E00829 Japan GAAP
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進み、雇用・所得環境が改善するなど緩やかな景気の回復がみられました。一方、海外景気の下振れリスクや物価上昇の影響などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。
住宅業界におきましては、材料高騰、建築費の上昇、職人不足などの影響により、令和5年4月~12月の新設住宅着工は、戸数618千戸(前年同期比6.3%減)、床面積48,333千㎡(同8.5%減)となりました。
このような環境のもと当社グループでは事業別に重点分野を定めて拡販活動を推進しています。
建築資材事業では、新築、リフォーム問わず求められる高断熱化に注力し、高性能フェノール断熱材『フェノバボード』が大幅に伸長しました。また、省力化・高耐久に注力した製品群も好調で、食品工場、クリーンルームなどに最適な窯業系不燃R巾木 『ソリッドライン』、浴室開口枠額縁『UB枠』などが伸長しましたが、大幅な着工減、職人不足による完工遅延が影響し売上は弱含みしました。
産業資材事業では、経済産業省・環境省の「先進的窓リノベ事業」による窓枠関連分野の相手先ブランド製品の伸びが一段落しましたが、マイクロバスや観光バス向けの部材の需要は好調に推移しました。また、精密化工分野では、自動車業界の景況感は改善してきていますが、一部EV車の伸び悩みが影響し、非車載では医療分野関連など改善がみられるものの総じて車載・非車載ともに弱含みで推移しました。
海外事業においては、米国、タイ、ベトナムの3現地法人ともに自社ブランド品が伸び悩みましたが、本部の新規海外取引が伸長し、総じて売上は堅調に推移しました。
以上により、当第3四半期連結累計期間の売上高は302億99百万円と、前年同期に比べ1.5%の増収となりました。利益面につきましては、営業利益14億90百万円(前年同期比21.1%増)、経常利益17億56百万円(同16.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益14億23百万円(同30.0%増)となりました。
なお、特別利益として退職給付信託返還益2億64百万円を計上しています。
事業別の売上状況は、以下のとおりであります。
〔建築資材事業〕
建築資材事業では環境配慮型商品ブランド「Fukuvalue」の拡充に注力するとともに、新製品、既存製品問わず新市場に向けた販路の拡大に取り組みました。特に注力製品についてはデジタルマーケティング、ウェブセミナー、展示会を通じて、新たな顧客の開拓と関係強化に努めています。
製品別では、外装建材において樹脂製瓦桟『エコランバー』が堅調に推移した一方で、住宅用防水部材『ウェザータイト』や換気部材が伸び悩み、39億59百万円(同9.6%減)となりました。
内装建材においては、内装下地材や見切部材が低調に推移しましたが、樹脂開口枠や高性能断熱材『フェノバボード』が順調な伸びを示し、98億74百万円(同3.6%増)となりました。
床関連材においては、機能束や床支持具が伸び悩みましたが、樹脂系床仕上材、乾式遮音二重床システム部材などが好調に推移し、59億97百万円(同0.9%増)となりました。
システム建材においては、リフォーム用システム建材が堅調に推移した一方で、防蟻関連材や環境配慮型人工木材である再生木『プラスッド』が伸び悩み、28億73百万円(同3.4%減)となりました。
こうした結果、建築資材事業の売上高は、227億2百万円(同0.5%減)となりました。
〔産業資材事業〕
産業資材事業の売上は、75億97百万円(同8.1%増)で、売上高全体の25.1%を占めました。
機器部材および精密化工品が伸び悩みましたが、窓枠部材および車輛部材は好調に推移いたしました。また、昨年発売した『樹脂製フォークガード』が堅調で売上増加に貢献しました。
② 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ15億33百万円(前期末比3.0%)増加し、522億92百万円となりました。主な増減要因としましては、流動資産では、現金及び預金が16億16百万円減少した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が11億78百万円増加したことや、電子記録債権が8億20百万円増加したこと等により、30百万円(同0.1%)の増加となりました。これらは主として当第3四半期連結会計期間末日が金融機関の休日であった影響によるものです。固定資産では、退職給付に係る資産が6億99百万円減少した一方で、投資有価証券が19億3百万円増加、また主にERP導入に伴い無形固定資産のリース資産が2億80百万円増加する等、15億3百万円(同9.4%)の増加となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ1億83百万円(前期末比1.1%)減少し、163億22百万円となりました。主な増減要因としましては、流動負債では未払費用が1億34百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が7億25百万円減少、また未払法人税等が3億18百万円減少したこと等により、8億72百万円(同5.9%)の減少となりました。固定負債では、繰延税金負債が4億79百万円増加、またリース債務が2億27百万円増加する等、6億89百万円(同40.5%)の増加となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ17億16百万円(前期末比5.0%)増加し、359億70百万円となりました。利益剰余金が8億51百万円増加したことや、その他有価証券評価差額金が7億45百万円増加したこと等によるものです。この結果、株主資本合計は325億34百万円、自己資本は351億36百万円となり、自己資本比率は67.2%となりました。
(単位:百万円)
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の総額は、834百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において研究開発活動の状況に重要な変更はありません。