E01880 Japan GAAP
前期
4,395.7億 円
前期比
107.5%
株価
2,868.5 (07/16)
発行済株式数
171,200,000
EPS(実績)
154.77 円
PER(実績)
18.53 倍
前期
597.8万 円
前期比
101.2%
平均年齢(勤続年数)
41.1歳(15.8年)
従業員数
3,902人(連結:16,778人)
当社並びにグループ各社(以下、当社グループ)は、当社、連結子会社38社及び持分法適用関連会社3社で構成され、自動車機器製品、コンポーネンツ製品、電子応用製品の製造販売を主な内容とし、さらに各事業に関連するサービス等の事業活動を展開しております。
国内関係会社は、主として当社の生産体制と一体となって、当社取扱製品の一部の製造を担当し、当社へ納入しております。海外関係会社は、当社得意先の海外進出への対応並びに現地市場の販路拡大等のため当社取扱製品の製造販売を行っております。
当社グループの事業に係わる位置づけ、及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
上記の他、持株会社として米州拠点に Stanley Electric Holding of America, Inc.、アジア・大洋州拠点に Stanley Electric Holding Asia-Pacific Pte. Ltd.、THPI Co., Ltd.、Hella-Stanley Holding Pty Ltd(※1)、
中国拠点に斯坦雷電気(中国)投資有限公司、欧州拠点に Stanley Electric Holding Europe Co., Ltd. があります。
2 ※1 持分法適用関連会社であります。
3 当社を除く※1以外は連結子会社であります。
4 ※2 ㈱スタンレーいわき製作所は自動車機器事業、電子応用製品事業及びその他の事業を展開しております。
5 ※3 PT. Indonesia Stanley Electricは自動車機器事業、電子応用製品事業及びその他の事業を展開しております。
6 ※4 Thai Stanley Electric Public Co., Ltd.は自動車機器事業、コンポーネンツ事業及びその他の事業を展開しております。
7 ※5 ㈱スタンレーパルは電子応用製品事業及びその他の事業を展開しております。
8 当連結会計年度において、アジア・大洋州拠点の持株会社としてTHPI Co., Ltd.を設立しました。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における世界経済は、欧州で景気が弱含んでおり、中国では景気の持ち直しの動きに足踏みがみられました。一方、日本及びアジア各国では緩やかに回復しており、米国では景気が拡大しました。
以上のような事業環境のもと、当社グループの業績は、自動車生産台数の増加によるプラスの影響がありました。一方で、一過性の過去の品質問題に関わる費用を計上した影響を受けました。また、在外子会社における資金流出事案を受けて特別損失を計上しております。
その結果、当連結会計年度における、売上高は4,723億9千7百万円(前期比7.5%増)、営業利益は358億3千4百万円(前期比2.4%減)、経常利益は480億6千4百万円(前期比7.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は264億9千7百万円(前期比0.0%増)となりました。
なお、技術提供先からの技術提供収入については、従来、営業外収益の「受取ロイヤリティー」に計上しておりましたが、当連結会計年度より「売上高」に計上する方法に変更しております。前期比較については、当該表示方法の変更を反映した組替え後の前期の数値を用いて比較しております。
経営上の目標の達成状況を判断するための指標は、次のとおりであります。
2023年4月~2026年3月の「第Ⅷ期中期3ヶ年経営計画」では、世界の優良企業を目指し、ROE8%を目標に設定しております。
当社グループのROEは、継続的に企業価値を向上する取り組みを行ったものの、一過性の過去の品質問題に関わる費用を計上したことや、在外子会社における資金流出事案を受けて特別損失を計上した影響を受け、2024年3月期は5.3%となりました。引き続きROEを意識し、スタンレーグループのあらゆるビジネス・プロセスの機能が、「ものづくり」に対して価値を提供し、目標達成に向けグループ全体の総合力を最大限に発揮してまいります。
また、当社は、安定した配当の維持及び適正な利益還元を基本としており、連結配当性向30%以上を目標とする中、2024年3月期の連結配当性向は33.9%となりました。利益還元策として、毎年、自己株式の取得及び消却を実施しております。今後も継続的な安定した配当の維持、適正な利益還元を実施していきます。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当連結会計年度から、コンポーネンツ事業に含まれていたアクセサリー&デバイス製品の事業区分を見直し、自動車機器事業へ、同じくコンポーネンツ事業に含まれていた一部のUV(紫外光)を活用した製品の事業区分を見直し、電子応用製品事業へ変更いたしました。以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
自動車機器事業における主な製品は、自動車用ランプ、二輪車用ランプ等です。
関連する市場の動向について、自動車生産台数は、アジア大洋州で横ばい、その他の地域で増加となり、世界全体では増加となりました。二輪車生産台数は、米州、欧州、アジア大洋州で増加、日本と中国で減少となり、世界全体では横ばいとなりました。
このような市場環境のもと、当社グループの自動車機器事業は、自動車用ランプでは中国で一部に弱さがみられたものの、米州の販売は堅調に推移しました。また、二輪車用ランプは、総じて堅調に推移しました。営業利益については、生産革新による合理化効果があった一方で、一過性の費用として、過去の品質問題に関わる費用を計上した影響を受けました。
その結果、当連結会計年度における自動車機器事業の売上高は3,874億7千5百万円(前期比9.5%増)、営業利益は260億2千6百万円(前期比3.0%減)となりました。
コンポーネンツ事業における主な製品は、LED、液晶等です。
関連する市場の動向については、車載市場及びLED照明市場は増加、AV家電市場は微減となりました。
このような市場環境のもと、当社グループのコンポーネンツ事業は、自動車生産台数は回復が進んでいるものの、得意先の在庫調整の影響により、車載用LEDが減少しました。また、部材調達費用が高騰したことによる影響を受けました。一方で、非可視光製品のビジネス拡大に注力し、受注を獲得しております。
その結果、当連結会計年度におけるコンポーネンツ事業の売上高は379億6千3百万円(前期比6.4%減)、営業利益は42億1千4百万円(前期比24.3%減)となりました。
電子応用製品事業における主な製品は、液晶用バックライト、操作パネル、LED照明、電子基板等です。
関連する市場の動向については、OA市場が減少、PC・タブレット市場が微減となる一方で、車載インテリア市場及びLED照明市場は増加となりました。
このような市場環境のもと、当社グループの電子応用製品事業は、液晶用バックライトが減少した一方で、自動車生産台数の増加により自動車用ランプの制御等に用いる電子基板やパネル製品が増加しました。
その結果、当連結会計年度における電子応用製品事業の売上高は1,190億2百万円(前期比7.4%増)、営業利益は134億7千8百万円(前期比13.4%増)となりました。
営業外収益(費用)は、前連結会計年度の81億6千2百万円の収益(純額)から、122億3千万円の収益(純額)となりました。主に、受取利息の増加等によるものです。
特別利益(損失)は、前連結会計年度の1千6百万円の利益(純額)から、50億4千6百万円の損失(純額)となりました。主に、減損損失等によるものです。
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の448億8千9百万円から4.2%減少し、430億1千8百万円となりました。
税金等調整前当期純利益に対する法人税等の負担率は、前連結会計年度の23.6%から0.9ポイント減少し、22.7%となりました。
非支配株主に帰属する当期純利益は、主としてVietnam Stanley Electric Co., Ltd.、PT. Indonesia Stanley Electric、Asian Stanley International Co., Ltd.、及び武漢斯坦雷電気有限公司の非支配株主に帰属する利益からなり、前連結会計年度の77億8千万円に対し、当連結会計年度は67億5千6百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の264億9千6百万円に対し、264億9千7百万円となりました。なお、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の162.32円に対し、162.41円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格により、セグメント間の取引については相殺消去しております。
当社グループは、主に自動車・エレクトロニクスメーカーに対し部品を中心に納入するメーカーであります。
当業界の受注方法は、メーカーの生産計画について3か月程度前に生産見込数量の連絡を受けた後、納品までの間に確定情報を得る形態が一般的となっております。これらの期間等は得意先ごとに異なり、かつ、納品にいたるまで納入数量・時期・品目が変更されることがあります。
当社グループは、数多くの得意先に対し、極めて多種類の製品を納入しており、それぞれの受注形態に対応して、過去の実績・予測・生産能力等を勘案のうえ生産を行っているので、受注高・受注残高の記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
当連結会計年度末における総資産は7,082億6千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ786億5千2百万円増加しております。要因は、固定資産が414億7千7百万円増加したこと及び流動資産が371億7千5百万円増加したことによるものです。固定資産の増加は、投資その他の資産が増加したこと等によるものです。流動資産の増加は、現金及び預金及び棚卸資産が増加したこと等によるものです。
負債は1,189億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ254億1千8百万円増加しております。主な要因は、繰延税金負債及び製品保証引当金が増加したこと等によるものです。
純資産は5,893億6千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ532億3千4百万円増加しております。主な要因は、その他の包括利益累計額が451億9百万円増加したこと及び株主資本が30億8千3百万円増加したこと等によるものです。その他の包括利益累計額の増加は、為替換算調整勘定が増加したこと等によるものです。また、株主資本の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等によるものです。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
当社グループでは、事業、機能、地域の3つの軸のグループマトリクス経営を、ものづくりの進化、人づくり、キャッシュの創出により、さらに確固たるものにしていきます。
当連結会計年度末におけるセグメント資産は、自動車機器事業は2,314億1百万円(前期比6.2%増)、コンポーネンツ事業は459億6千2百万円(前期比1.9%減)、電子応用製品事業は762億9千7百万円(前期比3.2%増)となりました。
当連結会計年度は、主に自動車用ランプを製造する広島製作所において、「ランプの生産拠点」から「ランプシステムの生産拠点」への改革、及び生産能力の増強を意図した拡張を進めております。なお、調整額のうち全社資産は、余資運用資金(現金及び預金等)、長期投資資金(投資有価証券等)により増加しております。
当社グループでは、「生産革新活動」で培ってきたノウハウを建物の設計段階から取り入れ、投資効率を最大限に追求した工場として展開し、生産効率を最大限に高めております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ162億4千8百万円増加し、1,471億3千万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、製品保証引当金の増減額の増加109億2千6百万円等による資金増があったものの、棚卸資産の増減額の減少113億1千万円、減価償却費の減少45億6千9百万円等による資金減により、前連結会計年度に比べ107億2千3百万円減少し、655億5千2百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出の増加39億2千8百万円等による資金減があったものの、投資有価証券の取得による支出の減少171億4千8百万円、有形固定資産の取得による支出の減少103億8千2百万円等による資金増により、前連結会計年度に比べ248億6千7百万円増加し、△315億5千9百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式取得のための金銭の信託の増減額の増加94億8千2百万円等による資金増があったものの、自己株式の売却による収入の減少189億9千3百万円、自己株式の取得による支出の増加94億6千9百万円等による資金減により、前連結会計年度に比べ221億3千4百万円減少し、△259億5千5百万円となりました。
主な契約債務は、下記のとおりであります。
社債は2019年4月19日に発行した期間5年の第5回無担保社債であり、2019年4月23日償還の社債償還資金に充当いたしました。
また、当社は資金調達の効率化及び安定性の確保を目的とし、2024年3月31日現在、金融機関5社とシンジケーション方式による総額300億円のコミットメントライン契約を締結しており、資金の流動性を確保しております。
当連結会計年度末の自己資本比率は74.0%となりました。また、営業活動によるキャッシュ・フロー655億5千2百万円に対して、投資活動によるキャッシュ・フローは△315億5千9百万円であり、フリーキャッシュ・フローはプラスとなっております。
翌連結会計年度の設備投資は、主に自動車用ランプを製造する広島製作所において、「ランプの生産拠点」から「ランプシステムの生産拠点」への改革、及び生産能力の増強を意図した拡張を進めており、2024年末に完成を予定しております。財源については、自己資金、助成金及び社債で支払う計画としております。さらに当社グループ最大の研究開発拠点である神奈川県の技術研究所の再構築を計画しています。財源については、自己資金、助成金及び社債で支払う計画としております。
当社グループの資金は、中長期的な展望に立った新製品・新事業の開発及び経営体制の効率化等企業価値を高めるための投資に活用し、企業体質と企業競争力のさらなる強化に取り組んでおります。また、当社は安定した配当の維持及び適正な利益還元を基本としており、連結配当性向30%以上を目標としております。
当社グループは、グローバルにおけるグループ経営の実現に向けて、機動的かつ効率的な資金循環ができる体制の充実を図っております。日本、米州、欧州、中国、アジア・大洋州の5極において、主として統括会社を活用し、為替リスクの低減及び域内の資金循環を実施しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
製品保証引当金は、販売した製品に欠陥が生じた場合、現在入手可能な情報はもとより、過去の修理又は交換実績、並びに、予測発生台数及び台あたり費用等を含む将来の見込みに基づいて、発生する修理又は交換費用を見積り、発生原因の責任割合に応じて個別に計上しております。
当社グループは、製品保証引当金が適切かどうかを常に確認しております。従って、発生が見込まれる製品保証に関連する費用について、必要な金額を引当計上していると考えております。実際の発生は、それらの見積りと異なることがあり、引当金の計上金額が大きく修正される可能性があります。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックスプランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済状況の変動等により見直しが必要になった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の確定給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、年金資産の期待収益率などの計算基礎が含まれております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済状況の変動等により見直しが必要になった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。