E00829 Japan GAAP
前期
367.4億 円
前期比
107.7%
株価
874 (04/23)
発行済株式数
20,688,425
EPS(実績)
71.63 円
PER(実績)
12.20 倍
前期
547.0万 円
前期比
103.6%
平均年齢(勤続年数)
42.3歳(19.2年)
従業員数
753人(連結:968人)
当社グループは、フクビ化学工業株式会社(当社)及び子会社8社及び関連会社1社により構成されており、事業は合成樹脂製品、無機化合物等の製造加工及び販売を主に行っているほか、建設工事設計施工の事業を営んでおります。事業内容と当社及び関係会社の当該事業にかかる位置付け及び事業の種類別セグメントとの関連は次のとおりであります。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社グループでは、第6次中期経営計画「FUKUVI NEXT」(2020年度~2022年度)で掲げた3つの基本方針に基づき取り組んでまいりました。
・成長分野への積極展開
主力の建築資材分野では、戦略的に攻める製品や分野を定めて顧客に価値を訴求する販売活動を強化しました。中でも環境配慮型商品ブランド「Fukuvalue」のラインナップである人工木材『プラスッド』は、大型案件の販売強化が受注に繋がりました。また新たに「東京の木多摩産材」を使用した人工木材『プラスッド−TM』をブランドに加え、2022年12月より販売開始しました。
米国においては、『Victory Bear』ブランドを中心とした高付加価値製品分野への転換を推進し、ベトナム及びタイでは建材ビジネス基盤の構築に向けて現地ローカル代理店との販売強化に取り組みました。新事業分野では、まちづくり事業を推進すべく屋外空間向けブランド『ファンダライン』の認知度拡大に向けた展示会出展やアイテム拡充に取り組みました。
・収益構造の改革推進による利益の創造
原材料、エネルギー価格が高騰するなか、価格改定や販管費や原価低減活動に取り組みました。物流費関連においては、費用の見える化や運送方法の改善検討を全社横断で取り組んだ結果、計画を上回る成果につなげることができました。また、事業ポートフォリオ再構築の観点から、建材事業本部、CSE事業本部各々で注力分野への積極展開や不採算分野の見直しに継続的に取り組んでいます。
・挑戦と変革を実現する経営基盤の確立
基幹システム(ERP)と管理会計システムの導入のプロセスを通じて、収益構造の改革や、業務の効率化などに継続して取り組んでいます。また、人事面では、挑戦を後押しする仕組みを人事評価制度に取り入れるなどして従業員エンゲージメントのさらなる向上を図っています。また、社会に貢献するSDGsの取り組みでは、自社製品製造過程におけるCO2排出量算定の取り組みに着手しています。
以上により、当連結会計年度の売上高は、395億67百万円と、前期に比べ7.7%の増収となりました。
利益面につきましては、収益性改善に向けた取り組みによる売上高総利益率改善と、経費抑制から、営業利益15億54百万円(前期比22.4%増)、経常利益19億2百万円(同17.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億82百万円(同30.4%増)となりました。
なお、特別利益として退職給付信託資産返還益1億89百万円を計上しています。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
〔建築資材事業〕
建築資材事業では環境配慮型商品ブランド「Fukuvalue」の拡充に注力するとともに、新製品、既存製品問わず新市場に向けた販路の拡大に取り組みました。特に注力製品についてはデジタルマーケティング、ウェブセミナー、展示会を通じて、新たな顧客の開拓と関係強化に努めています。
製品別では、外装建材において樹脂製瓦桟『エコランバー』、住宅用防水部材『ウェザータイト』などが堅調に推移し、55億93百万円(前期比6.1%増)となりました。
内装建材においては、行政などの宿泊施設支援施策が後押しとなり、浴室用パネル『バスパネル』が好調に推移し、また、断熱材分野では、高性能断熱材『フェノバボード』、リフォーム用断熱材『フクフォーム』が順調な伸びを示した結果、127億44百万円(同8.8%増)となりました。
床関連材においては、床支持具『プラ木レン』、樹脂系床仕上材などが好調に推移し、79億77百万円(同6.7%増)となりました。
システム建材においては、防蟻関連商材は伸び悩みましたが、一方で人工木材『プラスッド』が好調に推移し、40億66百万円(同8.2%増)となりました。
以上より、建築資材事業の売上高は、303億79百万円(前期比7.7%増)となりました。
〔産業資材事業〕
産業資材事業の売上は、91億88百万円(同7.8%増)で、売上高全体の23.2%を占めました。
住宅設備部材では、リフォーム需要の伸びと価格改定前の需要増により堅調に推移し、物流施設や倉庫・工場向け製品においては、フォークリフトの壁面衝突を防ぐ視認材『樹脂製フォークガード』が伸長しました。
乗用車の車載向け精密化工品は、半導体不足や中国市場経済の停滞による影響から、受注は弱含みで推移しました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前期と比べ2億16百万円(前期末比1.8%)減少し、121億19百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びその主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益21億10百万円、減価償却費12億90百万円、および仕入債務の増加額2億87百万円などの収入に対し、売上債権の増加額10億25百万円、法人税等の支払額5億46百万円、および棚卸資産の増加額3億13百万円などの支出より、合計17億83百万円のプラスとなり、前期比では2億72百万円減少しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、機械設備等の有形固定資産の取得による支出8億92百万円に対し、投資有価証券の売却による収入87百万円などにより、合計9億8百万円のマイナスとなり、前期比では1億55百万円減少しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額3億89百万円、自己株式の取得による支出3億51百万円、およびリース債務の返済による支出2億79百万円などの支出により、合計11億91百万円のマイナスとなり、前期比では5億60百万円減少しました。
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製商品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製商品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「① 経営成績の概況」におけるセグメント業績に関連付けて示しております。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(資産)
総資産は前連結会計年度末に比べ13億82百万円(前期末比2.8%)増加し、507億60百万円となりました。主な増減要因としましては、流動資産では、現金及び預金が2億16百万円減少した一方で、電子記録債権が9億64百万円増加したことや、棚卸資産が3億43百万円増加したことなどにより、11億80百万円(同3.5%)の増加となりました。固定資産では、有形固定資産が2億57百万円減少した一方で、無形固定資産が2億40百万円増加、また投資その他の資産が2億19百万円増加したことなどにより、2億2百万円(同1.3%)の増加となりました。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ3億81百万円(前期末比2.4%)増加し、165億5百万円となりました。主な増減要因としましては、流動負債では、未払金が1億34百万円減少した一方で、支払手形及び買掛金が3億9百万円増加したことや、賞与引当金が86百万円増加したことなどにより、2億61百万円(同1.8%)の増加となりました。固定負債では、借入金が34百万円減少した一方で、リース債務が1億8百万円増加、また繰延税金負債が37百万円増加するなど、1億20百万円(同7.6%)の増加となりました。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べ10億1百万円(前期末比3.0%)増加し、342億54百万円となりました。主な増減要因としましては、退職給付に係る調整累計額が1億73百万円減少した一方で、利益剰余金が10億93百万円増加しました。株主資本合計は316億48百万円となり、この結果、自己資本は335億21百万円、自己資本比率は66.0%となりました。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り及び予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性がある主な見積りとして、以下の会計処理があります。
(棚卸資産の評価)
当社グループは、棚卸資産を取得原価で測定しておりますが、塩ビ・オレフィン等の汎用プラスチック樹脂を主原料としており、これらの原材料価格の変動を、適時に生産技術の向上により吸収できない場合、あるいは製品価格に転嫁できない場合や、市場環境の悪化により市場価格の下落が生じ、その結果として正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額で測定し、取得原価との差額を当期の費用として処理しております。また、棚卸資産の種類ごとに期間を定め、当該期間に出荷や使用がない場合等、営業循環過程から外れて滞留する棚卸資産については、将来の需要や市場動向を反映して正味売却価額等を算定しております。市場環境が予測より悪化して正味売却価額が著しく下落した場合には、簿価切下げが必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、国内外において取引先のニーズに応えるため継続的な設備投資を行っておりますが、生産設備の稼働率が当初予定していた生産計画を大幅に下回り、投資額の回収が困難となる可能性があります。その結果として固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は395億67百万円と、前期に比べ7.7%の増収となりました。
利益面につきましては、収益性改善に向けた取り組みによる売上高総利益率改善と、経費抑制から、営業利益15億54百万円(前期比22.4%増)、経常利益19億2百万円(同17.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億82百万円(同30.4%増)となりました。
なお、特別利益として退職給付信託資産返還益1億89百万円を計上しています。
当グループが主要マーケットとする住宅業界は、原材料高騰を背景とした建築価格上昇が消費マインドに与える影響などを要因として、今後も新設住宅着工戸数の伸びは弱含むと予想されます。一方で、環境に配慮した住宅の市場は成長が見込まれ、また、非住宅、リフォーム分野でも伸長の余地があることから、顧客の求めるニーズに真摯に耳を傾けて新たな市場を創造する必要があると考えています。
2023年度より新たにスタートする第7次中期経営計画における3つの基本戦略「循環型ビジネス拡大」「強靭な収益基盤の構築」「成長を後押しする組織作り」を積極的に推し進めてまいります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大防止と経済活動の両立が図られ、緩やかに回復が進む展開となりました。しかしながら、ウクライナ情勢等の不透明感や急激な円安の進行から、エネルギーコストや原材料価格の高騰による物価上昇の家計への影響、供給面での制約等に注意が必要な状況で推移しました。
住宅業界においては、材料高による建築費の上昇や建築資材の供給不足等の影響もあり、令和4年度の新設住宅着工戸数は、戸数861千戸(前年比0.6%減)、床面積68,651千㎡(同3.5%減)となりました。
〔新設住宅着工の推移〕
(出典:国土交通省)
当社グループは、円滑な営業活動のための流動的な資金確保と長期的かつ安定的な資金調達を基本とし、資本効率にも考慮したうえで、運転資金および設備投資資金については、自己資金又は金融機関からの借入による調達を行っております。また、事業展開等に伴う資金需要に機動的に対応するため、十分な現金及び現金同等物を保有しております。
(単位:百万円)
(注)( )内は期末休日要因を除いた実質ベースの金額であります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、17億83百万円のプラスとなりました。前期比では2億72百万円減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、機械設備等の有形固定資産の取得による支出8億92百万円などにより、9億8百万円のマイナスとなり、前期比では1億55百万円減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額などにより11億91百万円のマイナスとなり、前期比では5億60百万円減少しました。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、121億19百万円となり、前期比では2億16百万円(前期末比1.8%)減少しました。現金及び現金同等物の自己資本に対する比率は、36.2%(同1.7%減)となりました。
また、フリーキャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、前期末比4億28百万円減少し、8億75百万円となりました。インタレスト・カバレッジ・レシオは790.2(同79.4増)となりました。
当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
当連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純利益14億82百万円を計上したことなどにより、株主資本合計は316億48百万円(前期末比2.5%増)となりました。この結果、自己資本は335億21百万円(同2.8%増)となり、自己資本比率は66.0%(前期比0.0%増)となりました。なお、時価ベースの自己資本比率は23.3%(同1.5%減)であります。