売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E01888 IFRS

売上高

9,290.4億 円

前期

8,534.5億 円

前期比

108.9%

時価総額

1.99兆 円

株価

13,855 (04/23)

発行済株式数

143,551,735

EPS(実績)

760.51 円

PER(実績)

18.22 倍

平均給与

822.6万 円

前期

805.0万 円

前期比

102.2%

平均年齢(勤続年数)

40.7歳(12.9年)

従業員数

6,285人(連結:26,070人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社及び当社の関係会社(当社、子会社98社及び関連会社4社(2023年3月31日現在)により構成)においては、インダストリアルテープ、オプトロニクス、ヒューマンライフ、その他の4部門に関係する事業を主として行っており、その製品は多岐にわたっております。各事業における当社及び関係会社の位置付けは次のとおりであります。

 なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

事業区分

主要製品又は事業

インダストリアルテープ

基盤機能材料(接合材料、保護材料、プロセス材料、自動車材料等)

オプトロニクス

情報機能材料(光学フィルム等)、プリント回路(CIS(Circuit Integrated Suspension)、高精度基板等)

ヒューマンライフ

ライフサイエンス(核酸受託製造、核酸合成材料、核酸創薬、医療関連材料等)、メンブレン(高分子分離膜)、パーソナルケア材料(衛生材料等機能性フィルム)

その他

新規事業、その他製品

 

 

事業系統図

 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

※画像省略しています。

23/06/23

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

(1)財政状態

当連結会計年度末(以下「当期末」という。)の資産合計は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べ59,178百万円増加し、1,153,647百万円となりました。流動資産は45,548百万円減少の677,189百万円、非流動資産は104,726百万円増加の476,457百万円となりました。

流動資産の減少は、現金及び現金同等物が32,079百万円減少したこと、売上債権及びその他の債権が27,695百万円減少したこと、棚卸資産が12,783百万円増加したこと、その他の金融資産が2,798百万円減少したこと、売却目的で保有する資産が5,232百万円増加したこと等によるものであります。

非流動資産の増加は、有形固定資産が46,153百万円増加したこと、のれんが54,012百万円増加したこと、無形資産が7,762百万円増加したこと、持分法で会計処理されている投資が1,592百万円増加したこと、金融資産が3,271百万円減少したこと等によるものであります。

当期末の負債合計は、前期末に比べ21,910百万円減少し、250,452百万円となりました。流動負債は20,241百万円減少の188,248百万円、非流動負債は1,669百万円減少の62,204百万円となりました。

流動負債の減少は、仕入債務及びその他の債務が10,964百万円減少したこと、その他の金融負債が2,183百万円増加したこと、その他の流動負債が13,277百万円減少したこと、売却目的で保有する資産に直接関連する負債が1,436百万円増加したこと等によるものであります。

非流動負債の減少は、その他の金融負債が1,212百万円減少したこと、確定給付負債が4,109百万円減少したこと、繰延税金負債が3,847百万円増加したこと等によるものであります。

当期末の資本合計は、前期末に比べ81,088百万円増加し、903,194百万円となりました。

これは、利益剰余金が、親会社の所有者に帰属する当期利益、配当金等により前期末に比べ80,359百万円増加したこと、その他の資本の構成要素が18,464百万円増加したこと等によるものであります。

 

(2)経営成績

当連結会計年度における経済環境は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を契機としてエネルギーや一次産品価格の高騰が進みました。また、米国を中心にインフレ抑制に向けた金融引締めにより、一部の銀行が経営破綻に陥り、金融不安が広がりました。中国では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して都市ロックダウンなどの厳しい防疫措置が取られるなど、世界経済は主要な地域で成長率が大きく低下しました。なお、為替相場においては、日米金利差の拡大により、急激な円安が進行しました。

このような中、当社グループが注力するハイエンドスマートフォン向け製品や近年、進化の著しい車載ディスプレイ向け製品は、需要が増加しました。また、自動車材料は、自動車生産台数の回復とともに需要が緩やかに増加しました。一方、欧米諸国においてCOVID-19に対する行動制限の撤廃が進んだことにより、巣ごもり需要が一巡し、これまで好調であったハイエンドノートパソコンやデータセンター向け製品の需要が減少しました。また、COVID-19感染者数の落ち着きによりワクチン向け核酸アジュバントの需要が減少しました。

なお、当連結会計年度の対米ドル為替レートは、前連結会計年度と比較し20.5%円安の1ドル134.7円となり、円安による影響は、営業利益で695億円の増益要因となりました。

以上の結果、売上収益は前連結会計年度と比較し、8.9%増(以下の比較はこれに同じ)の929,036百万円となりました。また、営業利益は11.3%増の147,173百万円、税引前当期利益は10.9%増の146,840百万円、当期利益は12.4%増の109,264百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は12.4%増の109,173百万円となりました。

 

 

セグメント別の経営成績

① インダストリアルテープ

 基盤機能材料は、前連結会計年度に対して売上収益が伸長しました。自動車材料は、半導体不足の影響が緩和し、自動車生産の回復により需要が増加しました。一方、電子機器に使用される半導体やセラミックコンデンサー向けの工程用材料は、市況の悪化により需要が減少しました。また、原油価格上昇による原材料や輸送コスト高騰に対して、価格転嫁や生産合理化などを進め、その影響を軽減しました。なお、自動車材料において、NVH(Noise, Vibration, Harshness)事業の一部を株式会社パーカーコーポレーションへ譲渡することを同社と合意し、関連する資産の一部について減損損失を計上しました。

 以上の結果、売上収益は339,433百万円(6.3%増)、営業利益は27,553百万円(27.1%減)となりました。

 

② オプトロニクス

 情報機能材料は、前連結会計年度に対して売上収益が伸長しました。次なる成長点として注力する車載向け光学フィルムの需要が増加する一方、TVやハイエンドノートパソコン向け光学フィルムは、市況の悪化により需要が減少しました。また、バーチャルリアルティ―(VR)向け光学フィルムは、今後の事業拡大に向けて生産能力を増強しました。なお、2022年10月4日に発生した連結子会社の韓国オプティカルハイテック社での火災に関する損失を計上しました。

 プリント回路は、前連結会計年度に対して売上収益が伸長しました。ハイエンドスマートフォン向け高精度基板は、搭載機種の増加により業績を牽引した一方、CIS(Circuit Integrated Suspension)はデータセンター向けHDD(ハードディスクドライブ)市場の調整により需要が減少しました。

 以上の結果、売上収益は482,432百万円(5.0%増)、営業利益は129,867百万円(34.4%増)となりました。

 

③ ヒューマンライフ

 ライフサイエンスは、前連結会計年度に対して売上収益が伸長しました。核酸医薬市場の拡大を背景に、核酸受託製造とその製造に使用される合成材料(NittoPhaseTM)の需要が増加しました。一方、COVID-19ワクチン向け核酸アジュバントは、世界的なワクチン需要の減速を受けて、第2四半期連結会計期間から新規受注がストップし、需要が減少しました。なお、核酸医薬の創薬については、肺線維症及び難治性の癌治療薬の治験に、引き続き取り組んでおります。医療関連材料は、経皮吸収薬や医療用テープなどがCOVID-19による需要の低迷から回復しました。

 メンブレン(高分子分離膜)は、前連結会計年度に対して売上収益が伸長しました。特に、産業用途において需要が増加しました。

 パーソナルケア材料は、2022年7月より買収したMondi社のパーソナルケア事業と既存の衛生材料事業を統合した新組織(アドバンストフィルムソリューション事業部)にて事業を開始しました。主力製品である衛生材料等機能性フィルムは、ベビーケア、大人用おむつ、フェミニンケアなどの用途へ展開しております。

 以上の結果、売上収益は133,377百万円(44.7%増)、営業利益は840百万円(88.4%減)となりました。

 

④ その他

 当セグメントには未だ十分な売上収益を伴っていないその他製品が含まれております。主なテーマであるプラスチック光ファイバー・ケーブルは、第4四半期連結会計期間にVRヘッドセット用途向けに製品の出荷を開始しました。

 以上の結果、売上収益は4百万円(143.4%増)、営業損失は5,655百万円(前年同期は営業損失5,932百万円)となりました。

 

 当連結会計年度において、「ヒューマンライフ」を新設したため、報告セグメントの分類に一部変更があります。変更点は以下のとおりです。

1.「ヒューマンライフ」には、従来の「ライフサイエンス」と「その他」にあった「メンブレン」が含まれます。また、当連結会計年度に買収が完了したMondi社のパーソナルケア事業を「ヒューマンライフ」の「パーソナルケア材料」として新設し、「インダストリアルテープ」から一部の関連事業を移管しました。

2.「その他」には、「新規事業」が含まれます。

 当該変更を反映した組替後の数値で前連結会計年度との比較を行っております。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は329,966百万円となり、前連結会計年度末より32,079百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は181,702百万円(前連結会計年度は144,489百万円の増加)となりました。

これは主に、税引前当期利益146,840百万円、減価償却費及び償却費57,362百万円、減損損失4,036百万円、確定給付負債の増減額1,270百万円、売上債権及びその他の債権の増減額44,492百万円、利息及び配当金の受入額1,283百万円による増加、棚卸資産の増減額2,230百万円、仕入債務及びその他の債務の増減額15,779百万円、前受金の増減額17,420百万円、法人税等の支払額又は還付額38,748百万円による減少の結果であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は159,906百万円(前連結会計年度は57,594百万円の減少)となりました。

これは主に、有形固定資産及び無形資産の取得による支出65,921百万円、関係会社株式の取得による支出1,703百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出95,263百万円による減少、投資有価証券の売却による収入2,675百万円による増加の結果であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は57,627百万円(前連結会計年度は36,639百万円の減少)となりました。

これは主に、リース負債の返済による支出5,567百万円、自己株式の増減額18,008百万円、配当金の支払額34,046百万円による減少の結果であります。

 

なお当社グループのキャッシュ・フロー指標の推移は以下のとおりであります。

 

 

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

 親会社所有者帰属持分比率(%)

74.8

74.1

75.0

78.2

 時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%)

80.6

144.9

119.3

108.1

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.2

0.2

0.2

0.1

 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

190.1

188.3

269.8

337.4

 

(注)1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。

 親会社所有者帰属持分比率(%)       親会社所有者帰属持分÷総資産

 時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%) 株式時価総額÷総資産

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)  有利子負債÷キャッシュ・フロー

 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)   キャッシュ・フロー÷利払い

2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。

3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

4 有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

インダストリアルテープ

207,176

98.7

オプトロニクス

508,872

120.3

ヒューマンライフ

119,482

140.2

その他

7

合計

835,540

116.4

 (注)1 金額は、売価換算値によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 当連結会計年度において、「ヒューマンライフ」を新設したため、報告セグメントの分類に一部変更があります。前年同期比は、当該変更を反映した前連結会計年度の数値に基づき算定しております。

 

(2)受注実績

 当社グループは、おおむね需要動向から見た見込み生産を行い、それ以外の製品については一部受注生産を行っておりますが、受注生産高の売上高に占める割合の重要性が乏しいため、記載を省略しております。

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

インダストリアルテープ

334,456

105.9

オプトロニクス

469,330

103.8

ヒューマンライフ

123,974

147.6

その他

1,275

105.7

合計

929,036

108.9

 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対応する割合は、販売実績が総販売実績の100分の10以上の相手が無いため記載を省略しております。

3 当連結会計年度において、「ヒューマンライフ」を新設したため、報告セグメントの分類に一部変更があります。前年同期比は、当該変更を反映した前連結会計年度の数値に基づき算定しております。

 

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当連結会計年度(以下「当期」という。)は、売上収益は前連結会計年度(以下「前期」という。)と比べて8.9%増の929,036百万円となりました。これは基盤機能材料、プリント回路等の売上収益が増加したこと等によるものです。

売上原価は、前期比7.4%増の591,592百万円となりました。売上収益に対する売上原価の比率は、前期比0.9ポイント減の63.7%となりました。

販売費及び一般管理費は、前期比12.2%増の145,436百万円となりました。売上収益に対する販売費及び一般管理費の比率は、前期比0.5ポイント増の15.7%となりました。研究開発費は、前期比7.8%増の40,175百万円となりました。売上収益に対する研究開発費の比率は、前期より0.1ポイント減少し4.3%となりました。

以上の結果、営業利益は前期比11.3%増の147,173百万円となりました。

税引前当期利益は前期比10.9%増の146,840百万円となりました。

法人所得税費用は、前期の35,143百万円から、当期は37,576百万円となり、税効果会計適用後の法人税等の負担率は25.6%(前期は26.5%)となりました。

親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比12.4%増の109,173百万円となりました。基本的1株当たり当期利益は、前期比12.6%増の738円77銭となりました。

 

なお、経営成績の概況及びセグメント別の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、変化の激しい事業環境下においても継続的に企業価値を向上させていくために、資金の使途を①設備投資、②配当、③M&A、④自社株買いと順位付けし、経営の目安としています。

 当社グループの資金の源泉は、主として自己資金であり、トレジャリーマネジメントシステムを活用し、グループ内資金をタイムリーに漏れなく把握するとともに、各エリアに設置した資金統括拠点へ配当やキャッシュ・プーリングを活用して集約し、資金効率の向上に努めています。

 なお、当連結会計年度末の連結借入金総額は前連結会計年度末に比べ31百万円増加し、272百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は329,966百万円となっております。

 

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針の要約 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。