E01892 IFRS
前期
5.52兆 円
前期比
116.1%
株価
2,358.5 (10/03)
発行済株式数
3,151,779,804
EPS(実績)
110.37 円
PER(実績)
21.37 倍
前期
786.9万 円
前期比
103.1%
平均年齢(勤続年数)
44.5歳(22.9年)
従業員数
44,758人(連結:164,572人)
連結会社は、当社(株式会社デンソー)及び子会社190社、関連会社83社により構成されています。連結会社の事業内容及び連結会社各社の当該事業における位置付けは、次のとおりです。
「日本」、「北米」、「欧州」、「アジア」、「その他」の各セグメントで以下製品を製造・販売しています。
[事業系統図]
連結会社の事業系統図及び主要な会社名は次のとおりです。
なお、当社は製造・販売・研究開発及び子会社・関連会社の統括の各機能を有しています。
連結会社に関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容です。
連結会社の連結財務諸表は、連結財務諸表規則第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。また、当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4) 重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において連結会社が判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動の制限の緩和が進み、緩やかな回復基調となりました。一方、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化等の影響を受け、世界的にエネルギーや車載向け半導体が不足し、これらを中心に取引価格が高騰しました。また、欧米各国の金融引締め等による景気後退懸念や、中国でのゼロコロナ政策の影響による国内外混乱等、世界経済の不透明な状況が続きました。
① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
当連結会計年度の業績について、売上収益は、半導体不足や中国のロックダウン等により車両生産は影響を受けたものの、年間を通じて回復基調となりました。加えて、注力領域である電動化関連製品や先進安全製品を中心に、順調な拡販を進め、6兆4,013億円(前年度比8,858億円増、16.1%増)と前年比増収になりました。営業利益は、電子部品を中心とした部材費・素材費や、物流費・エネルギー費用の高騰等、厳しい外部環境の中、グローバルでの自社努力による合理化と、コスト上昇分の価格反映により、4,261億円(前年度比849億円増、24.9%増)、税引前利益は4,569億円(前年度比721億円増、18.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は3,146億円(前年度比507億円増、19.2%増)と増益になりました。
また半導体の安定調達に向けて、半導体メーカーとの長期契約締結やパートナーシップを強化したほか、型費の支払いについても、従来の分割支払いから一括支払いに変更する等、サプライチェーン全体での競争力向上や、経済循環への取り組みを強化しました。今後も社会課題の解決と企業価値向上を両立させ、持続可能な社会の実現に挑戦し続けます。
当連結会計年度の資産については、非流動資産に属するその他の金融資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ236億円減少し、7兆4,087億円となりました。
負債については、社債及び借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べ1,138億円減少し、2兆8,290億円となりました。
資本については、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ902億円増加し、4兆5,797億円となりました。
セグメント別の業績について、売上収益は、いずれの地域も直近の車両減産の影響があるものの、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復や、拡販の実現に伴い、前年比では全セグメントで増収となりました。営業利益は、外部環境の悪化等があるものの、変動対応力強化等の効果刈り取りがグローバルで進んだ結果、全セグメントで増益となりました。
日本の売上収益は、3兆7,058億円(前年度比1,907億円増、5.4%増)と増収、営業利益は、為替差益や車両生産の回復、外部環境の悪化に対する採算改善努力の効果により、2,156億円(前年度比267億円増、14.1%増)と増益になりました。資産は、その他の金融資産や退職給付に係る資産の減少等により、4兆7,156億円(前年度末比167億円減)となりました。
北米地域の売上収益は、1兆5,041億円(前年度比3,439億円増、29.6%増)と増収、営業利益は、外部環境の悪化の影響が大きいものの、採算改善努力の効果により、179億円(前年度比137億円増、320.5%増)と増益になりました。資産は、営業債権及びその他の債権や有形固定資産の増加等により、8,307億円(前年度末比59億円増)となりました。
欧州地域の売上収益は、6,856億円(前年度比1,241億円増、22.1%増)と増収、営業利益は、車両生産の回復や、採算改善努力の効果に加え前年度の構造改革費用の解消により、175億円(前年度は34億円の営業損失)と増益になりました。資産は、営業債権及びその他の債権や未収消費税等(未収付加価値税)の増加等により、4,893億円(前年度末比619億円増)となりました。
アジア地域の売上収益は、1兆9,317億円(前年度比2,938億円増、17.9%増)と増収、営業利益は、採算改善努力の効果と円安の進行により、1,583億円(前年度比145億円増、10.0%増)と増益になりました。資産は、現金及び現金同等物の増加等により、1兆6,380億円(前年度末比1,293億円増)となりました。
その他地域の売上収益は、1,012億円(前年度比246億円増、32.2%増)と増収、営業利益は、車両生産の回復に加え、採算改善努力の効果により193億円(前年度比38億円増、24.5%増)と増益になりました。資産は、棚卸資産や営業債権及びその他の債権の増加等により、803億円(前年度末比129億円増)となりました。
② 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
連結会社はトヨタ自動車株式会社を始めとして、各納入先より四半期ごとに生産計画の提示を受け、連結会社の生産能力を勘案して生産計画を立てる等、すべて見込生産を行っています。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
① キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については、現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、営業活動により6,027億円増加、投資活動により3,637億円減少、財務活動により4,001億円減少等の結果、当連結会計年度は前連結会計年度と比べ1,340億円減少し、7,339億円となりました。
営業活動により得られた資金は、前年度の3,956億円に対し、6,027億円となり、2,071億円増加しました。この増加は、前年度と比べ税引前利益が721億円増加したことに加え、棚卸資産の増加額が1,936億円減少したこと等によるものです。
投資活動により使用した資金は、前年度の3,016億円に対し、3,637億円となり、621億円増加しました。この増加は、有形固定資産の取得による支出が242億円増加したこと等によるものです。
財務活動により使用した資金は、前年度の1,595億円に対し、4,001億円となり、2,406億円増加しました。この増加は、短期借入金の純増減額が1,395億円減少したことに加え、社債の償還による支出が600億円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度における有形固定資産の取得額は、前連結会計年度の3,364億円から7.2%増加し、3,606億円となりました。この増加は、注力分野への投入強化と規律ある事業運営を両立しながら投資を推進したことによるものです。
② 資本の財源及び資金の流動性について
資本の財源及び資金の流動性について、連結会社の運転資金及び設備投資資金は、主として自己資金により充当し、必要に応じて借入又は社債の発行等による資金調達を実施することを基本方針としています。
当連結会計年度は、連結会社の運転資金及び設備投資資金について、自己資金及び、借入・社債発行による資金を充当しました。
連結会社の資本的支出は、生産拡大対応、次期型化、新製品切替及び新製品開発のための研究開発投資を重点的に推進する予定であり、その財源は、上記基本方針に従ったものとする予定です。
連結会社は、その健全な財務状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力等により、連結会社の成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えています。