売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E01876 Japan GAAP

売上高

590.1億 円

前期

596.4億 円

前期比

98.9%

時価総額

316.6億 円

株価

1,691 (04/19)

発行済株式数

18,722,800

EPS(実績)

-67.78 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

458.3万 円

前期

494.1万 円

前期比

92.8%

平均年齢(勤続年数)

39.3歳(14.6年)

従業員数

1,962人(連結:5,007人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループは、当社(I‐PEX株式会社)及び子会社20社により構成されており、電気・電子部品事業、自動車部品事業及び設備事業を主たる業務としております。

 当社グループの事業内容及び当社と主要な関係会社の当該事業に係る位置づけは、次のとおりであります。

 なお、次の3事業(電気・電子部品事業、自動車部品事業及び設備事業)は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

(1)電気・電子部品事業

 主要な製品は、コネクタ及び同関連部品(細線同軸コネクタ・超小型RF同軸コネクタ等)及びエレクトロニクス機構部品(HDD用機構部品等)であります。

 コネクタ及び同関連部品の主要製品は細線同軸コネクタ・超小型RF同軸コネクタ等であり、ノートパソコン、スマートフォン及びデジタル家電等向けに供給しており、それら機器の薄型化・高画質化、並びに本体と液晶表示部をつなぐ伝送路や無線通信の高速化等に貢献しております。

 エレクトロニクス機構部品の主要製品は、データセンター向け等の大容量HDD、パソコン及びデジタル家電等に使用されるHDDのRAMP等の機構部品であります。

 当社及び子会社のI‐PEX島根株式会社が製造・販売する他、現地法人がシンガポール(I-PEX SINGAPORE PTE LTD)・マレーシア(IPEX GLOBAL MANUFACTURING (M) SDN. BHD.)・フィリピン(I-PEX PHILIPPINES INC.)・中国(愛沛精密模塑(上海)有限公司及び 愛沛精密模塑(東莞)有限公司)・タイ(I-PEX (THAILAND) CO.,LTD.)・ベトナム(I-PEX VIET NAM CO.,LTD.)・インドネシア(PT IPEX INDONESIA INC)等において、それぞれ製造・販売しております。

 

(2)自動車部品事業

  主要な製品は、自動車電装部品等(車載用センサ、車載用コネクタ及び自動車関連部品)であります。

  自動車電装部品は、当社から自動車部品メーカーに納めた後に自動車に搭載されます。

  車載用センサは金属部品とマイコンチップ(半導体)を一括で成形加工する金型技術と自動組立工程を一体化した全自動インサートシステムによって生産しております。

  車載用コネクタは、高温・振動環境下での高い接続安定性を活かしてヘッドライトやインバータ等で使用される小型SMTコネクタ等であります。

  当社が製造・販売する他、現地法人がアメリカ(I-PEX USA MANUFACTURING INC.)等において、製造・販売しております。

 

(3)設備事業

 主要な製品は、半導体樹脂封止装置等(半導体樹脂封止装置、半導体封止用金型等)であります。

 半導体樹脂封止装置等は、半導体製造の後工程において、樹脂で半導体内部を保護するための封止(パッケージ)工程に投入される半導体樹脂封止装置及びこの装置に搭載し半導体の種類や形状に合わせて製作する半導体封止用金型等であり、当社が製造・販売しております。

 

 

[事業系統図]

 

※画像省略しています。

 

24/03/28

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 当連結会計年度において世界経済は、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料・エネルギー価格の高止まり、欧米先進国を中心としたインフレ率の上昇とそれに伴う金融引き締めによる内需の減少、不動産問題等を抱える中国経済の低迷、中東情勢の緊迫化等により緩やかに減速しました。

 わが国でも、原材料価格の上昇や為替相場における円安傾向は継続しているものの、設備投資や個人消費が持ち直しており、景気に緩やかな回復基調が見られました。

 そのような状況下において、当連結会計年度の売上高は59,014百万円(前年同期比1.1%減)、営業損失759百万円(前年同期は営業利益978百万円)、経常損失555百万円(前年同期は経常利益2,120百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1,269百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益168百万円)となりました。

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、報告セグメントごとの業績をより適切に反映させるため、全社費用の配分基準の見直しを行っております。それに伴い、以下の前年同期比較については、変更後の費用配分方法に基づいた数値で比較しております。

a. 電気・電子部品事業

 電気・電子部品事業は、主力製品であるコネクタやHDD関連部品が低迷し、前年同期比減収となりました。ノートパソコン向けコネクタは第1四半期を底に回復基調に転じたものの、パソコンの販売台数が前年比で減少する等、市況低迷の影響を受け、伸び悩みました。HDD関連部品は、IT企業がデータセンター向け投資を抑制したことにより、大容量HDD向け関連部品の需要が減少しました。利益につきましては、上記需要の減少と、第4四半期の在庫圧縮による原価率悪化を受け、低迷いたしました。

 その結果、当事業の当連結会計年度の売上高は33,083百万円(前年同期比9.6%減)となり、営業損失は577百万円(前年同期は営業利益2,545百万円)となりました。

 

b. 自動車部品事業

 自動車部品事業は、コロナ禍の収束と車載半導体不足の緩和に伴い、自動車メーカーの生産活動が回復したことを受け、伸長しました。エアバックやブレーキ等の安全走行系のセンサが伸長したことに加え、LEDヘッドライト向けコネクタも堅調に推移し、前年同期比増収となりました。利益につきましては、好調な自動車市場を背景に、自動車部品需要が増え、工場稼働率が向上し、利益水準を押し上げる結果となりました。

 その結果、当事業の当連結会計年度の売上高は21,343百万円(前年同期比19.9%増)となり、営業損失は708百万円(前年同期は営業損失2,314百万円)となりました。

 

c. 設備事業

 設備事業は、当社が得意とする車載用半導体やパワー半導体向け樹脂封止装置の需要は引き続き高い水準で推移したものの、前期の前半まで過去最高レベルで続いた半導体市場の伸びが後半にかけて鈍化し、その流れが今期まで続いたことから結果として前期比減収となりました。利益につきましては、市況の影響に伴う装置需要の鈍化により前期比減益となりました。

 その結果、当事業の当連結会計年度の売上高は4,587百万円(前年同期比12.3%減)となり、営業利益は527百万円(前年同期比29.3%減)となりました。

 

② 財政状態の状況

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して634百万円減少し、91,603百万円となりました。主な減少要因は、建設仮勘定979百万円、機械装置及び運搬具781百万円、工具、器具及び備品592百万円等であり、主な増加要因は、受取手形及び売掛金1,655百万円等であります。

 負債につきましては、675百万円減少の33,215百万円となり、主な減少要因は、長期未払金1,098百万円、未払金420百万円等であり、主な増加要因は、長期借入金983百万円等であります。

 純資産につきましては、剰余金の配当等による利益剰余金の減少2,011百万円等がありましたが、為替レート変動の影響による為替換算調整勘定の増加1,780百万円、退職給付に係る調整累計額の増加275百万円等により41百万円増加し、58,387百万円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失688百万円及び減価償却費6,645百万円の計上、棚卸資産の減少1,303百万円、仕入債務の増加458百万円、前受金の増加598百万円等に対し、売上債権の増加1,804百万円等により6,868百万円の増加(前連結会計年度は9,669百万円の増加)となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入1,301百万円等に対し、有形固定資産の取得による支出3,998百万円、無形固定資産の取得による支出86百万円等により2,781百万円の減少(前連結会計年度は6,165百万円の減少)となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入5,200百万円等に対し、短期借入金の純減額1,080百万円、長期借入金の返済による支出4,509百万円、リース債務の返済による支出588百万円、長期未払金の返済による支出1,344百万円、配当金の支払額742百万円等により3,066百万円の減少(前連結会計年度は3,690百万円の減少)となりました。

 この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ1,313百万円増加の15,582百万円となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

生産金額(百万円)

前年同期比(%)

電気・電子部品事業

33,318

87.6

自動車部品事業

22,366

116.1

設備事業

4,358

83.9

合計

60,043

96.1

(注)電気・電子部品事業及び自動車部品事業には、自社生産設備となるものが含まれております。

 

b. 受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

電気・電子部品事業

32,699

92.3

3,867

91.0

自動車部品事業

21,201

120.1

1,237

89.7

設備事業

3,317

69.7

1,946

60.5

合計

57,218

98.9

7,051

79.7

 

c. 販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

販売金額(百万円)

前年同期比(%)

電気・電子部品事業

33,083

90.4

自動車部品事業

21,343

119.9

設備事業

4,587

87.7

合計

59,014

98.9

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社デンソー

10,639

17.8

12,556

21.3

 2.株式会社デンソー及び同一の企業集団に対する売上高を含めております。

 3.セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

② 経営成績の分析

a. 売上高

 当連結会計年度は、売上高が59,014百万円と前連結会計年度に比べて1.1%の減収となりました。第1四半期を底に需要の持ち直しの動きが見られたことや為替相場の円安影響もあり、概ね前回の予想値どおりとなりました。コロナ禍の収束と車載半導体不足の緩和に伴い、自動車メーカーの生産活動が回復したことを受け、自動車部品事業が伸長したものの、一方で電気・電子部品事業においては、主力製品であるコネクタやHDD関連部品が低迷し、設備事業においても、得意とする車載用半導体やパワー半導体向け樹脂封止装置の需要は引き続き高い水準で推移したものの、前期の前半まで過去最高レベルで続いた半導体市場の伸びが後半にかけて鈍化し、その流れが今期まで続いたこともあり、全体の売上高は微減に留まりました。

b. 売上総利益

 売上総利益は17,190百万円と前連結会計年度に比べて5.0%の減益となりました。売上高の回復に伴い同じく第1四半期を底に増加傾向となりましたが、第4四半期に入り、翌期第1四半期向けの需要が見通しより下回ったことから、工場稼働率の低下に伴う稼働損(不利差異)の増加による利益の減少、加えて、足元及び今後の市場や事業環境等を勘案し、棚卸資産の圧縮(第4四半期にて約9億円の棚卸資産の減少、前年度末比で約11億円の減少)を行ったことにより、全体の売上総利益は前年から大きく減少しました。

c. 営業利益

 営業損失は759百万円(前連結会計年度は営業利益978百万円)となりました。上記の要因による売上総利益の減少に伴い、輸送費等が減少した一方で、当社が重点事業と位置付ける次世代向け製品に関する研究開発費の増加や人件費を含む営業マーケティング活動の強化による費用の増加、前期子会社の取得により発生した当該法人におけるのれんの償却費等、それらの販売費及び一般管理費が増加したことが主な要因です。

d. 経常利益

 経常損失は555百万円(前連結会計年度は経常利益2,120百万円)となりました。主な要因としては、債権債務の期末評価替えによる為替差損益が前年同期の為替差益1,082百万円から為替差益196百万円と大きく減少したためです。

e. 親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純損失は1,269百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益168百万円)となりました。固定資産の売却益が506百万円発生したものの、投資有価証券の評価損を429百万円、一部低稼働の生産設備であった固定資産の減損損失を209百万円計上したためです。

 

③ 財政状態の分析

 当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保及び健全なバランスシートの維持を考慮し、体質を強化すべく財務の運営にあたっております。

 当連結会計年度末の財政状態の分析については、上記「(1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループでは、市場の求める新製品開発を進めるとともにそれらの新製品開発を支えるための生産設備の開発並びに増強・更新投資を継続して行っております。また、研究開発や教育の総合拠点の新設にも注力しております。詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 運転資金及び設備投資資金については、自己資金及び借入によって安定的に確保することを基本方針としております。なお、当連結会計年度末の借入金残高は17,266百万円(前年同期比390百万円減)となっております。