E01808 Japan GAAP
前期
668.5億 円
前期比
116.6%
株価
1,640 (04/26)
発行済株式数
23,849,878
EPS(実績)
131.95 円
PER(実績)
12.43 倍
前期
7.3兆 円
前期比
0.0%
平均年齢(勤続年数)
40.7歳(12.2年)
従業員数
984人(連結:8,304人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は当社(連結財務諸表提出会社)及び連結子会社22社、関連会社3社で構成され、各種電子機器(車載通信機器、回路検査用コネクタ、無線通信機器)の製造販売を行っております。
当社グループの事業に係わる位置づけは次のとおりであります。
当社(連結財務諸表提出会社)
株式会社ヨコオは各種電子機器(車載通信機器、回路検査用コネクタ、無線通信機器)の一部製品の原材料部品を国内及び海外製造子会社に供給し、完成品及び部品として仕入れ、顧客に販売しております。また一部製品は販売子会社に供給しております。
国内製造子会社
国内製造子会社2社は、株式会社ヨコオより部品、材料の支給を受けて各種電子機器(車載通信機器、回路検査用コネクタ、無線通信機器)の製品及び部品を生産し、株式会社ヨコオに供給しております。
海外製造子会社及び海外製造関連会社
海外製造子会社6社は株式会社ヨコオ及び他の子会社より部品、材料の供給を受けて各種電子機器(車載通信機器、回路検査用コネクタ、無線通信機器)の製品及び部品を生産し、株式会社ヨコオに供給しております。また、製品の一部を直接顧客に販売しております。
海外販売子会社
海外販売子会社12社は主に株式会社ヨコオ及び海外製造子会社より製品の供給を受け、顧客に販売しております。
国内関連会社
国内関連会社2社は、車載通信機器、回路検査用コネクタの部品を生産し、株式会社ヨコオに供給しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、売上債権減少707百万円、棚卸資産減少1,399百万円がありましたが、現金及び預金増加3,870百万円などにより、46,355百万円(前期末比1,815百万円の増加)となりました。売上債権の減少は、主に回路検査用コネクタセグメントにおける第4四半期の受注減に伴う売上減少によるものです。また、棚卸資産の減少は、車載通信機器セグメントにおいて、海上・航空物流のリードタイム正常化により積送在庫が減少したことなどによるものです。
固定資産につきましては、有形固定資産増加1,532百万円、投資その他資産増加390百万円などにより、24,300百万円(前期末比1,970百万円の増加)となりました。後掲「b. セグメント情報に記載された区分ごとの状況」に記載のとおり、各事業セグメントにおいて積極的な量産投資・開発投資等を実施したことによります。
以上の結果、当連結会計年度末における資産合計は、70,656百万円(前期末比3,786百万円の増加)となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、短期借入金増加233百万円がありましたが、仕入債務減少1,507百万円、未払法人税等減少961百万円などにより、17,890百万円(前期末比2,294百万円の減少)となりました。仕入債務の減少は、主に回路検査用コネクタにおける次期の受注見通しに基づく部材等の仕入減少によるものです。
固定負債につきましては、長期借入金増加3,000百万円、リース債務増加168百万円、などにより、5,541百万円(前期末比3,184百万円の増加)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は、23,431百万円(前期末比890百万円の増加)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、為替換算調整勘定増加871百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,147百万円の計上、剰余金の配当1,095百万円などにより、47,224百万円(前期末比2,896百万円の増加)となりました。
<車載通信機器>
設備投資などに伴う有形固定資産及び無形固定資産の増加2,709百万円などがありましたが、収益性が低下し将来の回収可能性が見込めなくなった固定資産について減損損失863百万円を計上したことなどにより、当連結会計年度末におけるセグメント資産は、28,841百万円(前期末比1,444百万円の減少)となりました。
上記の設備投資(当連結会計年度における投資総額2,377百万円)のうち主なものは、フィリピン生産子会社であるYOKOWO MANUFACTURING OF THE PHILIPPINES, INC.の工場建設工事の完了、ベトナム生産子会社であるYOKOWO VIETNAM CO., LTD.の増設など、能力増強投資であります。
<回路検査用コネクタ>
業量拡大に伴う売掛債権増加のほか、設備投資などに伴う有形固定資産及び無形固定資産の増加2,266百万円などにより、当連結会計年度末におけるセグメント資産は、12,051百万円(前期末比1,891百万円の増加)となりました。
上記の設備投資(当連結会計年度における投資総額2,043百万円)のうち主なものは、半導体検査用治具の上期における受注拡大及び短納期化に対応するための日本国内分工場及びベトナム生産子会社であるYOKOWO ELECTRONICS VIETNAM CO., LTD.の増設など、能力増強投資であります。
<無線通信機器>
設備投資などに伴う有形固定資産及び無形固定資産の増加472百万円などがありましたが、当連結会計年度末におけるセグメント資産は、5,102百万円(前期末比901百万円の減少)となりました。
上記の設備投資(当連結会計年度における投資総額384百万円)のうち主なものは、中国生産子会社である東莞友華汽車配件有限公司におけるファインコネクタ事業の量産設備等の更新であります。
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の沈静化に伴って回復傾向となりましたが、主要各国の政策金利引き上げにも関わらず世界的な物価上昇が続いており、半導体不足の長期化などと相まって、サプライチェーンの混乱・停滞が続きました。
当社グループの主要市場である自動車市場、半導体検査市場、携帯通信端末市場、先端医療機器市場におきましては、第5世代移動通信システム(5G)を筆頭に、業界構造や各業界の事業モデルを変えうる先進アプリケーションの普及拡大とともに、製品/技術開発競争が激化しております。
このような状況の中、当社グループは、質の高い本格成長を期し、経営基本方針に掲げる4つのイノベーション(プロダクト/プロセス/パーソネル/マネジメント)の推進に引き続き取り組みました。車載通信機器セグメントにおきましては、急激な円安進行に伴い海外生産拠点におけるコストが膨らみましたが、原材料価格上昇分などに対する販売価格見直し交渉を進め、収益体制の建て直しに努めました。回路検査用コネクタセグメントにおきましては、5Gを契機として広がる事業成長機会をより確実に捉えるべく、技術/製造体制の強化に加え、将来の受注増に備えた国内分工場とベトナム工場の立ち上げを進めました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は、無線通信機器セグメントが前期比で減収となった一方、車載通信機器および回路検査用コネクタの両セグメントが増収となった結果、77,962百万円(前期比+16.6%)となりました。営業損益につきましては、無線通信機器セグメントが減収および事業構成変化などにより前期比で減益となり、車載通信機器セグメントが物流費の高騰や原材料価格上昇・円安に伴うコストアップなどにより損失となったものの、回路検査用コネクタセグメントが増収に伴い増益となったことなどから、4,739百万円の利益(前期比+1.2%)となりました。経常損益につきましては、円安による為替差益1,519百万円を計上したものの、出資先の業績悪化による持分法投資損失688百万円の計上などにより、5,675百万円の利益(前期比△13.1%)となりました。親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、車載通信機器セグメントにおける固定資産の減損863百万円の計上などにより、3,147百万円の利益(前期比△32.5%)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
<車載通信機器>
当セグメントの主要市場である自動車市場は、世界的な半導体不足・部品供給停滞などの影響が一部継続しているものの、第2四半期以降は半導体不足が徐々に緩和され、販売は改善の方向に向かって推移しました。地域別では、中国市場の販売台数が前期比で減少したものの、米国/アセアン/日本国内市場において増加しました。
このような状況の中、主力製品であるシャークフィンアンテナ/GPSアンテナをはじめとする自動車メーカー向けアンテナの海外販売は、円安効果及び第2四半期以降の自動車生産回復などにより前期比で増加しました。
この結果、当セグメントの売上高は46,520百万円(前期比+16.1%)と、前期比で増収となりました。セグメント損益につきましては、コストアップ分の一部回収がありましたが、原材料価格・海上運賃の高止まりによるコストアップ、現地通貨高に伴う中国/ベトナム生産拠点での原材料費・労務費などの増加に加えて、第4四半期における低価法適用による一過性の在庫評価切り下げなどにより、2,094百万円の損失(前期は1,443百万円の損失)となりました。
<回路検査用コネクタ>
当セグメントの主要市場である半導体検査市場は、サーバー/自動車向けの需要が底堅く推移したことに加えて、半導体メーカーによる半導体不足解消に向けた供給能力拡大により上期は堅調に推移しましたが、下期以降はPC/スマートフォン向けの需要減少により急激に減速しました。
このような状況の中、当社グループの主力製品である半導体後工程検査用治具の販売は、下期以降は減少したものの、ロジック半導体検査用ソケットなどの受注増及び円安効果などにより、前期を上回りました。半導体前工程検査用治具の販売は、周辺機器を含めてワンストップでソリューションを提供するターンキービジネスが新機種立ち上げにより前期比で増加したことに加え、高周波電子部品検査用MEMSプローブカード(YPX)の販売も、受注増により前期を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は22,374百万円(前期比+26.9%)と、前期比で増収となりました。セグメント損益につきましては、第4四半期において急激な受注減に伴う損益悪化があったものの、上期における増収に伴う増益に加え円安効果などにより、6,169百万円の利益(前期比+26.6%)となりました。
<無線通信機器>
当セグメントの主要市場である携帯通信端末市場は、ウェアラブル端末が多様化・高機能化により今後の成長が期待されるものの、世界的な半導体不足の影響や景気悪化によりスマートフォンの出荷台数が低調となりました。POS端末市場は、物流/製造を始めとする幅広い業界において、情報管理による業務効率化実現の観点から着実な成長を続けていましたが、世界的な景気後退に伴い需要が軟調傾向にあります。
このような状況の中、微細スプリングコネクタを中核製品とするファインコネクタ事業におきましては、顧客の生産調整などの影響により、ワイヤレスイヤホンなどウェアラブル端末向けの販売が減少したことに加え、POS端末向けの受注減などにより、売上高は前期を下回りました。
当セグメントに含めておりますメディカル・デバイス事業につきましては、主要顧客向け部品販売が堅調に推移したことなどにより、売上高は前期を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は、9,067百万円(前期比△0.8%)と、前期比で減収となりました。セグメント損益につきましては、ファインコネクタ事業における減収に伴う減益に加え、人民元高などによる中国生産拠点での労務費比率の上昇や事業構成変化などにより、664百万円の利益(前期比△47.1%)となりました。
(事業セグメント別連結売上高 前期比較) (単位:百万円、%)
c. 新型コロナウイルス感染症の影響(当連結会計年度及び2024年3月期)
<車載通信機器セグメント>
当セグメントにおける生産は、主に中国、ベトナム、北米拠点にて行っております。2023年3月期初において、中国現地政府により発令された上海ロックダウンの影響で受注が一時的に減少したことに加え、2022年12月には中国拠点において新型コロナウイルス感染拡大による生産性の低下がみられましたが、2024年3月期以降は概ね安定稼働を継続するものと見込んでおります。
また、物流面におきましては、感染者増加に伴い各国の港湾作業が遅延し、海上輸送のリードタイムが通常時より延伸したことに加えて、海上運賃の高騰・高止まりにより、物流費が大幅に増加しました。2023年以降は、リードタイムが正常化するとともに海上運賃が鎮静化したことに伴い、2024年3月期は大幅な損益改善を見込んでおります。
<回路検査用コネクタセグメント>
当セグメントにおける生産は、主にマレーシア拠点と日本拠点にて行っております。当連結会計年度におきましては、概ね安定稼働を継続いたしました。
2024年3月期におきましても、新型コロナウイルス感染症の沈静化から、新設した国内分工場及びベトナム生産拠点を含めて安定稼働を継続可能と想定しておりますが、販売面では、半導体検査市場における急激な需要減などに伴い、当セグメントの売上高は上期一杯は減少するものと見込んでおり、当セグメントの利益が下押しされると想定しております。
<無線通信機器セグメント>
・ファインコネクタ事業
当事業における生産は、主にマレーシア拠点と中国拠点にて行っております。当連結会計年度におきましては、マレーシア拠点については、概ね安定稼働を継続しました。中国拠点については、上記の車載通信機器セグメントに記載のとおりです。販売面では、半導体不足の長期化による影響や顧客の生産調整などの影響により、売上高は減少しました。
2024年3月期におきましては、生産面では、両拠点とも概ね安定稼働を継続するものと見込んでおります。販売面では、世界的な景気悪化の影響によりPOS端末など電子機器端末の伸び悩みが見込まれ、上期中は売上高が低調に推移すると見込むものの、下期から改善するものと想定しております。
・メディカル・デバイス事業
当事業における生産は、日本拠点のみで行っております。当連結会計年度におきましては、感染防止策の徹底により、年度を通じて安定稼働を継続しました。販売面では、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う医療現場の逼迫や一部材料の調達難が緩和され、販売は堅調に推移しました。
2024年3月期におきましては、生産面では引き続き安定稼働継続を見込んでおります。販売面についても、引き続き堅調に推移するものと想定しております。
d. 目標とする経営指標の達成状況等
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、17,687百万円(前期比3,870百万円の増加)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、回路検査用コネクタにおける次期の受注見通しに基づく部材等の仕入減少に伴う仕入債務の減少2,652百万円などの減少要因がありましたが、税金等調整前当期純利益4,433百万円、減価償却費3,833百万円などの増加要因により、7,312百万円の収入(前期比3,635百万円の収入増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、MPセンター(研究開発新棟)の建設など有形固定資産の取得による支出4,645百万円、無形固定資産の取得による支出591百万円などの減少要因により、5,857百万円の支出(前期比110百万円の支出減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出1,093百万円などの減少要因がありましたが、長期借入金による収入3,000百万円などの増加要因により、1,531百万円の収入(前期比1,360百万円の収入増加)となりました。
当社の運転資金は、主に製品製造に使用する原材料や部品の調達に費やされており、製造費や販売費及び一般管理費に計上される財・サービスに対しても同様に費消されております。また、設備投資資金は、生産設備取得等生産体制の構築・強化、情報システムの整備等に支出されております。これらの必要資金は、利益の計上、減価償却費等により生み出される内部資金により賄うことを基本方針としております。
当連結会計年度におきましては、研究開発・製品開発投資、フィリピン生産子会社の工場建設、ベトナムの生産子会社における生産設備増設やマレーシア生産子会社における加工設備増設など量産設備増強等を積極的に実施いたしました。2023年3月期以降も、回路検査用コネクタセグメントの日本国内工場及びベトナム生産子会社工場の新設、マレーシア生産子会社におけるさらなる能力増強等を計画しており、その設備投資資金として、営業キャッシュ・フローに加えて、長期借入金の借り換えを実施いたしましたが、その金額は一部返済により圧縮いたしました。一方、新中期経営計画において、中長期的視点から、既存事業・既存技術の限界を突破し新たな成長力を獲得するため、コア技術のさらなる深化のための基礎研究投資、MEMSプローブカード生産ライン新設など新規領域進出に向けた設備投資の実施を計画しております。それらの使途に充当するため、2020年11月に発行を決議した第三者割当による新株予約権の発行及びその権利行使により、新株300万株を発行し約76億円を調達いたしました。しかし、車載通信機器セグメントにおけるサプライチェーン混乱・海上輸送リードタイム長期化により大幅に増加した製品・部材在庫に資金が張り付くこととなり、その結果、当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物の残高は17,687百万円と、前期末比3,870百万円増加いたしました。
⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計上の見積りを行なっております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りの不確実性があるため、これらの見積りと異なる結果となる場合があります。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。