法で会計処理される投資に係る利益には、持分法による投資利益及び持分法投資に関するその他の利益(損失)が含まれており、当連結会計年度においては、純額で58億円(前連結会計年度は41億円)となりました。

 

 持分法による投資利益(純額)は前年度を上回りました。これは主に、当社グループのロシアにおけるジョイント・ベンチャーに対する投資について減損額が減少したためです。前連結会計年度において、投資の一部について減損損失を認識したことに伴い、当連結会計年度におけるロシアのジョイント・ベンチャーに対する持分法による投資利益を即時減損しています。前連結会計年度及び当連結会計年度に計上した減損損失は連結損益計算書では、持分法投資に関するその他の利益(損失)として表示しています。

 

(2)会計方針並びに重要な会計上の見積り、判断及び仮定

 連結財務諸表において採用している重要な会計方針については、第5〔経理の状況〕の1(1)連結財務諸表の「⑤連結財務諸表注記」に記載されている通りです。なお、これらの会計方針に基づく連結財務諸表上の資産・負債並びに収益・費用の額の決定に際しては、当該取引の実態や過去の実績等に照らし合理的と思われる見積りや判断を要することがあります。

 当連結会計年度末に実施したのれんの減損テストについては、⑤連結財務諸表注記 16.「のれん」をご参照ください。また、貸付を含むジョイント・ベンチャーへの長期的な投資の回収可能性については、注記 21「持分法で会計処理される投資」をご参照ください。

 

(3)財政状態の分析

 当社グループでは、今後の予測・見通しを踏まえて、既存の融資枠の範囲内で引き続き事業継続が可能なものと判断しています。当社グループは、既存の融資については、返済期限を迎える前にその更新を金融機関との間で交渉する方針としています。将来の借入条件に関する金融機関との交渉において、当社グループが受諾可能な条件での融資が不可能と想起させるような事実は発生していません。こうした状況を検討し、当社取締役会は、当社グループが予測可能な将来において継続事業として存続するのに十分な経営資源を引き続き有するという、合理的な見通しを持っています。従って、当社グループは、引き続き継続企業の前提に基づいて、当連結会計年度の連結財務諸表を作成しています。

 

1)総資産

 当連結会計年度末の総資産は9,514億円となり、前連結会計年度末より121億円増加しました。総資産の増加は主に円安影響によるものですが、ピルキントン社買収に伴い認識したのれん及び無形資産の減損により一部相殺されました。また、販売数量増加及び販売価格上昇の結果売上債権が増加し、エネルギー価格の上昇により棚卸資産も増加しました。

 

2)ネット借入残高

 2023年3月末時点のネット借入残高は、2022年3月末より428億円増加して4,079億円となりました。ネット借入の増加は、主に為替影響とエネルギーに関連したデリバティブ金融資産の減少によるものです。為替影響によるネット借入の増加は159億円でした。また、総借入残高は4,951億円となりました。当社グループは2023年3月31日時点で未使用の融資枠を462億円保有しており、これに加えて未引き出しのコミット型タームローンが83億円あります。

 

3)資本

 当連結会計年度末時点の資本合計は1,249億円となり、前連結会計年度末の1,694億円から445億円減少しました。

資本合計の減少は、主にのれん及び無形資産の減損損失の認識に伴うものです。

 

(4)経営成績の分析

1)売上高

 当連結会計年度の売上高は、建築用ガラス事業及び自動車用ガラス事業の増収により前年度比27%増の7,635億円(前連結会計年度は6,006億円)となりました。為替の影響を除くと売上高は前年度比21%増となりました。

 

2)個別開示項目前営業利益

 個別開示項目前営業利益は348億円(前連結会計年度は200億円)となりました。

 

 

3)税引前損失

 当連結会計年度の税引前損失は219億円となりました(前連結会計年度は119億円の利益)。

 税引前損益の悪化は、主に第2四半期に計上したのれん及び無形資産の減損損失488億円を含む個別開示項目費用452億円(純額)の特別損失によるものです。これは、2006年のピルキントン社買収に伴い認識した当社グループの欧州における自動車用ガラス事業ののれん及び無形資産残高全額について減損損失を計上したものです。

 

4)親会社の所有者に帰属する当期損失

 親会社の所有者に帰属する当期損失は、多額の個別開示項目費用を計上した結果、338億円(前連結会計年度は41億円の利益)となりました。

 

5)1株当たり指標

 連結会計年度の基本的1株当たり当期損失は393.06円となり、前連結会計年度の基本的1株当たり当期利益24.07円より悪化しました。基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益からA種種類株式に係る配当金を控除した金額を、発行済普通株式の加重平均数で除して算出しています。当連結会計年度において、A種種類株式に係る配当20億円(前連結会計年度は20億円)がこの計算に含まれています。

 

(5)キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、485億円のプラスとなりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による377億円の支出等により346億円のマイナスとなりました。以上より、フリー・キャッシュ・フローは139億円のプラス(前年度は223億円のプラス)となりました。

 財務キャッシュ・フローと為替換算影響を考慮した後のベースで、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて85億円増加し、685億円となりました。

 

(6)生産・受注及び販売の実績

1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

建築用ガラス事業

380,634

130.4

自動車用ガラス事業

356,846

125.5

高機能ガラス事業

44,354

106.4

  報告セグメント計

781,834

126.5

その他

3,034

138.0

合計

784,868

126.5

(注)1.金額は、販売価格によっています。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

2)受注実績

 受注生産形態をとらない製品が多く、セグメント毎に示すことは難しいため記載していません。

 

3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

建築用ガラス事業

365,947

129.9

自動車用ガラス事業

354,693

128.4

高機能ガラス事業

38,754

97.4

  報告セグメント計

759,394

127.0

その他

4,127

150.8

合計

763,521

127.1

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれていません。

2.販売実績の「主な相手先別」は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載は行っていません。

3.セグメント間の取引については相殺消去しています。