E00995 Japan GAAP
前期
885.1億 円
前期比
107.6%
株価
413 (03/28)
発行済株式数
60,129,249
EPS(実績)
42.61 円
PER(実績)
9.69 倍
前期
555.3万 円
前期比
101.2%
平均年齢(勤続年数)
42.2歳(16.7年)
従業員数
882人(連結:1,856人)
当社グループは、当社、子会社16社及び関連会社1社の計18社により構成されており、主に内装材を中心としたインテリア製品の製造を行う「プロダクト事業」と、主にインテリア関連商材の仕入販売及び内装工事等を行う「インテリア卸及び工事事業」の2事業を行っております。
当社及び関係会社の位置付け並びにセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、事業の種類はセグメントと同一の区分であります。
《プロダクト事業》
当社及び関係会社11社の計12社により、インテリア製品の製造とその他関連事業を行っております。
当社統括の下、当社、広化東リフロア㈱及び江蘇長隆装飾材料科技有限公司においてビニル床タイルやビニル床シート等の塩ビ床材製品を、滋賀東リ㈱及び岐阜東リ㈱においてカーペット等を、山天東リ㈱において壁装材をそれぞれ製造しております。また、その他関連する事業として、㈱東リインテリア企画等においてカーテンの企画及び縫製を、東リオフロケ㈱においてタイルカーペットの洗浄を中心とした内装材のメンテナンスを行っております。東リ物流㈱は、当社グループの製商品の在庫管理と配送業務を行っております。
《インテリア卸及び工事事業》
関係会社6社により、インテリア関連商材の仕入販売及び内装工事等を行っております。
リック㈱、㈱キロニー及び北海道東リ㈱は、主にインテリア関連商材の仕入販売を行い、㈱テクノカメイは主に内装工事を行っております。また、東璃(上海)貿易有限公司は、中国において当社ブランド製品の仕入販売を行っております。
以上に述べた、グループ各社の主な役割と取引関係は、下図のとおりであります。
※画像省略しています。
(注)東リオフロケ㈱は2023年4月1日付で東リインテリアサービス㈱に商号変更しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍での行動制限が徐々に緩和され、日常生活の正常化に向けた動きと共に個人消費や訪日外国人の数は回復傾向となり、緩やかながらも経済活動は持ち直しつつあります。一方で、地政学リスクの高まりによるサプライチェーンの混乱や物価上昇によるインフレ、さらにはエネルギーコストの上昇も加わり、先行き不透明な経営環境が続いております。
当社グループの事業と関連性の深い建設業界では、各種建設資材の高騰による建設コストの上昇が続いており、年度前半は堅調であった住宅・非住宅市場は、足元ではやや伸び悩んでおります。一方、都市圏における大型再開発案件の進行やインバウンド需要の回復を背景とした店舗・宿泊施設の新築・リニューアル市場など、今後の回復が期待される側面も出てまいりました。
このような状況の下、当社グループは長期ビジョン<TOLI VISION 2030>の実現に向けた第Ⅰフェーズとなる中期経営計画『SHINKA Plus ONE』において、コア事業の強化と伸びしろ事業の拡大を中心とする重点戦略を推進しております。当期においては、原材料コストの上昇に対応すべく、タイルカーペット用ナイロン原糸の内製化やリサイクル原材料使用比率の向上をはじめとした製造原価低減に注力すると共に、5月の第2次、9月には第3次となる販売価格改定の浸透を図り、収益改善に努めました。
尚、足元の経営環境は大きく変化しており、特に、『SHINKA Plus ONE』の柱となる重要設備投資計画が概ね1年程度遅れた状態で進行していることを鑑み、中期3ヶ年における各戦略のタイムスケジュールを見直し、『SHINKA Plus ONE』の期間設定を修正(3ヶ年→4ヶ年)いたしました。合わせて最終年度経営指標を上方修正し、さらなる成長に向けた重点戦略を着実に実行してまいります。
これらの結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高95,230百万円(前期比7.6%増)、営業利益3,531百万円(前期比302.2%増)、経常利益3,640百万円(前期比192.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,562百万円(前期比255.8%増)となりました。
<プロダクト事業>
プロダクト事業におきましては、当該年度発売の新商品を中心としたプロモーション活動の強化を図り、合わせて5月以降の販売価格改定に注力したことにより、売上高は伸長しました。利益面では、様々な製造原価低減への取り組みと販売価格改定の浸透により収益改善は進みましたが、依然として原材料価格は高止まりを続けており、予断を許さない状況が続いております。
ビニル系床材では、主力商品のビニル床タイル「ロイヤルシリーズ」や当社独自の技術を活かした単層ビニル床タイルを収録した「タイルコレクション」を中心に販促活動に注力した結果、ビニル系床材の売上高は前年を大幅に上回りました。また、4月に発売した新・第3の床材「タフテックタイル」がビニル床タイルの進化系として評価され、2022年度グッドデザイン賞を受賞し、今後の市場浸透への期待が高まっております。
カーペットでは、環境対応ニーズの高まるオフィス市場に向けて、使用済みタイルカーペットを100%原材料へと還元する「TOLI完全循環型リサイクルシステム」の推進強化を図り、6月に発売した環境配慮型タイルカーペット「GA-3600 サスティブバック」の販促活動に注力いたしました。住宅・非住宅向けタイルカーペット全体の販売数量は弱含みで推移しましたが、販売価格改定効果により売上高は前年を上回りました。
壁装材では、当該年度発売の汎用タイプビニル壁紙「VS」並びに不燃化粧仕上げ材「リアルデコ」の販促活動に注力したことに加え、住宅小口市場への販売価格改定が浸透したことにより、壁装材の売上高は前年を大幅に上回る結果となりました。カーテンでは、10月に発売した医療・教育施設向け「コントラクトカーテン」について、回復基調にある医療福祉市場に向けた販促活動を強化しましたが、カーテン全体の売上高は前年を若干下回る結果となりました。
これらの結果、プロダクト事業では、売上高は57,971百万円(前期比10.3%増)、セグメント利益は2,344百万円(前期比334.8%増)となりました。
<インテリア卸及び工事事業>
インテリア卸及び工事事業では、インテリア関連商材の仕入れコストの上昇が続く中、販売価格への転嫁に加え、地域に密着したきめ細かいサービスの向上に努めたことにより、国内では増収増益となりました。また、東璃(上海)貿易有限公司では、中国国内のゼロコロナ政策の終了に伴い、10月以降の売上高は回復傾向となり、同社の当期累計期間売上高(2022年1月~12月)は前年を上回る結果となりました。
これらの結果、インテリア卸及び工事事業の売上高は62,490百万円(前期比5.7%増)、セグメント利益は1,487百万円(前期比69.7%増)となりました。
(注)セグメントの業績は、セグメント間の取引を含めて表示しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前期末に比べ601百万円減少し、9,587百万円(前期末 10,189百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,599百万円の収入(前期 4,962百万円の収入)となりました。これは主に、売上債権及び棚卸資産の増減額の減少等により、前期に比べ収入が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,275百万円の支出(前期 4,016百万円の支出)となりました。これは主に、前期に関係会社出資金の払込による支出等があったことにより、前期に比べ支出が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、934百万円の支出(前期 1,060百万円の支出)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が前期に比べ減少したことにより、支出が減少したことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前期増減率(%) |
プロダクト事業 |
48,001 |
13.8 |
インテリア卸及び工事事業 |
- |
- |
合計 |
48,001 |
13.8 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前期増減率(%) |
プロダクト事業 |
6,504 |
△1.3 |
インテリア卸及び工事事業 |
54,369 |
5.2 |
内部取引消去 |
△25,120 |
8.9 |
合計 |
35,752 |
1.5 |
(注)1 金額は仕入価格によっております。
2 セグメント間の取引を含めて表示しております。
c.受注実績
各事業は概ね見込生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前期増減率(%) |
プロダクト事業 |
57,971 |
10.3 |
インテリア卸及び工事事業 |
62,490 |
5.7 |
内部取引消去 |
△25,231 |
9.0 |
合計 |
95,230 |
7.6 |
(注)セグメント間の取引を含めて表示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
<資 産>
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ3,837百万円増加し、50,677百万円となりました。これは主に、売上債権、商品及び製品の増加によるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ970百万円増加し、34,113百万円となりました。これは主に、製造子会社の設備投資に伴う機械装置及び運搬具等の増加によるものです。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,808百万円増加し、84,791百万円となりました。
<負 債>
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,373百万円増加し、31,726百万円となりました。これは主に、仕入債務及び未払法人税等の増加によるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べ174百万円減少し、12,169百万円となりました。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,198百万円増加し、43,896百万円となりました。
<純資産>
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,609百万円増加し、40,894百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものです。
b.経営成績の分析
<売上高>
当連結会計年度における売上高は、第1次(2021年7月)と第2次(2022年5月)に実施しました販売価格改定効果が年度を通じて現れたことに加え、第3次(2022年9月)に販売価格改定を実施したことにより、大幅な増収となりました。一方で、各種建設資材の高騰による建設コストの上昇が続いており、建設インテリア市場も低調に推移したことから、販売数量は弱含みで推移いたしました。
<利 益>
利益面につきましては、当社グループの主要な原材料である塩ビ樹脂やナイロン原糸をはじめとする各種原材料価格の高止まりが続いており、また、カーペット用ナイロン原糸を始めとするサプライチェーンの混乱への対応コストも増加しました。販管費では活動再開による活動費の増加や新工場建設に伴う研究開発費の増加等により前年同期を上回りました。そのような中、製造原価低減活動及び販売価格改定の浸透に注力し、大幅な増益となりました。
なお、セグメント別の売上高及びセグメント利益の概況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
<今後の見通し>
今後の見通しにつきましては、国内経済は緩やかな回復が期待される一方、物価上昇による消費者心理の冷え込みや景気の悪化、海外経済の減速など、先行き不透明な状況が続くことが予想されます。
当社グループは経営環境におきましても、足元の原材料価格は高止まりが続いており、さらにエネルギーコストの高騰が収益を圧迫する懸念もあります。
このような中、当社グループは中期経営計画「SHINKA Plus ONE」で掲げる重点戦略を中心とした事業活動を推進し、経済的価値と社会的価値の両立を目指してまいります。特に、滋賀事業所におけるタイルカーペットリサイクルプラントやビニル系床材製造ライン等の大型設備投資による製造原価低減効果の発現に注力するとともに、販売価格改定の維持・浸透に努め、収益改善を図ってまいります。また、国内事業のみならずグローバル事業におきましても現地代理店とのネットワークを強化するなど、中期経営計画「SHINKA Plus ONE」の重点目標指標の達成に向けて、事業活動を加速させてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標は次のとおりであります。
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
自己資本比率 (%) |
46.1 |
49.2 |
47.5 |
47.9 |
時価ベースの自己資本比率 (%) |
20.3 |
19.9 |
16.7 |
19.4 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (年) |
1.7 |
2.1 |
1.8 |
2.5 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ (倍) |
68.4 |
66.2 |
81.5 |
56.5 |
(注) 自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
1. 各指標は、何れも連結ベースの財務数値により計算しております。
2. 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3. 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主要な資金需要は、運転資金及び設備投資資金等であり、これらの資金調達は、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により行っております。また、当社と一部の関係会社は、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を通じて当社グループ企業相互間で余剰・不足資金を融通し、資金の効率化を図っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものはありません。